無題:6スレ目851

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851 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:34:21.75 ID:7dTqU6rgo [4/14] 俺が妹の親友、来栖加奈子の芸能マネージャーをやってたのはもう随分前のことだ。 まぁ、マネージャーと言っても、加奈子を騙してコスプレ大会に出場させるためだけのモドキだったんだけどさ。 そのときに知り合ったのが、イギリスから来たコスプレ好きの美少女、ブリジット・エヴァンスだ。 そして今、俺はそのブリジットから相談を持ちかけられている―― 「マネージャーさん、今日は呼び出したりして……ごめんなさい……」 「いや、別に気にしなくていいぜ。どうせ暇してたしさ」 ブリジットは(その方面の人達に)それなりに顔が知られてる有名人なので、 俺達は目立たないよう小さな喫茶店の隅の席で二人きりで会っている。 それでなくても人の目を引く外国の美少女だし、変な噂が立ったらこいつが困るからな。 852 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:34:59.97 ID:7dTqU6rgo [5/14] 「それで、相談ってなんなんだ?」 「えっと、実は……」 そこまで言ったところでブリジットは俯き、しばらく黙り込んでしまった。 よほど話しにくいことなのだろう。俺は静かにブリジットの心の準備が整うのを待った。 しばらくして、ブリジットは覚悟を決めたように顔を上げ、口を開いた。 「マネージャーさんは、『ニコ生』って知ってますか?」 「にこなま――?なんだそりゃ」 「インターネットのストリーミング放送を、誰でも放送できるサイトがあるんです。  ウェブカメラで撮って放送したり、ゲームの実況を放送したり、見てるみんなとチャットができるんです」 「へぇ~、そんなのがあるのか。で、お前それやってんの?」 そう問いかけると、ブリジットの表情がにわかに曇った。 853 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:37:55.30 ID:7dTqU6rgo [6/14] 「はい、わたしもコスプレして踊ったり歌ったり……そういうことをしてたんですけど……  最近ストーカーのような人が、一人ですごくたくさんコメントをしていて……  コメントくれるのはありがたいけど、なかには嫌らしいコメントもあるんです……」 ああ、十分ありえる展開だよな。 こいつ可愛いし、こんな娘と多人数とはいえチャットできるとなれば、 我を忘れて暴走する輩が出現しても不思議じゃない。 あまりにも分かり易すぎる状況に俺がため息をつくと、 ブリジットはカバンからクリアファイルに入った用紙を取り出した。 「これ、その人のコメントをいくつか抜き出して印刷したものです。見てもらえますか?」 「うわっ……これは酷え……」 854 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:42:13.60 ID:7dTqU6rgo [7/14] 渡されたプリントを見て俺は絶句した。 そこには―― ・ブリジットちゃああああああんこっち向いてええええ ・可愛いよブリジットちゃんうわああああああああああああああ ・今日はどんなコスプレなのかな?下着はつけているかな?ハァハァ ・ああ、もうおいどん辛抱たまらんですタイ!!!! ・ぶりにゃんぺろぺろ(^ω^) ・ぶりちゃんのほっぺをすりすりナデナデしたいよおおおおおおおおおおお ・ブリジットが可愛すぎて生きてるのが辛い ・ブリちゃんを連れて帰ってうちで飼いたいよぉぉおぉおおお ・ブリちゃん!ブリちゃん!ブリちゃんぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! ・ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ! ・ブリちゃんに会いたいよおおおお!ぺろぺろしたいよぉぉぉぉおおおおおおおお ・ブリちゃんの脇の下を舐めさせてええええええええん ・ブリちゃん昨日はどうしてニコ生しなかったの?待ってたのに!!! ・今度会ってデートしようよ!メール待ってるからね! → buriburi@xxxx.net 実に痛々しいコメントが羅列されているじゃねーか……。 くっ……黒猫じゃないが、このプリントから邪悪なオーラを感じるぜ! 855 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:43:26.40 ID:7dTqU6rgo [8/14] 「最近ではますますエスカレートしてて、いつか何かされるんじゃないかと怖いんです……」 確かに、ネット上の出来事とはいえ、相手はブリジットの顔知ってるし、 こいつはイベントやら出てるからそういう場所でリアルな接触も不可能じゃない。 だけど、ネットに疎い俺に相談されても…… 正直こういう場合にどういう対策があるのか、皆目見当がつかないんだよなぁ 「そうだなぁ……そういうのに詳しそうな奴に心当たりが無いこともないが……」 「マネージャーさん、ぜひお願いします!