京介「妹たちに安価で悪戯する」 その3:251

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251 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 07:33:42.44 ID:29t+w5Obo 夏休み二十二日目 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/11(木) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx つれー。2時間しか寝てねーからまじつれーわー つぎー。まじつぎー ≫255 ---- 255 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 07:41:01.33 ID:tEC6fHSto 加奈子をデートに誘う 260 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 07:42:46.64 ID:lTiCCy8a0 加奈子キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 267 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 08:08:05.60 ID:ht9jM/SI0 デートの場所が重要だな 268 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 08:29:24.76 ID:Ufb8LZ290 川・・・か 269 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 08:30:49.64 ID:tEC6fHSto 土手か?森か?さもなきゃ沼か! ---- 300 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 17:19:29.26 ID:29t+w5Obo 「もはや悪戯の気配すらねえ」 せめて悪戯の内容を書いてくれよ。いや、今に始まったことじゃないけどさ。 デートに誘って一体何をしろというのか。 なるようになれ精神なのかもしれないが、あまり俺の恋愛スキルの低さを舐めない方がいい。 下手したら何も起きずに帰っちゃうぞ。 「よう」 「お、おう」 駅前で待ち合わせていた俺たちは、無事合流することができた。 今日の天気は快晴。露出した肌がじりじりと焼けるのがわかる。 「おまえ、あんまりやけてないな」 一昨日に海に行ったというのに、加奈子の肌は海に行く前と変わらないように見えた。 そういえば、桐乃も全然変わってなかったな。 「あぁ? たりめーだろ。加奈子はモデルなんだぜ? モデルが勝手に日焼けしていいわけないじゃん」 「そういえば、おまえって仕事に対しては真面目だったな」 普段があれだからすぐに忘れちゃうけど。 「なにその、引っかかる言い方」 「気にすんな。これでも褒めてるんだよ。……じゃあ行くか!」 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/11(木) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx 俺はこれからどこに行けばいいんだろうか ≫308 ---- 308 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 17:22:53.82 ID:E2J+7KXxo 映画館に行ってラブロマンスを見る 313 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 17:23:32.16 ID:cuKIJ7mTo ≫308 gj! 316 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 17:26:46.01 ID:wQ3Rf33Io なんというハイエナども……映画館内で悪戯とか性犯罪の匂いしかしねえ! と思ったけど加奈子と自分のジュースを入れ替えるとかも立派な悪戯ですよね^^ 317 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 17:27:56.18 ID:j0qOfl16o いいシーンで手を握ってくる加奈子もへ ---- 321 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 18:25:49.32 ID:29t+w5Obo 「しまった。