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「受け継がれる龍騎 」(2011/06/08 (水) 20:56:46) の最新版変更点
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**受け継がれる龍騎 ◆1yqnHVqBO6
異常な殺気と宣言の後、影が現れ。
そして放送が終わった。
「急ぐぞ、お前たち」
リュックを担ぎ立ち上がるカントリーマンの顔には
明らかな焦燥が浮かんでいる。
彼らがいるのは民家の一室。
玄関に入ってすぐの階段を登った先。
窓のある部屋に三人はいる。
バトルフィールドにするには向かない場所。
チャンを迎え撃つには向かない場所。
いや、チャンを迎え撃つに適した場所など果たして存在するのかどうか。
「行くのは……どの方角ですか?」
カントリーマンと同じく立ちながら真司は問いかける。
バカである真司にも今がどういう状況かわかるのだろう。
殺気と宣言が聞こえてきたのは北。
異常な闘気が彼らを縛り付けたのもそれと同じ時。
そして、その後の放送の内容。
チャンは間違いなくD-4にいる。
そして奴は移動を始める。
戦いを求めるあの男は人がいるであろう市街地を目指す。
つまり、この殺し合いにおける“JOKER”がこちらに来る確率は四分の一。
「南だ。お前さんだってさすがに割りきれるだろう」
チャンは間違いなく人を殺し続ける。
「けど」
「けどじゃねえぜ城戸よ。
アレは別格だ。アレから逃げるのは何の恥じゃねえ。
むしろ逃げない奴が馬鹿だ」
カントリーマンの言葉に真司は拳を握り締め、俯く。
葛藤が心に渦巻いているのだろう真司に
カントリーマンはほんの少し優しく諭す。
「全部助けられると思うな城戸。
今は芽を育てるのが大事なんだ。
逃げて、同盟を作って。改めて奴を潰す。
それで良いんじゃねえか?」
それを聞いても真司は首を振る。
「違う。違うんだ俺は。
そのチャンって奴も殺したくないんだ。
ソイツに殺される人たちを見殺しにするのも嫌なんだ」
続く言葉。
それは多くの戦士と接してきたカントリーマンすら驚かせる。
「そのチャンって奴とわかりあうことは……できないのかな?」
カントリーマンは確信する。
この男はダメだ。
殺し合いには決定的に向いていない。
城戸真司。
彼もあの闘気に恐怖したはずだ。
身体中を縛り付けられたはずだ。
なのに、それを提案するのか。
凶気に真正面から向き合い、飲み込もうとするのか。
カントリーマンには無理な道だ。
全ての“願い”に向き合い、背負うには。
旅人たちの“願い” は重すぎる。
真司を何とか言いくるめようと
カントリーマンは口を開く。
けれども、喉を通る息は音にはならない。
異常に気づいたのはどちらが先か。
何も言わず、動くことのない朧に気づいたのは。
ただ一人、座ったまま。
涙も流さず虚ろな瞳でBIMを胸に抱く朧の姿。
『甲賀弦之介』
先ほど呼ばれた名前をこの時になってようやく思い出す。
完全な失態だった。
チャンへの恐怖が頭を占めるあまり、気をかけることができなかった。
祈るように胸元に寄せられた手が少し動く。
スイッチは押された。
爆発への未来は定められた。
真っ先に行動に移ったのは真司。
仮面ライダーへと変身し、素早く朧からBIMを奪う。
そして、地面に伏せ、爆発を逃さず全て受け止めようとする。
外に投げると音が周囲を震わせ他の参加者にも聞こえてしまう。
チャンを呼び寄せてしまう。
だから、こうしてこの場で爆発元そのものを覆うのは
良い判断と言える。
まず間違い無く床に穴が開くだろうし、
真司も多少はダメージを負うだろうが。
ほんの少しカントリーマンは安堵する。
朧の心のケアは必要だろう。
最悪、見捨てる必要があるだろう。
そこでまた真司と悶着があるかもしれない。
だが誰も死なずに場を収めることができるだろう。
そう。
思っていたのに。
朧は呆けたような表情でこちらを向く。
真司とカントリーマンを“視る”。
仮面ライダー龍騎を破幻の瞳に映す。
変身が。
解かれる。
城戸真司が仮面ライダーからただの人へと戻ってしまう。
ただの人では爆発を抑えきることは不可能。
カントリーマンは焦る。
爆風は間違いなく真司だけでなく
カントリーマンも包むだろう。
精液ジジイのゾンビを召喚する?
