無題:2スレ目309

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309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:15:30.87 ID:/zcX4kj70 あやせ「まさか桐乃のお兄さんがあんな変態だったなんて……なんとか桐乃を助け出さないと」 あやせ「でもどうすれば………………いや、でも…これは……いいえ、桐乃のためなら仕方ないよね……」 俺は今、あやせに呼び出され公園まで来ている。なんでも大事なお話があるらしい。 あやせ「お兄さん、取引しませんか?」 京介「取引?」 あやせ「そうです、取引です。もう二度と桐乃には手を出さないで下さい」 ああ、そういえばこの子は誤解したまんまだったな。わけあって俺はあやせの前では変態でい続けなければならないし…どうしたもんかな。 京介「あ~、あやせ?そうはいうけどな…」 あやせ「桐乃に手を出さないと誓っていただけるなら私を好きにしていただいて構いません」 京介「あやせ!?お、お、お前自分が何言ってるかわかってるのか!?」 あやせ「わかってます!だからお願いです…もう桐乃に悪いこと吹き込むのはやめてください」 なんてこった…この子こんなに桐乃のこと好きなのか。桐乃、お前はこんな友達を持って幸せだな。俺が異常な変態だと思われているのは納得できないけど。 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:20:53.49 ID:/zcX4kj70 京介「ちょっと落ち着けって。いくら何でも俺は桐乃に手を出したりはしねえって」 あやせ「そんなの…わからないじゃないですか。そもそもお兄さんを信用しろっていうのが無理です」 京介「いや、そもそも俺は……いや……あ~もう、やりにくいな」 くそっ…なんでここまで言われにゃあならんのだ。いっそ俺はオタクじゃないし、シスコンでもないと白状してやろうか。 ……いや、それは駄目だ。桐乃の人生相談を途中で投げ出すわけにはいかない。一度始めたことは最後まできっちりとやり通さないと後味悪いしな。別に桐乃がかわいそうだとかそんなんじゃないよ? あやせ「何がやりにくいんですか」グス 京介「あ~、わかった、わかったからもう泣かないでくれ!…つまりはあれだろ?俺が桐乃に手を出さないという保証があればいいんだろ?」 あやせ「そうですけど……そんな保証があるんですか?」 京介「ふっ、それがあるんだ……とっておきのがな」 あやせ「……私なんだか命の危険を感じるんですけど」 それがさっきまで私を好きにしていいって言ってた子のセリフか?あぁ、あやせの中で俺のイメージが加速度的に悪くなっていくのを感じる……。 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:25:09.92 ID:/zcX4kj70 京介「大丈夫だ、安心しろ。あやせに危害を加えるつもりはないよ。ただ、それを示すにはちょっと準備がいるんだよ」 あやせ「準備ですか?」 京介「そうだ。だから明日、今日と同じ時間にここに来てくれるか?」 正直に言うとこればっかりはやりたくなかった。やりたくはなかったが、この際贅沢は言ってられない。 明日、俺は自身の性癖を暴露し、それに桐乃が当てはまらないと示すことであやせを無理矢理納得させるつもりだ。 俺は桐乃のことを愛してはいるがそれは異性としてじゃない。あくまでも妹としてで愛しているのであって、異性としての好みはあやせ、お前みたいな女の子なんだってな。 ……あれ?じゅうぶん変態じゃねえかこれ?俺だったら即通報しちゃうレベルなんだけど。 あやせ「…わかりました。でも、またいかがわしい本等を持ち出してくるのはやめてくださいね。セクハラで訴えますよ」 いかん、完全に読まれている。完璧に思われた俺の計画もわずか数秒で頓挫してしまった。 京介「い、いやだなぁあやせさん。そんな事あるわけないじゃないっすか。あはははは」 まぁ、俺がこれ以上の変態として扱われることはなくなったわけだし、頑張って明日までに考えればいいか。 あやせ「では今日はこれで失礼しますね」 京介「おう、また明日な」 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:30:21.82 ID:/zcX4kj70 京介「やっべええええ!