「 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!」(2012/09/25 (火) 00:32:09) の最新版変更点
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*お願い、死なないで天膳さま!
*小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの?
*ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから!
* ―「薬師寺天膳死す」―
* デュエルスタンバイ!
大きく円を描く通路。
何度か明滅を繰り返す建造物。
オンバから聞いたところによると名前は蜘蛛の糸。
空から垂らされる糸そのものの外観を持ち。
上空のどこに根本があるのか
見極めることができない巨大な建物。
隠れる素振りを見せることなく。
堂々と存在を誇示して爆音を響かせ二輪自動車で爆走するのは
真っ赤な鎧と仮面を纏った白髪鬼。
「誰も来ないとはどういうわけじゃ?」
ハンドルに手を付けず腕組みする鉄雄的なスタイル。
爺には似つかわしくないファンキーなライディング。
不満気に呟くのも無理はない。
オンバから聞いた情報によるとコトとは
このゲームを開くために尽力したという人格者であり
同志となって集まった者たちの要求を
こまめに取り入れてくれたという器の大きさを持つ
素晴らしい人物である――キクという機械の賢人を扱き使う小者。
長々とした情報の途中までならば
是非とも誇りを賭けて闘いたいところ。
だが最後にどんでん返しの情報が来るのだから
やる気の出ない相手ではある。
故に主に歯向かう者を排除するためにやってくるキクと闘う為に
あえてダンボールをかぶるようなスニーキングミッションではない。
目立つ目立ちて目立つ時の誘い受けが一手を選んだのだ。
なのに音沙汰もないというのは拍子抜けにも程がある。
「機械の守衛もどきもいないというのはおかしなことじゃて」
髭のないつるりとした表面を
つい、いつもの癖で撫でる白髪鬼。
そして、音も気配もなく。
目の前に金色の豪奢な戦士が出現した。
「おお、小言を言った途端にお出迎えが。
ありがたいことじゃて。おまえさん、名前は?」
空気を斬り裂く感触を味わい。
少しも速度を緩めることなく
戦死のいる場所へとバイクを駆る。
答えは、無言。
次の瞬間、空間を転移した金色の戦士、
オーディンの一撃が白髪鬼の背後から迫る。
一撃は鎧斬り裂く火花もなく空を斬る。
背後に現れようと爆走する
バイクがすぐさまその位置から離れるのだから斬ることは不可能。
「城戸くんの情報は正しかったようじゃな」
感慨深げに頷く白髪鬼を睨みつけるように
遠い背後で腕組みし、仁王立ちするオーディン。
「コトを殺すのはこのタイミングではない。
お前はここで死んでもらう」
初めて言葉を述べたオーディンだが
「すまん、風の音でよく聞こえんかった」
耳に手を当てて聞き返す白髪鬼。
「Once more please」
流暢な発音で優雅に再発言を促す。
「おお、バイクとは楽しいものじゃ。
すまんが止まりたくないから走って来てくれんかの?」
闘争の悦びよりも未知の技術で造られたことから
常識外の速度を産み出すバイクの喜びに興味が向き始めた。
しかし白髪鬼も熱心な若者の声には耳を傾ける賢人。
故に音速となったバイクに追いつき。
耳元で叫んでくれるのならば
きちんと真摯に向き合うだけの誠実さは持っているのだ。
だが白髪鬼の好意虚しくオーディンは無言。
――いや、そうではない。
白髪鬼の振る舞いがオーディンの。
頭部を抱え込むかのように手をあてて
ぷるぷると震え始めた。
白髪鬼の振る舞いの何が原因となったのか。
それは体の深く、彼が彼たらしめる芯から来たのか。
徐々に大きくなっていく震えは、
とうとう解き放たれ、絶叫となって空間を軋ませた。
「おおぉぉのれぇぇぇぇぇ舐めおってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
あのじじぃがぁぁぁ「おっと失礼」ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
だが絶叫は悲鳴へと変わってしまった。
何故か。追いかけてこないオーディンを心配した
聖者白髪鬼がわざわざ来た道を引き返し。
様子を見に全速力でバイクとともに戻ってきたのだ。
予想外だったのは
オーディンが未だに道のど真ん中にいたこと。
そして気が違ってしまったかのように
気持ち悪く身悶えしたことだった。
白髪鬼は誇り高き闘争をしに来たのであって
夢野久作めいた狂人と触れ合いに来たのではない。
対応を思考するあまりついつい
ブレーキを踏み忘れて跳ね飛ばしてしまったところで
誰にも責められないことだろう。
「すまんすまん。大丈夫じゃったかの」
強く痙攣して倒れ伏したオーディンを助け起こした白髪鬼。
「しっかりするんじゃ。
傷はまだそんなに深くはないと
自分に言い聞かせるんじゃ」
オーディンの装甲ならば本来
全速力の仮面ライダーが駆る二輪自動車に轢かれても
ぎりぎり大丈夫である。
だが今回のケースは実に良くない。
被害者であるオーディンは無防備によがっていたことで
バイクの衝撃をまともに喰らってしまったのだ。
変身が解けてしまった彼の体は無残なもの。
両の手足が折れ曲がり、
腹からはピンク色の内蔵が元気に飛び出している。
ここから助かるのは難しい。
最先端の医療設備と名医がいれば助かるだろう。
ここが蜘蛛の糸でここにいるのが白髪鬼と条件は揃っている。
しかし白髪鬼は今、メスをとるのが億劫な心境である。
「……これは!?」
冷静沈着な白髪鬼すらも驚嘆する光景がそこにはあった!
