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レボリューション ◆1yqnHVqBO6



【来栖圭吾・E-4.市街地のカフェにて】

当初の予定通り市街地に到着できた来栖とノールは
椅子に体の重みを全て預け、心身を休めている。

「俺の“願い”?
 どうしてそんなことを訊く?」
「刑事ってようは防人みたいなものなんでしょ?
 なんでなったのかなあって。
 僕達防人は殺した機械の“願い”、防人達の“願い”を
 護神像を通して受け取らなきゃから余計気になっちゃって」
「じゃあ、お前に殺されたら俺の“願い”は
 お前が受け取ってくれるってわけか」
「それがわからないんだ。なにせ君は赤き血の神だからね。
 神の願いを受け継ぐ人なんて前例がない。
 どうして言ってくれなかったのさ?」
「殺されたくなかったからな」
「いやだなあ。
 まだ防人全てを殺していないから心配いらないよ。
 蜘蛛の糸だって今となってはどこにあるかわからないしね。
 まあ、ともかくさ」

わずかに身を乗り出して。
ノールは真っ直ぐ来栖の瞳を見る。

「闘った相手の“願い”を背負い、進む。
 これは防人の務めだよ。
 だから君を殺しても“願い”を受け継げないなんて事態は。
 なんだかちょっとねえ…………………。
 ああ! 考えたら悲しくなってきた。
 君も殺さなければいけないなんて、この闘いはなんと業が深いのだろう!!」
「泣くな欝陶しい」

もう呆れることすら疲れた来栖は視線をノールから外し、
窓の外を見る。

少しの沈黙のあと。
来須圭悟は静かに口を開く。

「ガキの頃、偵察用ザクのプラモが欲しくてな。
 おい、人が話してる時にキョロキョロすんなよ」
「いや、回想に入らないのかなあって思って」
「回送? ここは駅じゃないぞ」
「あれ、わからない? 
 うーん。じゃあカメラ目線とかも通じないのか。
 異文化交流だねえ」
「とにかく続けるぞ。
 それでとりあえず万引きして手に入れたんだが」
「悪い子どもだったんだね」
「おかげさまで親父にバレてこっぴどくボコボコにされた」
「それが君が防人。
 じゃないや、刑事を志したきっかけかい?」
「いや、違うな」

来栖の眼が移すのは人気のない街並み。
ここが彼のいた世界なら
もう少し時間が過ぎると多くの人が活動を始めるだろう。
休日なら家族サービスに勤しむ父親の姿も見られるのかもしれない。

「親父もそのころ空き巣に手を出しててな」
「衝撃の展開だね」
「定職に就かない親父は蒸発して。
 最後は体壊してのたれ死んだんだ。
 おい、号泣するなよ」
「切ない過去話だね。
 巻末のおまけに載せておくにはもったいないクオリティだよ。
 BDには特典でついてきそうだよね、この話」
「もう異世界語にはツッコまないぞ。
 とにかく今でも思うのさ」

窓の外を見ながら来栖は頬杖をつく。
その様は彼がもっともっと若く、少年と継承される外見だったのなら
世を拗ねたポーズにも見えたかもしれない。
だが子を持つ親である来栖の瞳は思慮深さを持ち。
わりきれない現実を静かに見つめる大人のものであった。