何も思いつかねえ!!」 俺が自室で頭を抱えて悩んでいると隣の壁からドン!という音が響く。 京介「すいませんね。チッ…誰のせいで悩んでると思ってるんだ。いい気なもんだ」 だがいつまでも悩んでるわけにもいかねえな。壁に穴が開いても困るし。 京介「こういう時は沙織に相談してみるか」 一人で考えて無理なら人の力を借りればいいのさ。生憎俺は妹違って凡人だからな。 空気を読むのが上手で、気配り上手な沙織ならきっといい案を授けてくれるに違いない。 京介『というわけなんだが、何かいい案はないか?』 沙織『そんなこと簡単でござる。考えるまでもないですぞ京介氏』 さすが沙織だ!超頼りになるぜ。なんだ、最初からこいつを頼ればよかったのか。 京介『まじか!?で、俺は何をすればいいんだ?』 沙織『そのあやせという方に京介氏をもっと知ってもらえればいいのでござる』 前言撤回。こいつが何を考えてるのか未だにつかめねぇ…いいやつには違いないんだけどよ。 京介『あ~、沙織?俺の説明聞いてたか?俺は今、あやせが納得するだけの保証が欲しいんだが…』 沙織『ええ、聞いていましたとも。その上で申し上げているわけです』 京介『一体どこがどうなったらそうなるんだよ…』 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:35:47.28 ID:/zcX4kj70 沙織『ふふふ、京介さんはご自分で思っているよりずっと優しいお方なのですから、それを知ってもらえればそれだけで十分だと思いますわ』 京介『いや、それはあまりに楽観的すぎないか?』 沙織『大丈夫です。わたくしが保証いたします』 京介『そんなもんかねぇ…』 はっきり言って肩すかしをくらった気分だ。おかしいなぁ相談の人選まちがったかな…。 後、お前さっきから口調変わってんぞ。どこのお嬢様だよ・ 沙織『名付けて、桐乃のお兄さんがこんなに優しいわけがない作戦!!でござる』 京介『なんだそのネーミングは!?』 くそぅ…沙織が電話の向こうでこんな口ωして笑ってるのが透けて見える。 沙織『まあまあ、ネーミングはさておきこれでばっちりでござるよ』 俺はさっきから不安しか感じないんだが? でも、あの沙織がこんなに自信を持って勧めてくるんなら意外と大丈夫なのかもな。 京介『わかったよ、沙織がそこまで言ってくれるんならそれでいってみるよ。ありがとな』 沙織『いえいえ、お気になさらず。作戦の成功を祈っておりますぞ京介氏!』 京介『おう、それじゃあな』 さて、これで方針は決まった。後は俺が上手くやれるかだな。 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:40:26.04 ID:/zcX4kj70 あやせ「で、準備とやらはできたんですか?」 京介「おう、ばっちりだ」 あやせ「じゃあ、早速お兄さんが桐乃に手を出さないという証拠を示してください」 京介「お、おう…実はだな、あやせに俺のこともっと知ってほしいんだ」 あやせ「はい?いきなり何を言い出すんです?」 まぁ、当然の反応だよな。沙織さん、ほんとに大丈夫なの? もし失敗した場合俺が無事である保証はない。まぁ、それでも沙織を恨むなんてことはしないけどさ。 京介「あやせが俺を疑ってる以上、どんな保証も誓いも意味をなさないと思うんだ」 あやせ「そうですね…確かに今は何を言われても納得なんてできそうにありませんし…」 あぶねえ、俺の作戦でいってたら俺は今頃息をしていなかったかもしれん。 京介「だ、だろ?だから、まずあやせに俺を信用してもらうことから始めようかと思ってさ」 あやせ「お兄さんの言いたいことはわかりました」 京介「おお!わかってくれたか!」 さすが沙織!一瞬でもお前を疑った俺が悪かった。今度ジュースでも奢るよ。 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:44:12.48 ID:/zcX4kj70 あやせ「はい、要は俺の女になれってことですよね?」 京介「なにもわかっちゃいねえ!?」 もういやだこの子! あやせ「えっ?違うんですか?