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少年よ、我にかえれ  ◆1yqnHVqBO6




  レオが生まれたところは厳しい風雪に毎日覆われ、
  強力な機械たちが村を囲むように徘徊していた。
  外にでることを少年だったレオは決して許されず。
  蟻の巣のようなコミュニティがレオの世界だった。

  しかしある日、村を防っていた老いた防人がついに倒れ。
  村に機械が大挙して押し寄せ。
  少年の前で彼の家族が殺されたとき。
  少年の心は、少年の世界は壊れた。

  壊れたものは痛みを訴える。
  欠けたものを補うために。
  壊れた心が発する衝動はレオの頭を蹂躙し、
  痛みで狂いかけたレオは縋るように願い、防人となった。


空高く、陽はまだそこにあるというのに
流星がいくつもいくつも舞い落ちる。
赤い線は虹の軌道で地へと落ち、
しかし落ちきることなく霧散する。

人がそれを見たら“願い”を託したか。
たとえその流星を創り出しているのが
年若い二人の少年のぶつかりあいだったとしても。

「“願い”は正義と言ったな」

レオの焔剣が不規則的な筋で杉村へと襲いかかる。

「なら正義はなんだ」

しかし杉村は掌に空気の塊を集めると
剣にぶつけ逸らし、流れるようにレオの懐に潜りこむ。

「どこにでもあるものだ」

肩を護神像と合体し装甲に包まれたレオの胸部に
押し当て、踏み込みをもってレオに体当りする。

後方にステップしたレオは杉村が上段後ろ回し蹴りを
左腕でガードし、足払いを放った。

「抽象的だな。おまえの正義はそんなものか」

レオは失望に鼻を鳴らし。
対する杉村の表情は窺い知れない。

「おまえはこの殺し合いを破壊するんだろう。
 だが仮に脱出して、おまえたちは何をするつもりだ」

レオが語り始めると杉村は構えたまま耳を傾ける。

「オレには帰る場所はない。
 そんなのはオレだけじゃないだろう。
 “願い”を求めることでしか
 自分の居場所を確立できない奴は」

「……帰るところは俺にだってないさ」

「そうか。なら“願い”を叶えるチャンスを
 奪おうしているのがわかってるか?
 人を殺さなくても“願い”は叶うとでも言うつもりか?
 笑わせるな。常人と隔絶した力を得ても
 壊れた心の鎮痛剤にしかならないというのに」

