無題:6スレ目208

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208 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 23:25:38.44 ID:8XPEUFw0 [2/4] わたしの名前は新垣あやせ。15歳―― わたしはついに大好きなお兄さんにキスをして貰ったの。わたしにとって……ファーストキス―― 嬉しい筈なのに、ずっと夢見ていたのに……わたしは泣いてしまった。 『わたしのファーストキスです……。お兄さん……ちゃんと受取って下さいね』 決してわたしからせまったんじゃないわ……わたしはお兄さんの頬に軽く、そうよ軽く触れるだけの…… でも、お兄さんはあの時のわたしの気持ちを察してくれて……わたしに口付けしてくれたの。  ――『だ・い・す・き・で・し・た』―― わたしは勇気が無くて、……声に出せなかった。でも、お兄さんはわたしの唇をじっと見つめ……頷いたわ。 桐乃の家の隣に越して来たわたしは、これからはいつでも大好きなお兄さんに会える。――いつでも ――でも、お兄さんは桐乃のお兄さん、そして桐乃はわたしの掛け替えのない親友、大親友と言ってもいい。 わたしは……桐乃がお兄さんのことを………………好きだって知っている。 「おはよーあやせ、さっ、ガッコ行こ。もうさーあやせが隣に引越してくるなんて、あたし想像もしてなかった  よ。いつもあやせには遠回りして迎えに来てもらって……いままでほんとにありがとね」 「もうー桐乃ったら、そんなこと無いって。ぜんぜん遠回りなんて事ないよー」 「でもでも、これからはあやせとお隣さんになったから……いままでほんと申し訳ないと思ってたんだ~」 わたしが以前住んでいた地区は、古くからある住宅街で、今回の道路拡張工事計画が持ち挙がったとき、わたし の家も立退きの対象になってしまったの。桐乃の家の隣に越してきたのは、わたしが来年春には中学校を卒業す ることも理由のひとつだったの。 「でも、あやせ良かったよね~、もし遠くに引越して転校なんて事になったら大変だったよね~」 「うん、それはあるね。たまたま桐乃の家の隣が空いてたから、わたしとしてもほんとよかったよ」 「あ、そうそうあやせ、お母さんがね、今日ねガッコ終わったら、あたしとあやせとお母さんだけで、女だけの  一寸したティーパーティーをしましょうって!、どうする?」 「えー本当?桐乃のおかあさんが~?じゃあじゃあ、ぜひお願いしますって帰ったら伝えておいてよ」 「うん、わかった伝えておく」 桐乃のお母さんが、わたしのためにティーパーティーを開いてくれるなんて……桐乃のおかあさんて、なんてや さしいのだろう、でも、お兄さんは参加してくれないのかしら?――女だけのティーパーティーか…… 209 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 23:26:20.61 ID:8XPEUFw0 [3/4] ――登校するとき桐乃の言った通り、学校が終わって家に帰ると、桐乃のおかあさんがティーパーティーを  開いてくれたの。お茶とケーキを揃えてくれて……あとは女同士だから、お喋りさえあればね。 「ほんと、あやせちゃんがお隣に越して来てくれて……桐乃も大喜びなのよ~」 「もう、あかあさんたら~あやせの前で恥ずかしいじゃん」 「いえいえ、おば様、わたしこそ桐乃の近くに越してこれて、嬉しくってしょうがないんですから~」 「ありがとっ。それにしても、あやせちゃんてほんときれいな髪してるわよね~。それにくらべて、うちの桐乃  ったら……」 「おかあさん!、あやせに黒髪ロングが似合うように、あたしにはこの色が似合ってんの!!」 なんかこういうのっていいな~って思った。今までは家に帰っても、お父さんは帰りが遅いし、お母さんも忙し いから……こんなにお喋りする事なんてなかったもんな~。――楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。 「ねぇ、あやせちゃん、これからはお隣同士なんだから、ちょくちょくこういったパーティーしましょうよ」 「わ~、おば様いいんですか?」 「あやせちゃん、いいに決まっ……」 「お袋!、あと桐乃!、いつまで俺の部屋でくっちゃべってんだよ!……窓開けっ放しだと寒みぃーんだよ!」 「京介、なに急に怒り出して……せっかくティーパーティーしてるのに……変な子ね~」 「あやせもあやせだよ!!……なんでお前は自分の部屋に居んだよ!なんでみんな部屋に居んのに防寒服を  着てなきゃなんねーんだよ!……おい!桐乃!しれっとして、俺の電気ストーブ持ってくなよ!」 「だって、寒いんだもん!」 「あ!、お袋!、あんたが今、頭から被ろうとしてんのは俺の布団じゃねーか!」 「そうは言うけど、京介の部屋には電気ストーブしか無いじゃない、電気ストーブは桐乃が抱え込んじゃって  るし……おかあさんだって仕方なくよ」 「ふふ、お兄さん?、せっかくお隣同士になったんですから、そんなに怒らなくても良いじゃないですか~」 「あやせ!、お前の着てるのは毛皮か?毛皮なんだな?……だからそんな悠長な事を言ってられんだよ!」 わたしは新垣あやせ、大好きなお兄さんの家の隣に越してきたの……これからはいつでもお兄さんに会える。 でもでも、お兄さん?あんまり怒ると、お兄さんがわたしにキスした事……桐乃とおば様に話しちゃいますよ? ここに越して来て本当に良かった。わたしとお兄さんの新しい生活が、いま始まろうとしているから。―― (完)

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