京介「妹たちに安価で悪戯する」:76

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76 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 20:24:14.66 ID:rzU0xYe0o 夏休み三日目 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ただいま。昨日は一日全裸だったよ。お袋にばっちり目撃されたよ 昨日は寝れなかった なんだか無性に体を動かしていたい。全てを忘れていたい だから安価といこうか ≫79 ---- 79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 20:30:17.69 ID:I6gJFtIKo 妹の親友の小さい方を口説く ---- 81 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:02:16.45 ID:rzU0xYe0o [11/14] 「加奈子か……はっきり言って、あいつを口説いても一切いいことがおこりそうにない気がする」 だが、安価なら仕方がない。 ……とはいえ、あいつの連絡先知らないんだよなぁ。 マネージャーやったときは基本的に全てあやせがお膳立てしてくれたからあいつと連絡とる必要なんてなかったし。 あれ? そういえば俺はマネージャーとして口説けばいいのか? それとも桐乃の兄貴として口説けばいいのか? 「……迷ったら安価だな」 以下から選んでくれ。 ①マネージャーとして口説く ②京介として口説く ≫84 ---- 84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/05(日) 21:04:45.83 ID:t+Bc/NyBo 2 88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/05(日) 21:18:56.52 ID:1/TEXwjv0 両方だろjk ---- 93 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:58:18.49 ID:rzU0xYe0o 「『京介として口説く』か」 安価だしといてなんだけど、こっちのが難しいよなぁ。 あいつの中では俺なんて、路傍の石みたい存在だし。 だが、今さら悔やんでも仕方がない。一度決まったら後は突き進むのみ! 「何はともあれ、まずは連絡先を入手しないとな」 考えられる方法は二つ。 桐乃に聞くか、あやせに聞くかだ。 「桐乃に聞いても無駄だろうな」 あいつのことだからきっと―― 『はあ? 加奈子に何するつもりなの? って言うかあたしの友達に手だしたら[ピーーー]って言わなかったっけ?』 こうだな。 かと言ってあやせに聞いても―― 『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけじゃなくてロリコンでもあったんですね。死んでください』 こうだ。 正攻法で望みがない以上からめ手を使うしかない。 と言ってもそんな難しい物じゃないけどな。 要は、あやせが納得できるだけの、もっとらしい理由があればいいわけだ。 携帯電話を取り出し、あやせの番号を呼び出す。 以前のマネージャー業の真似事のご褒美として着拒は解除してもらってある。まさか、あれがこんな風に役立つなんてな。 「もしもし、あやせか?」 『どうしたんですか? 軽々しく電話されると迷惑なんですけど』 「俺があやせに対して軽々しく電話したことは一度もないぞ。俺はいつだって――」 『はいはい。お得意の嘘はいいですから、用件を言ってください』 うーん、嘘じゃないんだけどなあ。 「実は加奈子の連絡先を教えて欲しいんだ」 『加奈子の……ですか?』 「ああ」 『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけ――』 「待て、俺はロリコンじゃない。実はマネージャーとしてあいつにちょっと用があるんだよ」 『……今の所マネージャーの仕事はありませんよ?』 「アフターサービスってやつだよ」 『お兄さんの言うことっていまいち信用できないんですよね。アフターサービスって何をするつもりなんです?』 ひどい言われようだな。 まあ、あやせには近親相姦上等の変態鬼畜兄貴と思われているのでこれくらい当然かもしれないが。 「それは秘密だ。あいつとの約束なんだよ」 『加奈子との?』 「ああ。前回のマネージャーの真似事やった時にこっそりと頼まれごとされてな。それがようやく片付いたんで報告したいんだ。あ、もちろんその内容については聞かないでやってくれ」 『……それ、ほんとですか?』 「あ、ああ。もちろんほんとだぞ」 『まあ、いいです。でも加奈子に何かあったら……』 「……肝に銘じておきます」 こうして俺は加奈子の電話番号を入手した。 この後加奈子を口説くわけだが、展開によってはあやせからの天誅が下るな。 「俺、まだ死にたくないんだけどなあ」 こう言っちゃ面白みに欠けるのかも知れないが、俺としては無難な展開になることを祈るばかりだ。 106 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:30:41.89 ID:ltpjpD84o 「もしもし? 来栖さんの電話で間違いありませんか?」 『そうだけど、おめー誰よ?』 「俺は高坂京介。桐乃の兄貴だよ。一回会ったことあるだろ?」 宅配テロ事件でのあれを“会った”と言っていいものかどうかは考え物だが、顔見知りなのは確かだろう。 もっとも、マネージャーとしては何度か顔を合わせているけどな。 『あん? あー、そういえば桐乃って兄貴いたっけ』 さすがの加奈子も、桐乃に兄貴がいたことは覚えていたようだ。 えらい、よく覚えていたな。 『で、その桐乃の兄貴が加奈子に何の用なワケ? あっ、もしかしてナンパ~? うわ~、ちょ~困るんだけど~。ほら、加奈子ってばちょー可愛いじゃん? はっきり言ってあんたとは釣り合わないと思うんだよね~。加奈子が顔覚えてないってことはどうせ地味面なんだろ~?』 う、うぜえ~! 俺だって安価じゃなけりゃ好き好んでおまえを口説かねえよ! だが、ここではっきりそう言ってしまっては話がここで途切れてしまう。 ふっ……見てろよ? 今まで桐乃たちの我がままに付き合ってきた俺の精神力は伊達じゃないってところを見せてやるよ。 「いやぁ……じ、実はそうなんだよ。おまえがあんまり可愛いから一目惚れしちゃってさー。よかったらこれからデートでもしてくれたらなーって思ったわけよ」 『え、ええー? まじかよー。ひひひっ、加奈子ってばまた一人の男を虜にしちまってたみたいだな』 また? ……おまえに虜にされるような稀有な存在がそうそういるとは思えないが、ここは合わせておこう。 「もてない男に夢を見せてやると思ってさ。頼む、めっちゃ可愛い加奈子さん!」 『しょ、しょーがねーなー。そ、そこまで言うなら会ってやんよー』 ……ちょろい。ちょろすぎる。おまえ、これからの人生それで大丈夫なの? すごく心配なんだけど。 以前のあやせと加奈子のやりとりを参考にしてみたわけだが、こいつ、案の定おだてに異常に弱いのな。 首尾よく加奈子とデートの約束をとりつけた俺は、早速待ち合わせ場所へと向かった。 「よー。おめーが桐乃の兄貴?」 「おう。こんにちは、来栖さん」 「あ、加奈子でいいぜ。おめー中々見る目あるみたいだし特別な!」 そう言って、にひひ、と笑う加奈子。この一瞬だけ切り取るとかわいいんだけどなあ。 いかんせん、生意気な面があることを知っているだけに素直にそう受け取れない。 「じゃあ今日はどうすんだ?」 「はぁ? 誘ったのはそっちなんだから、おめーがエスコートすんのが筋ってもんじゃねーの? おらおら、この加奈子ちゃんとデートできる幸せを噛みしめながら案内しろっての」 ぐ……言わせておけば。