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きっと誰もが日曜日よりの使者




突き抜ける青空の下で、
雲ひとつとなく消滅した大気の中で、
砂を高く巻き上げてふたりのドールは闘う。

サクラテツの剛腕が唸りをあげてワイルドセブンの顔面に吸い込まれ、
とっさに前に出していた左手で軌道を逸らし、開いた右手で刀を突き刺す。
刃はサクラテツの鋼鉄の皮膚を破るには至らず。
胸ぐらを掴まれたワイルドセブンは頭突きをくらい視界に火花が走った。



「強い……ってか強すぎるだろ!!
 こんなヤツがいたのかよ!?
 どんな世界だよ。ドラゴンボールか!」

がむしゃらに暴れてサクラテツを突き飛ばした
ワイルドセブンは距離をとって策を練り上げようと考え。
そんな彼へと大きな影が不吉な予感とともに覆いかぶさった。
巨大なビル、根本で折られた30階建てはくだらない超高層のビルが
サクラテツに軽々と持ち上げられ、ワイルドセブンへ投げられた。

「いやいやいやいや!」

予想外の攻撃の仕方、
ならばと避けを選ばず
あえてビルを貫通して向こうに逃げようと考え。

しかし、ガラスのない窓と幾らかの柱をくぐり抜けた先には
もぐらたたきの要領で出を潰そうと
待ち構えていたサクラテツの大きな掌。

成すすべなく頭を万力のように掴み上げられたワイルドセブン。
徐々に篭められた力が上がっていき、
こめかみに痛みが走り、体に罅が入る音が出始める。

手に現出させた散弾銃、
《四宝の剣》で相手の存在確率に干渉する効果を秘めた弾を撃ちだす。
弾は銃身ごとはたき落とされ、意識が逸れた隙に相手の肘へ掌底を叩きこむ。

関節への攻撃でアイアンクローから解放されたワイルドセブン。
翻っての攻撃をサクラテツに繰り出すがどれも決定打には至らない。


     これが最強の主人公の力。
     彼を突き動かすのは“家”とそれを守るための“金”への
     狂的執着心。“願い”は彼の肉体を比類なき頑健たらしめ。
     飽くなき想いは如何なる敵をも打ち砕く。


だから、試練を課された者はこれを超えねばならない。
変革を目指すなら、運命が産み出す最大の強者よりも高くあらねばならない。

ワイルドセブンの顔に焦りが生じる。
あまりにも高い壁。茨で出来た鳥の檻のように
脱出不可能に思える試練、難関。

サクラテツが宙に浮かんで、
虚空を握りつぶす動作をする。
その途端、サクラテツの体が何重にもぶれて
無数のサクラテツが現れる。

だがその異常現象はクシャスラのような
ただの分裂能力によるものではなく。

「ぐぅっ…………!」

刹那の時も置かずしてワイルドセブンの腹部を
サクラテツの拳が大穴を開けた。
この程度で死にはしないが、
ダメージにより動作に支障が出始めた。

「因果律の乱れが、生じた……
 時間を止めたのか!?」

女神の力も上乗せされているサクラテツが
時止めをも行使できることを悟り、腹部の修復を後回しにし、
自爆覚悟で諸共の因果律の崩壊を試みる。

止まった時間の中で唯一人、自在に動き回れる力。
動作の遅くなったPCでアイコンを動かせば
情報処理の不手際でアイコンが見た目だけ増殖するのと同じ現象。
違いがあるとすれば、敵にはアイコンを動かす手が観測できないところ。

再度、サクラテツが虚空を握りつぶす動作をした。
因果律が乱れ始める、ワイルドセブンを構成する
《四宝の剣》が警鐘を鳴らし始めて行く。

瞬きよりも早く、干渉不可能な事象が起きて、
次こそワイルドセブンは破壊されるだろう。

「使うぜ、ユッキー!!」

引き金を引くと、ワイルドセブンの周囲の因果律が大きく乱れる。
TVのノイズのような波紋が砂嵐にまで広がって、
ワイルドセブンの眼前にサクラテツの拳が現れた。

「おっしゃあ!」

頬を削ぎ落とされたが、
辛うじて避けたワイルドセブン。
彼の親指がピン、と小気味よい音を立ててある物を弾く。

陽光を反射してくるくると回転しながら
上昇するのは桐山から貰った500円玉。

サクラテツの目前を横切ると、
《怪物》の注意が紛れもなく、
高級感漂う銀色の500円玉へと釘付けになった。

「こんな状況でも“金”への執着が消えないか。
 それとも俺がその程度だと思われているか。
 どっちにしてもロックな奴だよ、テツさん。
 そんだけ金がほしいか。ぶっちゃけドン引きだわ!!」