「…………何で親父をボコる奴がいなかったんだろうってな」

爆発音が聞こえた。
近くで戦いが始まっているということだろう。
ノールはすぐさま席から立ち上がり店の外へと出る。

反応が遅れた来栖は未来日記の記述に目を通す。
ゴンゴンと窓を叩く音が聞こえた。
ノールが来栖へ叫んでいる。
ガラス越しの、くぐもった声。

「つまり君の“願い”は○×△ってことでいいんだよね!?」

少しだけ予想外の言葉に来栖は言葉を失う。

そして口元にあるかないかの笑みを浮かべると来栖もまた席を立ちあがり。
店から出て、ノールとともに走る。


……………………………………………………………………………………………………。


【秋山蓮・目覚める】

「アリスゲームにプログラムか」

首元から流れる不快な声で眼を醒ました秋山は
七原と真紅と少しだけ元いた世界の戦いについて話す。

胸がチクリと痛むのは城戸真司のことを考えているせいではないと
秋山は自らに言い聞かせ…………る気力も起きなかった。

秋山は確実に憔悴している。
殺し合いに苦しむ友を想い。
その友を抗いがたいほどに強く思い起こさせる二人と闘ったことで。

「姉妹同士の殺し合いか。
 反吐の出るような話だな」
「そう言う人もいるでしょうね。けれど」

胸に宿る。
死した姉のローザミスティカに想いを馳せるように
真紅は眼を閉じる。

「生きるって。闘うことでしょう?」

闘わなければ生き残れない。
秋山自身も言いきったソレをただ返されただけなのに、
顔が意図せず痛みを覚えたように歪む。

「あの娘が言っていたわ」

真紅は眼を静かに開ける。

「私たちは絶望するために生まれてきたのかもしれないと」

それはきっと誰もが眼を逸らしたい事実だ。
殺し合いに望むような者達ならばなおさらの。

それでも、その言葉を受け止めた上で真紅は言う。

「だけど私は絶望したままで歩くよりも。
 少しでも大きな希望で脚を動かしたいの」

真紅の肩に手を置き。
会話を見守っていた七原が微笑んで言う。
その微笑みは、
どうしようもないほど癒しがたい痛みを背負った末のモノのように見えた。

「俺は。
 陽のあたる道を少しでも増やしたいんだ。
 そこを歩く人達が毎日、楽しくいられるようなさ」

七原の言葉は、優しく諭すような真紅のものとは違い。
力強さに満ちていて。
眩しすぎるほどに秋山の心を照らす。

「だから俺達は。諦めたくないんだ」

七原は秋山にカードをさしだす。
仮面ライダーナイトのカードデッキを。

「闘いをやめるには闘いすぎた。
 そんな風にお前は思うのかもしれない」

ならさ。

そう続けると七原は口元をニイッと笑みに変える。

「俺達と一緒に“闘う”ってのもアリなんじゃないか?」


……………………………………………………………………………………………………。


【戦場となった地獄】


最強退治が始まる。

最強は人。
旅をする人。
心に虚を抱えながらも願いを賭けた殺し合いに身を投じた狂人。

対するは仮面ライダーとなった旅人が一人。
防人となった老人が一人。
そしてただの旅人が独り。

それでも彼らは諦めることなく構える。

そして、駆ける。
最強、チャンへと向かって。

闘志を震わす歓喜を隠そうともせず。
迎え打とうとチャンは拳を振り上げ、
想波を練り上げる。


――SWORD VENT――


龍騎へと姿を変えたカントリーマン。
彼の左手には旅人の武器、奇跡の執刀があり。
彼の右手には仮面ライダー龍騎の武器、ドラグセイバーがある。

二本の武器。
それでも目の前の片腕しか使えない男を倒すには足りなさすぎる。

カントリーマンの背後から角が投げられチャンを襲う。
攻撃は右と左からの同時。
退路は限られている。

チャンが選ぶのは当然前進。
標的を見失ったブーメランには目もくれず。
チャンはカントリーマンへ攻撃を繰り出す。

カントリーマンとチャンとの距離は目測半歩。
しかも誘い込んだ結果ではなく、
反応を遥かに上回る速度で踏み込まれた結果のもの。

右からの鈎のような軌道を持つ肘鉄を
右手の武器で受け流すことをせず。
カントリーマンは左手にあるメスを以て体ごと突撃する。

捨て身。
特攻。
この攻撃を形容するにはどれも足らない。
強いて言うなら愚行。
チャンの武器は腕だけではなく“チャン”という1生命体そのもの。

チャンは軸足となった左足を地面に据えたまま右足を浮かせ。
肘鉄の威力に身を任せくるりと回転する。
回転。それによる対象の喪失。
ならばカントリーマンの突進は数歩のダッシュに終わったはず。

