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参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》



 【巻き戻し】


「悪いな、坊主」
「え?」

銃口がワタルの眉間を狙っていた。
即座に引鉄が引かれた。額に赤い穴が開いた。
自分の身に起こったことが絶対に信じられない顔のまま、ワタルはゆっくりと仰向けに倒れた。
手にした剣の刀身が陽炎のように揺らぎ、霧散した。


【一時停止】


くちゃくちゃ。
ずずずっ。
咀嚼する音と血を啜る音が
灯りの一切ない地下室にて木霊する。

音の主は褐色肌の少女。
外見だけなら10にも満たないだろう幼さ。
しかし、彼女の続けている行為が醸しだす臭いは
その場にいた者の鼻孔を一度刺激すれば10日はとれないだろうもの。

ぼり、と少女の口の中で骨が砕ける音がした。
その骨は大腿骨であり、
本来ならば小さな口には入らない大きさ。

けれども少女は人にはありえないほどに
大きく広げた口で噛み砕く。

しかし、固形から液体にまで磨り潰したものを飲み込まずに
その場で吐き出すと少女は次の素材の吟味にとりかかった。

「……ひぃっ!」

小さな弱々しい悲鳴は少女が掴んだ肉の口から。

「ま、待つんじゃ。お主も儂らの協力者じゃろう?
 なのに何故このようなことを」

最後まで聞くことなく少女は肉を丸呑みし、
大きく口を動かす。

断末魔は少女の口の中から聞こえるが
構うことなく咀嚼する。

だが何かに気づいたのか少女は動きを止め、
口の中から赤くぬめった塊を吐き出した。

「膵臓……」

掌で数回転がし、ためつすがめつ眺めると
愉悦の笑みを浮かべてそれを虚空へと消す。

「まだ続けているのか」

これはまだカントリーマンが来訪する前のこと。
故に扉の鍵は閉まったままであり。
そこには誰も来れないはず。

「部屋が肉片で埋まっている」

卒倒する光景にも来訪者、神崎士郎は眉ひとつ動かすことなく。

「あれは持ってきたのかえ?」

少女の問いに無言で付き人を促す。
来訪者、神崎士郎に付き従うのは
金色のアーマーに身を包んだ謎の仮面ライダー。
両腕に抱えていた死体を少女の隣に下ろすと神崎士郎の背後に戻った。

