俺がまだガキだったある日、すごく上手い絵師と出会ったんだ。
彼は的確な線と多彩な色使いでみるみるうちに絵を仕上げていった。
他にも描いている人はいたが、俺の目は彼の絵に釘づけだった。
俺もそんな絵が描きたい、そう思ったんだ。
でも自分は
マウスしか持っていない
ペンタブさえあれば…そんな思いを胸に俺は彼に話しかけた。
彼はマウスで絵を描く、いわゆるマウサーだったのである。
俺は衝撃を受けた。と、同時に自分がマウスだから下手だと言い訳してきた事が恥ずかしくなった。
俺は更に尋ねた。
「それだけ実力があるのになぜ
マウスなのですか?」
彼は答えた。「僕はPCを使っていて、ここに
マウスがあるからだけど、他に理由がいるかい?」
これは俺の作り話だけど、俺はそういう漢に会いたい。
最終更新:2011年01月26日 05:03