「そうだな。俺はお前の言葉を否定することはできない」

「否定できないなら。おまえの正義はそんなものだ。
 おまえの“願い”も結局は人を壊してでしか成り立たない」

沈黙したままの杉村を見限るかのように
レオは焔剣を更に大きくする。

「絆を結ぶなんて世迷いごとは通用しねえんだよ」

高く振り上げた焔剣は太陽の光をも吸い込むほどの
熱を出している。周囲の草や花がちりちりと焼け焦げていった。
レオは大きく足を前に出し、剣を振り下ろす。

「否定もできず、無力なまま死ね」

「俺はお前を否定できない。
 そう、否定できないし――――」

焔剣は杉村の中心線を綺麗になぞるかたちで
降ろされる。それはギロチンよりも鮮やかに彼を殺すだろう。
彼の命と“願い”を灰に変えて。

「――――俺は誰も否定するつもりはない」

杉村の体が二つにわかたれる寸前。
大地を蹴った杉村は空高く飛び上がる。

レオの追撃が牙となって再び杉村へ噛みつくより早く、
杉村は宙に産みだした空気の塊を蹴った。
自身の体を一個のミサイルに見立て
杉村はレオへと突き刺さらんとする。

レオは舌打ちすると迷わず焔剣を捨て、
拳で杉村を迎え撃つ。
アシャが産みだした炎を纏った拳は
体重と速度を乗せることで
何をも砕き燃やす槌となるだろう。

「俺の正義は」

交差する拳と拳。
相手に当たるのは僅差でレオの方が早い。
横殴りに打ちつけることで
杉村の体当たりを逸らす。

しかし、

「俺の正義は!」

杉村の拳が開かれるとそこから
かすかに輝く光が舞った。

太陽が眩しいほどに周囲を照らし。
暴力的な赤い炎が杉村とレオ以外を
世界から追い出しても。

その光は

「俺だけのものじゃないからだ!」

レオの心に触れた。

衝撃がレオの視界を揺さぶり。
たまらずレオはエネルギーのぶつかり合いで開いた
クレーターの底に埋まる。

レオの脳に護神像の“願い”を
インストールするときのように
自らのものとは違う記憶が流れこんでくる。

腕の中で幼馴染の少女が息絶え、
少年の目の前で命が零れ落ちていく。

愛情を向けていた少女に別れを告げられ
徐々に閉じられていく世界。

ずきん。と、レオの脳が疼きだした。
それは、赤き血の洗礼により
失われた者のはずだったのが。
記憶に触れ、忘却の砂漠に
沈んでいくはずの痛みが浮かび上がる。

「痛っ……。なら言ってみろよ!
 テメエの正義が。この記憶の先の“願い”が何か!」

クレーターの底から跳び上がったレオは
彼と同じように記憶の奔流に
顔をしかめていた杉村に問いかける。
叫びながら、癇癪を起こした少年の様に。

「俺は思い出したんだ!
 俺は強く在りたかったんだって!」

「だからなんだ!」

「俺は今まで刻んできたんだ。
 雛苺の言葉を! 貴子の気高さを! ガッシュの強さを!
 刻んで、願ったんだ!」

「何を!」

「みんなの陽のあたる場所を守りたいって!
 誰かじゃない、みんなが笑顔でいられる心であればいいと!」

「みんな!? みんなと言ったか!」

杉村の言葉に掘り起こされる脳の痛みに耐え、
レオの顔に脂汗が滲んでいる。

「そんなのは不可能だって――」

「不可能でもいい!」

杉村は拳を突き出し、

「不可能なことが俺の“願い”でも!
 歩みを止める気はない!
 誰にもできないことでも、
 誰かと絆を結べばたしかにそれは近づくんだ!」

「だからオレとも絆を結ぶってか!?
 あの人形を死に追いやったのが誰だと思ってる!
 オレが痛みから逃れるためにどれだけの
 “願い”を喰らったと思ってる!」

レオは足を大きく開き腰を落とし
重心を低くする。

「わかりあえるわけがないだろう!」

「わかりあえないからこそ!」

瞳を黒い布で覆った杉村の両眼が
熱く燃え上がるのがわかる。
純粋な、一片の枯れ木すらない竜巻が
渦巻いているのがわかる。

「絆を結ぶんだ!
 いつか、おまえの陽の当たる
 場所を守りに行けるその時のために!
 俺の世界が、心が更に広がるように!」

酷くなっていく頭痛を振り払おうと大きく息を吐き。
苛立ちを隠しもせずにレオは口を開く。

「……教えてやるよスギムラ・ヒロキ。
 オレにもひとつだけまだあるんだ。
 失いたくないものが」

しっかりと確認するために
レオは両手を開き、再び握り締める。

「防人であるオレだ。
 オレにたくさんのことを教えて、
 いままで一緒に生きてきた護神像アシャだ」

レオの声は今までとは一転して静かな声だった。