「ごくろう」

「…………何をするつもりだ」

「人形を創るための素材の厳選をしておる。
 同じ魔の者どうしならば、口内で吟味するのが一番よ」

「違う」

冷然とした眼つきで周囲を見やると、
本来のこの部屋の役割だった首輪盗聴のデータを集める装置がある。

「誰を殺すつもりだ」


【早送り】

「呆気ないなあ」

「殺気は見事。
 だがそれだけだ」

【再生】


神崎士郎が去り。
褐色肌の尻尾が生えた少女はひとり黙々と肉を喰い続けている。

「ひぃっ!」

「おねがいじゃ! 見逃してくれ」

「なんで儂がこんな目に!?」

悲鳴、命乞い。
すべてを一顧だにせず、喰らい、砕き、吐き出す。
その中でこれはと思うものは歯を突き立てず器用に掌へと出す。

「もう少しじゃ」

恍惚と頬に手をあてて。
恥じらう乙女か、桜色に紅潮した顔で
少女は上階に位置する繭を見上げた。

「ワタルよ。もう少しじゃ。
 もう少しでそなたの仇が討てる」

しかし、《勇者》ワタルを殺した男はもういない。

「誰じゃ。誰がそなたを殺した?」

元は別の役割のために用意されたこの体と
任された無数の枝分かれした悪魔たち。

少女の首には参加者を意味する首輪はどこにもない。

「最強の旅人かえ?」

否、チャンはもう死んでいる。
死んだからこそ素材に戦場から持ってきた。

「電龍駆る金色の魔王かえ?」

否、ここにある記録装置により。
ガッシュは無力な少年に謀殺されたことを知った。

「ならば白銀の雷帝かえ?」

否、少女はたしかに
雷帝ゼオンが屠られるのをこの目で見た。

「眠れる牙持つ炎龍の戦士かえ?」

否、城戸真司は闘うことなく
諦めに身をやつした少女のために生命を散らした。

「かつての戦友、魔物使いにかえ?」

否、その魂魄は勇者の記憶を持っておらず、
ブックはワタルに勝つ力を持たずして死んだ。

「ならば」

俯いた少女は奥歯を噛み締めて
困惑と憎悪に満ちた声で言の葉を紡ぐ。

「誰が殺した?」


【巻き戻し】


「悪いな、坊主」
「え?」

銃口がワタルの眉間を狙っていた。
即座に引鉄が引かれた。額に赤い穴が開いた。


【停止】


「否! そのようなことがあろうはずなし!
 幾多の戦士をくだしてきた強き勇者が!
 このような形で終わるはずがないであろう!?」

腕を振り回し、床に積もった肉と血の海を蹴り。
少女、オンバは部屋中を叫びまわる。

「仮に、仮にその爺がワタルを殺したとしよう!
 ならばこの妾の手で爪を剥ぎ。
 歯を砕き。内蔵の全てを蹂躙して尚殺さず!
 じわじわと耳と鼻を削ぎ、
 命乞いにのたうつ舌を引っこ抜いてから!
 殺さねばなるまい! 希望を絶やした罪を、償わせてくれよう!」


【早送り】



「呆気ないなあ」

「殺気は見事。
 だがそれだけだ」


【再生】


「ありえぬ!
 あってよいはずがない!
 勇者とは人を救う者! 人を護る者!
 人に愛される者! 女神の寵愛を受ける光!
 こんな、こんな形で潰えることを誰が望む!?」

金切り声とともに顔中を掻き毟り。
オンバはひたすらに何かに問う。
まるで救いを求めるかのごとく。

「いたわしやワタル。いとおしやワタル。
 妾のために唯一涙を流してくれたそなたが。
 痛かったろう。苦しかったろう。辛かったろう。
 待っておれ。そうじゃ、妾がこの手で仇を……」

自嘲する勇気はない。
己の愚かさでどうすれば輝きを失った愛する者を慰めてやれる。
オンバには何もできない。

だから。

「…………ああ、そうじゃ。
 そうなんじゃワタル。
 そなたと妾の世界を創ろう。
 永遠に妾がそなたを愛し続けよう」

その手に握られているのは彼女の肉体、
ムルムルが持っていた剣。デウスの秘宝の一つ。
忘却をもたらす剣。

《赤き血の女神(クイーン)》我妻由乃ならば自力で
それをやれようが。オンバにはそこまで狂うことはできなかった。

狂う、自我の混濁。
勇者を愛することの滑稽さを誰よりも理解していたから。
今の彼女こそが狂った形ではないのかと思えてしまうから。

だからオンバは手にある剣で己の喉を――


【メニュー】


この記憶・記録を削除します。
よろしいですか?


【はい/いいえ】


そこは地下。
カントリーマンがやってくる少し前。

そこにはひとりの少女がいた。
褐色肌で血の海に浮かぶ幼く純粋な娘がいた。

「…………死んでしまったのじゃなワタル」

眼からつたう涙は頬から血の海へと落ちて、赤に溶けていく

「我妻由乃は死んだ」

その顔には何かから解き放たれたように
安らかな表情が浮かんでいる。

海の底には電気のコードが蛇のように這っているが
その先にあるはずの装置は“何故か”どこにもない。

「《歴史の道標》、《ジョーカー》は勝利を掴もうと足掻いておる」

囁く口の端からは砕かれた機械の残骸が覗いている。
しかし、オンバは指で摘むと飲み込んだ。

「仇は討とう。
 殺られたままでは悔しかろう?」

ざぱん、と水の抵抗を感じつつ。
オンバは起き上がった。

「これは祝福された道よ。
 おさなごころの君を超えるための」

すっ、と音もなく浮かび上がると
粘着く血液が細く水柱となって立ち上がる。

「ならば依代は決まっておろう。
 なあに、そなたとそっくり同じではない。
 白薔薇から教わった技術は中々に高度」

傍らに浮かぶ土左衛門、甲賀弦之介の眼球を抉り出すと
舌舐めずりして官能に身悶えする。

「ワタル、ワタル、ワタル。
 誰に殺されたかもわからぬなんて不憫極まりない。
 だが安心するんじゃ。蜃気楼のように消えた我が幸福よ」

炯々とぎらつく両眼はまだ正気を喪わず。
オンバは未だ――

「皆殺しにすれば仇は討ったことになろうてなあ?」

未だ――



【メニュー】


消去されたデータを復元しますか?



【はい】




           ――女神が勇者を見捨てたのならば!――

         ――《魔姫(クイーン)》なる妾が愛するのみ!――

 ――たとえ、勇者を腕に抱く妾が醜悪と蔑まれることを知っていようとも!――



【失敗】





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