だが相手は繰り返すもチャンだ。
右足を軸に体を旋回した彼の左足はカントリーマンのすぐ後ろ。
カントリーマンとチャンはちょうど背中合わせの形になる。

突撃を上回るその速度すら驚嘆すら生温い武神の技。

だがチャンの回避は回避だけにとどまらない。
全身全てが凶器ならば。
背面すら凶器。

チャンの体が豪速でカントリーマンへと倒れこむ。
チャンの体がカントリーマンの全身を地面で挟む。

苦鳴の音がチャンの背中、正確には地面から漏れる。
そしてチャンの眼に映るのはカントリーマンごと
チャンの首を刈り取ろうとするミツルの姿。

三又槍が首に触れる。
否。触れたのはチャンの歯。
チャンの顎がミツルの武器をがちりと固定し。
ミツルは首の力だけで数十m先へと投げ飛ばされる。

倒れる戦士達を文字通り背にし。
チャンは悠然と起き上がる。

「さあ、もっとだ。まだ私を倒すには程遠い」

チャンは唯一立っている猿谷へと走る。

踏み出す足が大地を砕いた音がしたころには
既にチャンの貫手が猿谷の腹を貫いていた。

猿谷の融合が解かれる。
防人がただの老人へと戻る。

「呆気ないなあ」

まあ、こんなこともあるだろうという体で猿谷は笑みを浮かべる。

「殺気は見事だった。
 中々に愉しませてもらったぞ、ご老体」

賞賛。そして。

「しかし、それだけだ」

たむけに贈るのは興味を失ったような言葉。

引き継ぎのために猿谷を食おうとしたウォフマナフを
猿谷から抜いた左手で掴み。
起き上がったカントリーマンへ渾身の力で投擲する。

チャンの背中潰しをドラグセイバーを間に挟むことでダメージを軽減させていた。
だがそれでもカントリーマンが受けたダメージは大きい。
飛んでくるウォフ・マナフ。

「黒医伝術(ブラックジャック)」

已むを得ず、
カントリーマンは奥の手の一つである最強の魔法を護神像へ行使する。
護神像№2ウォフ・マナフ爆散。

「ああ。護神像が!
なんということだろう。
上手いことパワーアップしようと思ってたのに!」

戦場を少女のような悲鳴が響き渡る。

「緊張を削ぐような声を出すな!」

涙を滝のように流しながら
取り乱す少女のような風貌をした少年、ノール。
そしてそんな彼を怒鳴りつける来須圭悟。

新たに二人が地獄にやって来た。

「俺の名前は来須圭悟!
 先に言っておくがこの殺し合いでどう動くかはまだ保留している!
 コイツはノール! ハッキリ言ってこの殺し合いには乗る気満々だ!
 気をつけろ!!」

乱入者の一人、来栖が一息に叫ぶ。
そして。

「アンタらの名前は?」

明らかに何か裏があるだろう問い。
だがこの手の問いには
答えが誠名でなければならないという大原則がある。
カントリーマンもミツルも魔法には慣れ親しんだ身だからこそ
それを瞬時に理解する。

「ミツル」
「カントリーマン」

それぞれの名前を告げる。
それを聞いて頷いた来栖は共闘を申し出る。

「この闘気を身に当てられながらもやって来た戦士だ。
 拒む理由などあるまいよ。そうだろう?」

それに返事をしたのは当の敵であるチャン。
カントリーマンとミツルにまさか追い返しはしないだろうなと釘をさすように
同意を求める。

「ああ。歓迎するぜ。
 ちょうど敵の手も欲しいと思っていたところだ」

ミツルは無言だったが彼も拒む気は無いようだ。

ノールも手加減する気はないようで、
この殺し合いで初めての護神像との合体を行う。
そして改めて闘いが始まろうとして。

「まあ、待て」

それを制したのはチャン。

臆したかという希望的観測をする過ぎた楽観主義者はいない。
この男の求めるものは一目瞭然。
ならば。
来るのは当然。

「ヒーロー登場! いや、革命家か。
 じゃあ革命家、七原秋也でヨロシク!!」
「ちょっと、下品な大声を出さないでちょうだい。
 それに恥ずかしいのだけれどそういう行動」

「おいおい、ノリが悪いな真紅。
 今の俺達。けっこうロックンロールだぜ?
 俺達が立っているのが採石場だったら、
 まさに先輩ヒーロー助太刀って感じで
 さらにイカしたCOOLだったのは認めるけどね」

