無題:4スレ目492

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492 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:04:19.52 ID:3qUn8.co [2/13] 京介「え?今何て言った?」 桐乃「だからぁ、またあたしの彼氏になってって言ったの」 京介「え…お、お前……それって」 桐乃「ダ、ダメかな?」 京介「ダ、ダメというか言ってる意味が……え?なに?おまえ、やっぱり俺のこと好きだったの?」 桐乃「え……あ!な、なに今回もキモい勘違いしちゃってんの?これには事情があるんだってば!」 京介「じゃあその事情ってやつを先に言えよ!いつもいつも意味深発言してドキドキさせやがって!」 桐乃「ふぅ~ん、妹に告白されてドキドキしちゃうんだ。シスコン」 ぐ…そりゃおまえは顔だけ見ればかわいいし、そんな子に上目使いで迫られたら誰だってドキドキしちまうだろうが。 くそっ、いつまでもニヤニヤしてんじゃねえぞ。 493 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:05:26.62 ID:3qUn8.co [3/13] 京介「ちっ…で、今回はどんな事情があって彼氏のふりするんだ?」 桐乃「なにその不満そうな顔。嫌なら別の人に頼むけど」 京介「不満なんてあるわけないじゃないっすか!是非、おともさせて頂きます!」 我ながらなさけねえ…。 だが、桐乃の目の前で、 「桐乃と付き合いたいってんなら、てめぇ!この俺に認めさせてみろ!」 「だが残念だったな!おまえより俺の方が桐乃を大切にする!ぜってーだ!」 なんてことを言ってしまった手前、勝手にしろよなんてことは口が裂けても言えない。 桐乃「ふん…まぁいいケド。で、今回はあたしの学校の文化祭に来てほしいの」 京介「文化祭?なんでまた」 桐乃「それを今から説明するんでしょ、ちょっと黙ってろっての」 京介「へいへい、すいませんね」 なんてかわいげのない妹だ。 黙ってればかわいいことこの上ないんだけどなぁ…もったいねえ。 桐乃「今度の文化祭で、カップルコンテストがあるんだけどそれに参加してほしいの」 京介「はぁ!?お、俺に出ろって言うのか!?」 嘘だろ?中学生でカップルコンテスト?どこの大学のイベントだよ…… 今どきの中学生は進んでるな。 桐乃「だからそう言ってんじゃん!あ、あたしだって、ほんとはあんたとなんか出たくないって!……仕方なくなんだから」 494 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:06:58.53 ID:3qUn8.co [4/13] 京介「それはわかったけどさ、なんでまた、そんなのに出るはめになったんだ?」 桐乃「えっ?」 京介「だって文化祭だろ?そういうのって、自分から立候補した奴らが出るもんなんじゃないの?他薦があったとしても断りゃいいだけだろ」 桐乃「あ…そ、それは……」 京介「なんか事情でもあんのか?」 桐乃「う…あ……それは………そ、そう!あたしってモテるじゃない?」 京介「はぁ?なんだいきなり」 桐乃「だからぁ、最近あまりにモテて困ってるから、彼氏持ちアピールして諦めてもらおうってわけ!」 京介「…それが本当だとしても、おまえ、あと半年で卒業じゃねえか。それくらい我慢できねえの?」 桐乃「う、うっさい!このままだと卒業式に告白ラッシュが待ってるのは目に見えてんじゃん!    だから今のうちに予防線張っときたいの!それにあたしは付き合うなら兄貴みた…い、いや、とにかく頼んだかんね!」 京介「あ~、そういうことね」 そういうことなら最初からそう言えばいいのに。 相変わらず説明の下手なやつだ。 京介「あ、そうだ。あやせとか、あのちんちくりんにはちゃんと説明してあるんだろうな?」 ここの確認だけは絶対にやっておかねばならない。 下手したら、俺、刺されちゃうかもしれないからね。 桐乃「あやせと加奈子にはちゃんと説明してあるから大丈夫。いきなり刺されるなんてことはないって」 京介「よかった…」 でも、桐乃もあやせにそんなイメージ持ってたんだな。 あやせ…お前の友達関係ってそれでいいのか? 496 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:09:37.30 ID:3qUn8.co [5/13] 文化祭当日。 京介「で、今日はどうすればいいんだ?」 桐乃「とりあえず、例のイベントは15時からだから、それまではあたしと一緒に文化祭見て回って……」 京介「え?ちょ、ちょっと待て。15時からなの?それなら何もこんな朝一からくる必要なくね?」 