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きっと、その右手を掴むから


「本来なら、俺の出る幕はねぇんだよ」

“彼”は煙草をゆっくりと吸いながら、彼らの後ろにいる“彼女”に言葉を投げかける。
眼の前に立ち塞がる彼らが視界に映らないのか。
“彼”は未だに戦闘態勢は取っていない。

「だが、ロスタイム。終わり間近に交代のお呼ばれがかかった訳だ。
 ったく、あいつら……めんどくさいことを押し付けやがって」

言葉に呼応するかのように、口に咥えた煙草の煙がゆらりゆらりと風に吹かれ、宙に舞った。
戦場の荒野で、“彼”は悠々自適、荒れ狂う炎を物ともせず、気さくに笑う。
余裕。それとも、油断か。
どちらにせよ、眼前の二人は“彼”の目には適わない。

「で、女神さんよォ、そいつら……邪魔なんだが仕舞ってくれないか」

           なりません。彼らは、貴方達の壁。立ち塞がる、宿敵。

女神の言葉が終わるのと同時に、両者が荒野の大地を駆け走る。
サクラテツは土塊を撒き散らし、ポルシオンは赫炎を吹き焦がす。
それは、光速よりも鋭く、音速の壁を通り越した刹那の瞬。
口に咥えていた煙草が、灰燼へと散っていく。
両者の絶対の一撃に、“彼”はなすすべもなくやられるのみ。
だって、彼らは比類なき最強だから。
ただの、人の“願い”を溜め込んだだけの護神像と、人間、最高の偶像だけでは敵わない。
それは、世界の理として胸に刻み込まれているはずである。

「甘いなァ」

しかし、そんな道理を打ち砕くのが、革命家だ。
“彼”は《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》をかき鳴らし、衝撃波の壁を発生させる。
三百六十度、オールレンジで放たれた音の嵐は勢い良く迫っていた二人を遙か後方まで吹き飛ばした。

「オーケーオーケー。落ち着けっての。がっつく奴は女から嫌われちゃうぜ? 
 とりあえず、俺から贈れる言葉はこれだ。大人しく、未成年の主張を聞いてから動けよ、馬鹿野郎ってなあ!」

その音は世界の果てまで響き、聞くもの全てを熱狂させてしまうだろう。
キンキンと耳を振動させ、観客が思わず飛び上がってしまう程に。
どこまでも澄み切ったロック・ミュージックを奏で、“彼”を高みへと打ち上げる!

「救いの言葉は届いただろ! 反抗の歌声は世界に響いてるだろ!!
 諦めてんじゃねぇよ! 俯いてるんじゃねぇよっ!!! 世界はこんなにも広いんだぜ!!
 目を開けて、視界を広げてみなよ、女神さん!」

声を張り上げて、“彼”は拳を高く突き上げる。
それはたった一人、孤独に君臨し続ける女神に対して向けたもの。
多くの人々を救い続けた女神に差し伸べる救いの手。

「確かに世界は綺麗じゃねぇさ。汚ねぇとこも沢山だ。七原も、桐山も。
 クソッタレな世界を見続けてきた! それでも、案外強いんだぜ、人間は。
 “願い”におんぶに抱っこされる必要なんざねぇよ」

           なればこそ、ハルネラは必要なのです。

「確かにハルネラを望む奴等はいるさ。強いって言っても、人間は弱さも持ってやがるからな。
 だけどな、弱さを抱えながら前に進む奴等だってたくさんいるんだぜ」

起き上がり、再び炎と土塊を伴って迫る怪物と奇械。
それらを躱し、時には《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》を振り回すことで牽制し。
怪物を身体を削られながらも“彼”は叫ぶことを止めない。

「あんたもそれがわかっていたから!! 
 “願い”の為に誰かが泣くことが! 死ぬことが! それが嫌だって思っていたから! 
 小さな声だけど、ワイルドセブンの問いに答えたんじゃないのかァッッ!!!」

           ……戯言です

「戯言じゃねぇよ、真実さ! 心を読める魔法があるなら使ってみな、俺の本心からの言葉だってわかるからよ! 
 ワイルドセブンの言葉だけじゃわかんねぇか!
 なら、はっきり言ってやるよ! いいか、女神である前にあんただってっ!」

