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*純粋 いやー、困った。 ものすごく困った。 何が困ったってさ、俺、こんなところでちんたらしている余裕はないんだよね。 仮眠を終えたら、さっそく造りかけのオブジェの制作に取り掛かるつもりだったんだ。 それがさ、目を覚ましたらいきなり『殺し合いをしろ』だって? いやー、困った。 おおいに困った。 やべーな、俺が寝ている間になにがあった? もしかして他のマスターたちによる急襲か? でもそれなら旦那が知らせてくれるだろうしなぁ・・・ てか何より、そんな簡単に居場所が気づかれるわけがないって。 てか、そう、旦那はどうした? 俺がこんなところに飛ばされたのは、明らかに魔術の類だろう? 旦那が見逃すはずがないと思うんだよなー。 なんたってキャスターのサーヴァントだしさ。 うーん・・・ あーあ、考えててもラチあかねー。 とりあえず・・・そうだな。オブジェ制作はこっちで引き続き進めればいいか。 何かよさそうな素材もたくさんいるみたいだしさ。 あっちに戻った時のために、創意は磨いておかないと。 じゃあ・・・まずは・・・ ■ 美輪椿姫は、F-8にある廃屋に隠れていた。 支給品のランタンをつけたまま、身動きせずに明かりを見つめる。 (怖いよ・・・誰か・・・) 思い浮かべるのは、学園での友人たち。 さきほど名簿を確認した時、その友人たちの内の何人かが同じように巻き込まれていることに気づいた。 (やだよ、そんなの・・・) 神父は言っていた。生き残れるのは一名だけだと。 つまり、それは、友人たちとも争わなければいけない、ということ。 だがそれを、心やさしい椿姫に出来るわけがない。 いや、そもそも。彼女は戦うことすらしたくなかった。 ゲームに乗ることなどできやしない。 (そうだ・・・呼びかければいいんだ。みんな殺し合いなんか望んでいるはずがないんだから!) ふと、支給品として配られたメガホンの存在を思い出し、彼女は妙案を思い付く。 だれだって、悪い人はいない。進んで殺し合いに乗る人などいないはず。 他人を疑わない彼女だからこそ思いついた妙案。 「よし、善は急げって言うし」 向かうは、なるべく島全体に行きわたるよう、島の中心部に位置する三つの山頂。 地図を見るかぎりでは、一番近いのはE-6にある山頂か。 手早く荷物をまとめ出発しようとし。 「あれ、どこへいくんだい?」 いつのまにかに現れた青年が、少女に声をかけた。 ■ 「へぇ、なるほど。椿姫ちゃんは、これでみんなに呼び掛けると」 「はい。これで皆で仲良く脱出です。そういうわけで龍之介さん、私はこれから北西へと向かいます」 善は急げ。挨拶もそこそこに、椿姫は北西にある山へと急ごうとする。 しかし。 「あー、待て待て。陽が昇ってからにしたほうがいいよ」 来訪者、雨生龍之介は椿姫を押しとどめようとする。 「ちょっと、今は外を出歩かない方がいいよ。危険だ」 「き、危険って」 「ついさっき襲われたんだ。まだうろついているかもしれない」 龍之介の発言に、椿姫は青ざめる。 すぐそこをゲームに乗った殺人鬼が徘徊している。 それは、椿姫を怯えさせるのに十分な事態。 「・・・でも、話し合えばわかってくれるかもしれません」 それでも、怯えながらも、椿姫は前を見る。 人を疑わない。純粋な彼女だからこその発言。 それを聞き、龍之介は肩をすくめながら。 「・・・ずいぶんと甘いね、椿姫ちゃんは」 おどけるような仕草をして、 「ま、おかげで」 いつの間にか取りだしたサバイバルナイフで、 「一つ目、っと」 首を切りつけた。 「・・・え?」 切りつけられた個所から、血が抜けていく。 それと同時に、身体の力も抜けていく。 そんな非常事態だというのに、椿姫は未だに現状を飲み込めていなかった。 (う、そ・・・さっきまで、話して、いたのに・・・) 相手を疑わない。