てっきり…桐乃を盾にい、いかがわしいことを強要してその上で徐々に洗脳していくつもりなのかと……その準備っていうのもそのために必要だったんでしょう?」 京介「どんな変態だ!いくらなんでも妹を盾に交際を迫ったりはしねえよ!?」 あやせ「…………じゃあ、今からお兄さんの部屋に伺ってもいいですか?」 最近の中学生の考えることはわからん。いったいどういうこと? 京介「……話の流れがおかしいだろ。なに?お前やっぱり期待し…」 あやせ「この変態!死ねぇ!!」 京介「ぐぼっ」 あやせ「違います!どうしてもはっきりさせておきたいことがあるんです」 京介「?」 あやせから強烈な一撃をもらった俺は、あやせが何をはっきりさせたいのか聞くこともできず、ただ涙目になりながらあやせを見上げることしかできなかった。 322 名前:>>319そうか。そうすれば沙織√に派生できるな[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:54:01.33 ID:/zcX4kj70 幸いおふくろは買い物、桐乃はまだ帰っていないようで、家には誰もいなかった。 京介「茶でもいれてくるよ」 あやせ「ありがとうございます」 俺が茶をいれ、部屋に戻ると尻をつきだすような恰好であやせがベッドの下を漁っていた。 やめて!そこには俺の秘蔵のコレクションがあるんだから!! 京介「あ、あやせ!?何をしてるんだお前は!」 あやせ「あ、これですね多分」 京介「人の話を聞け!」 あやせ「」 あやせ「う…うわ……」 ひくくらいならわざわざ探してまで見るなよ…。なにこれ?なんの罰ゲームなの? 京介「あ、あやせさん?あの…いつまでそうされてるおつもりで?」 あやせ「お兄さん。お兄さんはき、桐乃……みたいに……いかがわしいゲームはしないんですか?」 弱々しく尋ねてくるあやせ。こいつとしても親友がエロゲやってるなんて納得できないし、認めたくないんだろうな。 京介「い、いや…そんなことはないぞ?俺だってエロゲくらいガンガンやるし…あ、そうそうこの前やったしおりルートが素晴らしい出来でな?」 なんで俺が妹の友達に必死にオタクアピールをしなけりゃならないんだ。違うんだ…これは俺じゃない、俺はこんな変態じゃないはずなんだ……。 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:59:33.72 ID:/zcX4kj70 あやせ「……じゃあお兄さん、そのエロゲってどこに隠してるんですか?」 京介「う…そ、それはだな……き、桐乃!桐乃に預かってもらってるんだよ!なんせ俺はPCなんてもってないからさ、必要なときにPCと一緒に借りてくるんだよ」 なんで結局俺の性癖暴露みたいなことになってんの?まさか沙織が言ってた俺を知ってもらえってのがこんな形で達成されようとは……。俺泣いてもいいよね? あやせも「もう、いいですよ。お兄さん」 京介「えっ?」 あやせ「お兄さん、実はオタクでもなんでもないですよね?」 あやせはそういうと、はぁと深いため息をついた。 あやせ「私も薄々わかってたんです……お兄さんは悪くないって……桐乃と私のために無理して、頑張ってくれてただけなんだって……」 京介「あ、あやせ…」 …あやせにはわかってたのか。いや、確かに自分でもあの言い訳は無理があるかなとは思ったけどよ。 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 18:04:08.63 ID:/zcX4kj70 あやせ「でも…桐乃と早く仲直りしたくて……だけどっ」 あやせ「…それでも自分の気持ちに折り合いがつけられなくって……今回のこともお兄さんを悪者にして私が楽になりたかっただけなんです!」 あやせ「お兄さんの優しさに甘えてしまって……ご……ごめん……なさい、お兄さんは悪くないのに…私、今までひどいこと……いっぱいっ」 そういってあやせはついに泣き出してしまう。そっか、普段大人っぽいから忘れてたけど、この子も中学生の女の子なんだな。イライラを誰かにぶつけてしまうことだってあるだろうさ。 京介「俺は気にしてねえから。その…それよりもさ……桐乃とはこれからも親友でいてくれるんだよな?」 あやせ「そ、それは当然…です………でも…こんなときでも…怒らないですか桐乃の心配ですか」 京介「怒らねえよ。あやせがそれだけ桐乃のこと大事に思ってくれてたってことだろ?」 