折れ曲がった両の手足が緩慢ながらも自力で正しい位置に戻り。
開いた傷どころか飛び出た内臓までもがビデオの逆再生のように
腹へと後退していく、その様まさに人体の神秘。
「お主、薬師寺天膳じゃな!?」
「ぬぅ……そうだ」
カントリーマンから聞いた情報と一致する。
不死の身体を持つ伊賀の男。
「伊賀の忍びじゃな!?」
「そうだ儂こそが伊賀の頭領じゃ」
不慮の事故で失われていた意識が徐々にはっきりし、
天膳の口調が確かなものになっていく。
「ならば死ね」
だがその意識は二度と役に立つことがなく死んでいった。
首を跳ねたサーベルについた
夥しい血を落とそうと大きく振り払う。
「すまんなあ。オンバからすでに
お前さんの体の秘密は聞いておったのじゃよ」
分かたれた首を戻そうと必死に
天膳の皮膚で蠢く異形の者には目もくれず。
「めぐという娘の病の治療につながると
カントリーマンは思っていたのだがなあ」
白髪鬼は天膳の横に落ちていたオーディンの
カードデッキを拾おうとした。
「それは貴方に過ぎた力だ。ご老人」
穏やかな風のような声が白髪鬼の耳に触れた。
顔を上げるとそこにいたのは無機質な体に人の如き顔を持つ
機械の人。長い髪と硬質化した指先が特徴的な。
「お前さんがキク君かね?」
「……ああ」
心待ちにしていた答えが聞けて。
仮面の奥にある皺だらけの口元が鮫のように引き歪む。
「ならば――」
バイクに飛び乗り、起動する。
進行方向は先と同じく目の前の相手へと。
「――闘ってもらおう!」
目も眩む光が、蜘蛛の糸を縦横無尽に駆け回った。
&color(red){【薬師寺天膳 死亡確認】}
&color(red){【残り 12名】}
【蜘蛛の糸/一日目/午後】
【津幡共仁@銀齢の果て】
[状態]:疲労(大)
[装備]:カードデッキ(龍騎)、サバイブ(烈火)、チャンの玉@ブレイブ・ストーリー~新説~
[道具]:基本支給品×3、簡易工具セット、輸血パック(各種血液型、黒い血のも)、首輪解除
ワタルを打ち抜いた弾丸 、月の石@金色のガッシュ!!、 レーダー@BTOOOM!、ワルサー予備弾×16、
レオパルドン・パピプリオの首輪、ワタルの首輪(分解済み)、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:オンバの要求を呑み。英雄として行動する
1:これだから人生は面白い!!!!!
※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。
※ローゼンメイデンの事情をだいたい把握しました。
※バトルロワイアルの事情をだいたい把握しました。
※ワタルの首輪を分解しました。
造りはガダルカナル22号と同じようです。
※オーディンのカードデッキは放置されています。
|[[終わりのメーノーグ]]|投下順|[[鉄の少年、その終焉]]|
|[[終わりのメーノーグ]]|時系列順|[[鉄の少年、その終焉]]|
|[[賢人は無限の幕、羽織り]]|津幡共仁|[[]]|
|[[束の間のコミックショウ]]|薬師寺天膳|&color(red){GAMEBOY}|
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*お願い、死なないで天膳さま!