だが、あながち間違った意見でもないので反論もできない。 くそう、こいつは普段アホの子のくせにたまにまともなこというから困る。 「あー。じゃあ、映画でも見に行くか?」 「えいが~? 加奈子ってそういう退屈なの苦手なんだよねー。もっとおもしれーとこ行きたいんだけど」 く……映画じゃだめか。桐乃はこれで(渋々ではあるが)納得してくれたっていうのに。 これは困ったな。桐乃の時もそうだったが、いきなりエスコートしろとか言われても俺ってそういうのにうといからなあ。 だが、今回はあの時とは違うんだ。今の俺には強い味方がいる。 そう、安価だ。困ったときの安価頼み! 頼むぜおまえら! どに連れて行けば加奈子は満足してくれそう? ≫109 ---- 109 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:40:58.90 ID:tlziTzGSO とりあえず「加奈子のことがもっと知りたい」って口説きながら喫茶店へGO! 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:59:12.11 ID:2ITYznl70 ≫109 やるじゃないか 111 自分:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 16:11:53.47 ID:TuIGdSBIo ≫109 やり手だな ---- 112 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 16:38:17.26 ID:ltpjpD84o 「そうだな。とりあえず加奈子のこともっと知りたいし、喫茶店でだべったりしないか?」 「加奈子のことが知りたいって……ほ、ほんとしょーがねーなー。あ、会計はおめー持ちだからな?」 「あいよ」 まあ、こいつとデートするってことになった時点である程度の出費は覚悟してたよ。 喫茶店程度なら知れてるだろ。ふう……安く済んでよかったぜ。 そして俺たちは喫茶店へとやってきた。 以前俺が桐乃に向かって、「俺にまかせろ」とのたまったあの喫茶店だ。 加奈子は喫茶店につくやいなや、スコーンやら、パンケーキやらを注文していた。 くそっ、会計が俺持ちだからって好き放題頼みやがって……。 俺はコーヒーだけを注文し、加奈子の分もまとめて注文の品を受け取ると、加奈子が先に陣取っていたテーブルへと足を向けた。 「でさー、加奈子ってばちょー可愛いからモデルもこなしちゃうんだけど、この前のイベントがちょーめんどくさくってよ~」 「……メルル限定だけどな」 「ん? 今何か言った?」 「い、いやいや! さすが加奈子さん! モデルもこなすとかまじパネェっす!」 「だろー。いっひっひっひ。今度おめーも招待してやんヨ」 「今のマネは気はきくんだけどつまんない奴でさ」 「あれ、そうなのか? でもその人って本職のマネージャーさんなんだろ?」 「本職? おめー何言ってんの? 前のも今のもマネはマネじゃん」 「い、いやいや! 何でもないんだ! 気にしないでくれ!」 「?」 「ブリジットの奴が新しいマネに懐かなくて、加奈子に擦り寄ってくる頻度が上がって大変でさ~。おめー何とかする方法知らね?」 「あー、確かにちょっと人見知りしそうな感じだったもんなあ。おまえにはやたら懐いてたけど」 「おまえって呼ぶなっての! っていうかおめー段々馴れ馴れしくなってね? あと、なんでブリジットのこと知ってんの?」 「げ……そ、それはだな。ほら、あれだ……。そっ、そうだ! 以前街で会ったことがあってさ! その時俺は桐乃と一緒だったんだが、桐乃が知ってたみたいだから紹介してもらったんだよ!」 「ふーん。まあいいけど」 ふう……なんとか誤魔化せた…………か? 「……なんか馴れ馴れしくなったおめー見てると誰かを思い出すんだよね」 「えっ?」 「前にどっかで会ったことあったっけ?」 「い、一応一回会ったこと会ったろ? 桐乃の部屋でさ」 「いや、そーじゃなくて……うーん、駄目だ。思い出せねー」 や、やばい。アホの子だと思って油断してた。このままだと俺がマネージャーしてたのがばれるかもしれん。 ……いや実際の所ばれても問題ない気がするけどね。 しかし触らぬ神に祟りなしと言うし、新たな厄介ごとの火種は少ない方がいい。 「き、気のせいっすよ! そんなことより、加奈子さんマジ可愛いっす!」 「そ、そうかあ~? やっぱりそう思う?」 ふう。どうやら誤魔化すことには成功したようだし、本格的に思い出される前に帰った方がよさそうだな。 「そりゃあもう! ……あっ! 俺、用事思い出したんで帰りますね! 今日はありがとうございました!」 「えっ? ちょ、ちょっと待てヨ!」 「これからも桐乃と仲良くしてやってくれよな! またな!」 そんな捨て台詞を残し、俺は喫茶店を後にした。 ちなみに会計は前払い方式だから問題ないぞ。 夏休み、三日目。朝パート 安価成功? ※加奈子が京介の正体に疑問を持ちました 117 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 01:36:32.92 ID:kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx すまん。 上手くおだてて調子にのせるところまでは成功したんだが、やむにやまれぬ事情により撤退してきた。 口説くための第一歩としてはいい感じなんじゃなかろうか。個人的には口説きたくないけどな! 早速次に行こうか ≫120 ---- 120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 01:51:56.00 ID:l6vw4Vb/0 寝ている妹のパンツを、抜き取ってくる ---- 122 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 02:17:37.29 ID:kUN63PsFo 「待て待て、今は昼だぞ? そんな都合よく寝てるわけないだろ」 だが……そうだな。安価は絶対だが、先送りにするくらいは許してくれるだろう。 ※夕方パートの内容が昼パートに先んじて決定されました。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx わかった。今日の夜中に実行する。 というわけで、これから行う安価を改めて決めようと思う。 いっぱつ面白いのを頼む ≫125 ---- 125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 02:29:19.14 ID:4odQWoJDO あやせと手錠で結ばれる ---- 128 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 03:10:52.61 ID:kUN63PsFo 「はっはっは。これは余裕だな!」 なんせあやせ宅にお邪魔すれば半分は自動で安価達成だからな! 問題はどうやってあやせの方にも手錠をかけるかということだけ。 なぜかPCのモニタがぼやけて見えないが、早速実行に移すぜ! ピンポーン 今回はなんとなくアポを取らずにやってきてみた。 あやせが出掛けている可能性もなきにしもあらずだが、家を出る前に確認した所桐乃は家にいた。 桐乃と出掛けている線が消えたことから思い切って直接押しかけてみたというわけだ。 当然ながら家にあげてもらうための策も用意してある。 『はい、どちらさ――うわっ、お兄さん?』 「……今、『うわっ』って言ったな?」 もう泣いてもいいですか? そろそろ俺も限界だよ? 色々と。 『何しに来たんですか?』 「今朝、加奈子の奴の連絡先教えてもらったろ? そのお礼というほどでもないんだが、ケーキ持ってきたんだ。よかったらご家族で食べてくれ」 『……変な物入ってたりしませんよね?』 「入ってねえよ! 