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爆炎と砲火の中で ◆W.z0w51WN2



竹林の如く多くのビルが聳え立つ市街地の路上。
夜空を淡い橙色に照らす街頭の下に一人の男が立っていた。
年齢はおそらく三十前後、白いシャツとネクタイの上からグレーのスーツで身を包み、足元には黒のアタッシュケースが置かれている。
耳の辺りまで伸びた黒い髪はよく整えられており、その精悍な顔つきにはどこか余裕のある表情が浮かんで、全体として知的な雰囲気を醸し出していた。
今、彼の視線は手元にあるこのゲームの名簿へと送られている。

「城戸、秋山、浅倉……他のライダーも大方呼ばれてるってわけね」
誰へ告げるでもなく、ただ現状を確認するため、声に出して呟く。

「それに霧島美穂、ね……このゲームの主催者もどうやら人が悪いらしいな」
誰へ告げるわけでもないが、若干の苛立ちを吐露するため、言葉を吐き出す。

「まあ何にしても、俺のやることは変わらないんだけどさ」
最後に、ただ決意を再確認するための言葉を口に出すと、名簿を鞄にしまい、また道を歩き始めた。


◇     ◇     ◇


男は名を北岡秀一という。
彼はどんな事件でも「黒を白に変える」と評判の敏腕弁護士であり、また同時に“仮面ライダー”の一人であった。
仮面ライダーとは、神崎士郎の開く戦い――すなわち、ライダーバトル――の参加者のことを指す。
戦いの景品は、何でも願いが叶うこと。
そのために求められることは、ライダー同士で殺し合い最後の一人として生き残ること。
そして北岡秀一は、“永遠の命を得るため”この殺し合いに加わった。
というのも彼は死病に冒され余命が幾何もなくなっていたのだ。

(好きなことやって生きるにしても、まずは命がないとね)

裕福な家庭に生まれ、しかし実力と才能を磨き、今では一流の弁護士となった
“自分の欲望を叶えながら生きる”がモットーの彼だが、そのための努力もしてきた彼にとってすれば、
ただの不運でかかった病であと幾何も生きられないとわかるなどまさに青天の霹靂だったろう。
だからこそ彼は、ライダーバトルで自分の力で未来を勝ち取れる可能性に挑んだ。
元から先のない命、掛け金としては安いものである。

そして今。
彼はいつのまにか“バトルロワイアル”などという得体のしれないものに参加させられていた。
だが―――このバトルロワイアルの構図はライダーバトルのそれとほとんど変わらなかった。
正体不明の主催者に、決められた数の参加者、そして優勝すれば願いを叶えるというあの言葉。
願いが叶うのかもやはり定かではないが、そこに可能性がある以上、北岡秀一の目指すことも変わり得ない。
この戦いを生き残り、“永遠の命を得る”こと、それだけである。


………それだけである、のだが。


(だからといって、連中の思い通りになるのも癪だよねぇ)

繰り返すが北岡秀一は欲望に忠実な人間だ。
永遠の命を得るという願いも、突き詰めれば欲望を達成しながら生きるための手段の一つにすぎない。
やりたいことをして気ままに生きるのが彼の生き方である。
つまり、何が言いたいかというと―――首輪をつけられながら戦いを強制されている状況、これ自体が彼にとってはこの上ない屈辱なのだった。

(ライダーバトルでさえ参加者は自分から志願した“ロクデナシ”を集めてたっていうのに)

彼は彼の以前弁護した被告人とは違い、根本からして外道な人間ではない。
進んで殺し合いに参加した人間ならともかく、殺し合いに巻き込まれた人間を殺すのは気が進まないものである。
殺し合いを強制されるのも、強制されている人間を殺すのも、胸糞悪いのだ。
もし今回のゲームにも神崎士郎が絡んでいるのなら、後で文句の一つでもいってやろうと北岡は心に決めた。
それにもう一つ、北岡には憂鬱なことがあった。

(名簿を見た感じ、結構それっぽい名前があるんだよなあ……)

