真剣な兄貴がこんなにかっこいいわけがない!:9スレ目75

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75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:48:04.22 ID:WA/y1DO70 [1/3] ………私の前で今…兄貴は顎の下に手を置き、前にある机を真剣に見ていた なにか大事な事を考えているのだろう、その目から放たれる眼光は何時もとは違い、本気で相手を見たら殺せるのでは、と思うほど鋭い ゴクリ…… 私は生唾を飲み込むと何を考えてるのか聞こうと歩き出し、口を開こうとした、その時だ グゥウウウウゥウウウゥ そんな音が兄貴のお腹から聞こえてきたのは 私はまるで昭和のアニメのようにガクッとその場でずっこけた ちょ、兄貴!!、それは無いって!! 私がそんな事を考えながら苦笑いしてもう一度兄貴を見ると、その表情は一切変わっていなく、逆にもっと真剣さが増しているように見えた 額には先程よりももっと深い皺が刻まれていて、机に向けられていた瞳は憎憎しげに窓の外へと向けられていた それから何分経っただろうか、兄貴はふとため息をつくと勢いよく立ち上がり私が隠れているドアに向かって歩いてきた ちょ、なんでいきなり移動!?、やばい、やばいって!! そんな事を私が小声で言い、慌てながら隠れ場所を探していると、間に合わなかったのだろう、兄貴が扉を開く音がこの場に響いた その時から私の頭は隠れ場所を探すモードから、言い訳をするモードにシフトチェンジした さあ、かかってこい!!、といわんばかりに兄貴を見る私 だが兄貴はそんな私をチラッと見ただけで何も無かったように階段を上っていった 何か困ったような、後悔しているような目をしながら。 な、な、な、何よ!!、なにも無視しなくていいじゃない!! 私は文句を言おうと勢いよく階段を上って兄貴の扉の前まで行く。道中何回かこけそうになったけど、動揺してたからなんかじゃ絶対ないからね!? とにかく、私が兄貴の部屋の前まで行き、何を言ってやろうか、と考えながらドアノブを掴み 正に開けようとしたその時だ、その呟きが聞こえてきたのは 「もう………食っちまおうか、見るたびに我慢できなくなってきてるしな……」 その言葉を聞いた瞬間、私の頭はフリーズして、再び動き出した時はさっきのフリーズが嘘のように勢いよく働き出した え!?、ちょ、なに!?、何を食っちまう気なの!?、まさか私!?私なの!? そんな風に私がパニクっていても兄貴の呟きが止まる事はなく、今もずっと続いていた 「もう、桐乃の部屋に行ってムリヤリ奪っちまうか……、日ごろの人生相談のお礼だと思えば安いもんだろ………」 何を奪う気ですかあーーーーぁぁああ!!!! やばい、そんなの嫌だ!初めてはもっとムードのある時で兄貴と……、じゃなくて付き合っている人と… 「いや、今なら桐乃は下にいるしこっそりと行けるな、こっそり行って物を持ち出してくるか!!」 物って何!?、やっぱりパ○ツ!?パンツ○の事なの!? 落ち着け!!、落ち着くのよ桐乃!!、もはや○の意味が無くなっているから!! 私の頭はどうやらかなり動揺してるみたいだ とにかく!!兄貴が出てくるまでひとまず逃げるのよ! この場に居てはまずい、いつ兄貴が出てきてもおかしくない状況だ 私は物音をたてないように慎重、かつ敏速に階下へと移動したのだった ギィイ そんな音がやけに大きく響く それにしても、兄貴の部屋はなんであんなにボロいんだろ、あんな音私の部屋じゃ絶対鳴らないんだけど 76 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:48:46.83 ID:WA/y1DO70 [2/3] どうでもいいことを私が頭の片隅で考えていると目的の物を手に入れたんだろう、もう一度兄貴の部屋の扉の音がこの場に響く ……、さて、そろそろ行きますか もういいだろ。