純粋な彼女の、大きな長所。 だがそれは、今この場においては、決定的ともいえる短所だった。 「あー、やべっ……ま、いいか、悪いね。オレのオブジェの一つとなってくれ」 そんな彼女に、まったく悪いとは思っていない口調で謝罪し。 龍之介は、問答無用で目の前の少女にサバイバルナイフを振りかざした。 ■ 「だめだ、創作意欲がわかない」 なんでだろう。せっかく素材を入手したというのに、まったく意欲がわかない。 何故だ? 何故だ? 何故だ? 「・・・素材・・・かねぇ?」 素材かな?素材のせいなのかな? そんなことは無いと思うんだが、うーん・・・ あー、ダメだ。考えていてもラチがあかない。 まったくと言っても良いほど、今は気分が乗ってくれない。 こんなことは今までになかった。 スランプか? スランプなのか? あー、あー、あー。 いいや、気分転換だ。気分転換。 三十分くらい散歩しよう、うん。 【一日目/0時30分頃/F-8】 【雨生龍之介@Fate/Zero】 [状態] 健康 [装備] サバイバルナイフ [所持品]基本支給品、メガホン、閃光弾 [思考・行動] 基本: ゲームを楽しむ 1:気分転換 2:どうやったら旦那のもとへ帰れるかね? 【備考】 ・教会側に事が露呈した辺りからの参戦 &COLOR(red){美輪椿姫@G線上の魔王=死亡} |N0.001:[[ファーストエンカウント]]|[[投下順]]|No.003:[[スローカーブ]]| |No.002:[[教諭として]]|[[時系列順]]|No.003:[[スローカーブ]]| |COLOR(yellow):GAME START|雨龍龍之介|No.025:[[Monsters]]| |COLOR(yellow):GAME START|COLOR(red):美輪椿姫|COLOR(red):GAME OVER| 残り56名
*純粋  いやー、困った。  ものすごく困った。  何が困ったってさ、俺、こんなところでちんたらしている余裕はないんだよね。  仮眠を終えたら、さっそく造りかけのオブジェの制作に取り掛かるつもりだったんだ。  それがさ、目を覚ましたらいきなり『殺し合いをしろ』だって?  いやー、困った。  大いに困った。  やべーな、俺が寝ている間になにがあった?  もしかして他のマスターとやらによる急襲か?  でもそれなら旦那が知らせてくれるだろうしなぁ……  てか何より、俺がいたのは地下水道だぜ。そんな簡単に居場所が気づかれるわけがないって。  てかさ……そうだ、旦那はどうしたんだろ?  俺がこんなところに飛ばされたのは、明らかに伴天連だか魔術だかの類だろう?  旦那が見逃すはずがないと思うんだよなー。  そー言ったのの専門らしいしさ。  うーん……  あーあ、考えててもラチあかねー。  とりあえず……そうだな。制作はこっちで引き続き進めればいいか。  何かよさそうな素材もたくさんいるみたいだしさ。  あっちに戻った時のために、創意は磨いておかないと。  じゃあ……まずは…… ■  美輪椿姫は、F-8にある廃屋に隠れていた。  支給品のランタンをつけたまま、身動きせずに明かりを見つめる。 (怖いよ……誰か……)  思い浮かべるのは、学園での友人たち。  さきほど名簿を確認した時、その友人たちの内の何人かが同じように巻き込まれていることに気づいた。 (やだよ、そんなの……)  神父は言っていた。生き残れるのは一名だけだと。  つまり、それは、友人たちとも争わなければいけない、ということ。  だがそれを、心やさしい椿姫に出来るわけがない。  いや、そもそも。彼女は戦うことすらしたくなかった。  ゲームに乗ることなどできやしない。 (そうだ……呼びかければいいんだ。みんな殺し合いなんか望んでいるはずがないんだから!)  ふと、支給品として配られたメガホンの存在を思い出し、彼女は妙案を思い付く。  