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比類なき悪の右手



修学旅行は無事に終わった。
無事、というのは誰も怪我をすることなく終わったということ。
喜ばしいことなのだろう。
七原は行きと帰りに開催されたバスでの
カラオケ大会に不平を漏らしてはいたけれど。

楽しかった、そう桐山は思った。
七原とノブと三村と豊と杉村。
彼らとの班行動はどれも退屈することがなく。
両手に抱えきれないほどの土産物は
全て桐山の自室に置かれてあった。

「飽きたら俺に言ってくれよ?」

隣を歩く三村が冗談めかした風に言った。

「叔父さんのバーにお前の顔写真と一緒に飾ってやるよ」

「やめてくれ、飽きるわけないだろ」

真っ赤に燃えた空、茜色の空。
夜が浮かび上がる前の太陽は眩しさよりも
熱さよりも冷たさのほうが優っているように桐山は思った。
風邪を引いた豊の家に寄って
談笑に暮れた後、豊の母親に見送られて桐山と三村は帰った。

その途中、腕時計を見れば短い針は5を指したばかりだったことから
三村の提案でゲーセンに寄ろうということとなった。

「夕焼けが……怖いんだ」

「文学的なことを言うじゃないか。
 沼井達が見たら泣くぜ?
 《鉄仮面》だっけ? いや《岩窟王》だったかな」

「どっちだろうと、
 お前たち三人の《三銃士》よりはマシだと思う。
 それより、あまりからかうなよ。正直な気持ちなんだ」

「空が気になって負けましたーは通さないぜ?」

「そんなんじゃない。
 第一、お前は先週俺に負けたじゃないか。
 飯島だって見ていたぞ」

桐山は空を見上げた。

「ただ、どうしてかな。
 俺は最近空そのものが怖いんだ。
 真っ直ぐに空を見られない気がして」

「へえ」

横目で興味深気に桐山を一瞥し。
後ろから追い越していった
部活帰りの大木立道とはたがみただよしに
二人で挨拶を交わして。

その少し後を
滝口雄一郎と相馬光子が並んで歩いて行ったのに
目を瞠り言葉が出なくなって数分後。
三村は口を開いた。

「これは大昔の砂漠の国の悲劇なんだけどな。
 おっと、そう長い話じゃないよ。
 千夜一夜? 違うよ、だいたいそれは今おまえが更新中じゃないか。
 ロスタムっていう勇者の王と呼ばれた戦士がいたんだ。
 彼はふとしたきっかげで長年の敵国の王女と褥を共にして。
 次の日の朝、別れ際に家宝の腕輪を渡し、
 自分の息子にこれを贈ってほしいと告げて去ったんだ」

アーケード街に着くと、
段々と増えていくのだろう帰宅を急ぐ人達の中を
すいすい泳いで三村は桐山の前を歩いた。

三村の話に集中していた桐山は対応が遅れ、
長い黒髪の眼鏡をかけた美女にぶつかりかけて謝罪しつつ、
小走りに三村の後ろを追った。

「一晩の営みで女はロスタムの子を産んだ。
 ここで大事な情報を教えるとだな。
 ロスタムの親父さんは王様でその女性の父親も王なんだ。
 成長した子供はロスタムの腕輪をつけると母親に言った。
 自分は、父の国に向かい、父と会って彼を王にする。
 そして王になった父の力で自分もまたこの国の王になると。
 そうしてその子は出征する兵に混じってロスタムの国へ出発した」

三村の背中しか見えない。
徐々に距離が離れていくのに声だけははっきりと聞こえた。

「その子供、ソフラーブとロスタムは戦場で出会った。
 同じく疲れを知らない勇壮な戦士であった二人は
 軍勢の前に進みい出、戦装束と一体化して時同じく鞘を払った。
 決闘は何時間も続き、ついにはソフラーブは落馬した。
 ロスタムはソフラーブの馬乗りになって首を跳ねようとしたが
 二人の部下が縋ってそれを止めた。
 戦の始まりに死ぬのが敵の将だというのは無作法だったんだな」

