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花弁も遺すことなく



雪原、ではなく今では
水の結晶が見え隠れする草原に真紅は立ち。
銀嶺が消えた方向をただ見ているしかなかった。

「……っ!」

大きくよろけて膝をついた。
ドレスの裾にじわりと広がる水の染み。
もはや水のドレスを纏う余力もなかった。

けれど、闘いは、殺し合いは向こうでまだ続き。
巨大な剣が何故か小四郎へと落ちた。

「行かないと」

膝に手をつき、這々の体で立ち上がった真紅。
傍らに浮かぶハルワタートを見上げて微笑んだ。

「もう少しだけ付きあってちょうだい。ハルワタート」

ぐい。
ぐいぐい。

「ハルワタート?」

けれど、ハルワタートは真紅の言葉に反し。
頭を真紅に押し付け、
桐山が闘っている場所から離れさせようとする。

「…………」

真紅は真っ直ぐにハルワタートの仮面を見つめ。
そこに手をやり、額をつける。

「これは私の闘いよ。
 力尽きても、悔いなんてないわ」

真紅に押し付けていた頭はそれでも静まることがなく。
体に水がほとんど残っていない状態で
ハルワタートは真紅を押す。

「考えるよりも、感じるよりも先に、
走りましょう? ハルワタート」

ハルワタートの仮面から額を離して、真紅は優しく微笑んだ。

「貴方の大好きな“ろっくんろーる”な舞台よ」


――――――――。


「さいふぉじお」

小四郎がそう唱えると空中に剣が現れ、小四郎を貫いた。
これまで何度か眼の前で行われた流れ。
小四郎の傷が瞬く間に塞がり、完治する。

「本来の娘ならばここまでの力を使うことは
 到底叶わぬのだがな」

息を荒げ、
地面に突き立てた剣に
もたれかかっている桐山に
冷酷に小四郎は告げた。

「魔物使い。女神より賜りし力。
 それが引き出す深き魔王の力。
 どちらも真、強力なものじゃ」

「…………徳川の世は500年で潰えるぞ」

「らしいな」

情報統制が行われている大東亜共和国で
歴史を知ることはできない。
桐山も小学校の頃に知ってみるのもいいかもしれないと
思って政府のデータをハッキングしなければ知ることはなかった。