それにな、これでも俺はあいつの兄貴なんだ。俺が桐乃のためにことあるごとにあちこち駆け回るのは当たり前。いわば兄貴の宿命なんだよ。 京介「それに俺は桐乃の兄貴なんだから。兄貴が妹の心配して何が悪い」 あやせ「でも、いくら兄妹だからってそこまでしますか?」 俺だってなんで大嫌いな妹のためにこんなことしてるかなんてわからねえよ。 京介「………桐乃とはちょっと前まで冷戦状態でさ…まともな会話なんて何年かぶりで……でも最近やっと話すようになったんだ…少しだけだけど、やっと仲良くなれたんだよ、あいつと」 でも、いくら生意気でかわいくない妹でも…俺はそんな桐乃の兄貴なんだ。 京介「だから……要はあやせと一緒さ。俺ももうあいつとケンカするのはごめんだからな。それに一度受けた人生相談は最後まできっちりやり通したいだけだよ」 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 18:07:05.00 ID:/zcX4kj70 あやせ「そうですか、お兄さんらしいです」 どうやらあやせも落ち着きを取り戻してきたようで、元の綺麗な笑顔に戻りつつあった。 あやせ「ふふっ……お兄さんってほんとにシスコンですね。そんなんじゃ女の子にもてませんよ?」 さりげなく毒を吐きつつ涙を拭うあやせ。ちくしょう…馬鹿にされているというのにかわいい。 京介「う、うっせ!ほっとけ!」 あーあ、わだかまりはとけたとはいえこれであやせ√は完全に消えちまったのか……。 言われてわかったが、気になる女の子から頂戴する「お前もてねえぞ」という発言はもはや死の宣告に近い。 俺も自分でわかってるよ…わかってるけどそんなにはっきり言わなくてもいいじゃねえか…。 ハハハ…おかしいな、なんだか視界が霞んできたぞ。 あやせ「はぁ…でもこれじゃあお兄さんの一番になるのは難しそうですね」 京介「ん?今なんか言ったか?」 あやせ「なんでもないです。今後は桐乃のことも私のこともよろしくお願いしますね、シスコンのお兄さん!」 おまけ あやせ「あ、お兄さん!私お兄さんの好きなメガネかけてみたんですけど…似合いますか?」 京介「」 おわり
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:15:30.87 ID:/zcX4kj70 あやせ「まさか桐乃のお兄さんがあんな変態だったなんて……なんとか桐乃を助け出さないと」 あやせ「でもどうすれば………………いや、でも…これは……いいえ、桐乃のためなら仕方ないよね……」 俺は今、あやせに呼び出され公園まで来ている。なんでも大事なお話があるらしい。 あやせ「お兄さん、取引しませんか?」 京介「取引?」 あやせ「そうです、取引です。もう二度と桐乃には手を出さないで下さい」 ああ、そういえばこの子は誤解したまんまだったな。わけあって俺はあやせの前では変態でい続けなければならないし…どうしたもんかな。 京介「あ~、あやせ?そうはいうけどな…」 あやせ「桐乃に手を出さないと誓っていただけるなら私を好きにしていただいて構いません」 京介「あやせ!?お、お、お前自分が何言ってるかわかってるのか!?」 あやせ「わかってます!だからお願いです…もう桐乃に悪いこと吹き込むのはやめてください」 なんてこった…この子こんなに桐乃のこと好きなのか。桐乃、お前はこんな友達を持って幸せだな。俺が異常な変態だと思われているのは納得できないけど。 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:20:53.49 ID:/zcX4kj70 京介「ちょっと落ち着けって。いくら何でも俺は桐乃に手を出したりはしねえって」 あやせ「そんなの…わからないじゃないですか。そもそもお兄さんを信用しろっていうのが無理です」 京介「いや、そもそも俺は……いや……あ~もう、やりにくいな」 くそっ…なんでここまで言われにゃあならんのだ。いっそ俺はオタクじゃないし、シスコンでもないと白状してやろうか。 ……いや、それは駄目だ。桐乃の人生相談を途中で投げ出すわけにはいかない。一度始めたことは最後まできっちりとやり通さないと後味悪いしな。別に桐乃がかわいそうだとかそんなんじゃないよ? あやせ「何がやりにくいんですか」グス 京介「あ~、わかった、わかったからもう泣かないでくれ!