アーケード街、長い屋根が道を覆い、
立ち並ぶ商店が活気を伝え、桐山を空から隠す。

「ここで物語に触れている者は期待する。
 もしやこの親子は救われるんじゃないか。
 苛烈と狡猾に過ぎた両国の王は勇者に
 よって王位から落ちるんじゃないかと。
 二度目の決闘は闘いの三日目。待ち侘びた時だが結果はあっけない。
 ロスタムは一瞬でソフラーブを馬から引きずり下ろすと
 ソフラーブの胸に刃を突き立てた」

どこかから聞こえる。
悲鳴と罵声と紛糾の声と声が。


「そしてロスタムは手首にはめられた腕輪を見て
 ソフラーブが自分の息子なんだと知った。
 ロスタムは自分の息子の血に汚れた大地に蹲って、
 ソフラーブの亡骸を抱いて泣き喚いた」

息が切れて、小さな汗の粒が桐山の額に浮かんだ。
頭が、痛い、こめかみの少し奥がズキズキ。

「ロスタムは自分の体を鎧で隠し、
 ソフラーブは自分の父親を王位に就けようとがむしゃらだった。
 この物語はもう砂漠の国人々にも忘れ去られた代物だけどな。
 実に興味深いことを俺たちに教えてくれるんだ。
 悲劇も喜劇も自覚がないからこそ演じられる。
 身勝手な義侠心も止まらない責任感も、
 人の命を奪うことがある。
 登場人物は己の所業と境遇を相対的に見つめた時、
 本当に耐えられるかどうか」

電光がちらちらと点き始め。
小走りから全力疾走へと変わっていた桐山は
夢中で三村の声がする方へと走っていた。

人混みが途絶え、目の前で三村がこちらをじっと見つめて佇んでいた。
慌てて立ち止まった桐山を確認すると彼は言った。

「自覚したら、おしまいだったのさ。
 最初から最後まで。
 知らなかったなら、ロスタムは最強の勇者だった。
 さ、着いたぜ桐山。今日は何をやる?」





空が覆われている。
巨大なる科学の果てが産み出す人型が
暴虐の限りを尽さんとし。

巨人は太陽現れぬ紫影を覆う。
巨人は健やかなる蒼天を隠す。
巨人は温かき白光を背にする。
巨人は暮れなずむ赫炎を消す。
巨人は漆黒よりも黒く吼える。

雷とて、どうなるか。

雷を産み出す三頭六足二尾の巨大なドラゴン。
黒鉄の体躯は巨大都市にも匹敵する大きさだが
それでも機械の巨人の半分ほどの大きさにしかならない。

『撹乱を休むなよ! 動力部は僕が叩く!』

尾を蛇腹にうねらせ、振るうと空気が割れて鎌鼬が巻き起こる。
口を開けば雷雲が発生し、機械の巨人へと襲いかかった。
羽ばたく翼は全てを切り裂く雷の速さ。

胴体の正中線へとドラゴンは突進し。
機械の巨人が捌く。

その動きは最強の動きを正確にトレースしたもの。
すれ違いざまに三頭の内の二頭を叩かれ、
ドラゴンへと変化したミツルの意識が歪む。

「こっちだ!」

黄金に燃える龍にのってレオが巨人の頭部へと躍り出た。
超高熱のエネルギーに当てられ、巨人を構成する機械の幾つかが蒸発したが
それをものともせずに機械の巨人は身を沈めると掌底を放った。

直撃は避けたが、龍の横腹に当たる
箇所を殴られきりもみして宙をよろけた。

「まだ死なないの?」

そして、階段を降りて、天野雪輝はやって来る。

「さあ、人柱になる時間だよ」

少年は機械仕掛けの神の仮面を脱いでいた。
天から”人”がガシャンと落ちてくる。




耳に木霊する。
これは言葉だ。呪いだ。囁きだ。悲しみだ。

      Q、誰かを救えばいいと思ってるの?