どんな悪戯すればいいかも聞けばよかった」 これじゃあ、ただデート先の相談しただけじゃん。 う~ん……まあ、たまには自分で考えるか。 「映画でも行かないか」 「え~、映画ぁ? 加奈子、じっとしてるのって好きじゃないんだよね」 「まあ、そう言うなって。ちょうどおまえと見たい映画があったんだよ」 「えっ……しょ、しょーがねーな。そ、そこで言うなら行ってやんヨ~」 適当にごまかし、加奈子を連れて映画館へと歩き出す。 映画館までは徒歩で5分の距離だ。 歩き始めてすぐ、突然後ろから「あら、あなたたち……」声をかけられた。 「あの時の、歳の離れた兄妹さんよね」 振り返ってみると、いつぞやの、川で知り合ったおばちゃんだった。 加奈子が川に流されているのを発見してくれた人でもある。 「加奈子は妹じゃないし、歳もそんなはなれてねーから!」 「妹さん、無事でよかったわねえ」 「加奈子の話を聞け!」 どうしておばちゃんってのはこう人の話を聞かないんだろうな。 これは、このおばちゃんに限ったことではないと思う。 ……そうだ。いいこと思いついたぞ。ここは、このおばちゃんに便乗してしまおう。 「あの時は本当にありがとうございました。いや~、うちの妹が溺れてるのを見つけてもらわなかったら今頃どうなっていたことか」 どうやら、加奈子は“歳の離れた妹”として認識されるのが嫌なようだ。 それなら、敢えて加奈子が嫌がることをしてみるのもいいだろう。 相手をいかにして振り回すか。これぞ悪戯の醍醐味。 もっとも、今回のは“振り回す”とはちょっと違うけど気にしない。 「ほら、加奈子。おまえもお礼言っとけ」 加奈子の後頭部に手をやり、軽い力で頭を押してやる。 「あ、ありがとうございました」 子供扱いは気に入らないだろうが、加奈子の方も助けてもらった恩は感じていたらしく、これには素直に従った。 「あらあら、偉いわね~。妹ちゃん」 「だから妹じゃねーから! っていうか加奈子は15歳だから!」 「あ、そうだ! 妹ちゃん、飴ちゃんいる?」 「……いる」 むすっとした顔でおばちゃんから飴玉を受け取る加奈子。 関係ないけど、どうしておばちゃんってのは常に鞄に飴玉を仕込んでるんだろうな。 「ははっ、やっぱり子供じゃねえか」 「なんか言ったか!?」 「いいえ、なにも~」 そこから映画館に向かい、チケット売り場でチケットを購入する。 「大人一枚、子供一枚」 わざと加奈子に聞こえるように注文する。 が、加奈子はいつまでたっても怒り出さない。 「あれ? 怒らないの?」 「おめー、やっぱりわざとやってやがったな!」 「じょ、冗談だよ! いや、あながち冗談でもないな。……なんで今は怒らなかったんだ?」 おばちゃんの時はあんだけ怒ってたのに。 322 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 18:26:25.61 ID:29t+w5Obo 「あぁ? 中学生は普通に子供料金じゃん。そう決まってるんだから、そこに怒ってもしゃーねーべ?」 「ああ、なるほど。そらそうだ」 この映画館は中学生までは子供料金で見ることができる。 世の中にはさらに細かく――大人、大学生・高校生、中学生、小学生以下と区分分けしている映画館もあるらしいけどな。 高校生以上、未満で区分しているこの映画館では確かに怒りようがない。 「で、何見んの?」 「これだよ」 俺は加奈子に買ったばかりのチケットを手渡した。 「こ、これって……」 「恋愛映画だな」 しかもこてこての。 「こ、これを加奈子と一緒に見たかったのかよ」 「そうだよ。……駄目だったか?」 やはり、加奈子にはもっと子供向けの方がよかっただろうか。 安価とったやつもその辺までは気が回らなかったのかな? 「だ、駄目じゃねえよ! 全然いいから!」 「そうか? ……悪いな」 「不覚にも感動してしまった」 「……加奈子も」 俺たちが見た映画は“カップルが、幾多の困難を乗り越えて結ばれる”というありがちなストーリー。 ありがちだけに、ストーリーだけで感動するのは難しい。 多分、演出やらなんやらが良かったんだろうな。詳しい事はわからないけどさ。 「……でもさ、あの演出はもうちょっとどうにかした方がいいと思うんだよね」 「あん?」 連れだって歩いていると、加奈子がそんなことを言い出した。 最初は、「ピーコかおまえは」とか「おまえにそんなことわかるの?」とか思っていたんだが、加奈子の話は聞けば聞くほど納得させられるものだった。 「お、おまえ……なんていうかすげえな」 「これくらいは当たり前だっつーの。加奈子ってば女優志望だから、こういうこともちょろちょろ勉強してんの」 ……不覚。またしてもこいつに感心させられた。 普段の、あのアホっぷりからのギャップは卑怯だ。 「だからって子供扱いはやめねーぞ」 「あぁ!? 何いきなりアホな宣言してんの!? っつーか、いい加減レディ扱いしろよ!」 