…つまりはあれだろ?俺が桐乃に手を出さないという保証があればいいんだろ?」 あやせ「そうですけど……そんな保証があるんですか?」 京介「ふっ、それがあるんだ……とっておきのがな」 あやせ「……私なんだか命の危険を感じるんですけど」 それがさっきまで私を好きにしていいって言ってた子のセリフか?あぁ、あやせの中で俺のイメージが加速度的に悪くなっていくのを感じる……。 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:25:09.92 ID:/zcX4kj70 京介「大丈夫だ、安心しろ。あやせに危害を加えるつもりはないよ。ただ、それを示すにはちょっと準備がいるんだよ」 あやせ「準備ですか?」 京介「そうだ。だから明日、今日と同じ時間にここに来てくれるか?」 正直に言うとこればっかりはやりたくなかった。やりたくはなかったが、この際贅沢は言ってられない。 明日、俺は自身の性癖を暴露し、それに桐乃が当てはまらないと示すことであやせを無理矢理納得させるつもりだ。 俺は桐乃のことを愛してはいるがそれは異性としてじゃない。あくまでも妹としてで愛しているのであって、異性としての好みはあやせ、お前みたいな女の子なんだってな。 ……あれ?じゅうぶん変態じゃねえかこれ?俺だったら即通報しちゃうレベルなんだけど。 あやせ「…わかりました。でも、またいかがわしい本等を持ち出してくるのはやめてくださいね。セクハラで訴えますよ」 いかん、完全に読まれている。完璧に思われた俺の計画もわずか数秒で頓挫してしまった。 京介「い、いやだなぁあやせさん。そんな事あるわけないじゃないっすか。あはははは」 まぁ、俺がこれ以上の変態として扱われることはなくなったわけだし、頑張って明日までに考えればいいか。 あやせ「では今日はこれで失礼しますね」 京介「おう、また明日な」 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:30:21.82 ID:/zcX4kj70 京介「やっべええええ!何も思いつかねえ!!」 俺が自室で頭を抱えて悩んでいると隣の壁からドン!という音が響く。 京介「すいませんね。チッ…誰のせいで悩んでると思ってるんだ。いい気なもんだ」 だがいつまでも悩んでるわけにもいかねえな。壁に穴が開いても困るし。 京介「こういう時は沙織に相談してみるか」 一人で考えて無理なら人の力を借りればいいのさ。生憎俺は妹と違って凡人だからな。 空気を読むのが上手で、気配り上手な沙織ならきっといい案を授けてくれるに違いない。 京介『というわけなんだが、何かいい案はないか?』 沙織『そんなこと簡単でござる。考えるまでもないですぞ京介氏』 さすが沙織だ!超頼りになるぜ。なんだ、最初からこいつを頼ればよかったのか。 京介『まじか!?で、俺は何をすればいいんだ?』 沙織『そのあやせという方に京介氏をもっと知ってもらえればいいのでござる』 前言撤回。こいつが何を考えてるのか未だにつかめねぇ…いいやつには違いないんだけどよ。 京介『あ~、沙織?俺の説明聞いてたか?俺は今、あやせが納得するだけの保証が欲しいんだが…』 沙織『ええ、聞いていましたとも。その上で申し上げているわけです』 京介『一体どこがどうなったらそうなるんだよ…』 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:35:47.28 ID:/zcX4kj70 沙織『ふふふ、京介さんはご自分で思っているよりずっと優しいお方なのですから、それを知ってもらえればそれだけで十分だと思いますわ』 京介『いや、それはあまりに楽観的すぎないか?』 沙織『大丈夫です。わたくしが保証いたします』 京介『そんなもんかねぇ…』 はっきり言って肩すかしをくらった気分だ。おかしいなぁ相談の人選まちがったかな…。 後、お前さっきから口調変わってんぞ。どこのお嬢様だよ! 沙織『名付けて、桐乃のお兄さんがこんなに優しいわけがない作戦!!でござる』 京介『なんだそのネーミングは!?』 くそぅ…沙織が電話の向こうでこんな口ωして笑ってるのが透けて見える。 沙織『まあまあ、ネーミングはさておきこれでばっちりでござるよ』 俺はさっきから不安しか感じないんだが? でも、あの沙織がこんなに自信を持って勧めてくるんなら意外と大丈夫なのかもな。 