正真正銘のお店のケーキだから大丈夫だ」 しばらくして玄関が開き、いつも通り、お洒落な恰好をしたあやせが顔を出した。 「こんにちは、お兄さん」 「よう……ん、これお土産な」 「ありがとうございます。って言うかあれくらいでこんな気を遣わなくてもよかったんですよ?」 「いいんだいいんだ、気にしないでくれ。俺としても助かったんだよ。だから、これはその気持ちだ」 あやせはしばらくケーキの箱と俺との間で視線を行ったり来たりさせていたが、やがて意を決したように大きく息を吸い、こう切り出した。 「せっかくですから、お茶でも飲んでいきませんか? 頂くばっかりでは悪いですから」 「えっ? いいのか?」 「ええ。すっごく不本意ですけど、仕方ありません」 「……オブラートって言葉知ってるか?」 何はともあれ、作戦は成功だ。ちょっぴり想定外の精神的ダメージも受けたがこの程度なら問題ない。 マイラブリーエンジェルあやせたんのことだから、ケーキでも買っていけば『そのまま帰すのも悪い』と考えて家に寄って行かないかと提案してくれると思ってたぜ。 「お待たせしました」 あやせの部屋に通された俺は、案の定、ベッドに手錠で繋がれあやせが紅茶を運んできてくれるのを大人しく待っていた。 そう――今はまだ雌伏の時。ただひたすらに息をひそめ、チャンスを窺うのだ。 「じゃあ、手錠をベッドからもう片方の手に移しましょうか」 来た。考えられうる中で最高のチャンスが。 これを逃しては安価の達成は一気に難しくなるだろう。 「今だ!」 「えっ!?」 あやせが手錠の鍵を開けたタイミングを見計らい、俺はバッと手を伸ばしあやせから手錠の鍵を奪い取った。 遅れを取ったあやせが身構える前に、素早く次の行動を起こす。 あやせの腕をひっつかみ、その白く美しい手に、銀色に鈍く光る手錠をガチャリと嵌めたのだった。 この間、わずか2秒の早業だ。 131 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 03:41:00.95 ID:kUN63PsFo 「お、お兄さん!? 何してるんですか!」 「ふはははは! もう逃がさねえぞあやせ! これでお前と俺は一心同体。これからは食うも寝るも一緒だ。一生俺の傍にいてもらうぜ!」 「い、一生!? な、ななな、何を言ってるんですかこの変態! 馬鹿なこと言ってないで早く鍵を返してください!」 「馬鹿なこと? 俺は本気だぜ、あやせ! 俺はこのまま、おまえと繋がれたまま、一生を過ごしてもいいと本気で思っている!」 俺のアホな暴走っぷりに、みるみる顔を赤くして怒り出すあやせ。 よっぽどこの状況が嫌なのだろうか。わかってるとはいえ、改めて言われるとやっぱりショックだよなあ。 「お、お姉さんはどうするんですか!?」 「なんでそこで麻奈実が出て来る」 あいつに言いつけたところで、あいつの説教は怖くないから意味ないぞ? 「知りません! もう、さっさと鍵を返してください」 「うーん、そうだなあ。返してもいいけど一つ条件がある」 「……盗人猛々しいってこういうことを言うんですよね」 ぐ……確かにその通りだが、今だこの場の主導権を俺が握っていることには変わりはない。 「ふふふ、お前には今日一日俺のことを京介さんと呼んでもらう!」 「この変態! 死ねえええええ?」 疑問形の癖に、いっそ清々しいほどの威力の蹴りを放つあやせ。 「ごふ……あ、あやせさん? 俺、蹴られるようなこと言ったっけ?」 「ご、ごめんなさい。つい条件反射で……。って言うか京介さんってなんのつもりです?」 条件反射で蹴りを放つあやせさん、マジ鬼畜。パブロフの犬かおまえは。 「い、いや。いつまでも桐乃の兄貴っていう“役職”で呼ばれるのもどうかと思っただけだよ」 「でも、お兄さんはお兄さんですし……」 「だから、とりあえず今日一日だ。お試し期間みたいなもんだと思ってくれ。しっくりこなきゃ明日からまた戻せばいいしさ」 「……そう呼んだら鍵を返してくれますか?」 そう言って、上目づかいで俺を見上げるあやせ。 その表情は不安と期待が入り混じったもののように見えた。 「ああ、約束しよう」 「じゃ、じゃあ…………きょ、京介さん」 「あやせ、俺だー! 結婚してくれえええ!」 「結局こうなるんじゃないですか! 死ねええええええ!」 普段と違って、お互いが手錠で繋がれているため、あやせの攻撃も基本的によりショートレンジのものがメインとなる。 鳩尾への綺麗なニーキックからの右ストレートは、端から見ればそりゃあ鮮やかだっただろうさ。 夏休み、三日目。昼パート 安価成功 141 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 14:18:35.08 ID:kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 手錠で繋がれるとに成功したぞ! そして、主導権を握るこの感じ! これだよ! 俺が求めていたのはこれだったんだ! 今さらなんだけど、おまえらよく安価対象が手錠持ってること知ってたな さて次は妹への安価だったな。これは深夜1時くらいに実行するぜ 楽しみに待っててくれよな! 143 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 14:31:42.63 ID:kUN63PsFo 日付変わって、7/26(火) AM1:00。 俺はまるでこそ泥でもするかのように忍び足で桐乃の部屋の前に辿り着いた。 もっとも、これからすることは半分こそ泥みたいなもんだからあながちその表現も間違いではないんだけどね。 「では……!」 ぐっと力を込めてドアノブを握り、恐る恐るまわ――らなかった。 「し、しまった! あいつ、寝るときは鍵かけるの忘れてた!」 俺の部屋のドアには鍵なんてものが存在しないから完全に失念してたぜ。 どうしよう……早くも暗礁に乗り上げてしまったじゃないか。 「……こうなったら安価出してみるか」 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 妹の部屋に侵入しようとしたら鍵がかかっていた このまま諦めるのも癪なので、なんとかして侵入を試みようと思う こっちでも一応案を考えてはみたが、おまえらの意見も聞いてみたい 次の中なら選んでくれ。その他の場合はどうするかも教えてくれよな ①漢なら当たって砕けろ。体当たりでぶち破る ②窓の鍵が開いていることを祈って、泥棒よろしく窓からの侵入を試みる ③とりあえず妹を起こして開けてもらう。後は野となれ山となれ ④その他 ≫145 ---- 144 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:45:27.88 ID:8Ia9rzDho 3 145 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:46:39.85 ID:8Ia9rzDho 3 146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:49:07.51 ID:EPzfK3ntP 3 ---- 147 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 15:36:43.32 ID:kUN63PsFo 「自分で候補にしておいてなんだけど、パンツ抜き取りのハードルがすげえあがったぞ」 一体どうやって桐乃が起きてる状態でパンツを抜き取れというのか。 昔どこかでパンツを一瞬のうちに抜き取る妙技をもったキャラクターを見た気がするが、当然ながらそんなことは俺には無理だ。 かといって力づくでいってもいい結果が出るわけないしな……。 「まあいいや。考えるのは後だ」 後は野となれ山となれと自分でも書いたところじゃねえか。 再び桐乃の部屋の前へと舞い戻った俺は、ドアを2回ノックした。 が、もちろん反応はない。 「桐乃。