薬師寺天膳は大体で5、6回死ぬ ◆1yqnHVqBO6
水路が行き着く場所。
そこは本来、海や川に合流するための道筋だ。
だからこそ、乾はあの哀れなドザえもんの後をついていき、
ある程度の地形を把握しようとした。
そこは本来、海や川に合流するための道筋だ。
だからこそ、乾はあの哀れなドザえもんの後をついていき、
ある程度の地形を把握しようとした。
地図を見る限りではここは孤島のような場所ではなく、
乾が住んでいた市街地のように一エリアを封鎖した形に近い。
ならば一定のセオリーに基づいた場所に辿りつくはず。
だが結果は乾の推測とは大きく違ったものだった。
乾が住んでいた市街地のように一エリアを封鎖した形に近い。
ならば一定のセオリーに基づいた場所に辿りつくはず。
だが結果は乾の推測とは大きく違ったものだった。
水は規則正しく道として流れるものだった。
だが。
だが。
「ここは?」
長らく優雅に水をたゆたうドザえもんだったが
死体はいつしか、それ自体が意思を持つように流れに逆らった移動を始めた。
歩を進めると地下水路の内にふさわしい暗さをもっていた内観は
清潔さを感じさせる白く無菌室のような内観へと変わっていき。
それとは反対に流れはいつしか清く青い水から濁った赤い水の流れ……
おそらくは大量の血であろうどろりとした水へとなっていた。
死体はいつしか、それ自体が意思を持つように流れに逆らった移動を始めた。
歩を進めると地下水路の内にふさわしい暗さをもっていた内観は
清潔さを感じさせる白く無菌室のような内観へと変わっていき。
それとは反対に流れはいつしか清く青い水から濁った赤い水の流れ……
おそらくは大量の血であろうどろりとした水へとなっていた。
赤い血が導く先は、
地下水道の一つの果て。
地図には遺跡と記された場所に設置された地下扉。
地下水道の一つの果て。
地図には遺跡と記された場所に設置された地下扉。
扉を開けると巨大な螺旋階段が乾の視界を覆った。
「凄い余興だなあ。
政府はどれだけこの殺し合いに金をつぎこんだんだか」
政府はどれだけこの殺し合いに金をつぎこんだんだか」
さすがに、一地方自治体が建設した建物ではないだろう。
一介の企業が建てるにはあまりにも手が込みすぎている。
ここがシルバーバトルの会場ならば当然、行われている国は同じはず。
一介の企業が建てるにはあまりにも手が込みすぎている。
ここがシルバーバトルの会場ならば当然、行われている国は同じはず。
「シルバーバトルが行われた場所を大々的な観光名所にする……」
ないだろうと乾は結論付けた。
さすがに悪趣味がすぎる。
政府の露悪趣味をいまさら疑う気もないが
限度を超えては利用者や国民が離れていくのはわかっているだろう。
さすがに悪趣味がすぎる。
政府の露悪趣味をいまさら疑う気もないが
限度を超えては利用者や国民が離れていくのはわかっているだろう。
「ぬぅ!
なんだこの場所は!?」
なんだこの場所は!?」
突然、乾の背後から声が聞こえ。
確かな気配を伴った男が水から這い上がる音の後。
乾を横切り螺旋階段へと足を進めた。
確かな気配を伴った男が水から這い上がる音の後。
乾を横切り螺旋階段へと足を進めた。
「これは!?」
先ほどまで確かにドザえもんとしてその艶めかしい
死体と肢体を存分にさらけだしていた
男はすっかりかつての生気を取り戻していた。
死体と肢体を存分にさらけだしていた
男はすっかりかつての生気を取り戻していた。
元ドサ衛門、薬師寺天膳は先客を見つけると
驚きの声を上げながらその者へと駆け寄っていった。
驚きの声を上げながらその者へと駆け寄っていった。
「これは……甲賀弦之助!」
先客、それは死体である男。
薬師寺天膳の恒例と同じく、
死体に身をやつし。
薬師寺天膳とは違い、
もう二度とその身を動かすことはない死体であった。
薬師寺天膳の恒例と同じく、
死体に身をやつし。
薬師寺天膳とは違い、
もう二度とその身を動かすことはない死体であった。
「ふ、ふはははははははははははは!!
これで! これで我らが伊賀者の勝利も決定した!
朧よ、これでお前も晴れてわしの物じゃゲフャァンッ!?」
これで! これで我らが伊賀者の勝利も決定した!
