無題:8スレ目842

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842 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:12:53.71 ID:Gf3XDwd3o [2/11] 京介「桐乃、お前は俺に構ってもらうのに『人生相談』とか何か重要な話題が必要だと思っているようだが、別に無くてもこっちから構う」 桐乃「なんですって!?」 京介「それとメンドクサイので義理の兄妹で両親説得済みってことにしておいた。    あとは俺と式を挙げるだけだな」 桐乃「フン、上等よ。私もひとつ言っておくケド、実の兄妹で妊娠ENDって話が    どこかにあった気がするけど、別にそんなことは覚えてないわ!」 京介「そうか、さあ来い桐乃!」 桐乃「きょうすけーーー!!!」 あやせ「兄妹バカップルの惚気が毒女を死なせると信じて……!!」 瑠璃「ご愛読ありg……違うわ。これから始まるのよ。今回の主役は私よ」 あやせ「前回も前々回も主役じゃありませんでした?」 瑠璃「カプが無いからノーカンよ」 あやせ「そんな!いくら作者がカプ厨だからってお兄さん以外とのカプなんて黒猫派や独占厨が黙ってませんよ!!」 瑠璃「黒猫の相手が京介以外認めない。カプ厨氏ね。黒猫は俺の嫁という方はNGをお願いいたします」 843 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:14:28.21 ID:Gf3XDwd3o [3/11] 「少し……飲みすぎたわね」 3次会のカラオケが終わったころには十分に酔いが回っていた。 あまり歌わずに飲んでばかりいたのだから当然かもしれない。 日中は少し暖かくなってきたとはいえ、深夜の空気はまだ冷たい。 逆にそれが少しだけ酔いを醒ましてくれた。 「あんた……あれだけ飲んで『少し』……なの?」 「桐乃、自分の身体がかわいいなら、瑠璃さんの酒量限界には触れないほうがいいよ」 少し後ろから失礼な声が聞こえた。 後ろに目をやると昨日の主役である高坂桐乃と、その親友の新垣あやせがいた。 二人とも酔っているようだけれど、心配は必要なさそうね。 「飲み方を知っているだけよ。それに式では大仕事させられたんだから、2次会と3次会くらい大目にみなさいな」 もう昨日の話だけれど、先輩と桐乃の共通の友人としてスピーチをした。 さらに受付、2次会幹事と続いて、3次会になってようやくごく親しい知人だけになったのでゆっくり飲ませてもらった。 居酒屋とは違う賑やかさの中で飲むのも悪くないものね。 「それにはすごく感謝してるケド……あの量は『飲み方知ってる』ってだけじゃどうにもならないレベルでしょ」 「予定の無い休日前なら確実に一升瓶空けてるよ。翌日にはケロっとしてるし」 「マジ!?」 「マジ。付き合わされる私が言うんだから間違いない」 「そこに同席しているのだから、あなたも同類でしょう?」 「私は途中でカクテルや水飲んだりしてます!」 「いや、あやせ。それでも十分すぎるでしょ?」 世間の普通と自分の普通が一致しないと苦労をする。 いまさら分かったことではないけれど、酒の席ではいつも思ってしまう。 少しお酒は控えるべきかしら? 「でも、『あんな風』になる飲み方をするより良いのではないのかしら?」 「まあ、そうですね」 私達の視線の先にはぐてんぐてんに酔っ払った高坂(兄)と赤城(兄)が二人そろって真っ白に燃え尽きていた。 瀬名が二人にポカリを渡しているけれど、なにか顔がうれしそう。 理由は……考えるまでも無いわ。 沸点がずいぶんと高くなったので、外ではああいった面を目にすることは少なくなった。 代わりに沸騰したときの勢いが良くなったのだから、身近な人間には迷惑この上ないけれど。 そんなことを考えていると、桐乃がパンっと手をたたいて私達の注目を集めた。 844 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:17:14.71 ID:Gf3XDwd3o [4/11] 「えーっと……それでは、ここで3次会もお開きです!  今日何度言ったけどもう一度言わせて!  みんな!今日は私と京介の結婚式に来てくれてありがとう!」  おめでとー!    幸せになれよー!   リア充爆発しろー!! みんながみんな、もう昨日から何度言ったかわからない祝福の言葉を、もう一度桐乃に向けて言った。 「もういい時間なので!私は旦那を連れて帰ります!(初夜かー!)  いやいやwwwwww兄貴があんなだから今日はムリでしょwwwwww  (今日はー?!)夫婦なんだからいいでしょーー!!」 みんなにからかわれながら桐乃は先輩と一緒にタクシーで帰っていった。 「さて、それじゃあ飲みなおしn」 「「「却下ーーー!!!」」」 「……えぇー?」 「「「えぇー?じゃねえよ!!!」」」 