つれない真紅の態度に七原は頭を掻く。

「私は貴方みたいに馬鹿じゃないの。そもそもなんなの、採石場って?
 ………………ローゼンメイデン第五ドール、真紅。
 ここに参上」

「って結局、名乗りはすんのかよ!」

ズッコケる七原を尻目に
秋山は我関せずと一歩前へ出る。

「なんだろうといい。俺は闘うだけだ」

仮面ライダーナイト、秋山蓮。
ローゼンメイデン第五ドール、真紅。
そして革命家、七原秋也。

秋山の眼に真っ先に飛び込むのは当然。

「お前、秋山蓮だな」

秋山が仮面ライダー龍騎の姿をした男を問い詰める前に、
カントリーマンは秋山に問う。

「……城戸はどうした?」

秋山は問いに問いで返す。

「私達を守って。死んだ」

秋山は予想通り過ぎる答えを得る。
だからこそやるせない想いを抱く。

「生きろ。
 たぶん、アイツの最期の言葉は
 お前さんにも向けられているんじゃねえかな」

得られる城戸真司の死についての情報は。
知れば知るほど切なくまざまざと、鮮明に頭の中で再生できて。

そんな。どこにもぶつけられない想いを胸に
秋山はチャンへと眼を向ける。

チャンが出す闘気を、作り出した戦場を前に
秋山蓮は七原に言う。

「ヤツは見ての通り規格外の化物だ。
 闘う気はあるか?」

「当然!!」

七原は応える。
大剣を構え、亡き親友の得物をベルトに挟み。
戦場へ飛び込まんとする。

新たな乱入者により、地獄が更に賑わう。
幹事たるチャンは参戦者をぐるりと見渡し。
手招きするかのような手の形を取る。

「さあ、さあ。
 戦場だ。地獄だ。素晴らしき哉。素晴らしき哉。
 ようこそ勇者たちよ。私にさらなる歓喜をくれ。
 闘わなければ殺されることもできない!!」

男の空虚なる狂気。
それを受けても戦慄し、足を止めることは許されていない。
闘わなければ生き残ることができないのだから。

戦場の幕が再び開く。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。


闘争という名の絶望は終わることがない。
新たな参戦者がいくら来ようとも。
チャンとの差は大きすぎる。

圧倒的水量により浮かび上がるのは
地面と称して差し支えないほどの岩石。
ノールは来栖の指示通りに水を操り。それら全てを細切れにして丸くする。

そして放たれるはマシンガンすら超える水の連射。
連射、連射、連射。
それをチャンはいとも簡単に防いでいる。

誰もがわかっている。
これでチャンを倒すことなど決してできない。
ノールの狙いは戦士達が斬り込む隙を少しでもつくること。

裂帛の気合と共に七原が走る速度が持つエネルギーを
そのまま魔界の大剣にこめて、振りかぶる。
それをチャンは左手を腰に据え、
腰のひねりと共に弾丸などおはじきにすら思える速度で拳打で迎えうつ。

岩が瞬間、チャンへと飛来するがそれはたやすく頭突きで叩き割る。

蠅を叩くような行い。だがそれも隙とし。
カントリーマンの右腕がチャンの首筋を狙う、
向かうはチャンの右側。
左腕の位置から考えるならば最適と言っていい角度。
そう考えるのは武術を知らない素人だ。
前に出された右足の位置を僅かにずらすだけで。
腰のひねりと共に打ち出される拳の破壊が剣を真っ向から打ち払う。

打ち出され、伸びきった腕。
またもその瞬間に。
岩が飛来し、チャンの肘を逆方向へ曲げようとする。
だがそれもすぐざま肘打ちに転じて壊す。

その刹那のあと、仮面ライダーナイトがチャンの左側へ襲いかかる。
真に迎え打つのに難い方角はそこだ。
全身のバネと捻りを武器にするには相手を対角線上に置くのが最も適している。
だからこそ、
それを活かせない左腕が据えられている場所は弱点となるが武の道理。