このバトルロワイアルに女性が参加しているらしい、ということである。
目につくのは五、六人。『真紅』や『ハード』など、明らかに偽名らしき名前があるのも考慮すれば、さらにその倍はいるかもしれない。
女の味方を自認する身としてはこうした人間にもできれば手をかけたくはない。
戦いを仕掛けられれば容赦するつもりもないが、しかしそうでなければ―――特に相手が美人で、しかも戦いに巻き込まれた類の人間なら―――できれば戦いは避けたかった。

(こうなると、むしろ女性とは会う機会がない方がましかもね。
それもそれで寂しい話なんだけどさ……)

そう彼は期待したが―――現実はそんな願いとは裏腹に進んでいった。

歩道を歩く北岡の前方、ビルの影から一人の女が姿を現す。
袖無しの服にごつい長ズボンというラフな服装がよく似合い、腰まで伸びた黒い髪と整った顔立ちは、
左目の眼帯に若干損なわれてはいたものの十分北岡の眼鏡にかなうものであった。
ただし、彼にそうした諸々を確認する時間は与えられなかったのだが。

女性は右手に何かごつごつとしたボールのようなものを持っていた。
彼女はこちらを見るなり、それを思い切り放り投げ―――


―――そして爆発が生じた。


◇     ◇     ◇


「しかし、呆気なかったな」

爆風と破片をビルの陰に隠れてやり過ごしながら雨流みねねは一人ごちた。

彼女が今投げたのは『マークⅡ手榴弾』、通称“パイナップル”と呼ばれる握りこぶし大の爆薬である。
主に使用されたのがベトナム戦争以前という骨董品だが、
当時はベストセラーとなって世界中で使われていたため中古も多く、
みねねの育った中東の兵器市場でもごくありふれた兵器だった。

(相手にも“日記”かその類のものがあるのかと思ったんだが……考えすぎだったか?)

雨流みねねは“未来日記”を用いたゲームの参加者だった。
その名の通り“未来”を“予知”する日記を用い、他の参加者を殺し、最後の一人となってデウスに代わる“神”となる。
やはりこのゲームの構図もバトルロワイアルのそれと変わらないものであり、雨流みねねの目的も以前と何ら変わらない。
ただ、自分の願いを叶えるためゲームに乗っている点は北岡秀一と同じではあるものの、
彼がバトルロワイアルとライダーバトルを分けて考えていたのに対し、
みねねはバトルロワイアルを以前のゲームの亜種と考えていた。

(名簿を信じるなら、主催者は来須を生き返らせるほどの力を持ってるってことになる)

未来を予知する力に、精神体でしか入れない因果律大聖堂———まるでなんでもありなあの“神”だが、それに匹敵する力をこの主催者は持っている。
しかし、だからといってあの“神”の目を盗んでゲームの参加者を拉致できるほどの力の持ち主とは思えない。
というより、“神”以上の力の持ち主など、雨流みねねには想像できない。
だからむしろ、デウスが密かにこのゲームと関わっていると考えた方がしっくりくる。
例えば、あの黒い影が言っていた“様々な世界での殺し合い”はデウスが『未来日記を用いたゲーム』と並行して行っていた何らかのゲームであり、
このゲームはそれらを統合した、総まとめ的なゲームなのではないか、といった風に。

だが―――

(あの男は、死んだ)

彼女は爆弾を投げてすぐ物陰に隠れたから着弾の瞬間までは見ていない。
しかし獲物がよく使い慣れた“パイナップル”だからこそ、実感を伴って確信できる。
ピンを抜いてから起爆までの時間、標的までの距離、標的の反応―――
彼女は自分の経験から、あのタイミングでは助かりようがないと結論を下す。

(日記保持者なら、何か反応できただろう)

日記保持者対その他なら一方的な下らないゲームになりそうだ、とみねねは思う。
しかし自分に支給された武器を顧みるに支給品はそれなりに有用だろうと思い、
男の持っていた鞄を拾いに行くため足を動かし


角を出たところで、足を止めた。


爆発の煙が残る路上に、何かが立っていた。
緑を基調とした服の上から、銀色の簡素な鎧とヘルメットを被せたかのような、人間味の乏しい姿。
右手に無骨な銃を持ち、こちらの方をを見据えながら、それは屹然としてそこにいた。


◇     ◇     ◇


「なっ!?」

何だ、あれは!?