「はっはっは。10年早いわ」 夏休み、二十二日目。朝パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/13(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ただいま。映画自体は普通に見たけど、これでよかったんだよな? 次行こうか ≫330 ---- 330 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 18:29:58.34 ID:kikUUnLCo 黒猫と沙織とブリジットとの4人でコミケに行く 現地に着いたら桐乃に電話で自慢する 339 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 18:34:00.84 ID:KWd7yHXVP どんだけハードスケジュールなんだよ 341 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 18:35:51.55 ID:1/MKZxwAO たまにはあやせたんの事も思い出してください… 342 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 18:36:52.85 ID:DvKhRlmo0 あやせたんは発展しないからなぁ…… なんとか、スレ監視の裏をかけないものか 343 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 18:37:11.66 ID:WC6eG71r0 ダッシュでコミケに来そうで怖い ---- 359 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 19:22:28.25 ID:29t+w5Obo 「おまえらの余計なひと言が止まらない件」 どうしてそういつもいつも余計なひと言を追加するのか。 おまえらどんだけ桐乃に報告したいんだよ!  しかも今からコミケて。間に合うのか? 色々と。そもそも、今やってんの? 「……やってるから困る」 「何か言いましたか? 京介氏」 今年のコミケの開催はちょうど8月12日~14日。 そして、今日は8月13日。 これは狙ってやったのか、それとも単なる偶然か。どちらにせよ、安価を実行できる点はありがたい。 「お兄ちゃん……暑い」 「大丈夫か? ブリジット」 大の大人でさえきつい暑さだ。まだ子供のブリジットはたまらないだろう。 しかも、ブリジットにとってはこれがコミケ初体験だ。その精神的、肉体的疲労は想像するに余りある。 ブリジットのおでこと首筋に、持参した冷えピタを貼る。 「しんどくなったら言えよ? あ、はぐれないように手繋ぐか」 「うん、お兄ちゃん」 「…………」 そんな光景を見ていた黒猫はなんとも渋い表情になった。 「ん? どうした?」 「もはやどこから突っ込んでいいのかわからないわ。お兄ちゃん? 手を繋ぐ? ……わけがわからないよ」 「黒猫氏、落ち着いてくだされ。インキュベー化してますぞ」 「希望から絶望への相転移がエネルギーを産むなら、今の私はそれなりにエネルギーを産み出しているわ」 黒猫は相変わらず言ってることがさっぱりだ。 もうちょっとわかりやすい言葉で言ってくれ。 「そういえば……まさかのブリジット氏参加に気をとられておりましたが、きりりん氏はどうされたのです?」 「桐乃はなんだか忙しいらしい」 「あの女がコミケより優先させるものってあるのかしら?」 黒猫が至極まっとうなツッコミを入れる。 桐乃のことをよく理解してくれている、いいツッコミだ。 「あ、ちょっと桐乃に電話したいからちょっと待っててもらっていいか? 何買って来ればいいかとか聞いておきたいんだ」 「了解でござる!」 「あ、桐乃?」 『なに? あんたと違ってあたしは忙しいの。用がないならかけてこないで欲しいんだけど』 あれ? なんか、今日の桐乃さん。デレ成分少なくない? 「用ならあるさ。今さ、コミケに来てるんだけど、何か買っとくものあるか?」 『はあああああああ!? なんであんたがコミケに行ってんの!? っていうか今年も行くなんて聞いてない! 今年はあんたが受験だから行かないと思ってたのに!』 「いや、受験勉強の息抜きにな」 『まさか、黒いのとか、沙織とかもいるわけ!?』 「いる。ついでに言うとブリジットもいる」 『馬鹿じゃないの! 死ね! 氏ねじゃなくて死ね!』 ブツッ。そこで電話は途切れた。 「……耳がいてえ」 桐乃のやつ、何もあんな大声で叫ばんでもいいのにな。 ……とはいえ、罪悪感が半端じゃない。なんだか桐乃をのけ者にしたみたいで心が痛い。 おみやげ買って帰って、家に帰ったらしっかり構ってあげることにしよう。 