本当に困ってるんです!」 懇願するブリジットの勢いに圧され、俺はしぶしぶあいつに電話をした。 Prrrrr ガチャ 「おい、桐乃――」 856 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:45:00.89 ID:7dTqU6rgo [9/14] 電話に出た桐乃は思いっきり不機嫌な声で応えた。 『えっ、あんた? ちょっとー、あたしだって暇じゃないんだから、気安く電話かけてこないでよね』 妹に電話しただけでこの言われよう。だから掛けたくなかったんだよ。 でも今回ばかりは仕方ねぇ、こいつはそっち方面に色々と詳しいからな。 「ちょっと教えて欲しいことがあってよー、いま大丈夫か?」 『ハァ?なんであたしがアンタの質問受付係りみたいになってんのよ?』 だめだ、こいつじゃ話にならねぇ…… 仕方ない、黒猫か沙織あたりに掛けなおすかな。 「わかったわかった、もういいよ。いまブリジットから相談受けんのに、お前は薄情な奴だよな。じゃあな」 『ええっ!?ブリジットってあのブリジットちゃん!!??』 予想はしていたが、ブリジットの名前を出したことで桐乃の反応はガラッと変わった。 857 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:45:39.39 ID:7dTqU6rgo [10/14] 『それならそうと最初に言いなさいよねー!ってかなんであんたがブリジットちゃんと居るのよ!?』 ああ、もうホントめんどくせえ奴だ…… 「その辺はあとで話すからさ、とりあえずちょっと教えて欲しいんだけど、お前ニコ生って知ってる?」 ――俺は桐乃に、ブリジットが『ニコ生』とやらであるユーザーから粘着コメントを受けていること、 そしてブリジットがそのユーザーに怯えているということを話した。 「ってことなんだけどさ、俺ネット詳しくないからどうしたらいいのか分かんなくてさぁ」 『…………』 「あれ……? 桐乃、聞いてる?」 『……あ、ああ、うん。 き、聞いてるよっ』 何だよこいつ、人が真面目に相談してるのに反応わりーなぁ 858 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:47:29.90 ID:7dTqU6rgo [11/14] 「でさぁ、何か助けられることが無いかなーって思ってよ」 『そうね……。でもそんなに心配すること無いんじゃないかな……?』 あん? 何を根拠にこいつはそんな楽天的なことを言ってるんだ? ふとブリジットに視線を移すと、電話で話す俺を心配そうに見つめている。 「いやいや、何か起きてからじゃ遅いだろ? 何か方法が無いか、ちゃんと考えてくれよ」 俺はちょっとイラついた調子で、桐乃を非難した。 859 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:48:31.05 ID:7dTqU6rgo [12/14] だが、桐乃の反応は変わらない。 『だーかーらー、絶対大丈夫だって! とにかくブリジットちゃんに安心するように伝えておいて!』 結局、なんの参考にもならない気休め言葉だけを残し、桐乃は電話を切った。 あいつ、普段はしっかりしてる奴なのに、肝心なときには案外頼りにならないな…… 「ど、どうでしたか?マネージャーさん」 「ああ、なんかそんなに心配しなくてもいい、みたいなことを言われたけど……うーん」 「わたし、心配しすぎなんでしょうか……」 頼みの桐乃に肩透かしを食らい、結局何の結論もだせないままだったが、 とりあえずしばらく様子を見ようということにして、俺はブリジットと別れた。 860 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:49:51.48 ID:7dTqU6rgo [13/14] 数日後―― 俺は携帯にかかってきたブリジットからの電話で目を覚ました。 『マネージャーさん!ありがとうございます!』 「ど、どうしたいきなり??」 『あの日以来、変なコメントがぴたっと止まったんです。何かしてくださったのかなと思ったんですけど……』 いや、俺は何もしてないし。っていうか何もできないし…… 「まぁ、なんにせよ収まってよかったな」 『はい!ありがとうございましたっ』 よほど嬉しかったのだろう。ブリジットの声は前に会ったときとは大違いで、快活なものだった。 しかし、なんだったんだろうな。 結果的に桐乃の言う通りだったってことなのか? 861 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:50:45.27 ID:7dTqU6rgo [14/14] 俺はリビングに下りて、ソファーでテレビを観ていた桐乃にブリジットの報告を伝えた。 「ホラね。あたしの言ったとおりでしょ?心配しすぎなんだって」 「ああ、そうだったな」 「ま、まぁ、ブリジットちゃん可愛いから、あの放送を観ればおかしくなる奴が出ても仕方ないよねー」 「なんにせよ助かったよ、サンキューな」 そんなやり取りをして、俺はリビングを後にし、二度寝のために自室へと戻った。 ……あれっ? なにかが引っかかった気がしたけど……まぁいいか。 おわり