あれは別の参加者か―――否、そんな気配はなかった。
ならあれはさっきの男か―――応、あの男の死体は見当たらない。
ならあれは何だ?―――知るかっ!

「畜生がっ!!」

ともかくもあれは敵だ、それも銃を持った敵だ。
思考の遅れは動作の遅れ、動作の遅れは己の死だ。

みねねは慣れた手つきで手榴弾のピンを外し、再び相手に投げつけ、ビルの影に身を隠す。
相手――緑の怪人は、あろうことか両腕を前に交差しただけでその爆発を防いでみせる。

(まったく効き目なしか……)

ある程度予想していたこととはいえ、若干の苛立ちと焦りが頭をよぎるのを自覚する。
そんなみねねの様子と裏腹に、緑の怪人は落ち着いた手つきで銃を構えてこちらに向けた。

「っ!」

とっさに反射的に頭を後ろに反らす。
直後、頭があった場所を複数の銃弾が通り過ぎた。

「ちっ、あいつもヤル気満々な口か」

一方的な愚痴を言いながらも、みねねは考える。
とにかくここは不味い。
路上には遮蔽物がないし、敵の攻撃から身を守る術がない。

とにかくビルの角から走って距離を取りながら、彼女は『逃亡日記』を取り出す。
『逃亡日記』―――それは敵を倒すためには役に立たず、ただ逃げ道だけを教える彼女の未来日記である。
そして、普段なら数十日も先まで見通すその日記には―――ほんの数分、一、二手先までのことしか書かれていなかった。

(失っても命を失わない代わりの制限ってことなんだろうが……相手が日記所有者でないなら十分だ)


##########

00:42  [路上→左手のビル]

怪人Xに追いつかれる。
銃弾を躱すためビルの中に逃げ込む。

##########


後ろからの足音が急に大きくなった。
おそらくあれが角を曲がり切ったのだろうが、“DEAD END”が出てない以上そんなものは気にしない。
動かない自動ドアに回し蹴りを入れて蹴破ると、彼女は中に入っていった。


◇     ◇     ◇


ビルの中は暗く、街灯の明かりが窓からわずかに入ってくるだけだった。
この建物は典型的な雑居ビルのようで、一階には洒落た服などを扱うテナントが入っている。
その奥、服の棚と棚で雨流みねねは一息ついた。

(あれをどうやって攻略する……?)

雨流みねねに支給された支給された支給品は三種類。
みねね固有の未来日記である『逃亡日記』
幼いころから使い慣れた『マークⅡ手榴弾』
そして、大方の武器に精通したテロリストのみねねにも全く未知の爆弾―――『BIM』

爆弾魔であるみねねにすればこの組み合わせは最良に近いが、
『BIM』に関しては性能を試す前にあの男と遭遇したため、今この場で使うのは避けたい。
例えば“破片手榴弾”というジャンルに分類される『マークⅡ手榴弾』だが、その爆発範囲は10mに満たないものの、その破片の殺傷範囲はおよそ50mに及ぶ。
ろくに経験のない武器、それも爆弾を迂闊に使うリスクは大きすぎる。

つまり、みねねがここで使うとして信用に値する武器は『逃亡日記』と『マークⅡ手榴弾』の二種類。
手榴弾は先ほどの戦いで二つ消費したため、残り六つ。
しかしその攻撃は敵に通じず、加えて相手は飛び道具を持っている。
こちらが相手に勝っているのは、『逃亡日記』の予知能力のみ。
さて、どうする―――と、ここまで考えたところで

―――パキ

と割れた自動ドアのガラスが踏みつぶされる音がした。

(チッ、もう来たか)

