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妖精の塔・上層

巨木の梢には銀色の木材で作られた館があって、
その全体から月光にも似た冷たい光を放っている。
階段を登ってテラスに上がると、
妖精族の従者たちが扉を開け、中へと招いた。

美しい館だった。窓枠から家具の一つ一つまで、
すべてが植物をかたどった優美な曲線で作られている。
はるか昔に滅びたはずの文化が、この建物を
生み出したのだ。

やがて、館の奥にまで通された。
大きな窓を背にして、妖精族の貴人が
あなたを出迎えた。

【妖精王】
「ようこそ。
 この奈落の牢獄に客人が訪れるとは、
 実に稀なことよ。歓迎しよう」
「我らは、古き森の民の生き残り。
 人族との戦に敗れ、この地に封じられた
 囚人である」
「かつては我らも地上にあり、
 山脈と海の間に広がる森を
 星明りのもと逍遥したのだ」
「客人よ、地上の話を聞かせておくれ。
 川縁に黄金樹はまだ繁っているのか。
 一角獣は谷間を彷徨っているだろうか」

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あなたは妖精王に、現在の地上のことを
語り聞かせた。

【妖精王】
「…………」
「そうか。地上はすでに人の子らの手で
 切り開かれ、精霊も隠れたか。
 太古の星々を知る者もいなくなったか」
「すべては虚しい。神々は何を思い、
 我らにこのさだめを与えたのか。
 幾千年を待ち続けたのは何のためか…」

妖精王は物思いに沈み、沈黙した。

 話を聞く
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あなたは妖精王に、なぜここに住んでいるのか
理由を尋ねた。

【妖精王】
「……その問いに答えるには、
 はるか昔の出来事から
 物語らねばならない」

「すべては、一人の少年から
 始まった……」

「かつて神々の影が地上にあり、私が先代の王の
 従者であった頃、人族は河の泥で町を築き、
 互いに争う小さな種族に過ぎなかった」

「ある時、森に人族の少年が教えを請いに来た。
 彼は我らの知恵を学び、同族を救いたいと言った。
 彼の心は正しく、善いものだった」

「しかし人族である彼には、魔術の奥義までは
 身に付ける事ができなかった。
 種族の能力には自ずと限界があるのだ」

「だが彼が嘆きつつ森を去り、幾十年してから
 戻ってきた時、彼は大王を名乗り、
 軍隊を率いていた」

「彼は我らの術をも凌ぐ破壊の魔術で森を焼き、
 土地を奪った。
 多くの同族が彼に殺された」

「…森を去ってから、彼に何があったかは分からない。
 ただ、再び出会った彼は、魔性のものと化していた」

「彼は、我らを始めとした太古の種族を打ち破り、
 集めた捕虜を河岸に築いた都に連れ去った」

「そして力ある秘石を囚人の王たちに与え、
 その魔力によって束縛し、自らを守る結界の一部、
 すなわち守護者としたのだ」

「この結界により、彼の都は永遠のものとなった。
 太古の種族の力は世界の根と結びついており、
 これを支配する事で、彼は地上の王権を得たのだ」

「だが、千年を越えて続いた彼の帝国は、
 天の望まぬものとなり、
 神々の手により滅ぼされた」

「神々は、地上の者の手では守護者たちの結界を
 破れぬと悟り、自ら起こした大洪水と地震によって、
 都ごと地のそこに封じたのだ」

「……しかし、守護者たちが存在する限り、
 彼を真に滅ぼすことはできぬ。
 一万年が経とうとも、彼は蘇るだろう」

「……この、守護者の秘石が
 我が手に存在する限り」

そう言うと、妖精王は額を飾る石を外し、
手に持って掲げた。
石は緑の光を放っている。

「そう。私は、かの皇帝を守る守護者の一人である。
 この秘石の魔力によって魂を束縛され、
 逃れることもかなわぬ」

「彼を真に滅ぼさんと願うなら、我らを殺して
 四つの秘石を奪い、墓所への道を開かねばならぬ。
 四人の王の屍を越えて、彼の意思をくじくのだ」

 戦いを挑む
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戦いを挑むを選択
【妖精王】
「さあ、来るがいい。
 そして私を秘石の支配から解き放て」

「秘石の魔性に侵され続け、
 夜種と化したこの身を滅ぼすがいい!」


撃破後
【妖精王】
「……この秘石を取れ……」

「……心せよ。
 力の誘惑に捕らわれたとき、そなたも
 かの皇帝と同じものになる……」

妖精王は息絶えた。

これは定められていたことだったのだろうか。
すぐに妖精族の従者たちがやって来た。

【妖精族の従者】
「……我々の種族は、皇帝の呪いによって
 この空間に囚われています」

「ですが王は、我らが開放される
 時が来るのを信じていました」

「どうか皇帝を滅ぼし、我らの
 永き虜囚の日々を終わらせて下さい」

彼らは、妖精王の亡骸を銀の盾の上に乗せ、
どこかに運び去っていった。


立ち去るを選択

妖精王に別れを告げ、館を去った。