そしてチャンは肘打ちを終えたすぐあと。
体勢を戻すには容易だが僅かな時間を産んでくれるのも確かだ。

ナイトはチャンの目の前で高く飛び、
頭上へと高く飛び、チャンの頭を真上から突き刺す。

腕が使えないなら。脚を使って防ぐしかない。
空中それも地面に直角な所からの攻撃を防ぐことはほぼ不可能なはず。

だが相手はやはりチャン。
武の頂点を極めた者にとっては容易い攻撃。
先人の知識を全て受け継ぎ、昇華するに至った武人に弱点と言える攻撃は存在しない。

それが不利な角度からの攻撃ならば移動すればよいだけのこと。
そう、『移動』しながら『攻撃』すればよいだけのこと。
後ろに置いていた左脚を右足の遙か先の方まで滑らせる。
滑る。それは慣性に従って移動するということだがチャンの移動先は空中。
そして左脚に付き従うかのように左脚も空へ投げる。
足場を無くしたのなら必然。チャンの頭は地面へと落ちる。

愚策。チャンには似付かわない愚策。

チャンは今、片腕を使えない。
つまりは防御できる場所に限りがあるということ。
空中からの一撃は強烈なれどその分、
地に脚つけているものからの攻撃も容易。

だがこれは攻撃だ。
地面に落ちて行くチャンの頭を突き刺そうとナイトはさらに腕を伸ばす。
さらに。さらに。
そしてのびきって、戻すのに一番エネルギーを必要とする瞬間。
チャンの両脚が仮面ライダーナイトを打った。

なんてことはない、
サッカーの試合ならばオーバーヘッドキックなどと呼び。
点を入れていたら歓声を浴びていただろうそんな1アクション。

雑技団じみた技。

なのに、チャンが行うだけでそれはあらゆるモノを破壊する一撃と化す。
その攻撃を受け、苦痛に身を悶えさせながら彼方へと飛ばされる。

そして、後方からは魔法により姿を消していたミツルが刺突と共に現れる。
だがそれもまたチャンには予測する必要すらない未熟な一撃。
チャンは限界にまで腰を落とし、頭の位置を限りなく低くする。
そして、下から突き上げるように背後のミツルへロケット頭突きをする。

飛ばされた者達はノールと真紅が衝撃を和らげるように
それぞれの力で受け止める。

そして、七原が真紅の花弁により作られた足場に乗り。
空中で大きく体を回転させ、叩き潰すように剣の腹を振り降ろす。
だがそれは地面に垂直に上げられたチャンの脚が受け止める。
ほんの一瞬だけ、力が拮抗する。
ヴァルセーレの剣を通じ。七原がチャンから力を得る。
それをそのままチャンへの攻撃に変換する。
だがそれすらチャンを倒すには至らず。
七原は大きく距離を取る。

倒れている者達への追撃をチャンがしないのは遠くからノールと真紅が
花弁と水の壁で行く手を塞いでいるから。

そして今、戦闘可能な状態にいるのは七原秋也ただひとり。
後退して真紅とノールを前線に出すことも考えたが、
相手は風水の力で異能殺しの結界を張っており相性が悪すぎる。

必然、勝負の行く末は
体術に長けた者に任せなければならないのが現状。

速くして。強くして、そのままに練ることができる。
それがどんなに恐ろしいか一番痛感しているのは
この場で唯一攻撃をくらってもなお、立ったままを維持している七原。
彼が薙ぎ払われずにいられたのは一重にチャンによる攻撃を受け止め。
ぶつかり合うことで力を吸い取ることができたから。

普通ならばそれでここまでの力は得られないだろう。
例えそれが魔界の錬鉄によるものとしてもだ。

だが吸い取るのは無尽蔵なチャンの力。
チャンの周囲を纏う想波。
吸い取る量も源が無尽蔵ならば膨大となるのが道理。
だからこそ、驚異なのだ。

これほどに力を与えても平然としているチャンが。
与えられた絶大な量の想波が
七原に拳法を極めた果てにある想波の闘法への扉すら開かせようとしている。
なのに泰然と、悠然としているチャンの力はどれほどか。
測ることすら馬鹿馬鹿しくなってしまう。