起きてくれ」 階下で寝ている親父たちを起こさないように、少し控えめな声で語りかけるが、桐乃が起きる気配はない。 「ま、そりゃそうだよな」 だが、別に手詰まりというわけじゃない。手はいくらでもあるんだからな。 おもむろに携帯を取り出し、短縮ダイヤル1を呼び出す。 扉越しに音楽のようなものが聞こえてきたので、ちゃんと着信していることが確認できた。 これでそのうち起きるだろう。 しばらくして着メロがとまり、俺の携帯から寝ぼけた桐乃の声が聞こえてきた。 寝ぼけたまま電話に出たもんだから、どうやら電話の相手が誰だかはっきりわかってないらしい。 『ふあい? もひもひ?』 「おう、俺だ。ちょっと相談があるんだけど」 『おれおれ詐欺の方でふか?』 「ちげーよ! 京介だよ、おまえの兄貴!」 『はあ!? あんた今何時だと思ってんの!?』 電話の相手が俺だと理解したとたん、急に意識を覚醒させ怒り出す桐乃。 まあ、そら怒るよな。普通。 あの時怒らなかった俺って、実はかなりいい奴なんじゃないだろうか。 「わ、悪いとは思ってるよ。でも大事な相談なんだ。ちょっと開けてくんない?」 『…………』 桐乃の返事を待っていると、ガチャという音がして目の前のドアが開いた。 「なんの用?」 「じ、実はおまえに相談があるんだ」 「………………わかった。入って」 すっげー嫌そうな顔を浮かべながらも、桐乃は俺を部屋に招き入れてくれた。 なんだかんだ言って、こいつはこいつでいい奴なのかも知れない。 少なくとも、今とほとんど同じ流れで妹の相談に乗ったことがある俺と同じくらいには。 148 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 15:37:59.90 ID:kUN63PsFo 「で? 相談って?」 桐乃はベッドに座り、足を組むいつものスタイルで俺に“話せ”と促してくる。 対する俺は、最近許されるようになった座布団に足を崩して座るというスタイルで相談の内容を話す。 「実はな。おまえのパンツが欲しいんだ」 「………………えっ?」 「あっ」 しまった! あんまり手詰まりなもんだから思わず素直に言っちまった! 「こっ、この変態! 何考えてんの!? 頭おかしいんじゃないのあんた!?」 「お、俺はまじめだ! これには深いわけがあるんだよ!」 「妹のパンツ欲しがるのにどんなワケがあるってのよ!」 「ちょ、ちょっと待ってろ! 今から説明してやるから!」 俺は今にも暴れ出さんとする桐乃をなんとかなだめすかし、“言い訳”を用意するために自室へと舞い戻った。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 助けて! 俺が妹のパンツを欲しがる理由が欲しい! 大至急だ! 妹が納得するだけの、俺がパンツを要求する理由は? ≫151 ---- 151 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 15:49:05.54 ID:EPzfK3ntP すまん桐乃。俺、もう『この気持ち』を押さえられそうにないんだ だけど、このままじゃお前を傷つけちまう。そんなのは俺もいやだ でも、お前のパンツさえあれば、俺はきっと我慢できると思う。 だからお前のパンツをくれないか?俺のためにも、お前のためにも! と超真顔であほな事をくそ真面目に言ってみる ---- 153 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 16:23:45.61 ID:kUN63PsFo 「とんでもねえ地雷きたああああああ!」 なにこれ! 一歩間違えたら家庭崩壊の危機なんだけど!? 「く、くそう。安易に安価に頼った俺がいけなかったのか」 直前のあやせ安価が思ったより上手くいったもんだからついつい安価の力を過信しすぎちまってたのかもな。 だが、一度出した安価は守らねばならない。 俺は大きく深呼吸をして桐乃の部屋へと足を踏み出した。 「すまん。待たせたな」 「遅すぎ。あたし早く寝たいんですケド?」 ……ほんとにすまん。 「で、なんであたしの……パ、パンツが必要なわけ?」 「ああ。実はな――」 桐乃が、ごくり、と息をのんだのがわかった。 「すまん桐乃。俺、もう『この気持ち』を押さえられそうにないんだ。だけど、このままじゃお前を傷つけちまう。そんなのは俺もいやだ。  でも、お前のパンツさえあれば、俺はきっと我慢できると思う。だからお前のパンツをくれないか? 俺のためにも、お前のためにも!」 言った……言ってやったぞ! もう後戻りはできない! まさか本当にここまで“後は野となれ山となれ”状態になるなんて。 「あ、ああああ……あああ」 「あ?」 あまりの事態に呂律がまわらない桐乃。 「あんた、自分で何言ってるかわかってんの!? っていうか本気!?」 「当然だ! 誰がこんなアホな冗談を言うんだ!」 「で、でも……よ、よりにもよってパンツって、頭おかしいって!」 「それはおまえがやらせたエロゲの影響だと思う」 実は安価なんだけど、突拍子のない展開があるという意味ではそんなに違いはないと思う。 「うっ……」 言葉に詰まる桐乃。 どうやら自分の趣味がアブノーマルなのを忘れていなかったようだ。 「そうとも! 俺がこんな変態になっちまったのは……桐乃! おまえのせいでもあるんだ!」 「はあ? あんたが変態なのは元からでしょ! 勝ってにあたしのせいにしないでってば!」 「それは違う! いいか? よく考えてみろ」 妹ものの強制的にエロゲをやらされる日々。 そして、それを強制する妹様本人は二次元に負けず劣らずかわいいときたもんだ。 「これでは妹への気持ちを抑えられなくなることはもはや必然である! つまり俺にエロゲを強制したお前が悪い! 俺をシスコンを超えた変態へと変貌させた責任はとってもらうぞ!」 無茶苦茶な言い分だった。 でも無茶苦茶でこそあれ、破綻はしてはいないはずだ。後はこれを桐乃が信じてくれるかどうかにかかっている。 「で、でも……あたしたち兄妹なんだよ?」 心が揺れているせいか、桐乃の言動にいつもの覇気がない。 発する言葉は弱々しく、まるで誰かに許しを求めているようだった。 「それがどうした! 前にも言ったろ! 俺はおまえが大好きだと!」 あやせとの仲を取り持った時を思い出す。 あの時、俺は桐乃を全力で抱きしめながらそう叫んだ。 考えてみればあの時から俺はおかしな方向へスライドしていったのかもしれない。 実の所こうやって自分の気持ちを熱弁している今、これが安価によるものなのか、それともただ本音を垂れ流しているだけなのかわからなくなるときがある。 「だから! 俺に……俺におまえのパンツをくれええええ!」 最後に俺は全力でそう叫んだ。 155 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 16:33:21.34 ID:kUN63PsFo 結論から言えば、パンツの入手には失敗した。 あの後俺はこれでもかとボコボコにされ部屋を追い出された。 「い、いてえ……なにもここまですることねえじゃねえか」 未だに、頬と腕と足と腹とナニが痛い。要は全身痛い。 最後に掲示板に安価の報告をして、俺は自分のベッドに入った。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ごめん。パンツの入手は失敗した 挙句ぼこぼこにされた。 昨日から一睡もしてないから今日はもう寝る。また明日な ――――――――――――――――――― 夏休み三日目、夕方パート。安価失敗 夏休み、三日目終了。 本日の好感度変動 桐乃 +3 あやせ +2 加奈子 +1 ---- 156 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 16:36:10.26 ID:Wb5N9oTIO プラスになっただとwww 流石桐乃さんパネーッスwww ----