サクラテツの左手が500円玉をたしかに握りしめた。
そしてサクラテツの胸に川田の銃が当てられる。

「こっからの攻撃は防ぎようがないだろ。
 秋山相手と同じ手を使わせてもらうぜ!」

引鉄が引かれ、サクラテツを中心に
因果律の大きな乱れが生まれる。
超局地的小規模のブラックホールの如き渦が出来て。

女神のドール、《怪物》サクラテツの存在確率への干渉を行う。
世界を滅ぼす、寿命の力。逃れられる者などいない。


     無駄です


そう、無駄だった。
傷ひとつ負わないサクラテツが依然としてそこに在る。
ワイルドセブンの手に握られた銃が
右腕ごと爆発四散する。


     運命のレベルで存在が揺るがないのが主人公


左胸にも穴が開いた。
人間だったのならば、ここで死んでいる。
起死回生の武器、世界再生の剣が消えた。
残るはどれもサクラテツには通用しないだろう武装のみ。


     どうしますか?


ワイルドセブンの意志は折れていない。
どれほどの打撃を受けようと、膝を地につければ
その時点で運命に追いつかれて喰い潰されるのだと知っているから。

彼が最も危うかったのは
このゲームに喚ばれて怯える無辜の少年を撃ってしまった時。
たとえば、今がその時と同じく、彼の“願い”を挫くものだとしても。

――貴方の背には声がかけられているのだわ

彼は足を止めない。
ハードの旅人の杖を発動し、千銃によって弾幕を展開した。

――もう、無力な私達はあなたに何も出来ない。
   私たちは届かなかった。理想にも、愛にも。

仮面ライダーナイトの力を発動し、
一枚のカードを消費すると、
ワイルドセブンの体が7つに分かれた。

――それでも私たちは想うことをやめることだけは出来なかった。
   前へと走るあなた達の背中へ、狂おしいほどに、無力な想いを届けようと。
   きっと、人間はこれを祈りと呼ぶのでしょうね。

「なあ。女神様!
 もしも俺が負けたらあんたはどうなるんだ!?」

    ハルネラは私にも行使不可能となりました。
    ならば、私も貴方と同じく、消滅を迎えるのでしょう。

――だから

ワイルドセブンは必死で抗う。
体の表面が幾つも剥がれ落ちて、
雪の結晶のように零れ落ちていっても。

――負けないで

「あんたは見たいと思わねえのかよ」

サクラテツの攻撃が彼岸の差を見せつけても。

――走って

「雛鳥が卵の殻を破ろうとしてんだぜ!?」

――どうか

「空が雛鳥で変わるかも」

――やっちまえですよ

「あんただって見る権利はあるだろ」

――あの子が守りたかった世界に光を

「だから。あんたも望んでみろよ」

――せめて、私の花嫁にだけでも、愛を

ひたすらに、ひたすらに。


























      「          」
























か細い声だった。
微かな、それこそ砂漠の上に砂が落ちるように気づきにくい。
けれども、けれども、彼は確かに声を聞いた。

「オーケー! オーケー!
 聞こえてるぜ! みんなも、あんたからも!
 なら走る! 世界中が否定しても!
 アメリカじゃステージの真ん中で精魂尽き果てても!
 立ち上がれの一言で立ち上がって叫ぶのがロックスターとプロレスラーだ!
 ならギターを持った俺はロックスターとして走るしかない!!」

そして、走り続ける彼はもっと声をと求めるように、
背後へ、手だけを――――――

そして彼はあの言葉を叫んだ。

「完全合体だ! 桐山!!」


―――――――――――。


複層都市インガノック。
無限の涙が焼け焦げた匂いがする
灰色空は今、夕暮れで赤く染まり。

桐山は炎の中で傷だらけになっていた。
一撃、ただの一撃でこうなった。
《奇械》ポルシオンは桐山の命までを取ることをせず。
それは誰かの“願い”によってそうさせられているのか。