できない。カントリーマンも朧の視界に入っている。
旅人の身体能力で逃げる?
それもできない。破幻の瞳が旅人の想波を鈍くしている。
ここで、終わりか。
そう思ったカントリーマンの前で城戸真司は立ち上がる。
カントリーマンと朧は城戸の顔を視た。
恐怖と悲しみで崩れそうになるのを必死に堪え。
笑みを浮かべるその貌をたしかに視る。
チャンの、影のモノとは違う。
必死な、まっすぐな言葉が二人をうつ。
「生きろ!!」
そう叫び。
城戸真司は体ごと窓にあたる。
破る。二階から落ちて。弾ける。
…………………………………………………………………………………………………………。
あの男だ。
あの男がやったに違いない。
ゼオンと陽炎はそう考えた。
ガッシュはゼオンの心すら溶かす強い心とゼオンを真っ向から打倒する力の持ち主だ。
ヘタな強者に殺られるはずがない。
甲賀弦之介は最強の忍び。
その瞳はまさに魔人の域に達している。
そう易々と殺されるはずがない。
例えゼオンであってもその瞳の魔能から逃れることは敵わないだろう。
あの男だ。
北で高らかに宣戦布告の声を上げたあの男に違いない。
必ず殺す。
仇はとらねばならない。
だが、アレに勝つには手勢が足りない。
最強に届くにはあらゆるモノに頭を下げてでも同盟を作る必要がある。
ある程度の信用を得るには何らかの手土産が必要だ。
それも殺し合いを打倒する者が欲しがるような。
ソレは決まっている。
ならば誰からとるべきか。
陽炎の術にはまだ利用価値がある。
ゼオンはそう結論づけると。
拘束されながらも意識をとりもどした相馬光子にゆっくりと歩み寄る。
それを押しとどめるのは肩に置かれた陽炎の手。
陽炎は横たわる相馬光子の側によると
顎に手をやり、顔を持ち上げる。
「快楽が好きなのじゃろう?」
唇と唇が合わさる。
舌と舌が絡みあい、粘液が音をたてて淫靡な様子を醸す。
そして、女の毒が少女を殺す。
…………………………………………………………………………………………………………。
気絶した朧を背負い、外に出た。
眼に入るのは予想通りの焦げて散らばった肉片。
これではこの肉片がもとは城戸真司という男だったと
知るのは不可能だろう。
爆風と共に散らばっている支給品を拾い上げる。
「これは……」
カントリーマンは眉を上げる。
それは仮面ライダー龍騎のカードデッキ。
「馬鹿野郎」
奇跡的に無事だったそれを握り締め、
カントリーマンはかすれた声で呟く。
城戸真司。
自分の“願い”がわからないと言っていた城戸真司。
けれどもカントリーマンは知っている。
“願い”を追い続けているからこそ共感できた。
闘いを止めたいと言っていたその言葉。
その決意。それはまさしく“願い”だったのだと。
「城戸よぉ」
なのに、こんな場所で死んだ。
殺す者と対峙してではなく。
殺される者を守るためではなく。
死のうとする者を守るために。
殺す者を守るために。
馬鹿だ。愚かだ。
だが“願い”のために闘うのが仮面ライダーだとするのなら。
どこまでも殺し合いを、死を否定しようとしたその様はまさしく――――
「お前も“仮面ライダー”だったんじゃねえか」
カントリーマン。田舎者。
数少ない症例しかない病の研究に身を捧げても決して報われることのなかった男。
どれだけの研究結果を発表しても否定の言葉と僅かな同情しか得ることができなかった。
だから、カントリーマンには殺し合うしか道はない。
医学の壁を壊すため。人の限界を超えるため。