静かに、迫り来る、追いかけてくる者を諦観に見る声だった。

「防人は山ほどの“願い”を背負う。
 そしてその中でも貫ける
 自分の“願い”がなければいけない」

けれど、とレオは自重に口を歪め。
杉村を投げやりに見やった。

「オレはもう願うものがないんだ。
 機械への憎しみも。偏頭痛を治す“願い”も。
 みんなここでなくなったんだ」

レオの言葉がどう聞こえたのか。
杉村は沈痛な面持ちで口を引き結ぶ。

「防人は願うのをやめたら自我そのものを喪うんだ。
 だからオレは“願い”を知りたいんだ。
 それが赤き血の神のものでも。
 知って、なにかを”願い”たいんだ」

水を打ったような静けさの中、
レオは告げる。これから繰り出す技を。

「これは、仮面ライダー龍騎が使っていた技だ。
 おまえの“願い”が本物なら耐えられるはずだ。
 そしてオレを殺して先に行けばいい。
 どうせ先がないんだからな」

開いていた足を更に開き。
両腕を旋回し、それと連動するように
アシャの炎で作った炎龍を背後に置く。

「オレは防人で、“願い”がなければ
 喰われる運命だ。だからおまえと絆を結んでも
 オレは戦いをやめることはできない」

「……違う」

「違わねえよ」

炎龍に十分な炎が蓄えられ、
周囲の景色が蜃気楼に歪む。
レオが天高く跳躍すると、
追いかけるように炎龍を空へと昇り。

炎龍はひとつの槍となり滞空する
レオの背中を強く強く押し出す。

「…………わかった。
 なら俺はすべてを賭けてお前に応えよう」

右足を後ろに置き、
体重を後方に置いた杉村は飛来するレオを迎える。

「ははっ……けっきょく殺し合いになるんだ。
 わかっただろスギムラ」

摩擦熱により更なる炎を纏いレオは空を落ちていく。

「違う。違うんだ」

風圧が杉村にレオの位置を教える。
杉村は掌にありったけの空気を込め。

燃えるサジタリウスの矢となったレオの蹴りを受け止める。

「何が違うんだ」

「……これは言葉だ」

「……なに?」

「俺の武器は言葉だ防人。
 俺が語り手でおまえが聞き手だ。
 誰も死ぬ必要はない。
 そして言葉でも足りないのなら……
 言葉では拾えきれない思いを、
 拳に…………乗せる!」

爆発した空間の中、
右手で空気のシールドを展開し、
杉村はその場に踏みとどまる。

「だから、無意味だって言ってるだろ!
 オレは何を言われようと止まる気はねえ!」

「“願い”がないから。
 誰かの“願い”を知りたいという
 お前のそれはなんだ!?
 それこそが、心を突き動かす想いなんじゃないのか!?」

「違う! これは! オレでいたいからそうするんだ!」

「ならそうし続ければいい!
 前に走り続ければいい!」

「できるわけねえだろう!? 世界は狭かったんだよ!」

「できる! 俺達が広げる世界なら!」

「オレは今まで――」

そのとき、杉村は叫んだ。
爆風が風に掻き乱され、
風景が混濁としたなか、たしかに。

「今まで!? 俺もおまえも違う世界で、
 時代で、人生で生きてきて!
 今、このとき初めて会ったんだ!」

「そんなことは言われなくても……!」

「わかってないだろう!
 俺も、お前も今の今まで互いを
 殺し合いと“願い”という尺度でしか見ていなかったんだ!」

「当然だ!」

爆風の渦の中、レオは最後の力を振り絞り、
アシャの炎を産み出し、右脚に展開する。

「悲しい話だ!
 違う世界にある可能性を見ないなんて。
 走り続ける今を明日への道だと思わないなんて!」

突き出した左腕をくるりと捻り、
杉村が手の甲を外側にする。
それに合わせて空気も捻じれ、レオの炎を幾分削る。

「そんな小細工で!」

憤りに声を荒げても杉村は心を穏やかに保ったまま。
伸びきった左腕、その肘に右の拳を添えた。

レオは知らない。
この動きが、仮面ライダーファムを
打倒した際のものと同じであると。

「だから俺はこの拳にさらに世界をこめる!
 大人に捨てられ。大切な人を守れず、
 怪物の前では震えることしかできなかった俺の世界を!」

「上等だ、やってみろ!
 どの道、今のままじゃ何も手に入れられねえんだ」

左手を捻り、相手の攻撃をわずかに逸らす。
そして、左腕をカタパルトに見立て、
添わせた右手を左腕を引くと同時に前へと打つ。

「両眼を失って、仲間に守られて、仲間を失って。
 そのとき抱いた傷を抱きしめて。
 俺はこのままじゃ嫌だってわかったんだ。
 このまま終わるのは嫌なんだよ防人!」