「瑠璃さん、落ち着いてあなたが今日飲んだお酒を上げていってください。」 みんなから抗議の声を受け、あやせからまでもストップをかけられる。 今日は1次会のこともあったからそんなに飲んでないとは思うのだけれど、 言われたので仕方なく、自分が飲んだアルコールの量を思い出す。 えーっと、式が始まって、その最中に少しだけ飲んだ。 2次会に移ってやっと一息つけて、ウォーミングアップ。 3次会はみんなが出来上がってたからカラオケ。歌いながら飲む。 「ビール換算で9Lくらい?」 「「「「アウトーーー!!!」」」」 「えぇーーー!!??」 「「「「えぇーーー!!??じゃねえよ!!!」」」」 みんながみんな私をイジめる。引きこもりたい。 「飲み足りないとは言わないけど、飲み会の締めにゆっくり2~3杯飲むにはちょうどいいとおもうのだけれど」 「「「ねーよ!!!」」」 「ほら、五更。俺が付き合うから、みんなを困らせるな」 「あ、ゲン」 肩に手を置かれたと思うと、頭ひとつ上から聞きなれた声が聞こえてきた。 三浦絃之介。 もう高校時代からの付き合いで、かれこれ10年近くになる。 ちなみに高校卒業と機に比較的まともな人間になっている。 845 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:18:07.02 ID:Gf3XDwd3o [5/11] 「「「み、三浦さん!!あなたも結構飲んでるんじゃ!!」」」 「ん?いや、五更よりは飲んでないぞ?さっきのカラオケではほとんど飲んでないしな。」 「三浦さん、ほんとに大丈夫なんですか?」 「新垣さん、コイツとの付き合いは俺のほうが長いんだから大丈夫だって」 「ちょっとゲン、あんまり頭をたたかないで頂戴」 私の頭に手を置いたまま話していたゲンの手を掴んで抗議する。 この身長差だと上目遣いどころか見上げないといけないのが難点だ。 「「「三浦さん!五更さんのお相手宜しくお願いします!!」」」 「相手をするのは構わんが、コレをツブしてしまってもかまわんのだろう?」 「三浦さん、日本産で一番かっこいい死亡フラグですが、結果を考えるとかっこ悪いです。」 「だからゲン、頭をなで続けないで頂戴」 手を掴んでもなでるのをやめないので、今度は腕を掴む。 外からみると私が甘えているように見えるかもしれないが、この際どうでもいい。 酔ってるし。 「「「それじゃあ、俺達はこれでー!」」」 「瑠璃さーん!あんまり三浦さんを困らせちゃダメですよー!」 好き勝手言いながらあやせたちは帰っていった。 あやせはともかく、他の人たちはまともに家に帰れるのかしら? 「……さて、飲みなおしはどこに行くんだ?」 「……分かってて言ってるでしょ?」 もう2時前だ。 開いてる店などたかが知れている。 「まあな、俺の部屋でいいか?近いし」 「ええ、構わないわ」 いつもの流れ。二人のルール。 店が閉まる時間になってからの『飲みなおし』。 どちらかの部屋に行ってから、私が愚痴をゲンに聞いてもらうだけの ただのわがまま。 846 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:19:30.02 ID:Gf3XDwd3o [6/11] 「ほんとにあの子はなにをかんがえてるのかしらねぇ~?  親友っていうのは素直にうれしいわよ?  友人代表挨拶ってのも光栄よ?  でも相手が私の初彼氏でそれを取ったっていうんだから  もう少し気を使ってもいいんじゃないの~?」 「そうだな、お前もその辺はまだ引っ張ってるもんな。  そしてその話題は俺の部屋に来てから4回目だ」 そんなに話したかしら? まあ、いい。なんだかんだいってこの人は最後の最後まで私に付き合ってくれる。 何の見返りもなしに……。 「…………ねぇ。」 「ん?」 「なんで……10年近くもこんな……あなたが損をするような関係を続けてくれるの?」 「なんでって……」 「先輩にフラれて、偶然部室にいたあなたに泣きついて……あの時が最初だった」 「……懐かしいなぁ」 「あなたは卒業して働きはじめて、忙しいのに……ずっと私に構ってくれた。  私が泣きたいときに、私が泣く場所を用意してくれた」 「あの時はいろいろ大変だったなぁ。正直お前が泣きついてくれたおかげでがんばれた気がするぞ」 視線をゲンに向ける。 大分氷の解けた焼酎をカラカラと音を立てながらグラスを回していた。 その氷を見ながらゲンは笑っていた。 「高校出て、大学に行って、バイトやサークルで終電逃した私を、あなたは部屋に泊めてくれた」 「助かったぞー?お前が来るたびに部屋きれいになるし、美味いメシが食えるからな」 「それからよね、私が帰るのが実家じゃなくて、ここになることが多くなったのは」 「いつの間にかお前の私物が増えてたからなぁ、あんまりにも自然すぎて気にもしなかった」 二人でグルリと部屋を見回す。 大きな衣装棚。 大きめの鏡と化粧品類。 