「深夜の図書館、少女が二人」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

深夜の図書館、少女が二人」(2016/07/09 (土) 05:25:08) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*深夜の図書館、少女が二人  誰かを守るということは。  誰かを守らないことと同じである。 ■  光はある。だが、人がいない。  おそらくは自動で点灯するように設定されているのだろう。  カーテンの隙間からのぞいた街の景色は、人工の灯りで照らされていた。  溜息を一つ。 「何度も言ったけど、外に出て行くつもりなら止めたほうがいいわ」  声の方へ振り向くと、いつの間にかに同行者が戻ってきていた。  両手には、抱えるほどに積み重ねた本。 「それは?」 「危険物取扱や爆弾について……ま、気休め程度でしょうけどね」  溜息交じりに、少女は抱えていた本を机に置いた。  そのどれもが、爆発物に関する書物。  言うまでもなく、二人の首にぴったりとはまっている首輪に対しての苦肉の策である。 「この程度で解体できる爆弾なら苦労はしないんだけどね」 「でも、調べないよりはマシでしょ」 「ええ」  お互いに溜息交じりの言葉を交わしつつ、しかし手先は澱むことなく。  光が外に漏れないよう、なるべく窓から離れた場所で手分けして本を読む。  分類は、初歩的なモノから専門的なモノまで。  よくもまぁ短時間でここまで持って来れたと、少女はあらぬ方面で感心した。 「……二木さん、手先は器用な方?」 「残念ながらNoよ」 「むぅ……」 「そういう桂さんは?」 「同じく」  まぁ、そう上手く行くわけないか。少女――桂ヒナギクは苦笑交じりに首を振った。  それはそうね、当然でしょうけど。少女――二木佳奈多は呆れたように首を振った。  それっきり。  二人は一時間近く本を読みふける事になる。  自分たちでは手に負えないという結論を出すまで。 ■ 「……ええと、それじゃあ二木さんの知り合いは此方に来てないの?」 「知り合い、と呼べる人はね」 「釈然としない答えね……じゃあ、知っている人は?」 「この……棗恭介って人ね。良くも悪くも学校では有名な人だったから」 「危険性は?」 「分からないわ。知っている仲ではないもの」 「うーん……」  出会ってから既に一時間以上。  場所は変わらず。  自己紹介以外の情報交換を、漸く二人は交わしていた。 「こっちで頼りになりそうなのは、この綾崎ハヤテって人とマリアさん。同姓同名の別人の可能性は除外してね」 「コレの対処法は心得ていそう?」 「……原理さえ分かれば出来なくはないと思うわ」 「……本当に、同世代?」  訝しげな言葉に、苦笑いしながらヒナギクは頷いた。  あの二人のスペックには、正直大概にしろと言いたくなるところがある。 「まぁ、そうそう簡単に殺されてしまうような二人じゃないから大丈夫と思うけど……問題はこの子」 「三千院ナギ?」 「頭はいいんだけど、まだ子供だから……」  ああ、と。その言葉に佳奈多は頷いた。  思えば、あの広間には大人だっていた。  何も同世代ばかりが集められているわけではないのだ。 「酷なようだけど、探しに出かけるなんて真似はよした方がいいわ」 「……ええ、分かっている」  飛んだ塊を覚えている。  噴き出た液体を覚えている。  まだ、あのようにはなりたくない。  不謹慎ではあれど、そうヒナギクは強く思っていた。 「……本当に、感心するくらい良くできた胸糞悪いゲームよ、これ」 【一日目/1時30分/G-3 図書館内】 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本:ゲームに乗るつもりは無い 1:図書館にて籠城 【備考】 ・参戦時期は未定 ■  幸いに、大切な人は此処にはいない。  でもそれは、大切なあの子は一人であちらに居る事になる。  何かあったら、文字通り一人で生きていくことになる。  今この島にいるのは、知人と呼べる人物が一人。知っていると言えなくもない人物が一人。計二人    ――まだ…… 【一日目/1時30分/G-3 図書館内】 【二木佳奈多@リトルバスターズ! エクスタシー】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本:? 1:図書館にて籠城 【備考】 ・クドリャフカと同室になった後からの参戦 |No.015:[[少年――音無伊御の驚愕]]|[[投下順]]|No.017:[[真夜中の邂逅、少女と少女とサーヴァント]]| |No.027:[[魔術師たちの夜]]|[[時系列順]]|No.031:[[前途多難]]| |COLOR(yellow):GAME START|桂ヒナギク|| |COLOR(yellow):GAME START|二木佳奈多||
