(560)

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560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 10:13:18.05 ID:DIqmoMS80 あ「じゃあね、桐乃。うん、また明日学校で」 (スタスタ・・・) 『あれ?あそこにいるのはお兄さん…ですね。―そうだ!後ろから声をかけて驚かしてあげましょう♪』 (コッソ~リ) あ「こんにちは!お兄さん、学校からのお帰りですか?」 京「…」(スタスタ) 『えっ!?』 あ「あ、あの・・・お兄さん・・・?」 京(ガチャッ)「ただいまー」(バタン) あ「無視・・・された・・・・?ううんきっとあのお兄さんのことですし、どうせまたえっちな事考えてぼーっとしてたに決まってます!」 あ「家帰ったら、電話…してみようかな。」 608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 11:58:19.49 ID:DIqmoMS80 ―同日夜 あ「ん~、とりあえず明日の予習はこのくらいでいいかな・・・っと」 (チラッ) 『電話…かけたいけどなんて言ってかけたら…そもそも出てもらえなかったら……?』 あ「…そうだ!進路の相談に乗ってもらいましょう。一応お兄さんだって高校生ですし?」 (ピッ プルルルル…) (…) (…ピッ プツッ) あ「いくらコールしても出てくれない…私、もしかして本当に…」 あ(ブンブンッ)「いやいやっ、きっと…そう、お風呂!まったく、タイミングの悪いお兄さんです!」 あ「私もお風呂入ってこよっと。そうしたらお兄さんも携帯見て気づくでしょうし」 『着信拒否はもう解除したって知ってるはずだし、かけてきてくれます・・・よね?』 あ「あ、一応携帯も…まったく、世話の焼けるお兄さんです」 (ガチャッ バタン  トタトタトタ…)            ―ここから限定版Blu-rayBOX用特典映像― 609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12:00:12.38 ID:DIqmoMS80                   ―特典映像ここまで― あ「結局、電話…かかってこなかった…」 あ「まだ寝るような時間じゃないはずだし…うん、もう一度だけかけてみよう」 (ピッ)『―お客様がおかけになった番号は 電波の入らないところに―』(ピッ プツッ…) あ「さっきまでかかったのに…なんで?」 あ「もしかして……私からの着信に気づいたから…!?」 … あ「きっと…いや絶対何か理由があるはず…じゃなきゃあの優しいお兄さんが…」 あ「あんなに私に優しくしてくれた京介さんがこんなことするはずないっ!」 ……グスッ 『メール…メールならいつでも見れますし返事くれますよね…?』 あ(ゴシゴシッ)「えーっと…『相談があります、お返事待ってます』っと」 あ「どうせお兄さんのことですし勉強そっちのけで寝てしまっているんでしょう、仕方のない人です」 あ「…明日はお話、してくれますよね?」 610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 12:02:05.05 ID:DIqmoMS80 ―翌日 放課後 《新着メールはありません》 あ(パタン)「結局あれからなんの連絡もなし…か」 『私のなにがいけなかったのかな?…って当然ですよね、私がいままでしてきたことを考えたら。』 加「あやせ~、なに携帯見つめたまんま凹んでんだよぉ~?」 あ「…加奈子?ふぅ…悪いけど今は相手してあげられる気分じゃないの。そっとしておいてくれる?」 加「チッ…なんだよつれねぇなぁ~。あ、もしかしてオトコがらみか?(笑)」 あ「!?」 加「なぁんてね。そんな態度じゃまず近寄ってくる相手がいねぇか―ってオイオイ!なにマジな顔しちゃってんの!?」 あ「…グスッ…う…うわぁあああん」 桐「こら加奈子!あんたなにあやせ泣かせてんのよっ!」 加「うぇ、桐乃!?つか加奈子なんも悪いことしてないし~!」 