京介『わかったよ、沙織がそこまで言ってくれるんならそれでいってみるよ。ありがとな』 沙織『いえいえ、お気になさらず。作戦の成功を祈っておりますぞ京介氏!』 京介『おう、それじゃあな』 さて、これで方針は決まった。後は俺が上手くやれるかだな。 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:40:26.04 ID:/zcX4kj70 あやせ「で、準備とやらはできたんですか?」 京介「おう、ばっちりだ」 あやせ「じゃあ、早速お兄さんが桐乃に手を出さないという証拠を示してください」 京介「お、おう…実はだな、あやせに俺のこともっと知ってほしいんだ」 あやせ「はい?いきなり何を言い出すんです?」 まぁ、当然の反応だよな。沙織さん、ほんとに大丈夫なの? もし失敗した場合俺が無事である保証はない。まぁ、それでも沙織を恨むなんてことはしないけどさ。 京介「あやせが俺を疑ってる以上、どんな保証も誓いも意味をなさないと思うんだ」 あやせ「そうですね…確かに今は何を言われても納得なんてできそうにありませんし…」 あぶねえ、俺の作戦でいってたら俺は今頃息をしていなかったかもしれん。 京介「だ、だろ?だから、まずあやせに俺を信用してもらうことから始めようかと思ってさ」 あやせ「お兄さんの言いたいことはわかりました」 京介「おお!わかってくれたか!」 さすが沙織!一瞬でもお前を疑った俺が悪かった。今度ジュースでも奢るよ。 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:44:12.48 ID:/zcX4kj70 あやせ「はい、要は俺の女になれってことですよね?」 京介「なにもわかっちゃいねえ!?」 もういやだこの子! あやせ「えっ?違うんですか?てっきり…桐乃を盾にい、いかがわしいことを強要してその上で徐々に洗脳していくつもりなのかと……その準備っていうのもそのために必要だったんでしょう?」 京介「どんな変態だ!いくらなんでも妹を盾に交際を迫ったりはしねえよ!?」 あやせ「…………じゃあ、今からお兄さんの部屋に伺ってもいいですか?」 最近の中学生の考えることはわからん。いったいどういうこと? 京介「……話の流れがおかしいだろ。なに?お前やっぱり期待し…」 あやせ「この変態!死ねぇ!!」 京介「ぐぼっ」 あやせ「違います!どうしてもはっきりさせておきたいことがあるんです」 京介「?」 あやせから強烈な一撃をもらった俺は、あやせが何をはっきりさせたいのか聞くこともできず、ただ涙目になりながらあやせを見上げることしかできなかった。 322 名前:>>319そうか。そうすれば沙織√に派生できるな[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:54:01.33 ID:/zcX4kj70 幸いおふくろは買い物、桐乃はまだ帰っていないようで、家には誰もいなかった。 京介「茶でもいれてくるよ」 あやせ「ありがとうございます」 俺が茶をいれ、部屋に戻ると尻をつきだすような恰好であやせがベッドの下を漁っていた。 やめて!そこには俺の秘蔵のコレクションがあるんだから!! 京介「あ、あやせ!?何をしてるんだお前は!」 あやせ「あ、これですね多分」 京介「人の話を聞け!」 あやせ「」 あやせ「う…うわ……」 ひくくらいならわざわざ探してまで見るなよ…。なにこれ?なんの罰ゲームなの? 京介「あ、あやせさん?あの…いつまでそうされてるおつもりで?」 あやせ「お兄さん。お兄さんはき、桐乃……みたいに……いかがわしいゲームはしないんですか?」 弱々しく尋ねてくるあやせ。こいつとしても親友がエロゲやってるなんて納得できないし、認めたくないんだろうな。 京介「い、いや…そんなことはないぞ?俺だってエロゲくらいガンガンやるし…あ、そうそうこの前やったしおりルートが素晴らしい出来でな?」 なんで俺が妹の友達に必死にオタクアピールをしなけりゃならないんだ。違うんだ…これは俺じゃない、俺はこんな変態じゃないはずなんだ……。 