*小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの?
*ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから!
* ―「薬師寺天膳死す」―
* デュエルスタンバイ!
大きく円を描く通路。
何度か明滅を繰り返す建造物。
オンバから聞いたところによると名前は蜘蛛の糸。
空から垂らされる糸そのものの外観を持ち。
上空のどこに根本があるのか
見極めることができない巨大な建物。
隠れる素振りを見せることなく。
堂々と存在を誇示して爆音を響かせ二輪自動車で爆走するのは
真っ赤な鎧と仮面を纏った白髪鬼。
「誰も来ないとはどういうわけじゃ?」
ハンドルに手を付けず腕組みする鉄雄的なスタイル。
爺には似つかわしくないファンキーなライディング。
不満気に呟くのも無理はない。
オンバから聞いた情報によるとコトとは
このゲームを開くために尽力したという人格者であり
同志となって集まった者たちの要求を
こまめに取り入れてくれたという器の大きさを持つ
素晴らしい人物である――キクという機械の賢人を扱き使う小者。
長々とした情報の途中までならば
是非とも誇りを賭けて闘いたいところ。
だが最後にどんでん返しの情報が来るのだから
やる気の出ない相手ではある。
故に主に歯向かう者を排除するためにやってくるキクと闘う為に
あえてダンボールをかぶるようなスニーキングミッションではない。
目立つ目立ちて目立つ時の誘い受けが一手を選んだのだ。
なのに音沙汰もないというのは拍子抜けにも程がある。
「機械の守衛もどきもいないというのはおかしなことじゃて」
髭のないつるりとした表面を
つい、いつもの癖で撫でる白髪鬼。
そして、音も気配もなく。
目の前に金色の豪奢な戦士が出現した。
「おお、小言を言った途端にお出迎えが。
ありがたいことじゃて。おまえさん、名前は?」
空気を斬り裂く感触を味わい。
少しも速度を緩めることなく
戦死のいる場所へとバイクを駆る。
答えは、無言。
次の瞬間、空間を転移した金色の戦士、
オーディンの一撃が白髪鬼の背後から迫る。
一撃は鎧斬り裂く火花もなく空を斬る。
背後に現れようと爆走する
バイクがすぐさまその位置から離れるのだから斬ることは不可能。
「城戸くんの情報は正しかったようじゃな」
感慨深げに頷く白髪鬼を睨みつけるように
遠い背後で腕組みし、仁王立ちするオーディン。
「コトを殺すのはこのタイミングではない。
お前はここで死んでもらう」
初めて言葉を述べたオーディンだが
「すまん、風の音でよく聞こえんかった」
耳に手を当てて聞き返す白髪鬼。
「Once more please」
流暢な発音で優雅に再発言を促す。
「おお、バイクとは楽しいものじゃ。
すまんが止まりたくないから走って来てくれんかの?」
闘争の悦びよりも未知の技術で造られたことから
常識外の速度を産み出すバイクの喜びに興味が向き始めた。
しかし白髪鬼も熱心な若者の声には耳を傾ける賢人。
故に音速となったバイクに追いつき。
耳元で叫んでくれるのならば
きちんと真摯に向き合うだけの誠実さは持っているのだ。
だが白髪鬼の好意虚しくオーディンは無言。
――いや、そうではない。
白髪鬼の振る舞いがオーディンの。
頭部を抱え込むかのように手をあてて
ぷるぷると震え始めた。
白髪鬼の振る舞いの何が原因となったのか。
それは体の深く、彼が彼たらしめる芯から来たのか。
徐々に大きくなっていく震えは、
とうとう解き放たれ、絶叫となって空間を軋ませた。
「おおぉぉのれぇぇぇぇぇ舐めおってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
あのじじぃがぁぁぁ「おっと失礼」ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
だが絶叫は悲鳴へと変わってしまった。
何故か。追いかけてこないオーディンを心配した
聖者白髪鬼がわざわざ来た道を引き返し。
様子を見に全速力でバイクとともに戻ってきたのだ。
予想外だったのは
オーディンが未だに道のど真ん中にいたこと。
そして気が違ってしまったかのように
気持ち悪く身悶えしたことだった。
白髪鬼は誇り高き闘争をしに来たのであって
夢野久作めいた狂人と触れ合いに来たのではない。
対応を思考するあまりついつい
ブレーキを踏み忘れて跳ね飛ばしてしまったところで
誰にも責められないことだろう。
「すまんすまん。大丈夫じゃったかの」
強く痙攣して倒れ伏したオーディンを助け起こした白髪鬼。
「しっかりするんじゃ。
傷はまだそんなに深くはないと
自分に言い聞かせるんじゃ」
オーディンの装甲ならば本来
全速力の仮面ライダーが駆る二輪自動車に轢かれても
ぎりぎり大丈夫である。
だが今回のケースは実に良くない。
被害者であるオーディンは無防備によがっていたことで
バイクの衝撃をまともに喰らってしまったのだ。
変身が解けてしまった彼の体は無残なもの。
両の手足が折れ曲がり、
腹からはピンク色の内蔵が元気に飛び出している。
ここから助かるのは難しい。
最先端の医療設備と名医がいれば助かるだろう。
ここが蜘蛛の糸でここにいるのが白髪鬼と条件は揃っている。
しかし白髪鬼は今、メスをとるのが億劫な心境である。
「……これは!?」
冷静沈着な白髪鬼すらも驚嘆する光景がそこにはあった!