76 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 20:24:14.66 ID:rzU0xYe0o 夏休み三日目 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ただいま。昨日は一日全裸だったよ。お袋にばっちり目撃されたよ 昨日は寝れなかった なんだか無性に体を動かしていたい。全てを忘れていたい だから安価といこうか ≫79 ---- 79 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 20:30:17.69 ID:I6gJFtIKo 妹の親友の小さい方を口説く ---- 81 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:02:16.45 ID:rzU0xYe0o [11/14] 「加奈子か……はっきり言って、あいつを口説いても一切いいことがおこりそうにない気がする」 だが、安価なら仕方がない。 ……とはいえ、あいつの連絡先知らないんだよなぁ。 マネージャーやったときは基本的に全てあやせがお膳立てしてくれたからあいつと連絡とる必要なんてなかったし。 あれ? そういえば俺はマネージャーとして口説けばいいのか? それとも桐乃の兄貴として口説けばいいのか? 「……迷ったら安価だな」 以下から選んでくれ。 ①マネージャーとして口説く ②京介として口説く ≫84 ---- 84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/05(日) 21:04:45.83 ID:t+Bc/NyBo 2 88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/05(日) 21:18:56.52 ID:1/TEXwjv0 両方だろjk ---- 93 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/05(日) 21:58:18.49 ID:rzU0xYe0o 「『京介として口説く』か」 安価だしといてなんだけど、こっちのが難しいよなぁ。 あいつの中では俺なんて、路傍の石みたい存在だし。 だが、今さら悔やんでも仕方がない。一度決まったら後は突き進むのみ! 「何はともあれ、まずは連絡先を入手しないとな」 考えられる方法は二つ。 桐乃に聞くか、あやせに聞くかだ。 「桐乃に聞いても無駄だろうな」 あいつのことだからきっと―― 『はあ? 加奈子に何するつもりなの? って言うかあたしの友達に手だしたら殺すって言わなかったっけ?』 こうだな。 かと言ってあやせに聞いても―― 『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけじゃなくてロリコンでもあったんですね。死んでください』 こうだ。 正攻法で望みがない以上からめ手を使うしかない。 と言ってもそんな難しい物じゃないけどな。 要は、あやせが納得できるだけの、もっとらしい理由があればいいわけだ。 携帯電話を取り出し、あやせの番号を呼び出す。 以前のマネージャー業の真似事のご褒美として着拒は解除してもらってある。まさか、あれがこんな風に役立つなんてな。 「もしもし、あやせか?」 『どうしたんですか? 軽々しく電話されると迷惑なんですけど』 「俺があやせに対して軽々しく電話したことは一度もないぞ。俺はいつだって――」 『はいはい。お得意の嘘はいいですから、用件を言ってください』 うーん、嘘じゃないんだけどなあ。 「実は加奈子の連絡先を教えて欲しいんだ」 『加奈子の……ですか?』 「ああ」 『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけ――』 「待て、俺はロリコンじゃない。実はマネージャーとしてあいつにちょっと用があるんだよ」 『……今の所マネージャーの仕事はありませんよ?』 「アフターサービスってやつだよ」 『お兄さんの言うことっていまいち信用できないんですよね。アフターサービスって何をするつもりなんです?』 ひどい言われようだな。 まあ、あやせには近親相姦上等の変態鬼畜兄貴と思われているのでこれくらい当然かもしれないが。 「それは秘密だ。あいつとの約束なんだよ」 『加奈子との?』 「ああ。前回のマネージャーの真似事やった時にこっそりと頼まれごとされてな。それがようやく片付いたんで報告したいんだ。あ、もちろんその内容については聞かないでやってくれ」 『……それ、ほんとですか?』 「あ、ああ。もちろんほんとだぞ」 『まあ、いいです。でも加奈子に何かあったら……』 「……肝に銘じておきます」 こうして俺は加奈子の電話番号を入手した。 この後加奈子を口説くわけだが、展開によってはあやせからの天誅が下るな。 「俺、まだ死にたくないんだけどなあ」 こう言っちゃ面白みに欠けるのかも知れないが、俺としては無難な展開になることを祈るばかりだ。 106 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:30:41.89 ID:ltpjpD84o 「もしもし? 来栖さんの電話で間違いありませんか?」 『そうだけど、おめー誰よ?』 「俺は高坂京介。桐乃の兄貴だよ。一回会ったことあるだろ?」 宅配テロ事件でのあれを“会った”と言っていいものかどうかは考え物だが、顔見知りなのは確かだろう。 もっとも、マネージャーとしては何度か顔を合わせているけどな。 『あん? あー、そういえば桐乃って兄貴いたっけ』 さすがの加奈子も、桐乃に兄貴がいたことは覚えていたようだ。 えらい、よく覚えていたな。 『で、その桐乃の兄貴が加奈子に何の用なワケ? あっ、もしかしてナンパ~? うわ~、ちょ~困るんだけど~。ほら、加奈子ってばちょー可愛いじゃん? はっきり言ってあんたとは釣り合わないと思うんだよね~。加奈子が顔覚えてないってことはどうせ地味面なんだろ~?』 う、うぜえ~! 俺だって安価じゃなけりゃ好き好んでおまえを口説かねえよ! だが、ここではっきりそう言ってしまっては話がここで途切れてしまう。 ふっ……見てろよ? 今まで桐乃たちの我がままに付き合ってきた俺の精神力は伊達じゃないってところを見せてやるよ。 「いやぁ……じ、実はそうなんだよ。おまえがあんまり可愛いから一目惚れしちゃってさー。よかったらこれからデートでもしてくれたらなーって思ったわけよ」 『え、ええー? まじかよー。ひひひっ、加奈子ってばまた一人の男を虜にしちまってたみたいだな』 また? ……おまえに虜にされるような稀有な存在がそうそういるとは思えないが、ここは合わせておこう。 「もてない男に夢を見せてやると思ってさ。頼む、めっちゃ可愛い加奈子さん!」 『しょ、しょーがねーなー。そ、そこまで言うなら会ってやんよー』 ……ちょろい。ちょろすぎる。おまえ、これからの人生それで大丈夫なの? すごく心配なんだけど。 以前のあやせと加奈子のやりとりを参考にしてみたわけだが、こいつ、案の定おだてに異常に弱いのな。 首尾よく加奈子とデートの約束をとりつけた俺は、早速待ち合わせ場所へと向かった。 「よー。おめーが桐乃の兄貴?」 「おう。こんにちは、来栖さん」 「あ、加奈子でいいぜ。おめー中々見る目あるみたいだし特別な!」 そう言って、にひひ、と笑う加奈子。この一瞬だけ切り取るとかわいいんだけどなあ。 いかんせん、生意気な面があることを知っているだけに素直にそう受け取れない。 「じゃあ今日はどうすんだ?」 「はぁ? 誘ったのはそっちなんだから、おめーがエスコートすんのが筋ってもんじゃねーの? おらおら、この加奈子ちゃんとデートできる幸せを噛みしめながら案内しろっての」 ぐ……言わせておけば。だが、あながち間違った意見でもないので反論もできない。 くそう、こいつは普段アホの子のくせにたまにまともなこというから困る。 「あー。じゃあ、映画でも見に行くか?」 