なんせ、俺はシスコンだからな。 「電話はもうよろしいので?」 「ああ。大量のおつかい頼まれちゃったよ」 360 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 19:22:54.89 ID:29t+w5Obo [9/13] それから、俺たちはマスケラの同人誌を見て回ったり、メルルの同人誌を買い漁ったりして回った。 桐乃のおみやげは、同じメルルオタであるブリジットが選んでくれた。当然、エロくないやつだぞ。 ただのおみやげよりも、“ブリジットに選んでもらった”という付加価値が付いた方が桐乃も喜ぶだろうからな。 エロを含むおみやげに関しては俺の独断と偏見で選んでおいた。 「いやあ、今年も充実したコミケでしたな」 「……そうね。先輩が金髪幼女を連れてきたときはどうなるかと思ったけれど」 「ご、ごめんなさい」 黒猫の言葉に、しゅんとなるブリジット。 「あ……い、今のはそういう意味ではないのよ? ……今日は、あなたと回れて楽しかったわ」 「はい。わたしも楽しかったです!」 ……なんやかんやでブリジットも黒猫や沙織と打ち解けることができたみたいだし。 これで、ブリジットの人見知りも少しは治るといいんだけどな。 ま、今日の安価は成功だ。色んな意味でさ。 夏休み、二十二日目。昼パート 安価成功 名前:兄貴[] 投稿日:2011/08/13(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx ただいま。帰ってきたら妹にこっぴどく怒られたよ おかげで、今日の夜は朝まで一緒にエロゲをやるハメになった コミケで時間をくったせいで、夕方――というよりは夜に近いが、今日最後の安価と行こう できるだけさくっと終わるので頼む ≫370 ---- 370 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:30:23.11 ID:P9taAWcvo 加奈子を抱き枕にして寝る 378 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:35:23.80 ID:F5+eVrIV0 かなかな派が本気だ 379 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:35:56.92 ID:sx0L9cCAO やったな≫370…… お前がNo.1だ 380 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:37:19.29 ID:YMjbeDtUo 夕方から夜に加奈子を抱き枕だと・・・ くっ!加奈子派め・・・! 381 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:39:53.12 ID:e2Q92lVA0 うっひょお! かなかなたんクンカクンカ! 388 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 19:57:41.20 ID:2rD5hzMno ≫370 やるじゃん 396 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 20:28:25.10 ID:6plCWTH80 かなかなキターーー!! 400 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/03(日) 20:35:35.95 ID:7CbbHFmTo 受験生勉強しろw ---- 402 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 20:53:52.37 ID:29t+w5Obo さくっと終わる気配が微塵もねえ。 コミケで疲れたから割とすぐに寝れそうではあるけどな。 まあ、寝る時間に指定もないし仮眠的な感じでもいいだろう。 あと、こういうのはせめて昼にしてくれ! 夕方に一緒に寝ちまって、そのまま夜までなだれ込んだらどうする気だ。 「……どうしたもんかな」 「で、わざわざ加奈子よびだして何の用? ……っつーか、そのシーツ何?」 「これか? これはただのシーツじゃないぞ。とあるキャラクターの抱き枕用シーツだ。このチョイスは俺の趣味で、決して桐乃の趣味ではないから誤解しないように」 ちなみに、これは夏コミで買ってきた物だ。 別に桐乃の私物を拝借したわけじゃないぞ。 「いや、それはそうだろうけどよ……。っつーか、そういう意味じゃねーし。そのシーツと、加奈子を呼びだしたことの関係はっつってんの」 「今、巷で流行ってる抱き枕っつーのを俺も作ってみようかと思ってな」 「抱き枕を作るだぁ?」 