50の命を贄に未来に生きる人と。彼自身を救ってみせる。
それが彼の“願い”。
「おい」
デッキを手に短い間の物思いにふけるカントリーマンの前に
二つの人影が現れた。
電撃で彼らを襲った少年、ゼオン・ベルと
精液ジジイを殺した女、陽炎。
「お前たちが殺し合いを止めようとしているのはわかっている」
見当違いなことをゼオンは言う。
城戸真司の死はカントリーマンの道を変えることはないのだから。
一貫してカントリーマンは人を殺す気なのだから。
ゼオンは物を扱うかのように背負った死体を
カントリーマンの前へ投げる。
それは傷一つない少女の死体だった。
「手土産だ。首輪は必要だろう」
たしかに必要だ。
殺し合いを壊そうとする者へ取り入るための手土産には。
だが。
「提案だ」
ゼオンは北の方へ眼を向ける。
チャンがいるであろう方角へ。
「アレを殺すために手を貸せ」
何故だ。
カントリーマンは心のなかでそう呟く。
何故、お前たちがそんな眼で自分を視る。
まるで、殺し合いを壊そうと奮闘する者を視るような眼で。
「ああ、いいぜ。
だがまずはここから離れて体勢を立てなおさねえとな」
カントリーマンはゼオンの提言を受け入れた。
その背に城戸真司が守った少女の重みを確かに感じながら。
&color(red){【城戸真司@仮面ライダー龍騎 死亡確認】}
&color(red){【相馬光子@バトルロワイアル 死亡確認】}
&color(red){【残り 39名】}
【C-4/1日目/朝】
【カントリーマン@ブレイブ・ストーリー~新説~】
[状態]:健康
[装備]:奇跡の執刀(ハイブリッド・メス)@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、カードデッキ(龍騎)
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×2、首輪(是方昭吾) 、首輪(相馬光子)、
桜田ジュンの裁縫道具セット@ローゼンメイデン
[思考・状況]
基本行動方針:……優勝する。朧の“命”は守りたい?
1:ゼオン達と手を組む。
2:チャンに勝ち得る方策を模索する。
3:薬師寺天膳の体に強い興味。
[備考]
※是方昭吾、相馬光子の死体をアンデッドとして従えました。
※陽炎、相馬光子の武器を毒と判断しました。
【朧@バジリスク~甲賀忍法帖~】
[状態]:気絶
[装備]:鉈@バトルロワイアル
[道具]:基本支給品一式、、BIM(クラッカー型)×5@BTOOOM!
[思考・状況]
基本行動方針:???
1:???
【ゼオン・ベル@金色のガッシュ!!】
[状態]:疲労(小)、心の力消費(中)
[装備]:魔本@金色のガッシュ!!、ゼオンのマント@金色のガッシュ!!
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×2~4(ゼオン、三村(武器ではない))
[思考・状況]
基本行動方針:何としてもガッシュを生きかえらせる
1:チャンを殺す。
2:陽炎やカントリーマン達と手を組む(裏切る行為を見せたら容赦はしない)
[備考]
※自身にかけられた制限をほぼ完璧に把握しました。
※魔界に帰った後からの参加。
【陽炎@バジリスク~甲賀忍法帖~】
[状態]:健康、朧への強い憎悪
[装備]:
[道具]:基本支給品×3、
不明支給品×4~7 (是方0~1、相馬2~3)、レミントンM700@現実
[思考・状況]
基本行動方針:???