「えいが~? 加奈子ってそういう退屈なの苦手なんだよねー。もっとおもしれーとこ行きたいんだけど」 く……映画じゃだめか。桐乃はこれで(渋々ではあるが)納得してくれたっていうのに。 これは困ったな。桐乃の時もそうだったが、いきなりエスコートしろとか言われても俺ってそういうのにうといからなあ。 だが、今回はあの時とは違うんだ。今の俺には強い味方がいる。 そう、安価だ。困ったときの安価頼み! 頼むぜおまえら! どに連れて行けば加奈子は満足してくれそう? ≫109 ---- 109 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:40:58.90 ID:tlziTzGSO とりあえず「加奈子のことがもっと知りたい」って口説きながら喫茶店へGO! 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 15:59:12.11 ID:2ITYznl70 ≫109 やるじゃないか 111 自分:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 16:11:53.47 ID:TuIGdSBIo ≫109 やり手だな ---- 112 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/06(月) 16:38:17.26 ID:ltpjpD84o 「そうだな。とりあえず加奈子のこともっと知りたいし、喫茶店でだべったりしないか?」 「加奈子のことが知りたいって……ほ、ほんとしょーがねーなー。あ、会計はおめー持ちだからな?」 「あいよ」 まあ、こいつとデートするってことになった時点である程度の出費は覚悟してたよ。 喫茶店程度なら知れてるだろ。ふう……安く済んでよかったぜ。 そして俺たちは喫茶店へとやってきた。 以前俺が桐乃に向かって、「俺にまかせろ」とのたまったあの喫茶店だ。 加奈子は喫茶店につくやいなや、スコーンやら、パンケーキやらを注文していた。 くそっ、会計が俺持ちだからって好き放題頼みやがって……。 俺はコーヒーだけを注文し、加奈子の分もまとめて注文の品を受け取ると、加奈子が先に陣取っていたテーブルへと足を向けた。 「でさー、加奈子ってばちょー可愛いからモデルもこなしちゃうんだけど、この前のイベントがちょーめんどくさくってよ~」 「……メルル限定だけどな」 「ん? 今何か言った?」 「い、いやいや! さすが加奈子さん! モデルもこなすとかまじパネェっす!」 「だろー。いっひっひっひ。今度おめーも招待してやんヨ」 「今のマネは気はきくんだけどつまんない奴でさ」 「あれ、そうなのか? でもその人って本職のマネージャーさんなんだろ?」 「本職? おめー何言ってんの? 前のも今のもマネはマネじゃん」 「い、いやいや! 何でもないんだ! 気にしないでくれ!」 「?」 「ブリジットの奴が新しいマネに懐かなくて、加奈子に擦り寄ってくる頻度が上がって大変でさ~。おめー何とかする方法知らね?」 「あー、確かにちょっと人見知りしそうな感じだったもんなあ。おまえにはやたら懐いてたけど」 「おまえって呼ぶなっての! っていうかおめー段々馴れ馴れしくなってね? あと、なんでブリジットのこと知ってんの?」 「げ……そ、それはだな。ほら、あれだ……。そっ、そうだ! 以前街で会ったことがあってさ! その時俺は桐乃と一緒だったんだが、桐乃が知ってたみたいだから紹介してもらったんだよ!」 「ふーん。まあいいけど」 ふう……なんとか誤魔化せた…………か? 「……なんか馴れ馴れしくなったおめー見てると誰かを思い出すんだよね」 「えっ?」 「前にどっかで会ったことあったっけ?」 「い、一応一回会ったこと会ったろ? 桐乃の部屋でさ」 「いや、そーじゃなくて……うーん、駄目だ。思い出せねー」 や、やばい。アホの子だと思って油断してた。このままだと俺がマネージャーしてたのがばれるかもしれん。 ……いや実際の所ばれても問題ない気がするけどね。 しかし触らぬ神に祟りなしと言うし、新たな厄介ごとの火種は少ない方がいい。 「き、気のせいっすよ! そんなことより、加奈子さんマジ可愛いっす!」 「そ、そうかあ~? やっぱりそう思う?」 ふう。どうやら誤魔化すことには成功したようだし、本格的に思い出される前に帰った方がよさそうだな。 「そりゃあもう! ……あっ! 俺、用事思い出したんで帰りますね! 今日はありがとうございました!」 「えっ? ちょ、ちょっと待てヨ!」 「これからも桐乃と仲良くしてやってくれよな! またな!」 そんな捨て台詞を残し、俺は喫茶店を後にした。 ちなみに会計は前払い方式だから問題ないぞ。 夏休み、三日目。朝パート 安価成功? ※加奈子が京介の正体に疑問を持ちました 117 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 01:36:32.92 ID:kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx すまん。 上手くおだてて調子にのせるところまでは成功したんだが、やむにやまれぬ事情により撤退してきた。 口説くための第一歩としてはいい感じなんじゃなかろうか。個人的には口説きたくないけどな! 早速次に行こうか ≫120 ---- 120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 01:51:56.00 ID:l6vw4Vb/0 寝ている妹のパンツを、抜き取ってくる ---- 122 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 02:17:37.29 ID:kUN63PsFo 「待て待て、今は昼だぞ? そんな都合よく寝てるわけないだろ」 だが……そうだな。安価は絶対だが、先送りにするくらいは許してくれるだろう。 ※夕方パートの内容が昼パートに先んじて決定されました。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx わかった。今日の夜中に実行する。 というわけで、これから行う安価を改めて決めようと思う。 いっぱつ面白いのを頼む ≫125 ---- 125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 02:29:19.14 ID:4odQWoJDO あやせと手錠で結ばれる ---- 128 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 03:10:52.61 ID:kUN63PsFo 「はっはっは。これは余裕だな!」 なんせあやせ宅にお邪魔すれば半分は自動で安価達成だからな! 問題はどうやってあやせの方にも手錠をかけるかということだけ。 なぜかPCのモニタがぼやけて見えないが、早速実行に移すぜ! ピンポーン 今回はなんとなくアポを取らずにやってきてみた。 あやせが出掛けている可能性もなきにしもあらずだが、家を出る前に確認した所桐乃は家にいた。 桐乃と出掛けている線が消えたことから思い切って直接押しかけてみたというわけだ。 当然ながら家にあげてもらうための策も用意してある。 『はい、どちらさ――うわっ、お兄さん?』 「……今、『うわっ』って言ったな?」 もう泣いてもいいですか? そろそろ俺も限界だよ? 色々と。 『何しに来たんですか?』 「今朝、加奈子の奴の連絡先教えてもらったろ? そのお礼というほどでもないんだが、ケーキ持ってきたんだ。よかったらご家族で食べてくれ」 『……変な物入ってたりしませんよね?』 「入ってねえよ! 正真正銘のお店のケーキだから大丈夫だ」 しばらくして玄関が開き、いつも通り、お洒落な恰好をしたあやせが顔を出した。 「こんにちは、お兄さん」 「よう……ん、これお土産な」 「ありがとうございます。