入口の方を見ると、街灯の光が逆光となり黒く見える人型が佇んでいる。
しかし逆に向こうからは店内は暗くしか見えないから、下手を打たなければこちらはしばらくは発見されないだろう。

そう思い、みねねは思考を再開させようするが、予想に反して人型はすぐに動きを見せた。
腰のベルトから何か(遠目にはトランプのカードのように見える)を取り出し、それを銃のマガジンに入れる。
すると、


その手に突如、戦車砲を外して取っ手をつけたかのような異様な装備が現れた。


(……は?       まさか、あの野郎っ!) 
真っ白になりかけた頭を無理やり動かして考える。
あれがどういう仕組みの手品なのかはわからないが、しかし。
密林のごとく障害物が入り乱れるこの場所で。
あんな大仰な武器を使う用途など一つしかない。


人型は腰を落とし、砲を構え―――店内のあらゆる場所へ向けて“砲撃”を開始した。


◇     ◇     ◇


轟音とともに放たれた砲弾が破壊を伴う弧を描く。


##########

00:44  [今の棚の後ろ→通路]

とっさに通路に飛び出す。
後ろの棚が吹っ飛ばされた。危ねぇ!

##########


飾られた服、木製の棚、マネキン人形―――店中の何もかもが、弧に触れた途端紙切れのように吹き飛ばされる。


##########

00:45  [マネキンの後ろ]

その場で伏せる。
頭上を砲弾が飛び、手前のマネキンは木端微塵だ。


00:45  [マネキンの後ろ→柱の影]

やつが次弾を用意する隙に移動する。
もう撃ってきやがったが、流石にコンクリ製の柱は一発じゃ打ち抜けないようだ。

##########


絨毯爆撃ならぬ絨毯砲撃。
一本の木を燃やすため森ごと燃やそうとするかのようながさつな攻撃。
だが被害を省みずどこかに潜む敵を撃つには、極めて効果的な戦術だった。

しかし敵の砲には一発撃ってから次弾を撃つまでにタイムラグがあり、
みねねは『逃亡日記』を用い辛うじてかわしきる。
そして柱の陰に身を隠しながら、考えを整理し修正する。

(あれは“飛び道具を持っている”なんて、かわいい代物じゃない)

さらに言えば“砲を持っている”なんて代物でさえすまないのかもしれない。
そもそも、さっきどこから砲が現れたのかもわからないのだ。
これから、さらに厄介な武器が増えていくと考えた方がいいだろう。
もはや喧嘩を売る相手を初っ端から間違えたとしか言いようがないが、しかし後悔している時間はない。

(あれを倒すのは無理でも“チェックメイト”をかける方法なら、思いつく限り一つだけある)

王手はかけられたかもしれないが、まだ詰んだわけではない。
みねねの脳裏に浮かぶのは、砲を取り出す前に見せた仕草。
もしあれがこの目で見た通りのものならば、みねねは勝つ方策を実行に移す。
―――そこまで考えが至ったとき、砲撃の音が止み、重量物が地面に落ちる音がした。

(砲撃を銃撃に切り替えるのか?…………………いや、違う!)
考えるやいなや、柱の影から踊りだし、手榴弾を投げつける。
弾は起爆し、敵が装填しようとしていた“カード”が爆風にのまれどこかに消える。

(やっぱり………っ!)

さっき砲が現れる前、みねねはカード(らしきもの)が装填されるのを見た。
つまりその動作が“新たな武器の出現”につながるのではと考えた。
しかし予測は予測、半信半疑なものに過ぎず、それを確かめる必要があるとも考えていた。
だから、このタイミングには注目していたのだ。
相手にしてみれば、敵が砲の攻撃をことごとくかわし、銃も決定打になるか疑わしい状況。
おそらく手詰まりだと感じ、打開策を求めるだろう。
なら、このタイミングで、敵はカードを装填し、新たな武器を求めるのではないか―――そうみねねは考え、それは目の前で現実のものとなった。

(だったらやれる!)