1:チャンを殺す。そのためには朧と手を組んでもかまわない
|[[第一放送]]|投下順|[[誇り高く穢れを知らない]]|
|[[第一放送]]|時系列順|[[誇り高く穢れを知らない]]|
|[[絆を結び/憎しみを放つ]]|カントリーマン|[[]]|
|~|城戸真司|&color(red){GAME OVER}|
|~|朧|[[]]|
|~|ゼオン・ベル|[[]]|
|~|相馬光子|&color(red){GAME OVER}|
|~|陽炎|[[]]|
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**受け継がれる龍騎 ◆1yqnHVqBO6
異常な殺気と宣言の後、影が現れ。
そして放送が終わった。
「急ぐぞ、お前たち」
リュックを担ぎ立ち上がるカントリーマンの顔には
明らかな焦燥が浮かんでいる。
彼らがいるのは民家の一室。
玄関に入ってすぐの階段を登った先。
窓のある部屋に三人はいる。
バトルフィールドにするには向かない場所。
チャンを迎え撃つには向かない場所。
いや、チャンを迎え撃つに適した場所など果たして存在するのかどうか。
「行くのは……どの方角ですか?」
カントリーマンと同じく立ちながら真司は問いかける。
バカである真司にも今がどういう状況かわかるのだろう。
殺気と宣言が聞こえてきたのは北。
異常な闘気が彼らを縛り付けたのもそれと同じ時。
そして、その後の放送の内容。
チャンは間違いなくD-4にいる。
そして奴は移動を始める。
戦いを求めるあの男は人がいるであろう市街地を目指す。
つまり、この殺し合いにおける“JOKER”がこちらに来る確率は四分の一。
「南だ。お前さんだってさすがに割りきれるだろう」
チャンは間違いなく人を殺し続ける。
「けど」
「けどじゃねえぜ城戸よ。
アレは別格だ。アレから逃げるのは何の恥じゃねえ。
むしろ逃げない奴が馬鹿だ」
カントリーマンの言葉に真司は拳を握り締め、俯く。
葛藤が心に渦巻いているのだろう真司に
カントリーマンはほんの少し優しく諭す。
「全部助けられると思うな城戸。
今は芽を育てるのが大事なんだ。
逃げて、同盟を作って。改めて奴を潰す。
それで良いんじゃねえか?」
それを聞いても真司は首を振る。
「違う。違うんだ俺は。
そのチャンって奴も殺したくないんだ。
ソイツに殺される人たちを見殺しにするのも嫌なんだ」
続く言葉。
それは多くの戦士と接してきたカントリーマンすら驚かせる。
「そのチャンって奴とわかりあうことは……できないのかな?」
カントリーマンは確信する。
この男はダメだ。
殺し合いには決定的に向いていない。
城戸真司。
彼もあの闘気に恐怖したはずだ。
身体中を縛り付けられたはずだ。
なのに、それを提案するのか。
凶気に真正面から向き合い、飲み込もうとするのか。
カントリーマンには無理な道だ。
全ての“願い”に向き合い、背負うには。
旅人たちの“願い” は重すぎる。
真司を何とか言いくるめようと
カントリーマンは口を開く。
けれども、喉を通る息は音にはならない。
異常に気づいたのはどちらが先か。
何も言わず、動くことのない朧に気づいたのは。
ただ一人、座ったまま。
涙も流さず虚ろな瞳でBIMを胸に抱く朧の姿。
『甲賀弦之介』
先ほど呼ばれた名前をこの時になってようやく思い出す。
完全な失態だった。
チャンへの恐怖が頭を占めるあまり、気をかけることができなかった。
祈るように胸元に寄せられた手が少し動く。
スイッチは押された。
爆発への未来は定められた。
真っ先に行動に移ったのは真司。
仮面ライダーへと変身し、素早く朧からBIMを奪う。
そして、地面に伏せ、爆発を逃さず全て受け止めようとする。
外に投げると音が周囲を震わせ他の参加者にも聞こえてしまう。
チャンを呼び寄せてしまう。
だから、こうしてこの場で爆発元そのものを覆うのは
良い判断と言える。
まず間違い無く床に穴が開くだろうし、
真司も多少はダメージを負うだろうが。
ほんの少しカントリーマンは安堵する。
朧の心のケアは必要だろう。
最悪、見捨てる必要があるだろう。
そこでまた真司と悶着があるかもしれない。
だが誰も死なずに場を収めることができるだろう。
そう。
思っていたのに。
朧は呆けたような表情でこちらを向く。
真司とカントリーマンを“視る”。
仮面ライダー龍騎を破幻の瞳に映す。
変身が。
解かれる。
城戸真司が仮面ライダーからただの人へと戻ってしまう。
ただの人では爆発を抑えきることは不可能。
カントリーマンは焦る。
爆風は間違いなく真司だけでなく
カントリーマンも包むだろう。
精液ジジイのゾンビを召喚する?