そう私が考えてもう一度階段を上りだす や、や、やっぱり今兄貴は私のパ、パ、パンツを使ってナニをやってるのかな? そこまで考えたところで私は自分の顔が赤くなってきてるのを自覚してしまう なに考えてんのよ! 自分を一喝すると改めて兄貴の部屋の前に立つ。 そしてドアノブを掴むと勢いよく引く 「あ、あ、兄貴!!、早く私の物を返しなさい!!」 上ずった声が出てしまったが何とか伝えたい事は伝える事ができた 言い切って数秒が経つと私はゴクッと生唾を飲み込み、そっと目を開ける だが、そこには私が思っているような光景は無く、兄貴が私が買ってきていた低カロリーのカップラーメンを貪っている光景があった 「………は?」 思わずそんな声が漏れてしまう 兄貴も最初は目が点になっていたが正気に戻ったのだろう、凄い勢いで地面にオデコをぶつけ、わずか三秒で土下座の体勢になった そして物凄い大きな声で謝ってきた 「すみません!!!、腹が減りすぎてたんだ!!!」 うわぁ、兄貴、汗で顔テカッてんなぁ そんなくだらない事を無意識の内に考えていた私もやっと頭が現状に追いついてきた え?、なに?、ってことは全部私の空回りだったって事? どうしても結局はそこに戻ってしまう その考えに至った瞬間、私の体と顔は光ってるんじゃないか?、という位に熱くなり、頭も上手く回らなくなってきた 私はとにかく恥ずかしくて、なんだか兄貴が無茶苦茶ムカついて 兄貴の顔面を思い切り蹴ると、お腹の底から声をだし、こう叫んだ 「期待させんな!!、バカ兄貴!!!!」 その後私は兄貴の顔とか脛とか鳩尾とかを殴り続け 兄貴が意識があるうちに今週の土日を私のために働かせる約束をしてから、とどめとして連続で鳩尾を十発ほどお見舞いして安らかに兄貴を眠らしてあげたのだった 終わり 77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:50:03.39 ID:WA/y1DO70 [3/3] オマケ、ていうかその後? 「……はっ」 俺が気絶から立ち直り、体を起こす 今は夕時なのだろう、オレンジ色の光が部屋を照らしていた あれからそんなに経ったのか 今や俺が奪ったカップラーメンは麺がスープを全て吸い取り干上がったミーラみたいになっていた 今更そんな物体を食べたいと思えるはずもなく、俺はもう一度寝る事に決めてベッドの方向に顔を向けた その瞬間に俺は目を奪われた 夕日に染まって真っ赤に見える髪と顔、光に当てられて作られた夢の様に薄い影 家に居るにしてはちょっとオシャレすぎる服装 そこには、眠り姫がいた そう思った瞬間に思い出されるのはやはり王子さまのキス やっぱりお前にもそんな奴が現れるのかねぇ 「面白くねぇな」 思わずそう呟いてしまう そして顔を近づけるが、やっぱりそんな事が出来る筈もなく、わずかな距離、あとちょっと動けば触れてしまう様なところで進めなくなった 何やってんだか、こんな事やったって何にもなんねぇのによ 俺はその場から一刻も早く立ち去ろうと体を動かそうとした その時、事件はおきた 桐乃のやつがいきなり身じろぎをしたのだ チュッ そんな音がするのかと思っていたが、実際は違った、俺の初めては何の音も無く、ただ柔らかい感触だけが俺の唇に残った 「な、な、な」 何も言えない、何も考えれない、ただ…… 「なぁーーーーーー!!?」 俺は勢いよく部屋を飛び出た。 え?何?逃げたのかって? うるせぇ、俺みたいに突発的事故でファーストキスを失ってみろ、誰だってこんな事になったまうんだよ!! そんな言い訳を心の中で叫びながら俺は落ち着こうと近くのコンビ二に向かったのだった 俺がいなくなった部屋で「意気地なし」、と誰かが呟いた。 その後、俺は気まずくて桐乃と顔を一週間合わせられなかった。