あ「あ~ん、桐乃ぉ~!きりのぉ~」(ガシッ) 桐(ナデナデ)「よしよし…私でよかったらさ、話聞くから。…親友でしょ?」 加「へぇへぇおあついことで…つか加奈子完全に悪者にされてね?」 706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:11:28.20 ID:DIqmoMS80 桐(スッ)「はい、温かいミルクティー。季節はずれだけど温かいやつの方が落ち着くと思うから」 あ(グスッ)「あ、ありがとう…桐乃は本当にやさしいね」 桐「私も昔泣いてたときに、よくこうして温かい飲み物作ってもらったり頭撫でてもらったりしてたからさ」 あ「…お兄さんに?」 桐「…!ま、まぁ昔は今と違って?あいつも別にキモいシスコンってわけじゃなかったし?」 あ「ふふっ、そういうことにしておくね」 桐「だ~か~らぁ~違うんだって!でもやっと笑った。やっぱあやせは笑顔が一番可愛いって」 桐「さ、これで涙も拭いて。せっかくのその可愛い顔が台無しだよ?」 あ「も、もうっ!桐乃ったらからかわないでよ~」 桐「ごめんごめん。でも私に出来ることだったらなんでも相談してよね。私あやせのためだったら頑張るから」 あ「ありがとう桐乃。…じゃあ、話聞いてくれる?」 桐「もっちろん。ただ遅くなっちゃうといけないから歩きながら話そうか」 708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:13:55.94 ID:DIqmoMS80 桐「―つまり自分に覚えはないけど友達に避けられているかもしれない、ってこと?」 あ「(さすがにお兄さんのこととは言えないや。ごめんね、桐乃)う、うん…そういう感じ」 桐「とりあえず私がそいつぶっ飛ばしてこようか?」 あ「えぇ!?」 桐「第一なにも悪いことしていないあやせを無視するなんてありえなくない!?」 あ「で、でも…今まで多少強く当たってきちゃったのは私の方だし…」 桐「そんな前のことは関係ない!第一そいつは『それ』を受け入れてきたんでしょう?今更文句言う筋合いなんかないって」 あ「たぶんそれは私を傷つけないために…」 「……」 (スタスタ ピタッ) 『あ、もう桐乃の家に着いちゃった…お兄さん帰ってきてるのかな…?』 桐「…やせ…ねぇ、あやせってば」 あ「えっ!?あ、うん…なに、桐乃?」 桐「…っあー、ここじゃあれだからちょっと寄っていきなよ」 あ「…!?…うん、わかった」 709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:15:48.67 ID:DIqmoMS80 ―ガチャッ 桐「ただいまー」あ「おじゃましまーす」 桐「あぁ、まだ親帰ってきてないはずだし気にせず先に私の部屋上がってて」 あ「あ、うんわかった…えっと、お兄さんは?」 桐「アイツ?さぁ~、まだ帰ってきてないみたいだけど?最近は地味子のとこで勉強教えてもらってるみたいだし」 あ「そっか、いないんだ。(地味子ってお姉さんのこと…かな?でもとりあえず顔合わせずに済みそうで)良かった…」 桐「え?あ~、安心して。あやせに変なことしようとしたらただじゃおかないから」 あ「あ…あはは、そのときは頼りにしてるね(これじゃお兄さんが悩みの原因だなんて言えないよね)」 (ガチャ バタン) 桐「で、あやせ。さっきの話の続きなんだけど…あやせはどうしたいの?」 あ「どうって…それはもちろん―」 桐「だったらさ、さっきみたいにでもだのなんだのうじうじ悩んでても解決しないと思うんだ」 桐「相手から明確な拒絶があったわけじゃないんでしょ?その――『あの時のあやせ』みたいに」 桐「あのとき私はあやせのことを諦められなかったから必死でもがいた!親友を失うことが一番つらかったから!」 桐「一人じゃどうにもできなかったけど『兄貴』が味方してくれたから乗り越えられた!だから安心して!―」 710 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:17:34.06 ID:DIqmoMS80 あ「『―私は絶対あやせの味方だから』…か。