だれだって、悪い人はいない。進んで殺し合いに乗る人などいないはず。  他人を疑わない彼女だからこそ思いついた妙案。 「よし、善は急げって言うし」  向かうは、なるべく島全体に行きわたるよう、島の中心部に位置する三つの山頂。  地図を見るかぎりでは、一番近いのはE-6にある山頂か。  手早く荷物をまとめ出発しようとし―――― 「あれ、どこへいくんだい?」  出ようとした矢先。  小屋の入り口には笑みを浮かべた青年がいた。 ■ 「へぇ、なるほど。椿姫ちゃんは、これでみんなに呼び掛けると」 「はい。これで皆で仲良く脱出です。そういうわけで龍之介さん、私はこれから北西へと向かいます」  軽く自己紹介を交わし、椿姫は目的を告げる。  善は急げ。時間が有限である以上、あまり無駄には出来ない。  しかし。 「あー、待て待て。陽が昇ってからにしたほうがいいよ」  来訪者――雨生龍之介――は、大げさな手ぶりと共に椿姫を押しとどめようとする。 「ちょっと、今は外を出歩かない方がいいよ。危険だ」 「危険って?」 「ついさっき襲われたんだ。まだうろついているかもしれない」  龍之介の発言に、椿姫は青ざめる。  すぐそこをゲームに乗った殺人鬼が徘徊している。  それは、椿姫を怯えさせるのに十分な事態である。 「……でも、話し合えばわかってくれるかもしれません」  それでも、怯えながらも、椿姫は前を見る。  人を疑わない。純粋な彼女だからこその発言。  それを聞き、龍之介は肩をすくめながら。 「……それは、すごく良い考えだね」  おどけるような仕草をして、 「ま、おかげで」 いつの間にか取りだしたサバイバルナイフで、 「一つ目、っと」  首を切りつけた。 「……え?」  切りつけられた個所から、血が抜けていく。  それと同時に、身体の力も抜けていく。  そんな非常事態だというのに、椿姫は未だに現状を飲み込めていなかった。 (う、そ……さっきまで、話して、いたのに……)  相手を疑わない。純粋な彼女の、大きな長所。  だがそれは、今この場においては、決定的ともいえる短所だった。 「あー、やべっ……思わず手が……ま、いいか。安心して、君の素材は無駄にはしないからさ」  そんな彼女に、まったく悪いとは思っていない口調で謝罪し。  椿姫が最期に見たのは、屈託のない龍之介の笑顔だった。 ■ 「だめだ、創作意欲がわかない」  なんでだろう。せっかく素材を入手したというのに、全く意欲がわかない。  何故だ?  何故だ?  何故だ? 「……素材……かねぇ?」  素材かな? 素材のせいなのかな?  いや、でも眼球といい耳といい、パーツは一級品だ。そんなことは無いと思うんだが…… 「やっぱりイチコロしちゃったからだよなぁ」  あー、あー、あー。  いいや、気分転換だ。気分転換。  三十分くらい散歩しよう、うん。 【一日目/0時30分頃/F-8】 【雨生龍之介@Fate/Zero】 [状態] 健康 [装備] サバイバルナイフ [所持品]基本支給品、メガホン、閃光弾 [思考・行動] 基本: ゲームを楽しむ 1:気分転換 2:どうやったら旦那のもとへ帰れるかね? 【備考】 ・教会側に事が露呈した辺りからの参戦 &COLOR(red){美輪椿姫@G線上の魔王=死亡} |N0.001:[[ファーストエンカウント]]|[[投下順]]|No.003:[[スローカーブ]]| |No.002:[[教諭として]]|[[時系列順]]|No.003:[[スローカーブ]]| |COLOR(yellow):GAME START|雨龍龍之介|No.025:[[Monsters]]| |COLOR(yellow):GAME START|COLOR(red):美輪椿姫|COLOR(red):GAME OVER| 残り56名

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