      A、わからない

      Q、あなたが殺した人達はそんなあなたを見てどう思う?

      A、わからない

      Q、どうして想いだしたの?

      A、わからない

ゲームセンターの喧騒。
もつれあった電子音とコインとコインがぶつかる響き。
桐山が座った席には前の客のものだろう吸殻があった。
銘柄はワイルドセブン。

      Q、一番に死んじゃえばよかったのよ

      A、

      Q、あなたのせいでたくさんの人が傷ついているの

      A、

      Q、出て来ないでよずっと縮こまって閉じこもってよ

      A、うん

      Q、あなたが死ねばよかったのよ

      A、そうかもしれない。きっとそうだ

      Q、死んじゃえ! 死んじゃえ!! 死ね、死ね、死ね! 死ね!!

      A、

      Q、水銀燈を返して!

      A、…………俺は……

目の前で大柄な男がやられた。
画面が切り替わり、敗者である桐山を他所にゲームは進んだ。
我に返った桐山は小銭を探したが手持ちがないのに気づいた。

「どーした?」

「手持ちがない」

「ちょっと待ってな」

すぐに向こうからコインが放られて桐山は空中でキャッチした。
握った感触と重み。
500円玉だというのに気づくと
桐山は首を傾げたが両替すればいいのだと考えなおし、両替機に向かった。

「桐山」

だがそんな桐山の足を三村が止めた。

「突っ伏してゲームするのはやめとけよ」

「……そうだったか?」

「ああ」

「悪かった。少し休んでくる」

「気をつけろよ。今日が最後なんだからな」

最後、という言葉がわからなかったが
遅れた500円玉の礼を言って桐山は両替機の前に立った。

両替機に500円玉を入れようとして、
桐山はその500円に無数に入った罅に気づいた。
継ぎ接ぎだらけの、500円玉。
三村が間違えて渡したのだろうか。

学生服の裾が引っ張られ、
振り返ると小さな子供が立っていた。

身をかがめ、子供と同じ目線になるよう努め。

「どうした? 迷子か」

子供は首を振るだけで、何も言わない。

「何も言わないとわからないぞ」

困った桐山は子供の頭を撫でて、
感触に違和感を覚え、左のこめかみ付近に指をやった。
傷跡、小さいけれども確かに跡になっている。

「おまえ…………何処かで」

――チクリ

「おかあ、さん……」

――チクリ

「おまえ……そうか……おまえは……!」

思考にノイズが走った。
ノイズは大きさを増して波へと変わっていく。

――何でだ桐山!? 
   どうしてこんなくそみたいなゲームに
   乗っちまったんだ!?

ノイズで歪んだ映像が少しずつ直って、
七原の顔が浮かび上がった。

――この羽根を……あの子に。
   私たちの誇りを…………

真っ黒な羽根の天使がノイズの向こうで死のうとしていた。
わかる。想い出すんじゃない。ただ、目を背けてしまっていただけだ。

「……三村」

子供の手を引いて、
ゲームをプレイしている三村の後ろに立った。
ゲーム画面の灯だけが明るく映しだされた薄暗い店内。
三村がどんな表情か、わからなかった。

「両替は終わったか?」

「行かなければいけない所ができた。
 もう、ここには来れない」

「そうか」

「三村」

「なんだ?」

「俺のことを、恨んでいるか?」

「さて、何のことだかわからないね」

「……このコイン。ありがとう」

「俺、コインなんて渡したっけか?」

「……世話になった」

「気にすんなよ」

三村は振り返らず片手をひらひらと振るばかり。

「どうして、俺に――」

「このままじゃ俺の出番が少なかったからさ」

少しだけ、三村の発言に呆気にとられたが、
桐山は笑みを浮かべて子供の手を握り直した。
三村の言葉を後ろに、桐山はゲームセンターを出て。
子供の手を引いて走った。

ひたすらに走る。走って、腕を振って足を前に進ませて。
体がいくら悲鳴をあげようと、桐山は走る。
心のどこかで聞いた。
心の奥底から芽生え出る。
何かに突き動かされて。

