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幻想を殺す ◆L62I.UGyuw



「誰だっ!」

月夜の街に、鋭い声が響いた。
声の主はワタル。
彼は現世においては城東第一中学の二年生であり、同時に『幻界(ヴィジョン)』においては数多いる『旅人』の一人である。
幻界に行ったばかりの頃は落ち零れとすら評されたワタルは、しかし数々の戦いを経て、今では類稀な力を持った旅人に成長していた。

そのワタルの研ぎ澄まされた感覚は、今現在、道の先に息を潜める何者かの気配を教えている。
距離は二十メートル程。電柱の立っている交差点の辺りだ。
剣を構えて様子を窺う。

「そこにいるのは判ってます。出て来て下さい」

もう一度、今度は抑えた声で警告を発する。
しかし出て来ない。かといって逃げる気配もない。
充分に警戒しながら少しずつ距離を詰めていく。

「待った待った。今出て行くから」

十メートルくらいまで近付いたところで、観念したのか、歳を感じさせる声が返り、老齢の男が塀の陰から姿を現した。
角刈りの白髪頭にがっちりとした体格の、何処にでもいそうな普通の老人だった。
眼を凝らして見ると、ワタル自身と同じく鈍色の首輪を嵌めていることが判る。
彼は片手を軽く上げて、落ち着けという風なジェスチャーをした。

「わしはまだ戦う気はないよ。だからそのごつい剣を収めてくれ」

確かに老人は丸腰で、戦意はないように思われた。
しかし相手が『旅人』ならば、どんな手を使って攻撃してくるかも分からない。
いつでも対応出来るよう、注意しながら剣を下ろす。
老人もワタルを警戒するように上から下までじろじろと見て、そしてハイカラな格好だなあと感想を述べた。
言われて、ワタルは下を向き自分の格好を改めて眺めた。

要所を板金で補強した動き易い鎧。
丈夫な革で作られたグローブとブーツ。
金属製の肩当とシックな外套。
そして極め付けに、全体に装飾の施された幅広の大剣。
端的に言えば、中世的世界を舞台としたロール・プレイング・ゲームのキャラクターのような格好だ。
幻界では至極普通の服装だが、確かに現世の日本とあまり変わらない辺りの景観からは浮いている。

「う、そ、その、お爺さんは誰なんですか?」

何やら急に気恥ずかしくなって、それを誤魔化すように適当な質問をする。

「わしか。わしは猿谷甚一という者だ。元刑事だよ」

刑事という単語を聞いて、ワタルの緊張が若干緩む。
その様子を見て、猿谷はぴくりと眉を上げ、そしておもむろに辺りを見渡した。
二人の立っている場所は、区画整理の遅れた住宅街の真ん中といった感じの場所である。

「ここはちょっと目立つな」

そう呟くと、猿谷はワタルに着いて来るように指示して近くの裏路地に入り、そしてすぐに切り出した。

「お前さん、名前は」
「あ、えっと、僕はワタル。三谷亘っていいます」
「ワタル君か」



猿谷は反芻した。
そしてブロック塀に寄りかかると、彼に会う前にワタルが見たり聞いたりしたことについて簡単に訊ねた。
ワタルは素直に答えていく。

「…………それで、外に出たらいきなり向こうの道に立ってて」
「ふうん。とすると、やはり坊主も同じもんを見てからここに放り出されたってことだな」
「鏡の中で殺し合えって言ってた奴ですよね。……猿谷さんはあいつに心当たりはありますか?」
「いや。あんな知り合いはいないね」

猿谷は素っ気無く答えた。
お互いに少し考え込み、会話が途切れた。
街の中ではあり得ない静寂が耳を貫く。

ところで。
先に沈黙を破ったのは猿谷だった。
ワタルを睨むようにして、問い質す口調で続ける。

「坊主。お前さん、妙に落ち着いてるよな。それに周りへの気の配り方が堅気のもんじゃねえ。
 剣の構え方だって、剣道三段のわしから見ても堂に入ったもんだった。お前さんは何者だ」

彼の眼光は鋭く、並の中学生なら簡単に萎縮してしまうであろう迫力があった。
元刑事というのは確かなのだろうとワタルは冷静に思う。

少し躊躇った後、ワタルは少し長くなるけどと前置きをして、彼の冒険譚を掻い摘んで語り始めた。
ワタルの話はいまいち要領を得ない部分が多く脱線もあったが、猿谷は刑事らしく巧いこと合いの手を入れて誘導する。
一通り聞き終えた後、猿谷は感心したように言った。