           私は女神、そのような言葉に揺れは

「血の通った一人の人間だろうが…………っ!!!!」

           ………………っ

その言葉は、“彼”の心の底から吐き出された弾丸。
どんなに硬い装甲も打ち砕く最高最強の一撃。
彼女の存在を否定する、救いの言葉。

「何、呆けてるんだよ。俺は当たり前の事を言っただけだぜ?」

“彼”の目には女神が見えない。
されど、わかる。今の女神は神としてではなく。
自分達と同じ、人として生きているのだと。

「あんただって俺達と同じモノ考えて生きてんだろ? なら、同類さ。お仲間なんだ、畏まることなんてありはしない」

           ……私は女神。幻想の存在であり人を超越せし神

「はっ! 神様でも同じ空気吸ってんだろうよ。何、すまし顔で神自称してんだ」

サクラテツの拳がそれ以上の速さで“彼”を押し潰す。
ポルシオンの腕が“彼”を光の如く切り裂く。
それでも、“彼”はニヤリと口角を釣り上げて、獰猛な笑みを見せる。
なんてことない、ちょっとしたじゃれ合いみたいなもんだと軽く受け流して。

「あんたは十分に頑張ったさ。賭けてもいい、クソッタレなハルネラを続けたその器量は俺達よりもでかい。
 救われぬものに救いの手を。壊れちまう世界に復活の夢を。誰もが持っている“願い”に煌めきを。
 沢山、沢山、伸ばした手を拒まれても。狂うことなく、間違えることなく」

拳の当たった腹部は消し飛び、切り裂かれた左目は灼熱の痛みを帯びて、表情を作ることを阻害する。
運命に護られた最強の怪物と、運命を乗り越えた最強の奇械。
その事実は、どれだけ時を巡っても変わらない絶対の定義。
巻き戻しを許さない、世界の理。

「もう、いいだろ。終わらせようぜ? 
 あんたを縛っている“願い”は賞味期限が切れてるんだ。ゴミ箱に捨てちまいな。
 腐ってるもんを大層な箱に入れておくのは衛生上よろしくねぇ」

膝を屈したくなる絶望を前にしても、“彼”は笑う。言葉を絶やすことをよしとしない。
自分はこんな喋らない木偶の坊を相手にしているのではないのだ。
女神という一人の人間と話をしている。
故に、目の前の二体の怪物など――眼中にあるものか!

「さぁ、女神さん! ライブの時間だぜ? 観客は無数の世界! ベースはワイルドセブン、ドラムは桐山っ!
 ギターは俺でボーカルはあんただ、女神さん! 叫べよ、本当に伝えたいことを! あんたにしか歌えないロックを!
 舞台は整ってんだ、好きなように来いよ!!!」

“彼”はそのまま横にずれて《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》を構える。
サクラテツ? ポルシオン? そんなもの知るか。
音の嵐に絡めて、遠くの遠くまで吹き飛ばした。

――イーニー・ミーニー・マイニーモー

そして、人形遣いの声が見え始めた女神の姿を覆い隠す。
終わりのない“願い”が、闇となりて“彼”を――。

「うるっせぇんだよ!!! テメエの“願い”で、いつまでも女の子を縛り付けてんじゃねぇ!!!
 重いもん勝手に背負わせやがって!! いい加減にしやがれってんだ!!」

彼女を隠す闇を《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》で裂いて、“彼”は真っ直ぐに立つ。
ローゼンクロイツ、ラプラスの使い魔。ローゼンメイデン。お父様。
かつて、人形遣いが願った永遠の“願い”――黒の闇が女神の中から現れる。

「テメエが元凶か? お前を叩けば、女神を救えるんだよな!!!
 上等だっ、ここいらでその永遠、ぶった斬ってやらァ!!!」

“彼”は《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》を大地へと、真っ直ぐに突き立てる。
それはさながら、ステージに立つロックシンガーの必殺の武器であるマイクスタンド!
世界そのものを観客にライブを巻き起こす革命の一歩を今此処に!