851 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:34:21.75 ID:7dTqU6rgo [4/14] 俺が妹の親友、来栖加奈子の芸能マネージャーをやってたのはもう随分前のことだ。 まぁ、マネージャーと言っても、加奈子を騙してコスプレ大会に出場させるためだけのモドキだったんだけどさ。 そのときに知り合ったのが、イギリスから来たコスプレ好きの美少女、ブリジット・エヴァンスだ。 そして今、俺はそのブリジットから相談を持ちかけられている―― 「マネージャーさん、今日は呼び出したりして……ごめんなさい……」 「いや、別に気にしなくていいぜ。どうせ暇してたしさ」 ブリジットは(その方面の人達に)それなりに顔が知られてる有名人なので、 俺達は目立たないよう小さな喫茶店の隅の席で二人きりで会っている。 それでなくても人の目を引く外国の美少女だし、変な噂が立ったらこいつが困るからな。 852 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:34:59.97 ID:7dTqU6rgo [5/14] 「それで、相談ってなんなんだ?」 「えっと、実は……」 そこまで言ったところでブリジットは俯き、しばらく黙り込んでしまった。 よほど話しにくいことなのだろう。俺は静かにブリジットの心の準備が整うのを待った。 しばらくして、ブリジットは覚悟を決めたように顔を上げ、口を開いた。 「マネージャーさんは、『ニコ生』って知ってますか?」 「にこなま――?なんだそりゃ」 「インターネットのストリーミング放送を、誰でも放送できるサイトがあるんです。  ウェブカメラで撮って放送したり、ゲームの実況を放送したり、見てるみんなとチャットができるんです」 「へぇ~、そんなのがあるのか。で、お前それやってんの?」 そう問いかけると、ブリジットの表情がにわかに曇った。 853 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:37:55.30 ID:7dTqU6rgo [6/14] 「はい、わたしもコスプレして踊ったり歌ったり……そういうことをしてたんですけど……  最近ストーカーのような人が、一人ですごくたくさんコメントをしていて……  コメントくれるのはありがたいけど、なかには嫌らしいコメントもあるんです……」 ああ、十分ありえる展開だよな。 こいつ可愛いし、こんな娘と多人数とはいえチャットできるとなれば、 我を忘れて暴走する輩が出現しても不思議じゃない。 あまりにも分かり易すぎる状況に俺がため息をつくと、 ブリジットはカバンからクリアファイルに入った用紙を取り出した。 「これ、その人のコメントをいくつか抜き出して印刷したものです。見てもらえますか?」 「うわっ……これは酷え……」 854 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:42:13.60 ID:7dTqU6rgo [7/14] 渡されたプリントを見て俺は絶句した。 そこには―― ・ブリジットちゃああああああんこっち向いてええええ ・可愛いよブリジットちゃんうわああああああああああああああ ・今日はどんなコスプレなのかな?下着はつけているかな?ハァハァ ・ああ、もうおいどん辛抱たまらんですタイ!!!! ・ぶりにゃんぺろぺろ(^ω^) ・ぶりちゃんのほっぺをすりすりナデナデしたいよおおおおおおおおおおお ・ブリジットが可愛すぎて生きてるのが辛い ・ブリちゃんを連れて帰ってうちで飼いたいよぉぉおぉおおお ・ブリちゃん!ブリちゃん!ブリちゃんぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! ・ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ! ・ブリちゃんに会いたいよおおおお!ぺろぺろしたいよぉぉぉぉおおおおおおおお ・ブリちゃんの脇の下を舐めさせてええええええええん ・ブリちゃん昨日はどうしてニコ生しなかったの?待ってたのに!!! ・今度会ってデートしようよ!メール待ってるからね! → buriburi@xxxx.net 実に痛々しいコメントが羅列されているじゃねーか……。 くっ……黒猫じゃないが、このプリントから邪悪なオーラを感じるぜ! 855 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:43:26.40 ID:7dTqU6rgo [8/14] 「最近ではますますエスカレートしてて、いつか何かされるんじゃないかと怖いんです……」 確かに、ネット上の出来事とはいえ、相手はブリジットの顔知ってるし、 こいつはイベントやら出てるからそういう場所でリアルな接触も不可能じゃない。 だけど、ネットに疎い俺に相談されても…… 正直こういう場合にどういう対策があるのか、皆目見当がつかないんだよなぁ 「そうだなぁ……そういうのに詳しそうな奴に心当たりが無いこともないが……」 「マネージャーさん、ぜひお願いします!本当に困ってるんです!」 懇願するブリジットの勢いに圧され、俺はしぶしぶあいつに電話をした。 