わからないままに、桐山は攻撃を試みていた。
けれど、どれも当たらない。
どんな拳筋も見極めていたかのようにポルシオンは攻撃を避けて。

真紅の爪が桐山の命を刈り取る準備を進めているかの如く、
段階的に研ぎ澄まされていく。

桐山の背後では柿崎めぐがじっと佇みながらも桐山に剣を向け。
病的な笑みを崩さないまま、彼の命が尽きる直前を待つ。

「まだ、死なないの?」

彼女から流れてくる感情は憎悪と怒りのみ。
吐き出されるのは呪詛そのものの、死を待望する言葉。

「女神様はとても気に入らないけれど。
 へどが止まらないくらい気に入らないけれど。
 私はあなたのことが殺したいほどに憎いままなのよ?」

どこにも味方がいないままに
彼は闘い続ける。
どうしてそうするのか。
何故、そうするのか。

約束したから、沢山の人と。
過去の己と。
ハルワタートから流れ続けていた七原秋也の想いへと。

己に一番近いところで、
心のすぐ隣で眼が焼けるほどの眩しさで叫び続ける
ひとりの革命家の“願い”。

ようやく恐る恐る歩きはじめた桐山の意識には
その光があまりにも遠く。
誰もが涙も怒りも抱えて走っていく中で。
桐山には七原秋也の背中だけが見えていた。

桐山の背にかけられるのは呪いの言葉だけ。
永遠に追いつけないとは言わなくても、
今はとても遠い背中。

炎が生き物のように這いずり、
桐山とめぐを焼き払おうとする。
炎はなけなしの彼の血の雨で
僅かながらもかき消して。

そして彼の心臓へと剣が疾走する。

「勝てないのなら、私が殺してあげる。
 私を、死なせなかった報いをあげる」

めぐの真意を桐山は掴み切れない。
死を求めているのだろうか。
桐山を憎んでいるのだ。
ならば、無垢を出発点に
ようやく歩き出した桐山はどうすべきか。

諦めてめぐの剣に討たれて
彼女諸共死ぬべきか。

それとも、変わらずに走り続けるべきか。
彼の背中へと向かって。

巻き返すには遅すぎて遠すぎる友達への距離。
彼の近くには如何なる希望もなくて。

桐山は、だから、右手を、前に――
少しでも、七原秋也の背中に追いつけるように――

「完全合体だ。ワイルドセブン!」



―――――――。



ふたつの世界が融解し、試練が融合していく。
白褐色の水と黒赫色の水が溶けていくように。
そして、世界は青も灰色もわからない深海の黒となって。

桐山和雄、ワイルドセブン。
ふたつがひとつになった“彼”は
《怪物》と《奇械》と向かい合う。

炎が押し開かれたポルシオンの胸部から渦巻いて流れだし。
サクラテツが止まる時間の中で動き出す。

必要なのは風を起こすかたちの武器。
無限のエネルギーをもった武器。
できれば剣のようなかたちが望ましい。

だから“彼”は両手でしかりと強く持ち。
それを、斧のように振り下ろした。
ギターを敵へと叩きつけた。

大音量で叫び果てたような風が生まれて。
何処までも直進し続けるような真っ直ぐで力強いエネルギーが場を支配した。

「さあ、お開きの時間だぜ女神様!
 試練? そんなの知るか。
 やれと言われたことをその通りやるほど行儀良くはないんだよ、俺達は!
 闘えといわれて闘う革命家とか意味わかんねーぜ!!」

炎が晴れて、サクラテツも三十回回転してぶっ飛ばし。
“彼”は《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》を世界へと叩きつける!
何度も! 何度も! 何度も!

     何をするつもりですか?

「決まってるだろ!
 俺達だけじゃ勝てないから!
 フィールドを広げるんだよおおおおおおおお!!」

卵の殻が割れた音。
世界は壊れ、広がるのは無ガ意識の海。
万色の世界に落ちていき。

「俺の姿が誰かの光の姿なら。
 スプンタ・マンユは誰かの光を映す鏡にもなれるってことだ!」

そして、周りには無数の星が。
連続多次元宇宙に生きる全ての魂魄がそこにはあった。
杉村弘樹もかつて絶望する
《白色魔王》を救うために藻掻いた空間。

7つのローザミスティカが光り輝き
“彼”を守り通す。
魂魄が星の海となって瞬き。

「ローゼミスティカを取り込んで。
 たくさんの”願い”とぶつかって成長した
 かつては《人》の護神像スプンタ・マンユ。
 動力不足で出来なかったけれども、今なら!」

“彼”の姿が大きく変わる。
サクラテツが待つことなく殴りかかり。
けれども、壊れたはずの散弾銃、レミントンM780の銃弾で妨げられた。

「ま、予告通り、最後の最後だ。
 みんなで力を貸してやるよ」

桐村とレオで雪輝を世界の外に押し出した際、
手に入れた、正確に言うとくすねた一箱のタバコ。
咥えた煙草に火をつけて。
無精髭を生やした老け顔の中学生は
苦笑とともに、遥か彼方へと指さした。

「俺にこういうのは似合わないんだが仕方ないか。
 悠久の年月を生きても、
 破滅と希望の両方を目にして、最後の最後に俺たちへ祈った、女神。
 俺達が、あんたを、救ってやる」



幕はインガノックにて降ろされる 投下順 カーテンが降ろされる間/ある人形師の物語
幕はインガノックにて降ろされる 時系列順 カーテンが降ろされる間/ある人形師の物語







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