「すまない。俺は、おまえのことをずっと忘れていた」

沼井達が他校の不良に絡まれていた金井泉を助けている。
桐山に気がついて手を振ってきた。

「俺は、空洞だった。
 ずっと、空っぽだった」

買い食いで買ったクレープを頬張る日下友美子と北野雪子が
走っている桐山にどうしたのと尋ねてきた。

「何をしても。何を感じることもなかった」

織田敬憲へ稲田瑞穂があなたの音楽は
彼方からの色彩を招くと熱弁していた。
設定は守ったほうがいいと思った。

「誰が俺に話しかけても。
 誰が俺の前からいなくなっても」

杉村弘樹と琴弾加代子が二人で本屋から出てきた。
桐山を見ると顔を真っ赤にして慌てだした。

「き、桐山!? これは、その、なんだ。
 ……三村には、まだ内緒にしておいてくれないか。
 どれだけからかわれるか、怖い」

「ああ、幸せにな」

同級生たちとすれ違い。
桐山が殺してきた人間たちを後ろに置き去りにして、
桐山は走っていく。すべての始まりの場所へ。

「……来たか」

学校、城岩中学校の校門。
そこに待っていたのはプロレスラーのように大柄な体格が塀に背を預け。
無精髭を生やし、深い瞳で刺すようにこちらを見ている男。

「行くんだな」

「ああ」

「ここからは最後の最後まで、
 誰の助けもない。それでも、いいんだな」

「――ああ」

桐山の答えを聞き。
川田省吾は満足気に笑うと、桐山へ右手を差し伸べてくる。

「……お前たちは理想の世界の住人で。
 俺は、きっとこれからもずっと地獄で生きていく。
 でも、忘れない。絶対に、もう二度とだ」

「そうかい」

「おまえに言いたかった。
 俺は何度もこの言葉を言っている気がするが。
 ――――――ありがとう。お前のおかげだ」

そうして、桐山は川田省吾の手を握り。
光が、輝きが一度、瞬くと桐山の手にはレミントンM870があった。

空、真っ赤な空が罅割れる。
桐山の500円玉のように無数に壊れた。
いいや、いいや、そうではない。
きっとこれは、人の血を運ぶ血管の線。

「今まで会ってきた人を俺がみんな殺した。
 ただそうするのも悪くないって思って、殺した。
 きっと、おまえは……十年前の俺はそれを望まなかった」

左手に握りしめたかつての自分に向き直り。
桐山は掌に500円玉を載せて尋ねた。

「おまえの”願い”を訊きたい。
 おまえが、どういう大人になりたかったのか知りたい」

「ぼく、は――」

俯いていた子供は顔を上げて桐山を見た。
ああ、この表情はもう
自分に浮かべることはできないのだと桐山は思う。
こんなに、輝きに満ちた顔を、桐山はできない。

「だれかが、悲しむのがいやだった。
 がっかりするところを見るのがいやだった。
 怒ったりするのも、暗い顔になるのもいやだった」

走った罅から雨がふりだした。
真っ赤な雨が桐山を濡らしていく。

「ぼくは、みんなの想いを守りたいっておもう。
 子供の頃、ぼくが見た白い服のヒーローみたいに」

白い服、白の男。そういえば、昔そんなアニメがやっていた。
きっとそのことなのだろう、と桐山は納得した。
子供に笑いかけて、桐山は頭を撫でて言う。

「……ごめん。おまえの”願い”は少しも叶わなかった。
 俺は、何も考えずに生きてきた。何も望まずに十年を生きてきた」

でも、と言って。
ピン、と桐山は継ぎ接ぎだらけの500円玉を弾いた。
くるくると表と裏が入れ替わり、天へと昇る500円玉。
真っ赤な空と、桐山を映して、そして護神像ハルワタートを映した。