別の柱の影に身を移し、敵の銃撃をかわしながらみねねはそう判断した。

ヘルメットが暗視ゴーグルも兼ねているのか、正確にこちらを狙ってくる射撃を木片やマネキンの残骸を用いてかわしつつ、相手の動きを注視する。
敵がベルトからカードを抜きだすと、手榴弾を投げる。
それが爆発したのを見て―――みねねは柱の影から駈け出した。

(チャンスは今っ!)

埃が宙に舞い煙も収まらない中をみねねは走る。

敵が新しい武器を出す際見せた動作は『ベルトからカードを抜き』『それを銃に装填する』というもの。
なら、カードの入った“ベルト”かカードを入れる“銃”のいずれかを奪えば、新しい武器は出せなくなるだろう。

(爆発に乗じて近づき銃を奪えば、やつは攻撃手段を失う)

これが彼女の思いついた勝つ方策。
ベルトより銃の方が奪いやすく、またその後のリターンも大きい。
ただ彼女はあの鎧について知らないため何が起こるかわからないし、失敗する公算も高い。
その際は『逃亡日記』の使用に踏み切らざるを得ない。

だが、そんな心配はするまでもなかった。
手榴弾を投げるときに把握した敵の位置に着いても、周囲には誰もいない。
さらに視野を広げてようやく、標的が遥か後方、すなわち店の外にまで身を引いているのが見えた。

(クソッ、判断が早い)

店の中で武器を変えられないのなら、みねねの手の届かない店の外で武器を変えればいいと判断したのだろう。
妨害が二度続いたとはいえ、爆発の直後にそこまで動いた決断力にみねねは舌を巻いた。

これに対し追撃するのは、店から出たところを狙い撃ちされるため、論外。
よって二択。
残るか、引くか。
残って敵の新しい装備を見極めた上で戦いを続けるか、戻ってくる前に裏口を見つけ脱出を図るか。

(まあ『逃亡日記』に逃走経路があれば、ここに残ればいいってだけの話か)

そこでみねねは自分の日記を確認し―――


―――そして自分の敗北を悟った。


##########

00:49  [ビルの中→路上]

バカみたいな火力に追い立てられて路上に脱出するが、怪人Xに捕まる。他逃走ルートなし
畜生っ!

##########



◇     ◇     ◇


度重なる爆発と砲撃により燦燦たるものとなった店の前の路上に二つの影があった。
一つは、北岡秀一の変身した仮面ライダーゾルダ。
もう一つは、ゾルダと同様に緑を基調として銀の装甲が被さる、二足歩行する機械仕掛けのバッファローのような怪物、
『マグナギガ』“ミラーワールド”のモンスターである。

ゾルダは弾倉にカードを入れると、その銃をマグナギガの背中に押し当て、ゾルダの持つ中で最大火力の技を発動させた。

《FINAL VENT》 ――― エンド オブ ワールド

“世界の終わり”の名にふさわしい膨大な量の弾幕がマグナギガの全身から放たれ、
すでに瓦礫の山となっていた店を火と煙の織り成す灼熱地獄へと変える。
だがその店から間一髪、路上へ転がりだしてくる影があった。

ゾルダ―――北岡は、仰向けに転がるその影に近づき、銃をつきつけて言う。

「チェックメイトですよ、お転婆なお嬢さん」

それに女―――雨流みねねはどこか不敵な表情で言葉を返す。

「ヒヒ、残念だがそいつは早とちりだよ」

そして、右手を見るよう顎で示した。
そこにあったのは今まで使っていた手榴弾とはまるで違う、異質なデザインの爆弾。
女の指はそのスイッチトおぼしきところに既にかかっている。

「あなたもわからない人だなあ……そんなものが今更効くとでも?」
「さあな。ただこいつは支給された特別性の爆弾だ。
烈火ガスなんてものを使う、“お前の鎧と同様に”得体のしれない爆弾だよ。
だからこそ使いたくはなかったんだが……ここはヤケクソで使ってみるか?」
「はぁ………なるほど、で要求は?」
「ここは見逃せ」
「つれないなあ。私としてはあなたみたいな美人をみすみす見逃したくはないんだけど」
「気持ち悪いわね。起爆するぞ?」
「どうぞご自由に」