桐乃「あ、あたしだっていろいろ見て回りたいんだからしょうがないじゃん!」 京介「いや、それだとしてもあやせ達と回るとかさ…もっと他にあったろ……」 桐乃「う……あ、あやせとかは店番もあるし……そ、それに一緒に見て回ってた方が男除け効果も大きいでしょ!わかったらさっさと行くよ!」 京介「お、おい!ちょっと待てって」 桐乃に手を引かれながら中学校の校門をくぐる。 なるほど、各クラスで出し物をやってるわけね。 だから店番の係とかが必要なわけだ。 京介「あれ?そういえばおまえは店番とかないの?」 桐乃「えっ?ないよ?なんか男子が代わってくれた」 御愁傷様です。 京介「それにしても……なんか、やたらと視線を感じるんだが……」 桐乃「当たり前でしょ。あたしが彼氏連れてきたから、みんなちょー驚いてんじゃん?しかもその彼氏が微妙にイケてないし」 京介「悪かったな、お前と釣り合ってなくて」 しかし……なに、この針のむしろ状態。 超アウェーなんですけど。 特に男どもの視線が痛い、こいつがモテてるっての本当だったんだな。 497 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:10:30.96 ID:3qUn8.co [6/13] 京介「最初はどこ行く?」 桐乃「はぁ?こういう場合、あんたがエスコートするのが普通じゃないの?」 京介「エスコートもなにもここはお前の学校だろうが。それに俺はパンフレットも持ってないし、どこで何をやってるのかわかんねえよ」 桐乃「ちっ……しょうがないわね。じゃあ、最初はあたしのクラスに顔出すから」 京介「え?いきなり?」 桐乃「まずは挨拶しとかないと、改めて店番代わってもらったお礼も言わなきゃなんないし」 京介「おまえ、家の外だとほんとに性格違うよな」 桐乃「なんかいった?」 京介「なんでもないっす。じゃあ早速行こうか、桐乃」 桐乃「………………キモ」 俺に名前で呼ばれたことが腹に据えかねたのか、桐乃はぷいっとそっぽをむいてしまう。 京介「…悪かったって、そんな怒るなよ」 桐乃「………別に怒ってないし」 498 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:11:27.02 ID:3qUn8.co [7/13] 桐乃「やっほーランちん。お店の方、上手くいってる?」 ランちん「あ、桐乃。大丈夫上手くいってるよ。でも、せっかく桐乃の集客力あてにしてたのに彼氏と遊んで回るとか聞いてないんだけど」 桐乃「えへへ、ごめんね」 ランちん「いいよ、そのかわりしっかり楽しんできなよ?」 桐乃「うん、ありがと」 ランちん「あ、そちらが彼氏さん?」 桐乃「う、うん。一応ね」 京介「どうも」 あぁ、どこかで見た子だと思ったら、『エタナーの箱に同人グッズ満載トラップ』の時の子じゃないか。 そういえばあのときは、あやせと加奈子とこの子の3人で遊びに来てたんだっけな。 ランちん「………………………………………桐乃のお兄さん?」 桐乃「えっ?」 京介「えっ?」 ランちん「桐乃のお兄さんですよね?一回しか会ったこと無いですけど」 桐乃!おまえ、まさかこの子に説明するの忘れてたんじゃあるまいな!? だ、だとしたらえらいことになってしまう。 ただでさえ、こいつには『挿入未遂事件(誤解だけど)』を見られてしまっているってのに、彼氏だなんて言って紹介したら………… 京介「ちょ、ちょっとこっちへ来てくれ!」 ランちん「え?ちょ、ちょっと!?」 桐乃「あ、あんた!なに、人の友達拉致ってんの!?」 499 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:12:04.49 ID:3qUn8.co [8/13] ____________________ 京介「と、まぁ、そういうわけだ」 ランちん「事情はわかりました」 桐乃「ご、ごめんね。説明するの忘れちゃってて…」 ランちん「いいのよ、しょせん私はそういう扱いなのよ」 京介「おい、どうすんだよ。この子めっちゃ傷ついてんじゃねえか」ヒソヒソ 桐乃「だ、だって、忘れてたもんはしょうがないじゃん」ヒソヒソ ランちん「……じゃあ、あたしはそろそろ戻るね」 桐乃「あ、うん、またね」 京介「…………おまえ、後でちゃんと謝っとけよ?」 桐乃「………うん」 500 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:13:29.06 ID:3qUn8.co [9/13] _____________________ 司会「さぁ!本日のメインイベント!カップルコンテストの時間がやってまいりました!」 司会「今回は現役読モが二人も参加するとあって参加辞退者が続出!