女性物のスーツ。 他にもたくさん。 ここがゲンの部屋というにはあまりにも不自然な物とその数。 847 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:20:29.85 ID:Gf3XDwd3o [7/11] 「いい機会だから教えて。あなたがここまでしてくれたのは下心?それとも同情?」 「両方だな。下心7、同情3」 「……その割には、手を出さないのね」 「まぁな」 残っている焼酎を飲み干す。ゲンも薄くなった焼酎を一気に煽った。 「……次は?」 「ウィスキー、コーラで割るか?」 「悪くないわね」 コーラと氷を取るためにコタツから出て冷蔵に向かう。 冷蔵庫の中身を考えると、コレ1杯くらいでお開きかしら。 とりあえずチーズとアーモンドフィッシュで飲もう。 「お待たせ。いつもどおりでいい?」 「ああ」 返事を確認してからウィスキーをグラスに注ぐ。 ウィスキー3:コーラ1 私とゲンが一番好きな割合。 みんなにはキツイと言われるけれどお構いなしだ。 「これが今日のラストかしらね」 「そうだな。もうツマミもないし、それじゃ」 「「かんぱーい」」 一口だけ飲んでグラスを置く。 うん、やっぱりウィスキーの味がよく分かるコレくらいがちょうどいい。 アーモンドフィッシュの袋を開いてお皿に入れる。 チーズはどうしようかしら。 あまり開けすぎると食べきれなさそうな感じだけれど。 そんなことを考えているとゲンが話を始めた。 「さっきの話な」 「え?」 「下心メインの割には手を出さないんだなって話」 「……ええ」 正直珍しい。 こういう場のゲンは聞き専か、話題を振られたときしか話さない人なのに。 848 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:21:27.69 ID:Gf3XDwd3o [8/11] 「……心がこっちを向いてない女でいいなら、5万も出せば抱けるからな」 「!!」 息が詰まった。 「……8年か?それだけ失恋引きずってる女の相手してるんだから、我ながら馬鹿だとおもうよ」 「……本当よね」 よくここまで、この人に頼りっぱなしで来たものだ。 恥もクソもあったものじゃない。 なんて最低な女なんだろう。 「結婚の話も親や上司からも言われるんだけどな、もうすぐ30だし」 「……ごめんなさい、私……ずっとあなたの邪魔n」 「ずっと同じ言葉言ってかわし続けてるんだわ。  『高校時代からの後輩が好きだから、そいつに敗北宣言されるまで待ってくれ』って」 「……正気?」 「上司はともかく、冗談で親にそんなこと言えるか」 「馬鹿……ねぇ……っ!」 本当になんて馬鹿な人なんだろう。 こんな色んな意味で痛い女より、もっと素敵な女性は星の数ほどいるはずなのに。 「馬鹿だからこれまで、こういう関係でいたんだろうが」 「ホントに……大馬鹿だわ……っ!」 ダメだ、まだ泣くな。 嗚咽をもらす程度に、目に涙を溜める程度に留めなければ。 いまこの人の前で涙を流すわけにはいかない。 「ぁっ!」 「あー……うん。そういう状況になると、エロゲみたいな行動ってしちゃうモンなんだな。」 849 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/03/23(水) 22:22:51.20 ID:Gf3XDwd3o [9/11] 「……馬鹿ぁ……!!台無し……じゃない……!!」 「いや?お前が腕の中で、胸に顔押し付けて泣いてくれてるんだから、実に俺得だぞ?」 そういうことじゃない、台無しだ。 もうこの人の前で、この人の腕の中で泣くことなんてしたくなかったのに。 なのに、こんなことをされたら 「もう……あなたなしで生きていけないじゃない……!!」 「……別にいいぞ?ずっと頼って生きてくれれば」 「…………今なら聞かなかったことにしt」 「ずっと俺頼って生きてくれないか?」 ああ、なんて人だろう。 自分からメンドクサイ道を選びに行っている。 この人は自分の人生までクソゲーにするつもりなんだろうか。 いや、違う。 この人のプライベートは全部クソゲーになるようになってるんだ。 なのに私という更なるクソゲー要素を取り込もうとしてる。 この人はクソゲーを作ること、やることが生きがいなんだ だったら 「……私の人生の企画とデバック……お願いするわ」 「おう、俺のも頼む」 二人でクソゲーを作り続けていこう。 クソゲーを作り続けて、少しでもみんなに自慢できる良ゲーを作れるようになろう。 ああ、でも良ゲーすぎたらあやせに嫉妬されるかもしれない。 そのときはきっとあやせはこう言って祝福してくれるだろう。 あやせ「いや、瑠璃さんの人生がこんな良ゲーなわけがないですよ。マジで。      ……え?私は?ねぇ、私は!?」 END

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