「これからは、俺は誰かの喜びを俺の喜びにする。
 そうしたいって、思った。だから、俺と一緒に未来へ祈ってくれ。
 どうか、十年後の俺達は、今の俺達に胸を張れるって」

高く舞い上がって落ちてくるコインは
カードデッキへと姿が変わり、掌に収まると
腰に現れた機械のベルトに挿しこんで。桐山は世界に叫ぶ。

「覚悟完了――――変身!!!!!」

雨が子供、ハルワタートへ流れていく。
罅は大穴となって、世界は決壊した。





       Q、水銀燈!

       A、それがおまえの心からの叫びなら、俺は――



強い。のではなく、知っている。
そう言うのが正しいのだろう。
機械の巨人、天野雪輝が搭乗したそれは、
無類の強さを誇っていた。

相手が攻撃したら捌くのではなく、
相手の攻撃が出る前に正確に芽を踏みつぶしていく。
攻撃があたらないのではなく、攻撃が出せない。

こちらの動きは全て抑えられ、
向こうの攻撃は休みなく襲ってくる。

「《儀式》に必要なのは三つの種族。
 レオナルド・エディアール、君は黒き血の人。
 芦川ミツル、君は恐らくだけど幻想に近い柱」

爪を尖らせオンバとなっているミツルが襲い掛かる。
だが、爪を振るう手は巨人の手にはたき落とされ、
貫手となったもう一方の腕がミツルの腹部にめり込んだ。

「最後の一つの座には僕が収まるんだろう。
 でも”願い”を叶えるのは僕だ。
 僕は、由乃と一緒に星を観に行く」

レオの龍が巨人の腕に巻き付かんとしたが
巨人の足に蹴り飛ばされ、地面を転がった。

「じゃあね。《儀式》の時にまた会おう」

めり込んだ貫手がミツルの体の更に奥へと刺さっていく。
三つの頭、口から血を夥しい量に吐き出して、
ミツルの術が次第に解けていく。

「おまえは、それで満足か」

「うん」

最後の力を振り絞って、
ミツルは巨人の、動力部へと手を伸ばした。
すべての力を込めた右手は無情に握り潰され。

「退場だよ」

ミツルは倒れ伏して雷電纏った体が光りに包まれ
の光となって月へと翔んだ。

「あとは、君だけか。レオナルド」

「くそっ!」

倒れるレオは藻掻くが未だ力が入りきらない。
レオの耳にありえざる波の音が聞こえた。
もっとも、波というものにレオは馴染みが薄いから、
それは、きっと。人の体に流れる血液の音。