怪訝な声を出し、眉間に皺をよせる加奈子。 「おまえ、女優を目指してるって言ったよな」 「……話が見えてこねーんだけど」 「なら、単刀直入に言おう。……おまえには抱き枕になってもらう!」 「なにいいいいいい!?」 「あんた、それどうしたの?」 「きょ、今日のコミケで買ったんだ。あ、これはお土産じゃないぞ。あくまで自分用だ」 俺がベッドで横になっていると、桐乃が俺の部屋を訪れた。 いつもは来ない癖に、来ないで欲しいときに限って絶妙なタイミングで来るんだよなあ。 「へ~、あんたもついにメルルのよさがわかって来たんだ。……っていうか、やけに形リアルじゃん。逆にキモくない、それ?」 「まあな」 淡々と受け答えしているように見えるが、俺の心臓はばくばくだ。 「それと、今日一緒にエロゲするって約束は?」 「ちょっと仮眠とってからでいいか? 今日のコミケで疲れちまって……」 「チッ……1時間だけだかんね! 1時間経ったら起こしに来るから!」 桐乃はそう言い残し、俺の部屋を後にした。 あいつも変わったな。昔の桐乃なら問答無用で俺を引っ張っていっただったろう。 「……ふう、行ったか」 「おい」 俺の他には誰もいないはずの部屋から、明らかに他の人物の声がした。 声の発生源は俺の隣に置いてあるメルルの抱き枕だ。 別に、メルルの抱き枕に魂が宿ったわけではない。 「お、おい喋んなって。ばれちゃうだろ」 「ふざけんな! 演技力の指導なんて言うからついてきて見れば……なんだこれ! 加奈子舐めて――むぐっ!」 「し、静かに!」 そう、この抱き枕の中には加奈子が入っているのだ。 「ああ!? 抱き枕になれってどういうことだ、オラァ!?」 「どうもこうもない! おまえ、女優になりたいって言ったよな」 朝、確かにそう言ったのを俺は覚えている。 「言ったけどそれがどうした!?」 「歌、踊り、容姿――これだけ揃ったおまえにも女優になるためには足りないものがある。……それは演技力だ!」 「はあ!? アホなことぬかしってっと――」 「俺は大真面目だ! いいか!? 俺は女優になったおまえが見たい! だから、そのために俺にできることをできる範囲でやる! そう決めたんだ! だからおまえには抱き枕を演じてもらって、演技力を高めてもらう!!」 …………さすがにこんな力技じゃ無理―― 「な、なんだ。それならそうと早くそう言えよな~。うひひ、そこまで期待してるんなら、加奈子も頑張ってみてやんヨ~」 今日から、加奈子改め、チョロ子と呼んでやろう。 403 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 20:54:28.75 ID:29t+w5Obo というわけで、チョロ子――もとい加奈子を俺の部屋に連れ込んだのだった。 「ふぁ……なんだか、マジに眠たくなってきた」 「えっ? 寝ちまうの?」 「……すまん。桐乃にだけはばれないように……して…………くれ」 「お、おい!? ……まじで寝ちまいやがった。ど、どうしよ――ひゃっ!? お、おめーどこ触って!?」 「ちょ……だ、駄目だって!」 「んっ、んんっ……んんんー!」 「ちくしょう……なんで加奈子がこんな目に……。こうなったら加奈子も寝る!」 「ふわぁ……なんかすげー快眠できたな。たった30分寝ただけなのに、まるで8時間は寝たみたいだ。おーい、加奈子。そろそろ帰っていいぞ」 「……」 声をかけてみるが、加奈子からの返事はない。 「……まさか……窒息!?」 一瞬、最悪の考えが頭をよぎる。 俺は急いで、抱き枕を開封。加奈子の様子を確認する。 「……驚かすな」 そこにはスースーと寝息を立てる加奈子がいた。 「あやせに加奈子の家の場所教えてもらわないと」 桐乃との約束の時間まで後30分。 加奈子をおぶって、、起こさないようにゆっくりと送っていくには十分な時間だろう。 夏休み、二十二日目。夕方パート 安価成功 夏休み二十二日目終了 本日の好感度変動 桐乃 ±0 黒猫 +1 沙織 +1 加奈子  朝 +1      夕 +1     ―――――      計 +2 ブリジット +1 404 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/07/03(日) 20:54:57.77 ID:29t+w5Obo 夏休み二十二日目終了時の好感度 桐乃 +10  ※嫉妬無双 麻奈実 +6 黒猫 +2  ※覚醒済み 沙織 +6 あやせ +1  加奈子 +8 ブリジット +5 日向 +3  ※眼鏡をかけるようになっている 珠希 +2 瀬菜 +5 フェイト +3 ※年下の良さを認識 佳乃 ±0 赤城 +2 大介 ※殺意の波動の気配がする「仏の顔も3度まで」残り…1回

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