「なるほどなあ。幻界か。ふうむふむ」
「……信じて貰えるんですか?」
「そうだな。だって、信じた方がわくわくするじゃないか」

猿谷はにやりと笑い、眼を輝かせた。
自身の中の老人像が少し崩れた気がしたが、ワタルは黙って苦笑いをした。
それにしても、と猿谷が真顔に戻って言った。

「こんな首輪を嵌めてまで殺し合えとは、また随分とけったいなことだよなあ。しかしまあ、わしらがやるべきことは変わらんか」
「そうです。こんな戦いは馬鹿げてる。僕等のやるべきことは争いを止めることだ。
 自分の願いを叶えるために、無関係な人たちを皆殺しにしろだなんて――」

猿谷が変な顔をした。

「どうしたんですか?」
「あ。うん。そうさな。お前さんの言う通りだ」

歯切れの悪い返事をして、猿谷は白髪頭を掻いた。
何かを探すように眼を泳がせた後、あのな、と急に言った。

「お前さんは魔法を使えるらしいけれども、人を探す魔法なんかはないのかな」
「そういう魔法も見たことあるけど、僕は使えないです」

それに今は、旅人の力を増幅する『玉』が全て奪われている。
そのため、魔法を使えるのはごく限られた回数だけ。たとえ使えたとしても、考えなしに使えるものでもない。
猿谷は、そうかと短く言った。

「まあともかくここにいても仕方ないから、人の集まりそうな所へ行こうじゃないか」

そう言うと、猿谷はワタルを裏路地から追い立てるように動いた。



表通りに出る直前で、猿谷が立ち止まる気配がした。
何かあったのかと思い、ワタルは振り向く。

「悪いな、坊主」
「え?」

銃口がワタルの眉間を狙っていた。
即座に引鉄が引かれた。額に赤い穴が開いた。
自分の身に起こったことが絶対に信じられない顔のまま、ワタルはゆっくりと仰向けに倒れた。
手にした剣の刀身が陽炎のように揺らぎ、霧散した。

「荒事に慣れていても、まだまだ人生経験が足りなかったなあ。
 刑事を見て安心するようじゃ駄目だ。刑事なんてやつは、悪人に決まってるじゃないか」

猿谷は扱い慣れた手つきでニューナンブを懐中に仕舞った。
名簿を取り出し、名前の上に一本線を引く。
そして猿谷は唇を歪めた。

「全く何とも面白そうなことに巻き込まれたもんだ。結局、やることは殺し合いだがな。
 しかし今度のバトルは若者も混じってるときた。やあれやれ。こいつは一人で戦うにはちと骨だよなあ」

ワタル君が一緒に戦ってくれそうな子だったなら楽だったのになあ。
そう思いながら、嘘のような月を見上げて溜息を吐く。
足元では、絶命したワタルが虚ろな眼で同じ月を見上げている。

「とにかく一人はいけないな。誰か役に立ちそうなやつを探さないと。
 ご隠居ならきっと協力してくれるだろうが、しかしそうすると、最後はご隠居と殺し合わないといけないのか。
 ふうむ。こいつはどうにも難儀なことだなあ」

あまり深刻ではない口調で、猿谷は言った。


【ワタル@ブレイブ・ストーリー~新説~ 死亡】
【残り 53名】

【D-3/1日目/深夜】

【猿谷甚一@銀齢の果て】
[状態]:健康
[装備]:ニューナンブM60(4/5)@現実
[道具]:基本支給品×2、不明支給品×2~3、勇者の剣(ブレイブレード)@ブレイブ・ストーリー~新説~
[思考・状況]
基本行動方針:優勝を狙う。
1:協力者を探す。
[備考]
※ワタルから幻界の知識をある程度得ました。

【勇者の剣(ブレイブレード)@ブレイブ・ストーリー~新説~】
ワタルの専用武器。普段は柄だけしかなく、必要に応じて刀身を具現化して使う。
想波の闘法を会得していないと自由に使えない上に凄まじい消耗を伴う。

【ニューナンブM60@現実】
日本の警察などに制式採用されている回転式拳銃。五連装。


『オープニング』 投下順 Marked For Death
『オープニング』 時系列順 Marked For Death

GAME START ワタル GAME OVER
GAME START 猿谷甚一 老後の楽しみ







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