朧よ、これでお前も晴れてわしの物じゃゲフャァンッ!?」
遺跡中に響き渡るような大声で笑う天膳を遮ったのは
乾の銃声。
乾の銃声。
「まったく、いくら死んで嬉しいからって。
周り一帯に響き渡るような大声を出す必要はないだろう」
周り一帯に響き渡るような大声を出す必要はないだろう」
溜息をつきながら乾は天膳の頭部にも銃弾を撃ち、穴をあける。
「妙だなあ。
この仏さん、さっきまではたしかにドザえもんだったのに」
この仏さん、さっきまではたしかにドザえもんだったのに」
頭を傾げながら呟く乾を余所に、
新たに作られた胸部と頭部の傷から血を流す薬師寺天膳。
新たに作られた胸部と頭部の傷から血を流す薬師寺天膳。
そして、天膳から流れる血に反応するかのように
遺跡がわずかに淡く明滅する。
遺跡がわずかに淡く明滅する。
その様に眉を上げた乾は幾らか気分を高揚させる。
「これは凄いな。面白い。一応は
傷が塞がらないように栓をしておくか」
傷が塞がらないように栓をしておくか」
乾はランドセルから中に入っていたリコーダーを取り出し、
薬師寺天膳の傷を抉り、潜るように突き刺した。
これで薬師寺天膳の心臓の穴は塞がらないはずだ。
薬師寺天膳の傷を抉り、潜るように突き刺した。
これで薬師寺天膳の心臓の穴は塞がらないはずだ。
「どうやって死ぬか検証すべきなんだろうが」
乾は遺跡が赤い血に反応したのを見逃さなかった。
またもや死体に戻った天膳に血袋としての価値を見出した乾は、
天膳を抱えると遺跡の探索を始める。
またもや死体に戻った天膳に血袋としての価値を見出した乾は、
天膳を抱えると遺跡の探索を始める。
「童心に帰るって言うんだろうな。この気持ち」
おかしそうに笑みを浮かべて、乾は歩く。
【G-7 古代遺跡/一日目/朝】
【薬師寺天膳@バジリスク~甲賀忍法帖~】
[状態]:死亡中、胸部・頭部に銃創、胸にリコーダーがぶっ刺さっている
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
基本行動方針:邪魔者を皆殺しにした後、主催者を殺す。
1:???
[備考]
※薬師寺天膳の向かった方向は不明です。後の書き手にお任せします。
※ノールの独白を天膳は聞いています。
※支給品、不明支給品はF-5に放置されています
[状態]:死亡中、胸部・頭部に銃創、胸にリコーダーがぶっ刺さっている
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
基本行動方針:邪魔者を皆殺しにした後、主催者を殺す。
1:???
[備考]
※薬師寺天膳の向かった方向は不明です。後の書き手にお任せします。
※ノールの独白を天膳は聞いています。
※支給品、不明支給品はF-5に放置されています
【乾志摩夫@銀齢の果て】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、子供服@現実、ランドセル@現実、コルトジュニア(4/6)@現実
[思考・状況]
基本行動方針:以前と同じようにして、生き残る。
1:面白そうだから薬師寺天膳を血袋にして遺跡を探索。
[備考]
※参戦時期は死亡直後です、が本人はいまいち覚えていません。
※地下水路への行くためには橋付近にある階段を利用するか、地下階がある建物内からの侵入、
或いは会場内に隠れている蓋を開け梯子を降りていく必要があります。
※ドザえもんになった死体は古代遺跡の地下に辿りつくことがわかりました。
※古代遺跡は血に何らかの反応を示すようですが詳細は不明です。
※甲賀弦之助の死体は古代遺跡の地下に放置されています。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、子供服@現実、ランドセル@現実、コルトジュニア(4/6)@現実
[思考・状況]
基本行動方針:以前と同じようにして、生き残る。
1:面白そうだから薬師寺天膳を血袋にして遺跡を探索。
[備考]
※参戦時期は死亡直後です、が本人はいまいち覚えていません。
※地下水路への行くためには橋付近にある階段を利用するか、地下階がある建物内からの侵入、
或いは会場内に隠れている蓋を開け梯子を降りていく必要があります。
※ドザえもんになった死体は古代遺跡の地下に辿りつくことがわかりました。
※古代遺跡は血に何らかの反応を示すようですが詳細は不明です。
※甲賀弦之助の死体は古代遺跡の地下に放置されています。
金色の彼に花束を | 投下順 | [[]] |
君に触れて未来が変わる | 時系列順 | Holocaust(上) |
側に立ち、防るもの | 薬師寺天膳 | 束の間のコミックショウ |
側に立ち、防るもの | 乾志摩夫 | 束の間のコミックショウ |