折れ曲がった両の手足が緩慢ながらも自力で正しい位置に戻り。
開いた傷どころか飛び出た内臓までもがビデオの逆再生のように
腹へと後退していく、その様まさに人体の神秘。
「お主、薬師寺天膳じゃな!?」
「ぬぅ……そうだ」
カントリーマンから聞いた情報と一致する。
不死の身体を持つ伊賀の男。
「伊賀の忍びじゃな!?」
「そうだ儂こそが伊賀の頭領じゃ」
不慮の事故で失われていた意識が徐々にはっきりし、
天膳の口調が確かなものになっていく。
「ならば死ね」
だがその意識は二度と役に立つことがなく死んでいった。
首を跳ねたサーベルについた
夥しい血を落とそうと大きく振り払う。
「すまんなあ。オンバからすでに
お前さんの体の秘密は聞いておったのじゃよ」
分かたれた首を戻そうと必死に
天膳の皮膚で蠢く異形の者には目もくれず。
「めぐという娘の病の治療につながると
カントリーマンは思っていたのだがなあ」
白髪鬼は天膳の横に落ちていたオーディンの
カードデッキを拾おうとした。
「それは貴方に過ぎた力だ。ご老人」
穏やかな風のような声が白髪鬼の耳に触れた。
顔を上げるとそこにいたのは無機質な体に人の如き顔を持つ
機械の人。長い髪と硬質化した指先が特徴的な。
「お前さんがキク君かね?」
「……ああ」
心待ちにしていた答えが聞けて。
仮面の奥にある皺だらけの口元が鮫のように引き歪む。
「ならば――」
バイクに飛び乗り、起動する。
進行方向は先と同じく目の前の相手へと。
「――闘ってもらおう!」
目も眩む光が、蜘蛛の糸を縦横無尽に駆け回った。
&color(red){【薬師寺天膳 死亡確認】}
&color(red){【残り 12名】}
【蜘蛛の糸/一日目/午後】
【津幡共仁@銀齢の果て】
[状態]:疲労(大)
[装備]:カードデッキ(龍騎)、サバイブ(烈火)、チャンの玉@ブレイブ・ストーリー~新説~
[道具]:基本支給品×3、簡易工具セット、輸血パック(各種血液型、黒い血のも)、首輪解除
ワタルを打ち抜いた弾丸 、月の石@金色のガッシュ!!、 レーダー@BTOOOM!、ワルサー予備弾×16、
レオパルドン・パピプリオの首輪、ワタルの首輪(分解済み)、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:オンバの要求を呑み。英雄として行動する
1:これだから人生は面白い!!!!!
※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。
※ローゼンメイデンの事情をだいたい把握しました。
※バトルロワイアルの事情をだいたい把握しました。
※ワタルの首輪を分解しました。
造りはガダルカナル22号と同じようです。
※オーディンのカードデッキは放置されています。
|[[終わりのメーノーグ]]|投下順|[[鉄の少年、その終焉]]|
|[[終わりのメーノーグ]]|時系列順|[[鉄の少年、その終焉]]|
|[[賢人は無限の幕、羽織り]]|津幡共仁|[[降り立つ、長い道歩む少年の前に]]|
|[[束の間のコミックショウ]]|薬師寺天膳|&color(red){GAMEBOY}|
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