できない。カントリーマンも朧の視界に入っている。
旅人の身体能力で逃げる?
それもできない。破幻の瞳が旅人の想波を鈍くしている。
ここで、終わりか。
そう思ったカントリーマンの前で城戸真司は立ち上がる。
カントリーマンと朧は城戸の顔を視た。
恐怖と悲しみで崩れそうになるのを必死に堪え。
笑みを浮かべるその貌をたしかに視る。
チャンの、影のモノとは違う。
必死な、まっすぐな言葉が二人をうつ。
「生きろ!!」
そう叫び。
城戸真司は体ごと窓にあたる。
破る。二階から落ちて。弾ける。
…………………………………………………………………………………………………………。
あの男だ。
あの男がやったに違いない。
ゼオンと陽炎はそう考えた。
ガッシュはゼオンの心すら溶かす強い心とゼオンを真っ向から打倒する力の持ち主だ。
ヘタな強者に殺られるはずがない。
甲賀弦之介は最強の忍び。
その瞳はまさに魔人の域に達している。
そう易々と殺されるはずがない。
例えゼオンであってもその瞳の魔能から逃れることは敵わないだろう。
あの男だ。
北で高らかに宣戦布告の声を上げたあの男に違いない。
必ず殺す。
仇はとらねばならない。
だが、アレに勝つには手勢が足りない。
最強に届くにはあらゆるモノに頭を下げてでも同盟を作る必要がある。
ある程度の信用を得るには何らかの手土産が必要だ。
それも殺し合いを打倒する者が欲しがるような。
ソレは決まっている。
ならば誰からとるべきか。
陽炎の術にはまだ利用価値がある。
ゼオンはそう結論づけると。
拘束されながらも意識をとりもどした相馬光子にゆっくりと歩み寄る。
それを押しとどめるのは肩に置かれた陽炎の手。
陽炎は横たわる相馬光子の側によると
顎に手をやり、顔を持ち上げる。
「快楽が好きなのじゃろう?」
唇と唇が合わさる。
舌と舌が絡みあい、粘液が音をたてて淫靡な様子を醸す。
そして、女の毒が少女を殺す。
…………………………………………………………………………………………………………。
気絶した朧を背負い、外に出た。
眼に入るのは予想通りの焦げて散らばった肉片。
これではこの肉片がもとは城戸真司という男だったと
知るのは不可能だろう。
爆風と共に散らばっている支給品を拾い上げる。
「これは……」
カントリーマンは眉を上げる。
それは仮面ライダー龍騎のカードデッキ。
「馬鹿野郎」
奇跡的に無事だったそれを握り締め、
カントリーマンはかすれた声で呟く。
城戸真司。
自分の“願い”がわからないと言っていた城戸真司。
けれどもカントリーマンは知っている。
“願い”を追い続けているからこそ共感できた。
闘いを止めたいと言っていたその言葉。
その決意。それはまさしく“願い”だったのだと。
「城戸よぉ」
なのに、こんな場所で死んだ。
殺す者と対峙してではなく。
殺される者を守るためではなく。
死のうとする者を守るために。
殺す者を守るために。
馬鹿だ。愚かだ。
だが“願い”のために闘うのが仮面ライダーだとするのなら。
どこまでも殺し合いを、死を否定しようとしたその様はまさしく――――
「お前も“仮面ライダー”だったんじゃねえか」
カントリーマン。田舎者。
数少ない症例しかない病の研究に身を捧げても決して報われることのなかった男。
どれだけの研究結果を発表しても否定の言葉と僅かな同情しか得ることができなかった。
だから、カントリーマンには殺し合うしか道はない。
医学の壁を壊すため。人の限界を超えるため。
50の命を贄に未来に生きる人と。彼自身を救ってみせる。
それが彼の“願い”。
「おい」
デッキを手に短い間の物思いにふけるカントリーマンの前に
二つの人影が現れた。
電撃で彼らを襲った少年、ゼオン・ベルと
精液ジジイを殺した女、陽炎。
「お前たちが殺し合いを止めようとしているのはわかっている」
見当違いなことをゼオンは言う。