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 17:59:33.72 ID:/zcX4kj70 あやせ「……じゃあお兄さん、そのエロゲってどこに隠してるんですか?」 京介「う…そ、それはだな……き、桐乃!桐乃に預かってもらってるんだよ!なんせ俺はPCなんてもってないからさ、必要なときにPCと一緒に借りてくるんだよ」 なんで結局俺の性癖暴露みたいなことになってんの?まさか沙織が言ってた俺を知ってもらえってのがこんな形で達成されようとは……。俺泣いてもいいよね? あやせも「もう、いいですよ。お兄さん」 京介「えっ?」 あやせ「お兄さん、実はオタクでもなんでもないですよね?」 あやせはそういうと、はぁと深いため息をついた。 あやせ「私も薄々わかってたんです……お兄さんは悪くないって……桐乃と私のために無理して、頑張ってくれてただけなんだって……」 京介「あ、あやせ…」 …あやせにはわかってたのか。いや、確かに自分でもあの言い訳は無理があるかなとは思ったけどよ。 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 18:04:08.63 ID:/zcX4kj70 あやせ「でも…桐乃と早く仲直りしたくて……だけどっ」 あやせ「…それでも自分の気持ちに折り合いがつけられなくって……今回のこともお兄さんを悪者にして私が楽になりたかっただけなんです!」 あやせ「お兄さんの優しさに甘えてしまって……ご……ごめん……なさい、お兄さんは悪くないのに…私、今までひどいこと……いっぱいっ」 そういってあやせはついに泣き出してしまう。そっか、普段大人っぽいから忘れてたけど、この子も中学生の女の子なんだな。イライラを誰かにぶつけてしまうことだってあるだろうさ。 京介「俺は気にしてねえから。その…それよりもさ……桐乃とはこれからも親友でいてくれるんだよな?」 あやせ「そ、それは当然…です………でも…こんなときでも…怒らないで桐乃の心配ですか」 京介「怒らねえよ。あやせがそれだけ桐乃のこと大事に思ってくれてたってことだろ?」 それにな、これでも俺はあいつの兄貴なんだ。俺が桐乃のためにことあるごとにあちこち駆け回るのは当たり前。いわば兄貴の宿命なんだよ。 京介「それに俺は桐乃の兄貴なんだから。兄貴が妹の心配して何が悪い」 あやせ「でも、いくら兄妹だからってそこまでしますか?」 俺だってなんで大嫌いな妹のためにこんなことしてるかなんてわからねえよ。 京介「………桐乃とはちょっと前まで冷戦状態でさ…まともな会話なんて何年かぶりで……でも最近やっと話すようになったんだ…少しだけだけど、やっと仲良くなれたんだよ、あいつと」 でも、いくら生意気でかわいくない妹でも…俺はそんな桐乃の兄貴なんだ。 京介「だから……要はあやせと一緒さ。俺ももうあいつとケンカするのはごめんだからな。それに一度受けた人生相談は最後まできっちりやり通したいだけだよ」 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 18:07:05.00 ID:/zcX4kj70 あやせ「そうですか、お兄さんらしいです」 どうやらあやせも落ち着きを取り戻してきたようで、元の綺麗な笑顔に戻りつつあった。 あやせ「ふふっ……お兄さんってほんとにシスコンですね。そんなんじゃ女の子にもてませんよ?」 さりげなく毒を吐きつつ涙を拭うあやせ。ちくしょう…馬鹿にされているというのにかわいい。 京介「う、うっせ!ほっとけ!」 あーあ、わだかまりはとけたとはいえこれであやせ√は完全に消えちまったのか……。 言われてわかったが、気になる女の子から頂戴する「お前もてねえぞ」という発言はもはや死の宣告に近い。 俺も自分でわかってるよ…わかってるけどそんなにはっきり言わなくてもいいじゃねえか…。 ハハハ…おかしいな、なんだか視界が霞んできたぞ。 あやせ「はぁ…でもこれじゃあお兄さんの一番になるのは難しそうですね」 京介「ん?今なんか言ったか?」 あやせ「なんでもないです。今後は桐乃のことも私のこともよろしくお願いしますね、シスコンのお兄さん!」 おまけ あやせ「あ、お兄さん!私お兄さんの好きなメガネかけてみたんですけど…似合いますか?」 京介「」 おわり

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