75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:48:04.22 ID:WA/y1DO70 [1/3] ………私の前で今…兄貴は顎の下に手を置き、前にある机を真剣に見ていた なにか大事な事を考えているのだろう、その目から放たれる眼光は何時もとは違い、本気で相手を見たら殺せるのでは、と思うほど鋭い ゴクリ…… 私は生唾を飲み込むと何を考えてるのか聞こうと歩き出し、口を開こうとした、その時だ グゥウウウウゥウウウゥ そんな音が兄貴のお腹から聞こえてきたのは 私はまるで昭和のアニメのようにガクッとその場でずっこけた ちょ、兄貴!!、それは無いって!! 私がそんな事を考えながら苦笑いしてもう一度兄貴を見ると、その表情は一切変わっていなく、逆にもっと真剣さが増しているように見えた 額には先程よりももっと深い皺が刻まれていて、机に向けられていた瞳は憎憎しげに窓の外へと向けられていた それから何分経っただろうか、兄貴はふとため息をつくと勢いよく立ち上がり私が隠れているドアに向かって歩いてきた ちょ、なんでいきなり移動!?、やばい、やばいって!! そんな事を私が小声で言い、慌てながら隠れ場所を探していると、間に合わなかったのだろう、兄貴が扉を開く音がこの場に響いた その時から私の頭は隠れ場所を探すモードから、言い訳をするモードにシフトチェンジした さあ、かかってこい!!、といわんばかりに兄貴を見る私 だが兄貴はそんな私をチラッと見ただけで何も無かったように階段を上っていった 何か困ったような、後悔しているような目をしながら。 な、な、な、何よ!!、なにも無視しなくていいじゃない!! 私は文句を言おうと勢いよく階段を上って兄貴の扉の前まで行く。道中何回かこけそうになったけど、動揺してたからなんかじゃ絶対ないからね!? とにかく、私が兄貴の部屋の前まで行き、何を言ってやろうか、と考えながらドアノブを掴み 正に開けようとしたその時だ、その呟きが聞こえてきたのは 「もう………食っちまおうか、見るたびに我慢できなくなってきてるしな……」 その言葉を聞いた瞬間、私の頭はフリーズして、再び動き出した時はさっきのフリーズが嘘のように勢いよく働き出した え!?、ちょ、なに!?、何を食っちまう気なの!?、まさか私!?私なの!? そんな風に私がパニクっていても兄貴の呟きが止まる事はなく、今もずっと続いていた 「もう、桐乃の部屋に行ってムリヤリ奪っちまうか……、日ごろの人生相談のお礼だと思えば安いもんだろ………」 何を奪う気ですかあーーーーぁぁああ!!!! やばい、そんなの嫌だ!初めてはもっとムードのある時で兄貴と……、じゃなくて付き合っている人と… 「いや、今なら桐乃は下にいるしこっそりと行けるな、こっそり行って物を持ち出してくるか!!」 物って何!?、やっぱりパ○ツ!?パンツ○の事なの!? 落ち着け!!、落ち着くのよ桐乃!!、もはや○の意味が無くなっているから!! 私の頭はどうやらかなり動揺してるみたいだ とにかく!!兄貴が出てくるまでひとまず逃げるのよ! この場に居てはまずい、いつ兄貴が出てきてもおかしくない状況だ 私は物音をたてないように慎重、かつ敏速に階下へと移動したのだった ギィイ そんな音がやけに大きく響く それにしても、兄貴の部屋はなんであんなにボロいんだろ、あんな音私の部屋じゃ絶対鳴らないんだけど 76 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:48:46.83 ID:WA/y1DO70 [2/3] どうでもいいことを私が頭の片隅で考えていると目的の物を手に入れたんだろう、もう一度兄貴の部屋の扉の音がこの場に響く ……、さて、そろそろ行きますか もういいだろ。