「女神さんよォ! バンドの第一声、あんたが始めてくれ! 俺らはいつでもいけるぜ!!
 大丈夫だ、あんたを縛り付けるもんなんて気にすんな! 俺が、俺達が! そいつを断ち切ってやっからよ!」

           …………す………………………………て

「聞こえねェぜ! もっとだ! もっと大きな声で叫べぇ! 俺達に、世界に! 皆があんたの声を待っているんだ!
 ワンモアプリーズ、女神さん!!!!」

           …………す………………け………………て

「そんなんじゃ観客には伝わんねぇよ! 思いっ切りだ! 貫け、走れ、前を向けっ!!
 右手を伸ばせ、その瞳に俺達を焼き付けろ! あんたを抱きしめる奴等の名をその心に刻め!!
 女神ぃぃぃぃぃいいいいいいいいっっっっっっっ!!!!!!!!!!」










女神は泣きそうな笑顔で。その嫋やかな手を。










           「救けて」









“彼ら”へと、伸ばした。

「……オーケー。ボーカルがやっと声を出したんだ。バックの俺達が気張らないでどうすんだ。
 桐山っ! 一瞬の隙も与えねーぞ!」

それは、かつて。七原秋也が護りたいと願った日常の光! 

「わかっている。感覚を合わせるまでもない。最初で最後、即席ロックバンドの形成だ!!!」

それは、かつて。桐山和雄が切り捨てた明日の光!

「そういうことだ。この闘いの決着、つけるとしようか!」

それは、かつて。“彼”が――――川田章吾が七原秋也に教えた明日への光!

「行こうぜ、皆。何、恐れることなんてないさ」
「俺達は勇気の物語を。いや、反抗の物語を紡ぐ革命家」
「革命家……いい響きだ。柄にもなく、燃えてくるね」

これらの光が合わさり、《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》の姿が大きな光を纏う。
反抗という二文字に込められた道筋が、この戦いの中で培ってきた“願い”が。
“彼ら”の掌の中でうねりを上げる!
闇を霧散させる希望の光、永遠の“願い”を解く武器へと顕現する!

「女の子が救けてって泣いているんだ。その涙を拭いに行かないのは駄目だよなあ」
「ユッキーだって掴めたんだ、女神さんに掴めない訳がねェよ」
「その右手、俺達が掴み取る。だから、諦めるな!」

           …………はい

世界の理を滅ぼす、革命家として。
明日の運命を追い抜き、世界を広げる勇者として。
今この時より“彼ら”は、世界の理を超越し、全ての運命を断ち切る剣とならん!

「■■■■■■■■■■■■ーーーーーーー!!!!!!」
「………………」

それを阻止せんと、二体の最強が叫び声を上げる。
最強の名が冠にある以上、どれだけの思いを重ねても揺らがない。
その程度で揺らがない、運命さえも変えられるからこそ、最強!
だけど。それでも、きっと“彼ら”は立ち向かう。
そこに、悲しみに暮れる女の子がいる限り。
陽の当たらない場所で泣いている人に、陽射しを届ける為に。

「幕引きの時間だぜ、テツさん。アンコールは勘弁な」
「お前の意志は響いた、ポルシオン。だが、その先へと俺は行かなくちゃならない」
「そして、人形遣い。テメエの永遠はここで途切れるんだ」

“彼ら”は《反抗の剣(ブレイブ・ブレード)》を振りかぶって、闇を斬る。
太陽の如く溶かす奇械の手を。
大切な場所を護り抜いた怪物の拳を。
人形遣いの“願い”ごと、纏めて光へと還していく。
この行為が正解かはわからない。それでも、“彼ら”は決断した。
少しずつでも、一人の少女の重りを減らしていこうと。
彼女の瞳から零れ落ちる涙を拭ってやろうと。

過去も未来も関係なく。全ては明日へ。
ゆっくりと動き始めた時計の針をゼロへと戻し、巻き返しの螺子を挿し込むことで。
ハルネラなんて関係なしに、世界は動き始めるのだから。
だから――後悔なんてしていない。

「迎えに来たぞ、女神」

「アンタが伸ばした手、掴ませてもらう」

「まっ、こんなぼろぼろな王子達でよければ、だがな

           良いのですか?

「いいに決まっている。だから、俺達はお前を救いに来た」

           ふふっ、ではこのような私の手でよければいくらでも。











【最終試練終了】






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