最終的に読モ同士のの一騎打ちとなってしまいました!」 京介「すげえな、お前とあやせ以外にまだ読モがいんのかこの学校」 加奈子も事務所に入ってるようだが、あれは読モとは違うだろうし、桐乃かあやせみたいなのが最低もう一人はいるってことだろ? いったいどうなってんの?この学校。 司会「では早速紹介に移りましょう、エントリー№1番、高坂桐乃さん!」 名前を呼ばれると、桐乃と腕を組みながら、体育館の舞台上に設営されたステージの中央へ歩いていく。 男A「くっそ……なんであんな冴えない男が……」 男B「なんで俺は振られてあいつはOKなんだ……年上か……年上だからか」 男C「リア充爆発しろ」 やべぇ、男どもが怖すぎて、まともに前を見れねえ。 中学生に気圧されるなんて情けねぇ。 でもこいつら怖いんだもん、仕方ねえよ。 司会「ふふふ、彼氏の方は前を全く見ていませんね。もはや彼女しか目に入らないといったご様子」 おい!司会!このイベントを無事に終わらせたいなら、火に油を注ぐようなこと言うんじゃない!! 501 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:14:01.95 ID:3qUn8.co [10/13] 司会「え~、では早速、キスの方をお願いしまーす」 京介「えっ?」 司会「えっ?」 えっ?ど、どういうこと?キス?何言ってんの?この人。 司会「あれ?ちゃんと説明してあったでしょ?参加者は、彼女から彼氏の頬にキスしてもらいますって」ヒソヒソ 聞いてねえええええぞおおおおおおおお!! ど、どうするんだよ!桐乃おおおお!? 桐乃「………………仕方なくだからね」 え…まじでやるの? 俺の肩に手を回し、段々と唇を近づけてくる桐乃。 女子勢「キャ――――――!」 男子勢「くっそ…ここから無事に帰れると思うなよ」 あぁ、もうどうにでもなれ。 502 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:15:04.92 ID:3qUn8.co [11/13] ???「ちょっと待って!」 京介「えっ?」 桐乃「えっ?」 だ、誰だか知らないが助かった まじありがとう。 おかげで、公衆の面前で妹とキスなんて事態にならずにすんだぜ。 司会「おおーっと!ここでエントリー№2番、新垣あやせさんの乱入だぁー!」 京介「もう一人の読モっておまえかよ!」 っていうかあやせたん、いや、あやせさん…彼氏いたんですね………。 さよなら、マイスイートエンジェル。 あやせ「その人は私の彼氏です!桐乃には渡しません!!」 京介「は?」 桐乃「え……」 司会「これはああああああああ!略奪愛というやつなのか!それとも単に二股かああああ!?」 女子勢「キャ――――――!」 男子勢「はっはっは、今からお前を爆破してやるからそこを動くな」 ちょ、変に観衆を煽るのはやめて!刺される以上に大変なことになっちゃう!! 桐乃「あ、あやせ?一体どういうこと!?」 あやせ「実は、初めて会った時からお兄さんのことは気になってたの。桐乃がこのイベントに参加するって聞いて、それなら私もこの場を借りて告白しようと思って」 俺が今まで積み重ねてきたあやせイベントは無駄じゃなかった…無駄じゃなかったんだが告白の時と場所は選んでほしかった……。 俺が無事帰れなかったら責任とってもらうよ? 503 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01:15:49.96 ID:3qUn8.co [12/13] 司会「なんという修羅場……煽っといてなんですが、死人が出る前にさっさと終わらせたいと思います。では、お二人から頬にキスをどうぞ!」 桐乃「くっ…ここまで来たら負けられない!」 何に対して負けられないんだよ、おまえは! これはあくまでも彼氏のふりだろうが! あやせ「シスコンだからって諦めません!」 そんなこと大声で叫ぶんじゃない! せっかく桐乃のために彼氏のふりしてるんだから!ばれたらどうする気だ! 両側から首に手を回され、キスを迫られる俺。 司会「はい、チーズ」 京介「えっ?」 京介「黒歴史認定だろ……これ」 数日後、俺のもとに届けられた写真を見て思わず苦笑する。 桐乃の方が僅かに早く俺の頬に到達したという証拠写真。 京介「今はまだ、お前が一番ってことなのかね」 桐乃「兄貴ー!人生相談があるんだけどー!」 今日は、壁越しに俺を呼ぶ声がした。 京介「……へっ、お前が一人立ちするまでは、だからな」 桐乃「ちょっと聞いてんのー!」 京介「へいへい、今行きますよ」 おわり

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