「だがそれがどうした。
 この世界を創りあげた忍の術を借りれば
 全てを為すことができる。
 姫様を蘇らせることとてできよう!」

両手を広げて高らかに歌い上げる小四郎の表情は
前途洋々としており、期待に輝いていた。
未知の文明、文化に触れたことで小四郎は明らかに酔っていた。

「おれと天膳様が何もかもを姫様のために捧げよう!
 永禄も! “願い”も! 
 甲賀を消し去り、伊賀の天下をとった後に!」

「そうか」

立ち上がった桐山はサバイブのダブルセイバーを構えた。

「だが俺にとってはその“願い”は悪い冗談だ」

疾風と化した桐山は小四郎へと斬りかかる。
風とともに駆ける桐山が小四郎へ残した斬撃は9回。
だがどれも小四郎が展開したバリアを傷つけるには至らない。

「お前は金糸雀を殺した」

「復讐か」

「そうだ」

「小者め」

「お前にそれを言う資格はない」

マントを大きく翻した桐山は
デッキから一枚のカードを抜くと召喚器にセットした。

――TRICK VENT――

「小細工を弄しようと今のおれには効かんよ」

「お前ではなく。
 正確にはお前が纏っている少女だがな。
 それすらお前の力ではなくあの男の仕事だったが」

「だが掌中に収めてしまえば同じことよ」

小四郎の嘲笑を合図に複数に分裂した
桐山は一斉に躍りかかった。

「遅い。さいす」

小四郎の手から放たれる疾空の刃が桐山を消し。
一つのアクションで一人、また一人と消えていく。

前方にいる桐山の背を踏み台にもうひとりの桐山が飛び出し
小四郎の頭を斬り裂こうとする。

「ぬるい」

しかし、呆気なく刃を掴んだ小四郎は
相手の首の骨を折り、姿を打ち消した。

そこに飛び込む火薬の音、匂い。
背を踏まれた桐山がデリンジャーを手に、
小四郎へと銃弾を浴びせる。

だが魔王の卵の力を纏った小四郎には
野球ボールていどの脅威しかない。

容易く避け、小四郎はバリアを展開する。

だが小四郎の頬が予期せぬ方に裂けた。

「なに?」

小四郎の頬をかすめたのは小さな光の弾。
わからないのは何故それが地面からやってきたのか。

素早く視線を降ろした小四郎の眼に映ったのは
地面から謎の触手とともに生えた一丁の銃。

よく見ればそれは地面を掘り進めて出てきたのがわかった。

「地面が柔らかいのが幸いした。
 真紅が雪を消していたのも作業を誤魔化すのに役立った」

小四郎から最も遠いところに立っている
桐山が背負っているのは幾本かの銃とともにある触手。

その一つが地面を突き進み、
小四郎の直ぐ側から顔を覗かせている。

策が功を奏したのを確認した桐山は
すべての銃を地面に潜らせて小四郎のすぐ側から銃口を出す。

「桐山ぁ!」

怒りに満ちた小四郎の声はバリアに当たって反響し。
撃ち出された光弾がバリアに跳ね返り
縦横無尽にバリア内を飛びまわる。

バリアが消失した場に残ったのは傷だらけの小四郎。

「金糸雀はその少女を助けたがっていた。
 だから俺はお前だけを殺さなければならない」

残っていた三人の桐山が小四郎を囲み。
覆われていない首元に刃を突き立て、
缶詰の蓋を開けるようにして首を切り落とそうとする。

「ま・せしるど」

刃が盾によって防がれる。
硬い盾に剣が弾かれた隙に小四郎は這いつくばって
桐山から距離を置いた。

「……交渉だ。大人しくするなら痛みなく殺してやる」

「黙れ!」

桐山の提案を跳ね除けて
小四郎は屈辱の炎に揺れた眼で睨みつける。

「これで貴様も終わりだ!
 ちゃあじる・さいふぉどん!」

空から桐山へと切っ先を向けるのは巨大な一振りの剣。
剣を柄もなしに掴んでいるのは水晶の女神。
水晶に映し出されるのはこの一日でティオが受けてきた痛み。

少年と闘い、敗れ。陵辱されかけ。
次には蒼星石と闘い、首元を打たれ。
友の死を聞かされて決定的に狂い。
奇妙な格好をした片腕のない少年を殺し。

そうして育まれてきた怒り、憎しみ。
次第に女神の顔が安らかなものから憤怒に染まり。
一つの鬼女の貌へと変貌を遂げた。

「これは……」

桐山の目の前で威容を露にする巨大な剣。
大きさは銀嶺すらも
凌駕する術に秘められたのはどれほどの感情か。

「無理だ」

ここまで来たらどうしようもない。
常人よりも遥かに優れた脳を持つ桐山は冷静に判断する。
蟻が人に踏み潰されるしかないように。

人は魔王の怒りには甘んじて受けるしかない。

奥の手を使わせただけで上出来か。
納得する桐山を叱咤するように
二つの光が桐山の周囲を舞うが

「真紅とともに逃げろ」

そう言って桐山は両手を降ろし、死の結果を受け入れた。

マルコが消し尽くした曇り空。
青空だけを遺して心地よい風が桐山の肌に触れる。

「お前たちに会えて悪くはなかった」

学生服を着た少年はそう言って。
地面に座り、最期の時を受け入れようとし――

「なんだ!? 何が起こった!?」

小四郎の声を聞いて桐山は剣に向けていた虚ろな瞳を下ろした。

そこにいたのは小四郎と少女。
そしてアムルタート。

「戦場は死んだか」