まるで余裕を崩さない返事に、女の表情はなんとも苦虫をかみつぶしたかのようなものに変わった。

「私が起爆しないとでも?」
「私が引き金をひかない限りは、ね。これでも弁護士やってるから人を見る目はあるつもりだけど、
あなたはどうも破れかぶれな行動をするタイプには見えないなあ」
「チッ。……起爆はさせないが逃がしもしない。お前は何を言いたいんだ?」
「簡単な話ですよ。―――私と手を組みませんか?」


◇     ◇     ◇


“刑事”に“弁護士”、どうして“テロリスト”のみねね様と手を結ぼうとするやつがこんな連中ばかりなのか、アホくさい、とみねねは思う。
だが―――

「いずれ殺しあうやつと手を組もうなんて、頭イカレてんのか、お前は」
「いえ、冷静に状況を判断しただけです。
あなたは“仮面ライダー”のこともまるで知らずに私に戦いを挑みこの様、
私にしても“こちらの攻撃を予測しているかのような携帯”のせいであなたを仕留めきれなかった。
まずは情報と、余裕をもって未知のものに対応できる戦力が必要、そうは思いませんか?」

―――これには少し面をくらった。
コイツは、あの戦いの中で“未来日記”に気付いたらしい。
まあしかし、砲弾の中を携帯見ながら正確によける人間を見れば、大抵はそういう結論に
なるのかもしれないが。

「なんで私が仮面ライダーとやらを知らないとわかった?」
「あなたは仮面ライダーに変身しなかった。あとは出会った直後の反応を見ればわかりますよ」
「なるほどね……一応聞いとくが、もし断ったらどうする?」
「残念ですが。その爆弾より、あなたをここで逃がすリスクの方が大きそうだ」

つまり初めから他に選択肢はないわけだ。
『逃亡日記』に書かれた未来の通りになったかクソッタレ。
しかしこの状況は非常に気に入らないが、あの男の言うことにも一理ある。
未来日記を“携帯”呼ばわりする男と仮面ライダー、か。
やはりこのゲーム、闇雲に戦うだけでは勝ち残るのは厳しいのだろう。
爆弾から手を放し、うんざりしたように言う。

「チッ、わかった、降参だ。これでいいんだろ」
「ええ。話が早くて助かります」

すると男が鎧姿から、一瞬にして初めて見たときのようなスーツ姿に戻った。
手の銃も一瞬で消えているが、その代わりにカードデッキが手の中にあった。

「それは……?」
「ああ、これなら変身アイテムといったところです」

変身って、本当だったのか……
まだ“緊急用の耐爆スーツ”とかそんなオチを少し期待してだけに、多少ショックではある。
目の前の出来事に唖然としているみねねを置いて、男は話を進めた。

「まずは情報交換から、といきたいところですが……ここはちょっと目立つし、場所を変えましょうか」


◇     ◇     ◇


そして今、二人はやたら高そうな車―――というか黒塗りのベンツの中にいた。
別に路上にあったやつを無理やり奪ったわけではない。
男―――名は北岡秀一というらしい―――が“マスターキー”なんて支給品を持っていたからだ。

「この会場にある車の鍵なら何でも開けられるそうでね。……理屈?知りませんよ」

他に北岡は黒のアタッシュケースを持っている。
今では最初の爆発に巻き込まれてそれなりにボロボロだが、もとのリュックサックのデザインが気に入らなかったので近くの店から失敬してきたらしい。
弁護士が盗みを働くなど本末転倒だが、「こんな会場で法律を気にしても仕方ないでしょ?」とは本人の談。
もっとも弁護士は法律の抜け穴を探すのが仕事でもあるそんなものかもしれないが。
………しかし、そんなことで時間を使うとは。阿呆か、こいつ?