「じゃあね」

ばちっ、機械の巨人の胸部に残ったミツルの攻撃の残滓。
しつこく残ってはいるがダメージを与えるには及ばない。

機械の巨人が、天野雪輝を満月へと押し上げるために
腕を振り上げ、黄雷よりも強く振り抜こうとして――――



       「薔薇を求める叫びを聞いた」



波の音が響く。
海はそこにはないはずなのに。
水の音が辺りを賑わわせていく。



        「世界を、殺し合いが廻るなら」



空に座す水盆、
その下から迫り上がってくる鉄砲水が見えた。
天高く昇る巨竜の様相にも通じるのは。



       「おまえが、殺し合いに涙を流すなら」



地上から空へと流れだす真紅の血。



       「胸に、おまえの花嫁の姿がある限り」



機械の巨人の胸部から手が生えた。
手が生え、腕が見えて、騎士が機械の巨人から産まれ出る。



      「俺は、黒い羽根を携えて、現れよう」



地面に降り立った騎士は近くに打ち捨てられた
スプンタ・マンユに手をあてて謝罪する。


「よく、待ってくれた」


桐山の声に反応して、能面がかたかたと動き、
背後に佇むハルワタートと同化した。
海の到来と同じくして、騎士は言った。

「完全合体だ。ハルワタート」

海が騎士を包み、染み込み。
騎士の鎧を膨らませる、巨大化させる。

「……来ると思っていたよ、桐山くん」

静かな声で天野雪輝は言うと、
機械の巨人の両腕をぶつける。

受け止めたのは騎士、真紅の血の色。
巨大なる真っ赤な騎士が、機械の巨人の両腕を受け止めた。

「……水銀燈の《愛》は俺の愛だ」

機械の巨人の両腕を伝わって、
苛烈な輝きが騎士の右腕に伝わった。
海のように巨大な騎士が銀の光を背負う。

「金糸雀の《孤独》は俺の孤独だ」

可憐な瞬きが騎士の左腕に伝わっていった。
赤のように灼熱の騎士が金の光を纏った。

「真紅の《誇り》は俺の誇りだ」

「馬鹿な! 
 ローザミスティカは柿崎めぐから離れようとしなかったのに!?」

胎動する光が距離をとった機械の巨人からたゆたい
巨大な騎士の前に浮かぶ。

「そして、七原の光は俺の光だ」

ローザミスティカを柄の位置に据えて
長大な真紅の血刀が顕現する。

「俺が今まで出会った全てが――俺の心だ!」

海のように巨大な騎士、
炎のように紅い騎士。
その双眸に火が灯った。

真っ赤な騎士、炎を超えた
星を流れる血液、マグマのように熱く沸騰する血が速度を産み出す。
完全合体した仮面ライダーナイトはワイルドセブンの機構を応用し
蒸気を速度に変換し、流星の速さで、機械の巨人を殴り飛ばす。

「僕の、時空王の予知よりも速い!?」

「ああ」

「何故だ!?」

すぐさま立ち上がった機械の巨人が
チャンの格闘術を模して、形意拳のひとつ、劈拳を仕掛ける。

「この力が人の営みの徴だからだ」

赤い刀がナタのように振り下ろされた腕を弾き。
機械の巨人はたたらを踏んで後退する。

「この血が運んだのは全ての”願い”!
 それが俺の騎士とひとつになり。俺の心に刻みこむ。
 俺達はみな等しく苦境の世界に抗った50の志だと!!」

「まだだ!!」

片足をハイキックのフェイントにし、
上げた足をそのまま地面を踏み込む力にして。

機械の巨人は拳を直線に騎士の顔面へと叩きこむ。

「そして――――今、この瞬間、おまえの心に刻め。
 俺は世界のあらゆる殺し合いを憎む革命家であり。
 この桐山和雄は七原秋也と同じく、
 創造主の理に反旗を翻す――――世界の敵であると!!」

極寒の地、生命失う世界にも、
きっとそこにある熱気。
それは、大地の底に流れるマグマであり。
人の心にいつも育まれる、薔薇のような花。

「空を見上げられずに大地を濡らすなら。
 失ったものに心が裂かれるならば。
 聞こえるか、柿崎めぐ。
 大地の果てに薔薇を求めるがいい。
 どんなときでも俺が、おまえに手を伸ばそう」

あらゆる諦念を嫌うと決めて。
すべての想いの断絶を憎むと決めて。
世界の敵は、真紅なる鋼鉄に歪んだ右手を、機械の巨人へと――

「そして天野雪輝。
 おまえがワイルドセブンに告げたように。
 ”願い”のために世界の理を受け入れて、理の従者になるならば。
 お前の眼の前にいるのは、お前の《宿敵(アークエネミー)》だ」