金糸雀が生を願っていたもう一人が死んだことを知り。
桐山は思わずため息をついた。
ため息をついたのは十年ぶりではあったが。

だが死を待つ桐山とは裏腹に事態は進行し、
頭を抱えて、苦しむ小四郎は何かを押さえ込もうと吠え続けている。

「馬鹿な…………娘の心に直接……!?
 そこまでするか……そこまでして何になる!」

小四郎の胴体を覆っていた少女の顔に動揺が走り、
異様な声とともに小四郎の体を覆っていた鎧が収縮を始める。

「戦場ぁぁぁぁぁぁ!!」

「諦めないでカズオ」

桐山の前に現れたのは真紅。
そのドレスは傷だらけになり、
表情にも色濃い疲労が見える。

「真紅……」

せめてもの抵抗か。
宙に浮かぶ剣の後ろに逃げた小四郎は
徐々に小さくなっていく剣を無理矢理に発射させた。

「あの子を助けたいのでしょう?」

「それは金糸雀の意思だ。
 お前がそれに尽くす道理はない」

真紅を庇おうと前に出ようとした桐山。
だがその寸前に出されていた
真紅の足に引っかかり、みっともなく転んだ。

「何故だ」

「私に任せなさい」

「蒼星石といいお前といい。
 どうして俺の言うことを全く聞こうとしない」

「私の闘いだもの」

地面に倒れた桐山の頭を撫でて。
真紅は毅然と一つの災害にまでなった大剣に対峙し。

右手を弓師のように伸ばして叫ぶ。

「特攻形よ。ハルワタート!」

傍らにつき従う仮面の護神像が姿を変えて。
流れて廻る三角錐へとなるシルエットを組み直す。

「鋼鉄を抉りなさい!」

次の瞬間にはハルワタートを駆る真紅と
剣を放つ小四郎の激突が始まっていた。

真紅とハルワタートの一撃は
ドリルが岩を砕くように掘り進んでいく。
削られ、滓になった剣の粉は空中で砂のように消えていく。

だが、それでも足りない。

アムルタートがティオを主として“願い”を直接注ぎ込もうと。
真紅が防御を捨てて全てのちからを一撃にしようと。

錐となったハルワタート。
残る水すべてを使い、回転しようとも穿つには至らない。

「伊賀忍とは!
 己の忍術に拘らず!
 任務の為にはあらゆる駒を使う有能な忍!
 己の術に胡座をかき続ける無能はいないと知れ!」

忠義の狗が叫ぶとおり、
ハルワタートの水は激しい勢いで弾け、
雨のように地面に滴り落ちた。

それでも真紅の勢いは止まらない。
水が剥がれ落ち、他愛もなく貫かれるはずの人形を護るのは
七原秋也から受け継いだヴァルセーレの剣。

最後の破砕音とともに真紅は剣を真っ向から穿ち。
上空に浮かぶ水晶に最期の力を振り絞り、刃を突き立てる。

「貴女の苦悩をわかることは私には一生できない」

水晶に罅が入り、刃の雨に打たれ続けた
真紅の体が光に照らされた。

「でもこのままにはさせないわ、絶対」

桐山の眼に映ったのは上半身だけ。
それも左側を丸々消失した姿。
下半身は鋼鉄の雨に混じり既に落ち。

ずたずたに斬り裂かれたドレスの裾も捲れ上がり。
球体関節は関節から先が亡くなっていた。

「《究極の少女(アリス)》なら、できたのかしらね」

「おまえの抱いているものが何なのか。
 俺には理解できない。
 きっと昔の俺にもなかったものだ」

崩れ落ちた真紅を両腕で捕らえ。
桐山は語りかける。

苦痛に呻く、小四郎の声は気にならない。

ただ。

――FINAL VENT――

ただ潰えるのが見たくないという想いがある。
この腕の中でまたもや消えていこうとしている
美しい何かが抱いていたものを更なる高みにあげてやりたいという想いが。

「喪いたくない。忘れたくない。
 そう”願う”のが悪くない。いや、いいと想える」

剣の欠片は今、強靭なる弦に編まれ、一本の綱となっている。
短時間でそれを為したのは桜田ジュンの技術を学び、
伊賀忍、夜叉丸の弦を持っていた桐山だからできること。

一台のバイクが真紅と桐山を乗せて小四郎の元へと走る。
大地から伸びる弦の先はアムルタートに結びつけてある。

故に、途切れずに。
一直線に水晶へと走りぬけ。

ついにはチャージル・サイフォドンを壊した。

壊れた般若像の先にあるのは。
小四郎から分離し、離れた少女、ティオの姿。

「これが《誇り》か」

それを必死に手を伸ばし、抱え込み。
桐山はバイクに跨り、双刃を煌めかせ。
小四郎の横を一瞬で駈け抜けた。

後に跳び上がったのは小四郎の首。

「ならば、真紅。
 おまえとともにいたことを《誇り》に想う」

焦げ付いた草原、
轍となって残るのはともに駆けた証。
けれど、学生服に戻った少年の腕からはすでに、

真紅の姿はなく――




【筑摩小四郎 死亡確認】
【真紅 死亡確認】
【残り 16名】




雪原の祝福 投下順 深淵での邂逅
雪原の祝福 時系列順 深淵での邂逅



ぎゅっと握り締める 筑摩小四郎 GAME OVER
雪原の祝福 真紅 GAME OVER
ぎゅっと握り締める 桐山和雄 深淵での邂逅
ティオ











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