「そこはほら、あなたみたいな女性と親密な男と女の仲になるには、服装もそれなりに気にしないと」

はあ?男と女の仲?……何言ってんだコイツ、気色悪ぃ!?
大体情報交換はどうした?

「そんなことより」
そんなことじゃねぇ

男との協力を後悔し始めたみねねだが、車は構わず夜の街を往く―――


【D-5/市街地(車の中)/深夜】
【雨流みねね@未来日記】
[状態]:疲労(中)、若干の後悔
[装備]:MKⅡ手榴弾[4個]@現実
[道具]:基本支給品一式、逃亡日記@未来日記、BIM(烈火ガス式)[8個]@BTOOOM!
[思考・状況]
基本行動方針:優勝して“神”を殺す
1:北岡秀一を利用しつつ優勝を目指す
2:仮面ライダーについて知る
3:他のゲームについて情報が欲しい
4:時間を見つけてBIMを使いこなしたい
[備考]

※参戦時期は原作六巻以降のどこかからです。詳しい時期は後の書き手にお任せします


◇     ◇     ◇


横の席の女を運転のついでに口説きながら、(女は案外うぶらしく、少しの口説き文句で顔を赤くしたり怒ったりしている)、
北岡は改めてこの状況を整理していた。

(“攻撃予測の携帯”ねぇ)

職業柄、女の反応から半ばあてずっぽうで言ったそれが事実らしいことは確信している。
しかしそれゆえに余計に困惑が強まったのは事実だ。

(さっきから町では誰も見かけないし、ライダーには変身できるし、ここ、まるでミラーワールドだよねぇ)

まるで理解不能な事態になっている―――それが北岡の率直な感想である。
しかもライダーバトルと違い、そうした不明瞭な部分が直接命を危険にさらしかねないのだからたちが悪い。

(最初に“わけのわからないもの”を知ってそうな人と手を組めたのはラッキーだったな)

女―――雨流みねねの方を一瞥して思う。
出会いからして明らかに人を殺し慣れている危険人物だが、頭の回転は速く、しかも美人である。
常に警戒は必要だが、殺し合いに乗った側の身としては申し分ない味方と言える。

「どうした?」
「いえ、その眼帯もよくお似合いだなあ、と」

軽く口説き文句を口にして、運転にも注意を払う。
そろそろ“携帯”の話を聞いた方がいいかなと思いつつ、新たな戦場か出会いを求め、北岡は車を走らせた。


【北岡秀一@仮面ライダー龍騎】
[状態]:疲労(中)
[装備]:カードデッキ(ゾルダ)
[道具]:基本支給品一式、マスターキー@オリジナル、黒のアタッシュケース
[思考・状況]
基本行動方針:優勝して永遠の命を手に入れる
1:雨流みねねを利用しつつ優勝を目指す
2:みねねの“携帯”について知る
3:知らないことについて情報が欲しい
4:女性とはあまり戦いたくない
[備考]

※参戦時期は劇場版開始前のどこかからです。詳しくは後の書き手にお任せします。


【逃亡日記@未来日記】
雨流みねねの未来の逃走ルートを記す日記だが、制限によりせいぜい数分先のことしか予知できなくなっている。
日記としては大量の人間を動かし同時に複数の逃走ルートを奪う『捜査日記』や『千里眼日記』と相性が悪い。

【BIM(烈火ガス式)@BTOOOM!】
烈火ガスを発し皮膚を焼け爛れさせる爆弾。
特に密閉された空間で効力を発揮する。


【カードデッキ(ゾルダ)@仮面ライダー龍騎】
仮面ライダーゾルダに変身できるカードデッキ。デッキをかざし、ベルトに装着することで仮面ライダーゾルダに変身する。
ロングレンジの戦いに長け、契約モンスター『マグナギガ』は動かないものの高い火力と防御力を持つ。

【マスターキー@オリジナル】
会場に最初から置かれている車ならどれでも自由に運転できる。
電子キーではなく、鍵の穴にさして使う普通の鍵。

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GAME START 雨流みねね 化物語 《バカシモノガタリ》
GAME START 北岡秀一






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