【ミツル 人柱】

【残り 3名】


【黄金螺旋階段・下層/一日目/夜】

【桐山和雄@バトル・ロワイアル】
[状態]:人形のように虚ろな心、
     黒い羽の銀に導かれた《三銃士》とは遠すぎる身、
     孤独に涙するカナリヤを抱きしめ、
     紅の誇りが友の光と通じ合う、
     《鉄仮面》は騎士の装甲、
     炎の赤色は騎士の色彩、
     彼は《岩窟王》であり、
    《薔薇の意思》を帯びた――――世界の敵@ロワイアル×ロワイアル
[装備]:ナイトのデッキ×ハルワタート×真紅のローザミスティカ×金糸雀のローザミスティカ×水銀燈のローザミスティカ×川田省吾と七原秋也の銃
[道具]:基本支給品×4、たくさん百円硬貨が入った袋(破れて中身が散乱している)、手鏡
     水銀燈の首輪、水銀燈の羽、デリンジャー(2/2)@現実、
     首輪探知機@オリジナル、
     千銃@ブレイブ・ストーリー~新説~、基本支給品、
     ブーメラン@バトルロワイアル 、
     レミントンM870の弾(16発)、
     神業級の職人の本@ローゼンメイデン、めぐのカルテ@ローゼンメイデン
[思考・状況]
基本行動方針:『封神演義』の完遂
1:祈って願って闘う
【備考】
※参戦時期は死亡後です。
※リュウガのカードデッキは破損しました。
※ローザミスティカと深く通じ合えば思い出すという形で記憶の継承ができます。
 それ以上のなにかもありえるかもしれません。
※ブレイブ・ストーリー~新説~側の事情をだいたい把握しました。
※ジュンの裁縫セットは壊れました。
※ジュンの技術を修得しましたが本人ほどの異常な才能はないので技量は劣ります。
※小四郎の忍術を修得しました。
※今の桐山では”願い”インストールに耐えることができません。
  もし強行すれば桐山は”七原秋也”になります
※コトは死にました。
※白髪鬼のアイテムはいくつかキクが持っています。
※スプンタ・マンユ、レミントンM870(8/8) 、エディアール家の刀はどっかに行きました。
※あくまで護神像の本体はハルワタートです




【レオナルド・エディアール@WaqWaq ワークワーク】
[状態]:壊れた心は記憶と赤き血で癒され、
     親友との明日を取り戻し、
     胸に抱くは翠の「安らぎ」と鉄の「勇気」、
     雛は卵を割って祝福を運び、
     蒼と白の装甲は暴食の顎、
     背後に従えるのは神の武具の再現、
     赫炎のジャバウォック、
     スケアクロウは賢人を砕いて進む@ロワイアル×ロワイアル
[装備]:アシャ×アールマティ×カントリーマンの玉×翠星石のローザミスティカ×蒼星石のローザミスティカ×雛苺のローザミスティカ×仮面ライダー龍騎(SURVIVE)
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:走り続け、『世界』を広げよう
1:闘う。
※由乃の返り血を浴びています。


【天野雪輝@未来日記】
[状態]:お姫様の為だけの、王子様@ロワイアル×ロワイアル
[装備]:オリジナル無差別日記@未来日記、、ガッシュのマント@金色のガッシュ・ベル、
     投げナイフ(12/15)@未来日記、IMIウージー(0/32) 、プラ@waqwaq、旅人の証、《職業:時空統べる王》
[道具]:基本支給品 ×2、IMIウージーマガジン(1)
[思考・状況]
基本行動方針:本当の、願いを叶える。
1由乃と星を観に行く。

[備考]
※雪輝は自分の中の矛盾に気づきました。気づいた上で、やり直しを望んでいます。





※これより先、敗者は魂魄となって人柱へと導かれます。


恋人 投下順 箱庭世界の果て
恋人 時系列順 箱庭世界の果て





恋人 天野雪輝 箱庭世界の果て
れっと・いっと・びー/少年たちのたどたどしい革命行為 桐山和雄 箱庭世界の果て
レオナルド・エディアール 箱庭世界の果て
ミツル GAME CLEAR?






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