無題:7スレ目14

「無題:7スレ目14」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

無題:7スレ目14」(2011/01/20 (木) 17:14:34) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/20(木) 17:08:56.72 ID:t9HYaQDS0 [2/7] 「ふ……ふふっ、ふふふ……」 今日の黒猫は何だか様子がおかしい。 何かいい事でもあったのか、顔がニヤケっぱなしだ。 「なあ、そんなに興奮して何かあったのか?」 今日も一緒に高校から帰って来て、二人で俺の部屋にいるわけだが。 さっきからずっと、独り笑いをしている黒猫に問い掛けてみた。 「先輩……遂に私は邪眼の力を得たのよ。ふふ……」 「はぁ?」 いきなりどうしたんだコイツは。 とうとう、妄想と現実の区別がつかなくなっちまったのか? 「いや、何言ってんだお前」 「やはり人間風情には理解できないでしょうね…… まあ身をもって知るといいわ。闇の力をね」 そう言うやいなや、黒猫は俺に向かって手をかざし、訳の分からない呪文らしき ものを呟き始めた。そして―― 「ハアッ!」 と叫び声をあげた……何だってんだ。 「おい黒猫、邪気眼もそこまでに……っ!」 動けない。え? 体が動かんぞオイッ! 何かに縛られているかのように、自分の身体が微動だにしない。 15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/20(木) 17:09:58.49 ID:t9HYaQDS0 [3/7] 「さらに……」 空間から縄が現れて、俺の体をグルグル巻き始めた。 こうなると全く身動きがとれねーぞ! ど、どうするつもりだ。 「お分かり? 今の私は、こんな事もできるのよ」 「お、俺を動けなくさせて何をしようってんだ! お前は」 「ふふ……そうね。例えば……こんな事かしら?」 黒猫は俺に流し目を送りつつ、顔を上気させてこちらに近づいて来た。 そして俺の顔に手を添えて―― 「く、黒猫?」 「黙って……先輩……」 黒猫は目を潤ませて、切なげな表情でどんどん顔を近付けて来た。 こ、これはまさか……! 正に唇が触れ合おうとしたその時。 「そこまでよ、この泥棒猫!!」 「き、桐乃!?」 「なっ……!」 勢いよくドアを開け放ち、桐乃が入って来た。 「何であたしの兄貴に手を出してるワケ?」 「フン、別にあなたの許可なんていらないじゃない」 「うっさい! 兄貴はあたしだけのものなんだから!!」 お、おいおい。何言ってんだ桐乃。つか、お前俺の事好きだったの!? 「いやだわ、ブラコンも度が過ぎると手に負えないわね」 「電波女には言われたくないっての」 「でも無駄よ……今の私にはこれがあるもの」 そう言って黒猫は手をかざしブツブツ唱えた後、いとも簡単に桐乃にも金縛りをかけた。 16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/20(木) 17:10:29.09 ID:t9HYaQDS0 [4/7] 「な、何これ……動けない。ア、アンタ超能力でも身に付いたの!?」 「そんな事どうでもいいじゃない。まあ、あなたはそこで私と先輩の愛の営みを 眺めているといいわ……ふふ」 桐乃を挑発した後に黒猫は俺のほうに向き直り、再び唇を接近させてきた。 「先輩……さあ儀式を」 と、その時―― 「破ぁ!!」 桐乃が叫んだかと思うと、今まで不動だったあいつの身体が動き出した。 「何ですって……!?」 「こんな事もあろうかと、寺生まれのTさんの所で修業しておいたのよ。 アンタみたいな奴から兄貴を守る為にね!」 な、なんだと。桐乃、お前いつからそんな凄い奴になったんだ!? 「クッ、見くびっていたわ」 「今度はあたしの番ね。破ぁーーーーッ!!」 「かはっ……」 黒猫は桐乃の放った気弾を受け、意識を失ってしまった。 桐乃にこんな事ができるなんて……寺生まれってスゴイ、俺は改めてそう思った。 術者が倒れたためか、俺の身体そのものは動くようになった。だが、 縄で縛られているために依然として身動きはとれない。 「やれやれ、威力はTさんの半分か」 そう呟き、ひとしきり黒猫を見つめた後に桐乃はこっちへ近付いてきた。 17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/20(木) 17:11:32.05 ID:t9HYaQDS0 [5/7] 「兄貴……」 「き、桐乃?」 桐乃が未だ動けない俺の背中にスッと手を回し、抱きついて来る。 その後、物欲しそうな顔をしながら――キスを迫ってきた。 「お、おい桐乃」 「目を閉じて……」 ま、待て。駄目だ! 俺達は兄妹なんだぞ? そう思うも手足の自由が効かないのでは どうしようもない。おとなしく流れに身を任せようとした、その時。 ブイーンブイーン、と桐乃のポケットにある携帯のバイブ音が鳴った。 「チッ……いいところで。誰?」 『もしもし、桐乃?』 「あ、あやせ? どうしたの」 『あのね、今――』 通話相手は、あやせのようだが……何を話してんだ? 「ええええええええ! ブリジットちゃんがこの家の付近にいた!?」 『そうそう。早く行かないと見失っちゃうよ?』 「こうしちゃいらんない。兄貴、また後でね!」 「お、おい」 桐乃は目にも留まらぬ勢いで部屋を飛び出してしまった。まず俺の縄を解いてくれよ…… しかし、どうしたもんか。 「どうやら上手くいったようですね」 「えっ」 この声は、まさか―― 「あ、あやせ!? 何でお前がここに……!」 「桐乃の部屋にずっと潜んで好機を伺ってたんですよ、フフフ」 18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/20(木) 17:12:33.41 ID:t9HYaQDS0 [6/7] コ、コイツ……そうか! 隣の部屋に隠れてたから、ブリジットがこの近くにいたって分かったのかよ! 「ま、まさか。お前も何か能力を」 「私にはそんな力、必要ありませんよ。だって……これがありますし」 カバンから、手錠とムチを取り出すあやせ。ん……?ムチ? 「さあ、たっぷりと愛し合いましょう。お兄さん」 「おい待て、そのムチは何だよ!?」 「何いってるんですか。私とお兄さんの絆を深めるための大切な道具ですよ、フフフ……」 あやせが服を脱ぎながら、じりじりと距離を縮めて来る。 おいやめろ、俺にはビシバシ叩かれて喜ぶような趣味はねーぞ! 「さあ、おとなしく……うっ」 呻き声を上げて、その場に倒れるあやせ。一体何が起こったんだ? 「マネージャーさん!無事ですか?」 「えっ、ブリジット!?お、お前なんで?」 「胸騒ぎがしたので……」 見ると、いつぞやのコスプレ大会で振り回していたアレを持っている。 どうやら、それであやせの頭に一発ドカンとやったようだ。 「助かったぜ。俺さ今、動けないから何とかして欲し……ブリジット?」 じーっと舐め回す様に俺の身体を見て、頬を染めるブリジット。 気のせいか、何やらモジモジしてるような……まさか。 「わたし……初めてだけどマネージャーさんが動けない分、頑張りますから!」 「……」 頼む。誰か俺をここから解放してくれ…… 終わり

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。