Prrrrr ガチャ 「おい、桐乃――」 856 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:45:00.89 ID:7dTqU6rgo [9/14] 電話に出た桐乃は思いっきり不機嫌な声で応えた。 『えっ、あんた? ちょっとー、あたしだって暇じゃないんだから、気安く電話かけてこないでよね』 妹に電話しただけでこの言われよう。だから掛けたくなかったんだよ。 でも今回ばかりは仕方ねぇ、こいつはそっち方面に色々と詳しいからな。 「ちょっと教えて欲しいことがあってよー、いま大丈夫か?」 『ハァ?なんであたしがアンタの質問受付係りみたいになってんのよ?』 だめだ、こいつじゃ話にならねぇ…… 仕方ない、黒猫か沙織あたりに掛けなおすかな。 「わかったわかった、もういいよ。いまブリジットから相談受けてんのに、お前は薄情な奴だよな。じゃあな」 『ええっ!?ブリジットってあのブリジットちゃん!!??』 予想はしていたが、ブリジットの名前を出したことで桐乃の反応はガラッと変わった。 857 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:45:39.39 ID:7dTqU6rgo [10/14] 『それならそうと最初に言いなさいよねー!ってかなんであんたがブリジットちゃんと居るのよ!?』 ああ、もうホントめんどくせえ奴だ…… 「その辺はあとで話すからさ、とりあえずちょっと教えて欲しいんだけど、お前ニコ生って知ってる?」 ――俺は桐乃に、ブリジットが『ニコ生』とやらであるユーザーから粘着コメントを受けていること、 そしてブリジットがそのユーザーに怯えているということを話した。 「ってことなんだけどさ、俺ネット詳しくないからどうしたらいいのか分かんなくてさぁ」 『…………』 「あれ……? 桐乃、聞いてる?」 『……あ、ああ、うん。 き、聞いてるよっ』 何だよこいつ、人が真面目に相談してるのに反応わりーなぁ 858 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:47:29.90 ID:7dTqU6rgo [11/14] 「でさぁ、何か助けられることが無いかなーって思ってよ」 『そうね……。でもそんなに心配すること無いんじゃないかな……?』 あん? 何を根拠にこいつはそんな楽天的なことを言ってるんだ? ふとブリジットに視線を移すと、電話で話す俺を心配そうに見つめている。 「いやいや、何か起きてからじゃ遅いだろ? 何か方法が無いか、ちゃんと考えてくれよ」 俺はちょっとイラついた調子で、桐乃を非難した。 859 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:48:31.05 ID:7dTqU6rgo [12/14] だが、桐乃の反応は変わらない。 『だーかーらー、絶対大丈夫だって! とにかくブリジットちゃんに安心するように伝えておいて!』 結局、なんの参考にもならない気休め言葉だけを残し、桐乃は電話を切った。 あいつ、普段はしっかりしてる奴なのに、肝心なときには案外頼りにならないな…… 「ど、どうでしたか?マネージャーさん」 「ああ、なんかそんなに心配しなくてもいい、みたいなことを言われたけど……うーん」 「わたし、心配しすぎなんでしょうか……」 頼みの桐乃に肩透かしを食らい、結局何の結論もだせないままだったが、 とりあえずしばらく様子を見ようということにして、俺はブリジットと別れた。 860 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:49:51.48 ID:7dTqU6rgo [13/14] 数日後―― 俺は携帯にかかってきたブリジットからの電話で目を覚ました。 『マネージャーさん!ありがとうございます!』 「ど、どうしたいきなり??」 『あの日以来、変なコメントがぴたっと止まったんです。何かしてくださったのかなと思ったんですけど……』 いや、俺は何もしてないし。っていうか何もできないし…… 「まぁ、なんにせよ収まってよかったな」 『はい!ありがとうございましたっ』 よほど嬉しかったのだろう。ブリジットの声は前に会ったときとは大違いで、快活なものだった。 しかし、なんだったんだろうな。 結果的に桐乃の言う通りだったってことなのか? 861 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 01:50:45.27 ID:7dTqU6rgo [14/14] 俺はリビングに下りて、ソファーでテレビを観ていた桐乃にブリジットの報告を伝えた。 「ホラね。あたしの言ったとおりでしょ?心配しすぎなんだって」 「ああ、そうだったな」 「ま、まぁ、ブリジットちゃん可愛いから、あの放送を観ればおかしくなる奴が出ても仕方ないよねー」 「なんにせよ助かったよ、サンキューな」 そんなやり取りをして、俺はリビングを後にし、二度寝のために自室へと戻った。 ……あれっ? なにかが引っかかった気がしたけど……まぁいいか。 おわり

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