そう。

的確な指示を来栖が急場凌ぎの協力者達にくだそうとも。
異能が効かないことを知らされた真紅とノールがいくら工夫を凝らそうとも。

あらゆる強者が手を尽くそうとも。
無双の絶対者の優位は揺るがない。

「何でだよ!?」

闘い。
魔界の大剣でチャンの力をいくら削ぎ落とそうとしても
源が文字通り無尽蔵であることを悟り。七原が叫ぶ。

「どうしてアンタみたいな人が殺し合いをするんだよ!?
 アンタが自力で叶えられなかった願いって何なんだよ!?」

先の秋山との闘い。
そして、七原の心を徹底的に変える契機となった殺し合い。
それらを経験したからこそ七原は知っている。

例え現実を諦めても、未来に期待しなければ
殺し合いを生き抜くことは不可能なのだと。

「私が闘うのはただ、ただ、闘争の為だ。
 “願い”を持つ純心など遠き過去。
 強いて言うなら闘争こそ“願い”か」

「嘘だ! 
 アンタは。アンタの力は。技は。
 そんなことのために振るうものじゃない!」

闘うことで気づいた。
チャンの武術は杉村のものと、とても近い場所にあるものだと。
七原の杉村への信頼は揺るぎない。
彼自身、殺し合いから脱出した後、死に物狂いで同じ流派を探し、学んだ。

だからこそわかる。

「アンタの力は。
 みんなを守るための」
「ならば聞こう。」

七原の叫びに何かを感じたのか。
チャンは七原へと眼を向け問う。

「お前は何故“闘う”?
 何を“願う”?」

その言葉に七原は少しだけ口を閉じる。
突然の問答。
それが戦局をまるで一時停止したビデオのような様にしていた。
七原は口を開く。

「それが国だろうと何だろうと。
俺は。俺はかつて俺たちを殺し合わせた全てのモノを許さない」

その言葉を聞き。
チャンは七原に失望したかのような声で嘲る。

「吼えていても望むは復讐か」

「違う。俺は変えるんだ」

大剣を握る手に力をこめる。
それを合図に全員があらん限りの力を振り絞り。
最強に挑まんとする。

「世界も。人も。変えてみせる」

「笑止」

チャンは七原秋也へと言葉を叩きつける。

「恨みある革命は復讐と同義と知れ!!」

チャンは掌底を虚空へと突き出す。
遠当て。空気の塊。
拳をまとわぬ一撃が持つ威力、砲弾など比べ物にもならない。
想波の塊が七原を、構えた大剣ごと大きく宙を舞わせる。

七原を受け止めるのは真紅。

「助けてもらってばっかりだなホント」

「お互い様よ」

秋山がそんな二人を見て。
決心したような表情で七原にデッキを投げる。

「七原。闘いを肯定し、殺し合いを否定する“お前達”が正しいかどうか。
 俺は共に戦うことで見極めると決めた。
       だから       」

七原は受け止めたデッキを見つめる。

「さらなる力を求めるなら。それを使え」

力強く頷き。
七原はデッキをかざす。

「お前が」

腰にベルトが現れる。

「まだ」

叫ぶ。

「諦めていないのなら」

永遠の闘いへの切符を手にするために。
ベルトへデッキを挿し込む。

「変 身 ! !」

薔薇乙女を背にして
オルタナティブ・ゼロがナイトと並び立つ。

「これで仮面ライダーが3人。
 碌でなしどもがまあよくも雁首揃えたもんだぜ」

少し離れたところで龍騎の姿をしたカントリーマンが肩をすくめる。

「いや、違うな」

チャンの背後から、
何も無い場所から現れる“速”のライダー。
仮面ライダーファムとなったミツルが駆ける。
そして斬りかかる。

「旅人も新たな力を望むか。
己の“願い” がために」

それを予測していたチャンは宙へと飛び
離れたところへ着地する。

そして彼の手にあるのは。

「おい。いや。
 ウソ。嘘だろ?」

引き攣った声で誰もが思ったことを
誰かが言う。

チャンの手にあるのは紛れもなく仮面ライダーのカードデッキ。
仮面ライダーインペラーになるための媒体。
陽炎との闘いによる戦利品。

「いいや、現実だ」

さも当然とチャンは左手をかざし、
宣言する。

「私もさらなる孤独たる無双へとなろう」

ベルトが。
現れる。
魔神すら超えるモノへの道が、最強の前に開かれる。


――変身――




君に触れて未来が変わる 投下順 レボリューション(下)
Holocaust(下) 時系列順 レボリューション(下)


I want to smile for you 秋山蓮 レボリューション(下)
七原秋也
真紅
誇り高く穢れを知らない 来須圭悟
ノール
Holocaust(下) カントリーマン
ゼオン・ベル
チャン
ミツル
猿谷甚一








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