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 もしも、姉妹が離れ離れにならなかったら。
 もしも、遠坂時臣が弟子の裏切りから生き永らえていたら。
 もしも、言峰綺礼と対峙したのが一人ではなかったら。
 もしも、赤毛の少年を育てた人物が衛宮切嗣ではなかったら。



 そんな、いくつもの『もしも』が重なった、どこかの平行世界のお話。










■ 遠坂さん家の聖杯戦争 ■










「じゃあ、私から召喚するから。貴方達は、隅っこの方で待っていなさい」
「はいよ。うっかりを起こすなよ」
「兄さんに同じく」
「……黙りなさい、気が散るでしょう?」
「「了解です」」
「まったくもう……素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

「……」
「……」

「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」

「……なぁ、桜」

「――――Anfang」

「どうしましたか、兄さん?」

「――――――告げる」

「いや、今って……ほら」
「……午前、一時? あれ、でも、家の時計は……」

「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

「私の腕時計も午前一時……」
「……なんだろう、ものすごく嫌な予感しかしないんだが」
「ど、同感です」

「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――!」

「っ!?」
「ふぇ!?」










「サーヴァントが三体。しかもラインが混在……」
「うっかりだな」
「うっかりですね」
「……で、誰がどのクラス?」
「スルーしたな」
「スルーしましたね」
「アンタたちは黙っていなさい!」
「短気は損気」
「姉さん、家訓」
「あああああああああああああああああああ!!!」

 ワ、バカ、コンナトコロデ……
 ネエサン、オチツイテ……
 アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 ドドドドドドドドドド!!!

「……」
「……」
「……猛烈に不安です」
「奇遇ですね。同じことを思いました」
「……」










「へぇ、サーヴァントが三体も固まって行動しているなんて、珍しいこともあるのね」
「そういうそっちはずいぶんと余裕そうね?一体で勝てるとでも」
「ふふっ、私のバーサーカーは最強だもの。そこらの有象無象程度に負けやしないわ」
「言ってくれるじゃない。……行きなさい、セイバー。がつんと懲らしめてあげて」
「いや、凛のサーヴァントはアーチャーだろ」
「そうですよ、アーチャーさんに失礼ですよ」
「うるさい!空気読みなさい!」

 ぎゃーぎゃー、わーわー



「……帰りましょ、バーサーカー」










「なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」
「士郎と桜がいるから十分よ。じゃ」



「なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」
「いえ、私には兄さんと姉さんがいますから。それでは」



「……なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」
「いや、勝手に組むと凛と桜が怒るんだ。悪いな、慎二」

「……ちくしょおおおおおおおおお!!!」










「ルールブレイカー!」
「なっ、契約が……」
「ふふふ、この宝具の能力は見てのとおりよ。
さぁ、セイバー。私と契や「フィーッシュ!!!」っ!?」
「ナイス、アーチャー!ふふふ、これで……」
「いや、真名解放出来なきゃ無理じゃないか?」
「あ……」
「まぁ、それ以前に色々と言いたいことはあるが……」
「醜いですね。恥ずかしいです」

 ……ぶちっ

 アアアアアアアアアアアアアアア!!!
 オ、オチツケ!
 ネエサン、ギャクギレキンシデス!

 ドドドドドドドドドドドドド!!!

「あ、あの、シロウ、契約を……」









「えへへ、お兄ちゃーん」
「っとと、料理中だから危ないぞ、イリヤ」
「んー?大丈夫、大丈夫」
「あー、士郎?色々と訊きたいことが……」
「兄さん?色々と訊きたいことがあるのですが、お時間よろしいでしょうか?」

 ――――ゾクッ

「あ、ああ」
「シ、シロウ?すごい汗だよ!?」
「だ、大丈夫、きっと、大丈夫だから……」

 がちゃっ、ばたん

「……ライダー、もう出てきても大丈夫ですよ」
「……お見苦しいところを見せました」



 マ、マテ、サクラ! ソレハシャレニナラナ……ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!










 どこかの平行世界の、とある魔術一家の物語。
 聖杯戦争中でも、遠坂家は平和です。まる。