そう私が考えてもう一度階段を上りだす や、や、やっぱり今兄貴は私のパ、パ、パンツを使ってナニをやってるのかな? そこまで考えたところで私は自分の顔が赤くなってきてるのを自覚してしまう なに考えてんのよ! 自分を一喝すると改めて兄貴の部屋の前に立つ。 そしてドアノブを掴むと勢いよく引く 「あ、あ、兄貴!!、早く私の物を返しなさい!!」 上ずった声が出てしまったが何とか伝えたい事は伝える事ができた 言い切って数秒が経つと私はゴクッと生唾を飲み込み、そっと目を開ける だが、そこには私が思っているような光景は無く、兄貴は私が買ってきていた低カロリーのカップラーメンを貪っている光景があった 「………は?」 思わずそんな声が漏れてしまう 兄貴も最初は目が点になっていたが正気に戻ったのだろう、凄い勢いで地面にオデコをぶつけ、わずか三秒で土下座の体勢になった そして物凄い大きな声で謝ってきた 「すみません!!!、腹が減りすぎてたんだ!!!」 うわぁ、兄貴、汗で顔テカッてんなぁ そんなくだらない事を無意識の内に考えていた私もやっと頭が現状に追いついてきた え?、なに?、ってことは全部私の空回りだったって事? どうしても結局はそこに戻ってしまう その考えに至った瞬間、私の体と顔は光ってるんじゃないか?、という位に熱くなり、頭も上手く回らなくなってきた 私はとにかく恥ずかしくて、なんだか兄貴が無茶苦茶ムカついて 兄貴の顔面を思い切り蹴ると、お腹の底から声をだし、こう叫んだ 「期待させんな!!、バカ兄貴!!!!」 その後私は兄貴の顔とか脛とか鳩尾とかを殴り続け 兄貴が意識があるうちに今週の土日を私のために働かせる約束をしてから、とどめとして連続で鳩尾を十発ほどお見舞いして安らかに兄貴を眠らしてあげたのだった 終わり 77 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga] 投稿日:2011/03/28(月) 00:50:03.39 ID:WA/y1DO70 [3/3] オマケ、ていうかその後? 「……はっ」 俺が気絶から立ち直り、体を起こす 今は夕時なのだろう、オレンジ色の光が部屋を照らしていた あれからそんなに経ったのか 今や俺が奪ったカップラーメンは麺がスープを全て吸い取り干上がったミーラみたいになっていた 今更そんな物体を食べたいと思えるはずもなく、俺はもう一度寝る事に決めてベッドの方向に顔を向けた その瞬間に俺は目を奪われた 夕日に染まって真っ赤に見える髪と顔、光に当てられて作られた夢の様に薄い影 家に居るにしてはちょっとオシャレすぎる服装 そこには、眠り姫がいた そう思った瞬間に思い出されるのはやはり王子さまのキス やっぱりお前にもそんな奴が現れるのかねぇ 「面白くねぇな」 思わずそう呟いてしまう そして顔を近づけるが、やっぱりそんな事が出来る筈もなく、わずかな距離、あとちょっと動けば触れてしまう様なところで進めなくなった 何やってんだか、こんな事やったって何にもなんねぇのによ 俺はその場から一刻も早く立ち去ろうと体を動かそうとした その時、事件はおきた 桐乃のやつがいきなり身じろぎをしたのだ チュッ そんな音がするのかと思っていたが、実際は違った、俺の初めては何の音も無く、ただ柔らかい感触だけが俺の唇に残った 「な、な、な」 何も言えない、何も考えれない、ただ…… 「なぁーーーーーー!!?」 俺は勢いよく部屋を飛び出た。 え?何?逃げたのかって? うるせぇ、俺みたいに突発的事故でファーストキスを失ってみろ、誰だってこんな事になったまうんだよ!! そんな言い訳を心の中で叫びながら俺は落ち着こうと近くのコンビ二に向かったのだった 俺がいなくなった部屋で「意気地なし」、と誰かが呟いた。 その後、俺は気まずくて桐乃と顔を一週間合わせられなかった。

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