って言うかあれくらいでこんな気を遣わなくてもよかったんですよ?」 「いいんだいいんだ、気にしないでくれ。俺としても助かったんだよ。だから、これはその気持ちだ」 あやせはしばらくケーキの箱と俺との間で視線を行ったり来たりさせていたが、やがて意を決したように大きく息を吸い、こう切り出した。 「せっかくですから、お茶でも飲んでいきませんか? 頂くばっかりでは悪いですから」 「えっ? いいのか?」 「ええ。すっごく不本意ですけど、仕方ありません」 「……オブラートって言葉知ってるか?」 何はともあれ、作戦は成功だ。ちょっぴり想定外の精神的ダメージも受けたがこの程度なら問題ない。 マイラブリーエンジェルあやせたんのことだから、ケーキでも買っていけば『そのまま帰すのも悪い』と考えて家に寄って行かないかと提案してくれると思ってたぜ。 「お待たせしました」 あやせの部屋に通された俺は、案の定、ベッドに手錠で繋がれあやせが紅茶を運んできてくれるのを大人しく待っていた。 そう――今はまだ雌伏の時。ただひたすらに息をひそめ、チャンスを窺うのだ。 「じゃあ、手錠をベッドからもう片方の手に移しましょうか」 来た。考えられうる中で最高のチャンスが。 これを逃しては安価の達成は一気に難しくなるだろう。 「今だ!」 「えっ!?」 あやせが手錠の鍵を開けたタイミングを見計らい、俺はバッと手を伸ばしあやせから手錠の鍵を奪い取った。 遅れを取ったあやせが身構える前に、素早く次の行動を起こす。 あやせの腕をひっつかみ、その白く美しい手に、銀色に鈍く光る手錠をガチャリと嵌めたのだった。 この間、わずか2秒の早業だ。 131 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 03:41:00.95 ID:kUN63PsFo 「お、お兄さん!? 何してるんですか!」 「ふはははは! もう逃がさねえぞあやせ! これでお前と俺は一心同体。これからは食うも寝るも一緒だ。一生俺の傍にいてもらうぜ!」 「い、一生!? な、ななな、何を言ってるんですかこの変態! 馬鹿なこと言ってないで早く鍵を返してください!」 「馬鹿なこと? 俺は本気だぜ、あやせ! 俺はこのまま、おまえと繋がれたまま、一生を過ごしてもいいと本気で思っている!」 俺のアホな暴走っぷりに、みるみる顔を赤くして怒り出すあやせ。 よっぽどこの状況が嫌なのだろうか。わかってるとはいえ、改めて言われるとやっぱりショックだよなあ。 「お、お姉さんはどうするんですか!?」 「なんでそこで麻奈実が出て来る」 あいつに言いつけたところで、あいつの説教は怖くないから意味ないぞ? 「知りません! もう、さっさと鍵を返してください」 「うーん、そうだなあ。返してもいいけど一つ条件がある」 「……盗人猛々しいってこういうことを言うんですよね」 ぐ……確かにその通りだが、今だこの場の主導権を俺が握っていることには変わりはない。 「ふふふ、お前には今日一日俺のことを京介さんと呼んでもらう!」 「この変態! 死ねえええええ?」 疑問形の癖に、いっそ清々しいほどの威力の蹴りを放つあやせ。 「ごふ……あ、あやせさん? 俺、蹴られるようなこと言ったっけ?」 「ご、ごめんなさい。つい条件反射で……。って言うか京介さんってなんのつもりです?」 条件反射で蹴りを放つあやせさん、マジ鬼畜。パブロフの犬かおまえは。 「い、いや。いつまでも桐乃の兄貴っていう“役職”で呼ばれるのもどうかと思っただけだよ」 「でも、お兄さんはお兄さんですし……」 「だから、とりあえず今日一日だ。お試し期間みたいなもんだと思ってくれ。しっくりこなきゃ明日からまた戻せばいいしさ」 「……そう呼んだら鍵を返してくれますか?」 そう言って、上目づかいで俺を見上げるあやせ。 その表情は不安と期待が入り混じったもののように見えた。 「ああ、約束しよう」 「じゃ、じゃあ…………きょ、京介さん」 「あやせ、俺だー! 結婚してくれえええ!」 「結局こうなるんじゃないですか! 死ねええええええ!」 普段と違って、お互いが手錠で繋がれているため、あやせの攻撃も基本的によりショートレンジのものがメインとなる。 鳩尾への綺麗なニーキックからの右ストレートは、端から見ればそりゃあ鮮やかだっただろうさ。 夏休み、三日目。昼パート 安価成功 141 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 14:18:35.08 ID:kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/25(月) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 手錠で繋がれるとに成功したぞ! そして、主導権を握るこの感じ! これだよ! 俺が求めていたのはこれだったんだ! 今さらなんだけど、おまえらよく安価対象が手錠持ってること知ってたな さて次は妹への安価だったな。これは深夜1時くらいに実行するぜ 楽しみに待っててくれよな! 143 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 14:31:42.63 ID:kUN63PsFo 日付変わって、7/26(火) AM1:00。 俺はまるでこそ泥でもするかのように忍び足で桐乃の部屋の前に辿り着いた。 もっとも、これからすることは半分こそ泥みたいなもんだからあながちその表現も間違いではないんだけどね。 「では……!」 ぐっと力を込めてドアノブを握り、恐る恐るまわ――らなかった。 「し、しまった! あいつ、寝るときは鍵かけるの忘れてた!」 俺の部屋のドアには鍵なんてものが存在しないから完全に失念してたぜ。 どうしよう……早くも暗礁に乗り上げてしまったじゃないか。 「……こうなったら安価出してみるか」 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 妹の部屋に侵入しようとしたら鍵がかかっていた このまま諦めるのも癪なので、なんとかして侵入を試みようと思う こっちでも一応案を考えてはみたが、おまえらの意見も聞いてみたい 次の中なら選んでくれ。その他の場合はどうするかも教えてくれよな ①漢なら当たって砕けろ。体当たりでぶち破る ②窓の鍵が開いていることを祈って、泥棒よろしく窓からの侵入を試みる ③とりあえず妹を起こして開けてもらう。後は野となれ山となれ ④その他 ≫145 ---- 144 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:45:27.88 ID:8Ia9rzDho 3 145 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:46:39.85 ID:8Ia9rzDho 3 146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 14:49:07.51 ID:EPzfK3ntP 3 ---- 147 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 15:36:43.32 ID:kUN63PsFo 「自分で候補にしておいてなんだけど、パンツ抜き取りのハードルがすげえあがったぞ」 一体どうやって桐乃が起きてる状態でパンツを抜き取れというのか。 昔どこかでパンツを一瞬のうちに抜き取る妙技をもったキャラクターを見た気がするが、当然ながらそんなことは俺には無理だ。 かといって力づくでいってもいい結果が出るわけないしな……。 「まあいいや。考えるのは後だ」 後は野となれ山となれと自分でも書いたところじゃねえか。 再び桐乃の部屋の前へと舞い戻った俺は、ドアを2回ノックした。 が、もちろん反応はない。 「桐乃。起きてくれ」 階下で寝ている親父たちを起こさないように、少し控えめな声で語りかけるが、桐乃が起きる気配はない。 