「奇遇だな!
 オレもこのままじゃいられねえんだよ!」

中国拳法では初歩の技。
護神像のデータにもあった
レオも知っていたその技。


     名を――――崩拳という。
     地を走るのではなく、
     空を崩すように飛ぶ拳。


右手がレオの蹴りを遂に押し返し、
炎の壁をついに消失し、レオの鳩尾へと
吸い込まれるように進み。ついに砕いた。

だがそれでも。

「おまえは生身で。
 オレは鋼だ。惜しかったな」

装甲が砕け散った先に現れた
金髪の少年の体には届かず。

杉村の拳は空を………………。

「……雛苺が俺に言ったんだ。
 明日をくれてありがとうと。
 みんなの明日を守れと」

杉村の拳を暖かく包んだ光があった。
綿毛のようにやさしくたおやかに瞬く命。
決勝の欠片。そこにさらなる風が集まり。

「これでも足りないのなら
 さらに“願い”をこめる。
 言葉にも、拳にもならない、
 世界から溢れ出る“願い”を。
 だからこれは俺の正義で――」

とん、と音がして、
レオの腹部に杉村の右手が優しく触れた。
優しく触れ、そこに篭った風が。

「――俺達の“願い”だ!」


――――――。


頭痛は治まり、レオの前に空が広がる。

「本当に殺さなかったとはな」

皮肉に笑みを浮かべ、
レオは隣に立つ杉村を見た。

「……たしかに、世界は広いな」

「ああ」

「そもそもお前がほとんど一般人っていうのが……
赤き血の神は化け物か」

「お前とそんなに変わらないと思うんだけどなあ」

杉村は困惑して鼻の頭に指を当てる。

「オレはな杉村」

レオは体を起こして瞳を閉じ、暗闇を見た。
自分に流れる血と同じ黒色を。

「初めて頭痛もノイズもない眼で
 世界を見たとき、思ったんだ」

杉村はレオに顔を向け、
紅く滲んだ布地越しにレオを見つめる。

「世界はきれいなんだなって」

「そう……だな」

自分の心のどこを探しても
かつて抱いていた、焼けつくような衝動は見当たらない。

だけれど、レオの胸の中にはなにかに疼く心があるのを
今のレオは受け入れることができた。

「これからどうするんだ?」

「キャンチョメたちのところへ行く」

迷いなく断言する杉村を見て
レオは目を細め呆れて肩を落とした。

「忙しいもんだな。正義の味方は」

「お前も来るんだろ?」

躊躇なく差し伸べられた杉村の手を
レオは逡巡の後に握った。

「自己紹介がまだだったな。
 オレはレオナルド・エディアール」

力強く頷く少年に意地悪か
自虐に頬を歪めて付け加えた。

「防人の運命から逃げ続ける男だ」


【E-6/一日目/日中】

【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、軽度の打撲、
[装備]:アシャ@WaqWaq ワークワーク、
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:自分で在り続けるために走り続ける。
1:キャンチョメのところへ戻る。
※由乃の返り血を浴びています。

【杉村弘樹@バトルロワイアル】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(小)、心の力消費(中) 、全身裂傷、
     ダメージ(中)、指の爪剥離、両眼失明、勇気を刻みました、覚醒
[装備]:英雄の証@ブレイブ・ストーリー~新説~ 、雛苺のローザミスティカ
[道具]:基本支給品×2、
[思考・状況]
基本行動方針:正義
1:キャンチョメのところへ戻る

[備考]
この殺し合いを大東亜帝国版プログラムだけでなく、
それとよく似た殺し合いの参加者も集められていると暫定的に推測しています。
仮面ライダーへの変身の仕方を理解しました。
カードの使い方も大体把握しました。
覚醒した杉村は空気を読むことで周囲100mの状態を把握することができます。
参戦時期:琴弾と合流後、桐山襲撃直後



First bet 投下順 循環型悲劇症候群
First bet 時系列順 循環型悲劇症候群


けれど彼は前を見る レオナルド・エディアール 僕達は強がって笑う弱虫なのさ
杉村弘樹













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