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744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]:2011/04/29(金) 23:18:40.14 ID:zQ+YPnLi0
「まったく…あの人はいつまで寝ているのかしら?もうすぐ夕飯が出来るというのに…。
珠希、ちょっと私の部屋まで行って先輩を起こしてきてもらえない?」
「ねぇさま、おにぃちゃんをおこせばいいんですね?わかりました!」
みなさんこんにちは!ごこうたまきです!
きょうはおにぃちゃんがねぇさまのおへやでねてしまったので、ねぇさまがそのあいだにおにぃちゃんのぶんもばんごはんをつくることになりました。
わたしはいまからおにぃちゃんをおこしにいくところです。
おにぃちゃんはねぇさまとちぎりをかわしたおとこのひとです。ねぇさまとおにぃちゃんはとってもなかよしです。
きっと、ねぇさまとおにぃちゃんは“けっこん”するんだとおもいます。
おにぃちゃんはやさしくて、ねぇさまだけじゃなくてわたしやおねぇちゃんともよくあそんでくれます。
えほんをよんでくれたり、わたしといっしょにめるるごっこをしたりもしてくれます。
だからわたしも、おにぃちゃんがだいすきです!
「おにぃちゃん、おにぃちゃん、ごはんのじかんですよ?」
「う……う~ん……………」
わたしがたくさんゆさゆさしても、おにぃちゃんはおきてくれません。おにぃちゃんはねむたそうにねがえりをうってしまいました…。
わたしはこまってしまいました。おにぃちゃんはどうしたら……………あっ!
わたしは、きょうようちえんでせんせいがよんでくれた『しらゆきひめ』のおはなしをおもいだしました。
おひめさまがおうじさまにしても、おきてくれるんでしょうか………?
☆☆☆☆☆
「ふあ…あ~あ…………って、うわっ!?」
目が覚めると、俺の目の前にドアップの珠希の顔が広がっていた。
「おはようございます!おにぃちゃん!」
「た、珠希!?こんなところで何やってんだ?」
「ねぇさまに『おにぃちゃんをおこしてきて』っていわれました!」
…そうだ。黒猫と一緒に横になってたらいつの間にか寝ちまって………。
でも、アイツも俺の腕枕で寝てたはずなのにどこ行ったんだろう?…って、もうこんな時間か。
きっと黒猫は先に起きて夕飯の仕度でもしてるんだろう。そういえば居間の方から何だかいい匂いがしてくる。
それにしても………何故かすごく寝起きがいいような気がするのはどうしてだろ?
「ねぇさまがおにぃちゃんのぶんのごはんもつくってくれたんですよ!」
「えっ?あいつ、俺の分も夕飯用意してくれてるのか?なんか悪いな…。
そ、それより珠希?俺の顔になんかついてる?」
「?なにもついてないですよ?それよりおにぃちゃん………おうじさまとおひめさまは、はんたいでもだいじょうぶでしたね!」
「…へ?」
「おにぃちゃん、ねぇさまがまってますよ!はやくはやく!」
「お、おう…」
王子様とお姫様が反対…?何言ってんだ?
やけにニコニコ笑っている珠希にちょっとした疑問を感じながらも、俺はその小さな手に引かれながら居間に向かった。
(終わり)