「ま、そりゃそうだよな」 だが、別に手詰まりというわけじゃない。手はいくらでもあるんだからな。 おもむろに携帯を取り出し、短縮ダイヤル1を呼び出す。 扉越しに音楽のようなものが聞こえてきたので、ちゃんと着信していることが確認できた。 これでそのうち起きるだろう。 しばらくして着メロがとまり、俺の携帯から寝ぼけた桐乃の声が聞こえてきた。 寝ぼけたまま電話に出たもんだから、どうやら電話の相手が誰だかはっきりわかってないらしい。 『ふあい? もひもひ?』 「おう、俺だ。ちょっと相談があるんだけど」 『おれおれ詐欺の方でふか?』 「ちげーよ! 京介だよ、おまえの兄貴!」 『はあ!? あんた今何時だと思ってんの!?』 電話の相手が俺だと理解したとたん、急に意識を覚醒させ怒り出す桐乃。 まあ、そら怒るよな。普通。 あの時怒らなかった俺って、実はかなりいい奴なんじゃないだろうか。 「わ、悪いとは思ってるよ。でも大事な相談なんだ。ちょっと開けてくんない?」 『…………』 桐乃の返事を待っていると、ガチャという音がして目の前のドアが開いた。 「なんの用?」 「じ、実はおまえに相談があるんだ」 「………………わかった。入って」 すっげー嫌そうな顔を浮かべながらも、桐乃は俺を部屋に招き入れてくれた。 なんだかんだ言って、こいつはこいつでいい奴なのかも知れない。 少なくとも、今とほとんど同じ流れで妹の相談に乗ったことがある俺と同じくらいには。 148 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 15:37:59.90 ID:kUN63PsFo 「で? 相談って?」 桐乃はベッドに座り、足を組むいつものスタイルで俺に“話せ”と促してくる。 対する俺は、最近許されるようになった座布団に足を崩して座るというスタイルで相談の内容を話す。 「実はな。おまえのパンツが欲しいんだ」 「………………えっ?」 「あっ」 しまった! あんまり手詰まりなもんだから思わず素直に言っちまった! 「こっ、この変態! 何考えてんの!? 頭おかしいんじゃないのあんた!?」 「お、俺はまじめだ! これには深いわけがあるんだよ!」 「妹のパンツ欲しがるのにどんなワケがあるってのよ!」 「ちょ、ちょっと待ってろ! 今から説明してやるから!」 俺は今にも暴れ出さんとする桐乃をなんとかなだめすかし、“言い訳”を用意するために自室へと舞い戻った。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 助けて! 俺が妹のパンツを欲しがる理由が欲しい! 大至急だ! 妹が納得するだけの、俺がパンツを要求する理由は? ≫151 ---- 151 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 15:49:05.54 ID:EPzfK3ntP すまん桐乃。俺、もう『この気持ち』を押さえられそうにないんだ だけど、このままじゃお前を傷つけちまう。そんなのは俺もいやだ でも、お前のパンツさえあれば、俺はきっと我慢できると思う。 だからお前のパンツをくれないか?俺のためにも、お前のためにも! と超真顔であほな事をくそ真面目に言ってみる ---- 153 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 16:23:45.61 ID:kUN63PsFo 「とんでもねえ地雷きたああああああ!」 なにこれ! 一歩間違えたら家庭崩壊の危機なんだけど!? 「く、くそう。安易に安価に頼った俺がいけなかったのか」 直前のあやせ安価が思ったより上手くいったもんだからついつい安価の力を過信しすぎちまってたのかもな。 だが、一度出した安価は守らねばならない。 俺は大きく深呼吸をして桐乃の部屋へと足を踏み出した。 「すまん。待たせたな」 「遅すぎ。あたし早く寝たいんですケド?」 ……ほんとにすまん。 「で、なんであたしの……パ、パンツが必要なわけ?」 「ああ。実はな――」 桐乃が、ごくり、と息をのんだのがわかった。 「すまん桐乃。俺、もう『この気持ち』を押さえられそうにないんだ。だけど、このままじゃお前を傷つけちまう。そんなのは俺もいやだ。  でも、お前のパンツさえあれば、俺はきっと我慢できると思う。だからお前のパンツをくれないか? 俺のためにも、お前のためにも!」 言った……言ってやったぞ! もう後戻りはできない! まさか本当にここまで“後は野となれ山となれ”状態になるなんて。 「あ、ああああ……あああ」 「あ?」 あまりの事態に呂律がまわらない桐乃。 「あんた、自分で何言ってるかわかってんの!? っていうか本気!?」 「当然だ! 誰がこんなアホな冗談を言うんだ!」 「で、でも……よ、よりにもよってパンツって、頭おかしいって!」 「それはおまえがやらせたエロゲの影響だと思う」 実は安価なんだけど、突拍子のない展開があるという意味ではそんなに違いはないと思う。 「うっ……」 言葉に詰まる桐乃。 どうやら自分の趣味がアブノーマルなのを忘れていなかったようだ。 「そうとも! 俺がこんな変態になっちまったのは……桐乃! おまえのせいでもあるんだ!」 「はあ? あんたが変態なのは元からでしょ! 勝ってにあたしのせいにしないでってば!」 「それは違う! いいか? よく考えてみろ」 妹ものの強制的にエロゲをやらされる日々。 そして、それを強制する妹様本人は二次元に負けず劣らずかわいいときたもんだ。 「これでは妹への気持ちを抑えられなくなることはもはや必然である! つまり俺にエロゲを強制したお前が悪い! 俺をシスコンを超えた変態へと変貌させた責任はとってもらうぞ!」 無茶苦茶な言い分だった。 でも無茶苦茶でこそあれ、破綻はしてはいないはずだ。後はこれを桐乃が信じてくれるかどうかにかかっている。 「で、でも……あたしたち兄妹なんだよ?」 心が揺れているせいか、桐乃の言動にいつもの覇気がない。 発する言葉は弱々しく、まるで誰かに許しを求めているようだった。 「それがどうした! 前にも言ったろ! 俺はおまえが大好きだと!」 あやせとの仲を取り持った時を思い出す。 あの時、俺は桐乃を全力で抱きしめながらそう叫んだ。 考えてみればあの時から俺はおかしな方向へスライドしていったのかもしれない。 実の所こうやって自分の気持ちを熱弁している今、これが安価によるものなのか、それともただ本音を垂れ流しているだけなのかわからなくなるときがある。 「だから! 俺に……俺におまえのパンツをくれええええ!」 最後に俺は全力でそう叫んだ。 155 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 16:33:21.34 ID:kUN63PsFo 結論から言えば、パンツの入手には失敗した。 あの後俺はこれでもかとボコボコにされ部屋を追い出された。 「い、いてえ……なにもここまですることねえじゃねえか」 未だに、頬と腕と足と腹とナニが痛い。要は全身痛い。 最後に掲示板に安価の報告をして、俺は自分のベッドに入った。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ごめん。パンツの入手は失敗した 挙句ぼこぼこにされた。 昨日から一睡もしてないから今日はもう寝る。また明日な ――――――――――――――――――― 夏休み三日目、夕方パート。安価失敗 夏休み、三日目終了。 本日の好感度変動 桐乃 +3 あやせ +2 加奈子 +1 ---- 156 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 16:36:10.26 ID:Wb5N9oTIO プラスになっただとwww 流石桐乃さんパネーッスwww ----

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