ふふっ、本当に桐乃は優しいよ」 あ「昨日もこのくらいの時間だったしそろそろ帰ってくるはず…あ、来たっ」 京(スタスタ)「…」 あ「お、お兄さんっ!」 京(スタスタ)「…」 あ「ま、待って!おに…京介さん!」(ガシッ) 京(クルッ)「!?…あ、あやせ?」 あ「ごめんなさい!」 あ「私が何をしたのか分からない…いや、今までのことを考えたら十分ひどいことをしてきたと思います」 あ「『あの時』のことだって桐乃と私のためにあんな嘘をついてくれたって言うことはわかってたんです!でも…恥ずかしくて素直になれなくて…」 あ「それなのに!そんな私の相談をたくさん聞いてもらえて嬉しかった!私なんかのわがままにたくさん付き合ってくれて嬉しかった!」 あ「私には…私にはもう京介さんがなくてはならないんです!今京介さんに嫌われてしまったら私…わた…グスッ」 (ナデナデ) あ「(ヒック)えっ…?きょ、きょうすけ…さん…?」 京「とりあえず今は満足するまで泣いておけ。話はそれからでも出来るだろ?」 711 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:19:59.67 ID:DIqmoMS80 京「ほれ、…温かいお茶でよかったか?」 あ「クスッ…本当に似たもの兄妹です」 京「ん?…それより、どうしたんだいきなり。いや、あやせの気持ちが聞けてすげー嬉しかったんだけどさ」 あ「どうしたって…昨日きょうす…お兄さんが私を無視して…」 京「俺がお前を無視だって!?なんの冗談だいきなり!?」 あ「したじゃないですか!昨日桐乃と別れた後お兄さんを見かけたから後ろから声をかけて―」 京「えーっといまいち事態が……あっ!すまん、それはたぶんこいつのせいだ」(スッ) あ「これは…ipod?」 京「あぁ。桐乃たちが―あぁ、たちって言うのはあいつのオタク友達の奴らのことなんだが―受験のお守り代わりにって」 あ「…それが?」 京「受験勉強自体は一応ある程度余裕はあるんだが、英語なんかは量をやるしかないだろ?だからこれに例文集を入れて聞いていたんだよ」 京「時間の有効活用、って思ったんだけど集中しすぎちゃって周りが見えなくなってたみたいだな」 あ「でも昨日電話やメールしたのになにも返してくれなかったじゃないですか!」 京「あー、昨日の電話はあやせだったのか!実は休憩のためジュース取りに行って部屋に戻ったら携帯が鳴ってて」 あ「鳴ってて…?」 712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/11/19(金) 15:22:10.81 ID:DIqmoMS80 京「慌てたせいでジュースこぼして携帯壊れた。そっかー、あやせのほうからなんてあまりかかってこないし思いつかなかったぜ」 あ「……」(プルプル) 京「…あやせ?おーいラブリーマイエンジェルあやせたーん?」 あ「……ど」 京「ど?」 あ「どんだけ私が悩んだと思ってるんですかこのどじっ子が死ねェェェェェェェェェ!」 京「タンマタンマ!お、俺が何をしたって言うんだ!?」 あ「なにもかにもありません!私がっ!私がどんな思いでっ!勇気を出して!さっきの…さっきの?」 あ「あ…イヤアアアアアアアアァァァァァァ!さっきのはなし!なしです!聞かなかったことにしてくださいぃ!」 京「そ、そんなこと言われても…俺、思いが通じたと思って本当に嬉しかったのに」 あ「え?ま、またまたすぐそうやって冗談を言うんですから!からかうのはやめて下さい!!」 京「冗談なんかじゃねぇよ。はぁ、わかった。じゃあ…」 京「あやせ、お前が好きだ。俺の彼女になってくれ。」 あ「え!?あ…う、嘘じゃないんですよね……はい、京介さん」 ―― 桐(コソッ)「結局アイツが原因だったのね。ま、まぁ今回は特別に許してあげるけど、次からあやせを泣かしたりしたら本当に…許さないんだから」 桐「それにしても―あやせには笑顔が一番似合うと思ったけど、あんな嬉しそうな泣き顔ならあり…かもね」

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