城戸真司の死はカントリーマンの道を変えることはないのだから。
一貫してカントリーマンは人を殺す気なのだから。
ゼオンは物を扱うかのように背負った死体を
カントリーマンの前へ投げる。
それは傷一つない少女の死体だった。
「手土産だ。首輪は必要だろう」
たしかに必要だ。
殺し合いを壊そうとする者へ取り入るための手土産には。
だが。
「提案だ」
ゼオンは北の方へ眼を向ける。
チャンがいるであろう方角へ。
「アレを殺すために手を貸せ」
何故だ。
カントリーマンは心のなかでそう呟く。
何故、お前たちがそんな眼で自分を視る。
まるで、殺し合いを壊そうと奮闘する者を視るような眼で。
「ああ、いいぜ。
だがまずはここから離れて体勢を立てなおさねえとな」
カントリーマンはゼオンの提言を受け入れた。
その背に城戸真司が守った少女の重みを確かに感じながら。
&color(red){【城戸真司@仮面ライダー龍騎 死亡確認】}
&color(red){【相馬光子@バトルロワイアル 死亡確認】}
&color(red){【残り 39名】}
【C-4/1日目/朝】
【カントリーマン@ブレイブ・ストーリー~新説~】
[状態]:健康
[装備]:奇跡の執刀(ハイブリッド・メス)@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、カードデッキ(龍騎)
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×2、首輪(是方昭吾) 、首輪(相馬光子)、
桜田ジュンの裁縫道具セット@ローゼンメイデン
[思考・状況]
基本行動方針:……優勝する。朧の“命”は守りたい?
1:ゼオン達と手を組む。
2:チャンに勝ち得る方策を模索する。
3:薬師寺天膳の体に強い興味。
[備考]
※是方昭吾、相馬光子の死体をアンデッドとして従えました。
※陽炎、相馬光子の武器を毒と判断しました。
【朧@バジリスク~甲賀忍法帖~】
[状態]:気絶
[装備]:鉈@バトルロワイアル
[道具]:基本支給品一式、、BIM(クラッカー型)×5@BTOOOM!
[思考・状況]
基本行動方針:???
1:???
【ゼオン・ベル@金色のガッシュ!!】
[状態]:疲労(小)、心の力消費(中)
[装備]:魔本@金色のガッシュ!!、ゼオンのマント@金色のガッシュ!!
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×2~4(ゼオン、三村(武器ではない))
[思考・状況]
基本行動方針:何としてもガッシュを生きかえらせる
1:チャンを殺す。
2:陽炎やカントリーマン達と手を組む(裏切る行為を見せたら容赦はしない)
[備考]
※自身にかけられた制限をほぼ完璧に把握しました。
※魔界に帰った後からの参加。
【陽炎@バジリスク~甲賀忍法帖~】
[状態]:健康、朧への強い憎悪
[装備]:
[道具]:基本支給品×3、
不明支給品×4~7 (是方0~1、相馬2~3)、レミントンM700@現実
[思考・状況]
基本行動方針:???
1:チャンを殺す。そのためには朧と手を組んでもかまわない
|[[第一放送]]|投下順|[[誇り高く穢れを知らない]]|
|[[第一放送]]|時系列順|[[誇り高く穢れを知らない]]|
|[[絆を結び/憎しみを放つ]]|カントリーマン|[[Holocaust(上)]]|
|~|城戸真司|&color(red){GAME OVER}|
|~|朧|[[Holocaust(上)]]|
|~|ゼオン・ベル|[[Holocaust(上)]]|
|~|相馬光子|&color(red){GAME OVER}|
|~|陽炎|[[Holocaust(上)]]|
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