*深夜の図書館、少女が二人  誰かを守るということは。  誰かを守らないことと同じである。 ■  光はある。だが、人がいない。  おそらくは自動で点灯するように設定されているのだろう。  カーテンの隙間からのぞいた街の景色は、人工の灯りで照らされていた。  溜息を一つ。 「何度も言ったけど、外に出て行くつもりなら止めたほうがいいわ」  声の方へ振り向くと、いつの間にかに同行者が戻ってきていた。  両手には、抱えるほどに積み重ねた本。 「それは?」 「危険物取扱や爆弾について……ま、気休め程度でしょうけどね」  溜息交じりに、少女は抱えていた本を机に置いた。  そのどれもが、爆発物に関する書物。  言うまでもなく、二人の首にぴったりとはまっている首輪に対しての苦肉の策である。 「この程度で解体できる爆弾なら苦労はしないんだけどね」 「でも、調べないよりはマシでしょ」 「ええ」  お互いに溜息交じりの言葉を交わしつつ、しかし手先は澱むことなく。  光が外に漏れないよう、なるべく窓から離れた場所で手分けして本を読む。  分類は、初歩的なモノから専門的なモノまで。  よくもまぁ短時間でここまで持って来れたと、少女はあらぬ方面で感心した。 「……二木さん、手先は器用な方?」 「残念ながらNoよ」 「むぅ……」 「そういう桂さんは?」 「同じく」  まぁ、そう上手く行くわけないか。少女――桂ヒナギクは苦笑交じりに首を振った。  それはそうね、当然でしょうけど。少女――二木佳奈多は呆れたように首を振った。  それっきり。  二人は一時間近く本を読みふける事になる。  自分たちでは手に負えないという結論を出すまで。 ■ 「……ええと、それじゃあ二木さんの知り合いは此方に来てないの?」 「知り合い、と呼べる人はね」 「釈然としない答えね……じゃあ、知っている人は?」 「この……棗恭介って人ね。良くも悪くも学校では有名な人だったから」 「危険性は?」 「分からないわ。知っている仲ではないもの」 「うーん……」  出会ってから既に一時間以上。  場所は変わらず。  自己紹介以外の情報交換を、漸く二人は交わしていた。 「こっちで頼りになりそうなのは、この綾崎ハヤテって人とマリアさん。同姓同名の別人の可能性は除外してね」 「コレの対処法は心得ていそう?」 「……原理さえ分かれば出来なくはないと思うわ」 「……本当に、同世代?」  訝しげな言葉に、苦笑いしながらヒナギクは頷いた。  あの二人のスペックには、正直大概にしろと言いたくなるところがある。 「まぁ、そうそう簡単に殺されてしまうような二人じゃないから大丈夫と思うけど……問題はこの子」 「三千院ナギ?」 「頭はいいんだけど、まだ子供だから……」  ああ、と。その言葉に佳奈多は頷いた。  思えば、あの広間には大人だっていた。  何も同世代ばかりが集められているわけではないのだ。 「酷なようだけど、探しに出かけるなんて真似はよした方がいいわ」 「……ええ、分かっている」  飛んだ塊を覚えている。  噴き出た液体を覚えている。  まだ、あのようにはなりたくない。  不謹慎ではあれど、そうヒナギクは強く思っていた。 「……本当に、感心するくらい良くできた胸糞悪いゲームよ、これ」 【一日目/1時30分/G-3 図書館内】 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本:ゲームに乗るつもりは無い 1:図書館にて籠城 【備考】 ・参戦時期は未定 ■  幸いに、大切な人は此処にはいない。  でもそれは、大切なあの子は一人であちらに居る事になる。  何かあったら、文字通り一人で生きていくことになる。  今この島にいるのは、知人と呼べる人物が一人。知っていると言えなくもない人物が一人。計二人    ――まだ…… 【一日目/1時30分/G-3 図書館内】 【二木佳奈多@リトルバスターズ! エクスタシー】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本:? 1:図書館にて籠城 【備考】 ・クドリャフカと同室になった後からの参戦 |No.015:[[少年――音無伊御の驚愕]]|[[投下順]]|No.017:[[真夜中の邂逅、少女と少女とサーヴァント]]| |No.036:[[綾崎ハヤテの焦燥]]|[[時系列順]]|No.031:[[前途多難]]| |COLOR(yellow):GAME START|桂ヒナギク|| |COLOR(yellow):GAME START|二木佳奈多||

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: