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輪舞 -revolution












       人柱とは――
       世界を隔てる壁を創るために必要な魂。
       最も気高く、強い熱量を秘める必要がある。
       そして、《儀式(ハルネラ)》が執行された後は――
       世界から忘れられなければならない。
       魂は巡り、互いに強く影響し合い、その記憶を携えて、
       産まれ、還り、次へと続くものだから。
       強すぎる魂の永遠の欠落は、忘却によって埋められるようになっている。
       忘れ去られる魂。物語にも記されない無名の人物へとなるのだ。












漆黒の闇によって形作られた森林が、大口を開けて。
潮騒の音のように静かに、されど力強く、見る者の怯懦を呼び起こす。
そして、対峙するは先にて敗れ、人柱として魂魄が昇ったかに見えたミツルとレオ。

桐山の周囲に浮遊しているのは
たしかに友達ふたりだった”彼”の器。
光の粒子は残滓となって儚く舞い散るのみに見える。

「これがローゼンメイデンの父の最期の手か。
 理が崩れ去るのと同時に残骸を拾い集め。
 キャンチョメ達の世界にて行われた殺し合いのルールを乗っ取り。
 魔本にてローゼンメイデンを縛り付ける。卑劣な策だ」

「おまえたち、どうして……?」

「元々、人柱になるみたいだったからな。
 俺たちは体の損傷も修復されて封ぜられてたんだよ。
 一度傷ついたけど女神が治してくれたってわけだ。」

「もっとも、おまえたちにやられていたのは朧気ながら覚えているがな」

ミツルが苦笑交じりに言ったのを聞き、
桐山は気まずげに俯き、爪先を凝視した。

「すまない。おもいっきり攻撃してしまったな」

「いいよ、謝んなよ。
 俺たち、天野以外には大して怒ってねえから。
 あいつはいつか絶対殴るわ。さすがにこればっかりは抑えられねえ」

「僕を一緒にするな。天野のことはもう気にしていない」

ミツルは不機嫌そうに横目で睨みつけ、
やがて眼を離すと広大な闇、茨でできた森林を三人で眺めた。

「桐山、おまえのドールは今なにができる?」

ミツルもレオも武装はそのままに召喚された。
それは共にある魂も寄り添い、やってきたということ。

「……大本はスプンタ・マンユだ。
 だから、もう、《千手》しか使えない」

「なら十分だ。なあ、《女神》」

そう言って、レオは三人を無意識の
海の干渉から守護している黄金へと話をふった。

「僕たちの周りには、まだ無数の魂魄がある。
 護神像は、魂魄の器だ。だから、最後の最後。
 言葉に縛られ、奴等を直接攻撃できない《女神》の力を間接的に借りる。
 《女神》の力をローザミスティカの代わりに注ぎ込めば――」

だが、それは、完全なワイルドセブンとの別れをも意味する。
ミツルとレオの提案はあくまで一度限りの大技。
受け皿である桐山のドールは果たしてどうなるか。

「…………決めるのは、おまえだ。
 他の方法がいいなら、僕たちもおまえと一緒に考える」

「気にすることはないぞ、
 いざとなったら俺たちで突っ込んで道を開いてみせるさ」



桐山は周囲に浮かぶ欠片へと手を触れて、
ほんの少しだけ、瞳を閉じて別れを告げる儀式をした。

「やろう」

桐山は《神業級職人(マエストロ)》の指を巧みに自在に動かして、
彼の周りで力なく飛んでいる残滓全てを集めて。
そこに背後に浮かぶ黄金の女王《幼心の君》が光を注いでいく。

「みんな、聞いてくれ」

星々へと少年は語りかける。
無数の魂魄の中で、肉体を持つ三人は正に脆弱なる子供に過ぎないが。

「俺たちは、運命に見捨てられて、
 マイナスに転がり落ちるしかない状況だった。
 そこでは、すべてを受け入れた者にこそ栄光が与えられたんだ」

桐山の語りかけにレオも同調する。
千兆を優に超える魂魄が初めは無関心に素っ気なく光った。

「でも、そんな中でもさ。莫迦はいるんだよな。
 どうしようもない莫迦でさ。力尽きるまで走ってバテて、抵抗をやめないヤツ」

「僕たちは、全員、そんなどうしようもない状況に流されて。
 闘って、奪うだけだった。そうすれば、マイナスに望むものが与えられて、
 《0(チャラ)》になるから。それが、ただの卵の中の輪廻の仕組みだって知っても」

魂魄は少年達の、青く、悔恨に、満ちて、やるせない懺悔のような話を聞いて。
だんだんと光を強くしていく。点滅が、世界の果てまで伝播していく。

「俺は、ここで、マイナスの運命からべつのマイナスの運命に喚び出されて。
 ひとりの天使に出会い、心にようやく光の道標ができたんだ。
 俺は、その光を追って、走り続けて。
 何時しか、俺たちとは真逆の生き方をした奴等のように歩きたいと願った。」

闇が、彼らの頭上を覆い始めた。
空を偽りのプラネタリウムに書き換えて。
空に押し潰されるように彼らは深くへと沈み出す。

「俺たちは、あいつらみたいに輝きたいんだ」

レオナルド・エディアール。
壊れた心は記憶と赤き血で癒され、
親友との明日を取り戻し。
胸に抱くは翠の「安らぎ」と鉄の「勇気」。
雛は卵を割って祝福を運び。
蒼と白の装甲は暴食の顎、
背後に従えるのは神の武具の再現。
赫炎のジャバウォック、
スケアクロウは我武者羅に思いの丈をぶちまける。

「だから、お”願い”だ。
 俺たちと一緒に走ってくれ」

芦川ミツル。
星の数ほどの血に汚れ、
本当の笑顔を取り戻せないかもしれないけれど。
過去に捨てた輝きを拾い上げ、
魔王の祝福が雷電を纏わせる、
《魔導師》は白銀の剣士へと職を変え。
魔狂姫の尊き祈りが胸に宿り。
此処に勇者は人々を奮い立たせて、旗印を掲げる。


「マイナスとマイナスを乗り越えて。
 俺たちはようやくプラスへと――《0(卵)》の殻を破るんだ。
 考えて動くには遠すぎた。
 感じてからでもあいつらの背中には届かなかった。
 だから、だから――――!!」

桐山和雄。
人形のように虚ろだった心。
黒い羽の銀に導かれた《三銃士》とは遠すぎる身。
孤独に涙するカナリヤを抱きしめ、
紅の誇りが友の光と通じ合う。
《鉄仮面》は騎士の装甲、
炎の赤色は騎士の色彩。
彼は《岩窟王》であり、
《薔薇の誇り》を手放さず――――世界の敵は初めて歌うように叫んだ!!

「走れ、走れ!!
 転んでも、走れ!!
 踊れ! 回れ! 廻れ!! 輪れ!!! 
 その手を――――伸ばせえええええええ!!」

沈みゆく明日へと続くはずの魂。
ついには、その魂が皆等しく目を焼く輝きを放ち。
桐山の手から産まれ出るは数えきれないほどの手。

「スプンタ・マンユ、モード《千手―サイコプラス―》
 ――9999兆の、行き場のない叫びの形!
 それが、貴様を打ち超える俺達の歌だ!!」

無限の手が、落ちるのではなく、
這い上がるように、絶望から、失意から、諦念から。
飛び出さんと脈動する生命の荒々しい源泉のように。

伸びる、伸びていく。
巨大な、膨れ上がり続ける光へ。
世界そのもの、宇宙そのものよりも
深く、高く、悍ましき彼方からの暗黒へ。
赫く、黒い薔薇の森へ――!!

――おやおや、これは予想外。
   これほどまでに多くの手が遵守を妨げますか。
   彼らを止めなくては世界は三千年の後、滅びるというのに。
   人の想いは己を焼きつくす情火にもなるのでしょうか。
   おやおや、これはいけません。焚き火は心凍えた旅人を癒すものなれど、
   《人形師》には我が娘を脅かす災害ともなりますゆえに。

闇の奥へと入っていく。
茨の嵐を何処までも突き進む。
列車のように、如何なる障害も跳ね除けて。
少年達が叫んで、歌って、訴えた通り。
天国も地獄も知ったことかと、足踏みするように。
波となって、幾千兆の手が進んでいく。

七つの《アリス》へと。消えていこうとしているめぐへと。
言葉を告げられないもどかしさを乗せて。
壁を超えられない悔しさをバネに。
この衝動は希望に酷似していた。

闇に敗けた誰かの手が落ちていく。
力尽きて、衰弱していく。
けれど、その手を乗り越えて。
背後に倒れた手を連れて行くかのように。
かえって勢いを増して進んでいった。

「ほんの短い間。
 数百年でも、数千年でもいい。
 俺達は……シオやみんなは薔薇乙女や《女神》と一緒に時を廻すんだ。
 明日を、無数の想いと息遣いの中で迎えていくんだ」

レオナルド・エディアールが訴える。
彼もまた、左手を伸ばし。
親友から受け継いだ暴食の顎を以って、
親友達が守りたいと”願”った七つの宝石、そしてそれを捉える父へと。

暗闇、深淵を這い進む。
押し寄せる津波。押しては引かず。
押しては引かず。暴走は終わらず。

「貴様は《女神》の声を聴かなかったのか!
 ヴェスナ・エスタ・ホリシア。
 待て、然して希望せよ。
 または、いつか再び会う君に。
 そういう意味だと解釈している。
 それは《女神》の言葉だ。これが僕たちを、導いたんだ。
 これはただの啓示なのか。そうじゃない。
 教典は、《女神》の”願い”そのものなんじゃないのか!
 貴様は《女神》の想いを無視したんだ!!」

闇の中で光り輝く黄金の魔本が頁を走らせて。
解読不可能な文字が踊り出す。だがここからでは見えない。
ローゼンクロイツの手の上で、たしかに、最後の言葉を告げる時を待ちわびて。

「僕やワタルはどうして貴女がチャンを招いたのかわからなかった。
 でも今ならわかる。貴女も、あの男と同じく、輝きの、
 人間の輝きによって開放されたかったんだ。
 貴様は、それを無視して、自分の娘を道具にしたんだ!!」

桐山の隣で手を伸ばすミツル。
白色魔王の雷電は気高く、彼の魂そのものの火花となって。

「聞こえるか。ローザミスティカ。柿崎めぐ。
 何度も言ったから大丈夫だと俺は確信している。
 大層なことをしろとは言わない、ただ、俺達を求めろ―――!!」

誰もが願った。いつかほんの少しの輝きを、と。
この手に灯火を、と。風もない木もない、水もない。
風化していくこの魂に、決して枯れない想いが育てばいい。

誰もが願う。
この闇を踏破して。
少女たちを救ってみたいと。
そうして、明日を迎えてみたいと。

いつか、いっしょに輝いて。
桐山でもない、ミツルでもない、レオでもない。
プラスされた心の誰かがそう言った。
想い出と一緒に行こうと老爺が言う。
人の命も、明日も、重いけれど、と青年が励ます。
人と触れ合う痛みは俺に分けてみてくれ、と男が言った。

闇の最奥に、《人形師》がいた。
姿は見えずとも感覚で識った。
言葉は躱さない。
ただ、そこにいるのならやることは決まっている!!


「お前を打つのは一度だけだ。
 俺達の、この手で貫く一度だけだ!!」

手が七つのローザミスティカを掴みとった。柿崎めぐを助けた。
《薔薇乙女》の父、《薔薇魔王》。《黄金の女神》をも支配下にした
《黄金王》とさえ、呼べるだろう男を貫く――――には飽きたらず、無数の手が殴り飛ばした!!!!

「物語の外でこれからも見ているか《人形師》。
 《チェシャ猫》めいて俺達を嗤うかローゼン!
 おまえがいくら俺たちに望む道をひた走れと囁いても。
 その”願い”だけは叶わない。
 貴様の最後の束縛を俺達が引き離す、
 究極への道を捨ててともに卵を破る!
 残念だったな――――姿も知らないローゼンクロイツ!!」

《神業級職人》がようやく、初めて、
星星の力を借りて、己の意思を望みに変えて矢を放つ。
世界に薇の螺子を差し入れる!
サイコプラスが桐山の手に、黄金の魔本を手渡した!

「これが俺たちの最後の術だ!!
 時計は午前零時からようやく分を刻み出す!!」

新たな人形師が、かつての《人形師》の形付けた薔薇乙女たちとともに
書割めいた脚本に大きな線を引く。
息を大きく吸って、勝鬨を告げんと桐山は声が嗄れるほど叫んだ!!

「ハルネラ――光よ、在れ――」

最後の術。
読み上げられると、七色のローザミスティカの光がめくるめき。
万華鏡の光が黄金よりも美しく闇に沈んだ世界を照らしていく。

    これにて理は覆され。
    世界は新たな道を歩み出します

桐山は金色の魔本を高く放り投げると。
悪なる右手、善なる左手、魔王の雷電を交差し、燃やし尽くした。

    そして私も、しばしの間は人とともに
    限り有る身でありながら、
    永遠の生命を繋いでいく営みを見ていくこととなります。    

曙光の奥深くで、女神は安らかに、眠るように瞳を閉じ。
その隣を真鍮色の魂魄がミツルより飛び出して。


    ヴェスナ・エスタ・ホリシア。


彼女の口から最後にそんな呟きが聴こえたような気がした。
七色の光は《女神》とオンバを魂魄と共に闇へと運び出し。
彼らをあんなにも眩しく照らした星々は、万華鏡のように多彩な七つの光と流れ落ちていった。

魂が廻っていくのは、この世の真理。
故に、気高く強い魂の欠落を埋めるため、
無意識の海はそこに足を浸す者達に忘却を施す。

「終わったな」

「ああ」

「俺達も、頑張ったんじゃないか?」

「どうだかな」

「気づいてたか?
 俺達に協力しなかった奴等も相当いたって。
 どっちが多いかは数えられないけどな」

「そんなものだろう。
 それでも嬉しかった」

「いずれにせよ僕は、満足だ」

「俺はそうでもねえな」

「おい、それはないだろ」

ラプラスの魔とローゼンクロイツの気配は既にない。
死んだのか、何処へと消えたのかもわからない。
遺ったのは三人の人柱。
桐山和雄、芦川美鶴、レオナルド・エディアール。
一様に満足な表情を浮かべ、けれど後ろ髪を引かれる思いで光を見送る。

「ローザミスティカはどうなるんだ?」

「あいつらを縛りかねない魔本は理ごとこうして壊したんだ。
 きっと、これからも変わらず誰かと歩いて行く」

「僕たちはそれを見守っていくというわけか」

いいや、いいや、そうではない。
彼らの背中を優しく光の中へと押しやった誰かがいた。
うろたえた声を上げながら桐山達の視界が虹色に覆われて。
闇の空に浮かぶ光のシルエットがみっつ。

ひとりは、桐山と同じ学生服を着た《革命家》。
ひとりは、大きな服にフードを揺らす小さな《防人》。
最後の一人はずっと小さなアヒルの口をした《魔王》。

彼らは何かを言ったはずだ。
でも、わからない。
だって、覚えることができないのだから。
彼らも誰かに手を引かれて、光の流れへと融けていった。


【第9832436138392653回ロワイアル×ロワイアル終了】

【次回開催年 無し】

【人柱:七原秋也、シオ、キャンチョメ】

【次の滅亡まで残り三千年】



それでもこの日、”彼”の手を確かに、力強く握った《女神》は言うのだ。













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