俺が妹と間接キッスなわけがない:11スレ目512

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512 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) 投稿日:2011/08/23(火) 12:37:54.18 ID:u4uH3Ct10 「「はぁあ」」 今、私達兄妹の目の前にはある問題が立ち塞がっていた 話の発端は幾分か前、兄貴が机の上にジュースを置いた時から始まった あのバカ兄貴はまたもややらかしたのだ、机の上には私が置いたジュースもあったのに、あいつはまたもやノホホンとした顔で何も確かめもせずに自分の飲みさしを机に置いたのだ。 ここまで話したら分かるだろうが、簡単に言うと混ざったのだ、兄貴と私のジュースが。 それで飲んだ分量までほぼ同じなんだからもはや救いようのない状況だ 「もうどっちでも良いんじゃねぇ?、それか捨てちまうとかさぁ。だってまだあんなにあんだぜ?」 「だ、駄目!!、勿体無いじゃん!!」 即言い返す私 いくら昨日にお父さんが知り合いの業者さんから箱ごと貰ってきて大量にあるからって粗末にしちゃいけないんだからね!! 「じゃ、適当に選ぶって事で」 兄貴はそう言って手前にあったジュースを取って自分の部屋に向かおうと歩き出した それを私は肩を掴んで半ば強引に止める 「ちょ、あんた何考えてんのよ!!デリカシーってもんが無いの!?」 「あぁもう!、どっちでもいいだろ!?」 い、いや、どうせなら兄貴のジュースが………ってそうじゃなくて! 「と、とにかく!、勝手な事しないでよね!、あんたはそんな所がモテない原因なのよ!」 「それは関係無くねぇ!?」 何やら兄貴が叫んでいるが私は軽く無視する 今重要なのはそんな事じゃなくてどっちが兄貴の飲みさしかを見極める事だ ま、見てても何も分からないのでとりあえず今日の私の行動を振り返ってみてどこに置いたかを考えてみよう 何か分かるかもしれないしね。 朝、6時10分起床 何時もの様に私は兄貴の部屋に耳を傾け………じゃなくて静かな音楽に耳を傾けていた 午前9時半、兄貴の部屋から起床らしき音が聞こえる。遅い。 え?、いや盗み聞きなんてしてないって!、壁が薄いから聞こえちゃうの!! 「さて……、朝飯食ってからもう一回寝るとしますかぁ」 そんなやる気の無い声が向かいの部屋から聞こえてくる ってかそんな生活で何で太らないの?、ちょっとムカつくんですけど。 そんな事を考えてちょっと肩を震わしていると兄貴の部屋の扉が開いた音がした な、なんか私もお腹減ったなぁ、食べに行こうかな? たまたまお腹が減ってきたためどうするかどうか考えてみる。 「うん、食べに行こっと」 確か戸棚の中にインスタントカレーがあったはずだ。 結局食べる事にした私は何があったかを思い出してみる 何でカレーばっかりなのよ、と思わない事も無かったけど今更そんな事を母さんに言うつもりはない 私は無駄な事はしない性質なのだ。 そんな事を考えてゲンナリしながら私は兄貴がいるであろうリビングに向うため自室の扉を開いたのだった。 下では兄貴も同じ事を考えていたのかお湯を沸かしてインスタントカレーをぶち込むところだった。ついでに私のも頼むとソファに向かう。 兄貴は「はいよ」と言うともう一度戸棚をあさり始める、暫くすると少し困ったような顔をして腰を上げた 「桐乃?、ハヤシかビーフ、どっちがいいんだ? 二種類しか無いんだが」 「ん~? じゃぁハヤシで」 私は適当に答えるともう一度座り直した。 暫くすると兄貴が湯気が出ている器を二つ持ってきた。 「ん、ハヤシな」 「サンキュ」 そう言い合うとつけられていたテレビを見ながら黙々と食べる。 ちょっと間経つと、何を思ったのか兄貴がこんな事を言い出した。 「なぁ、俺にも一口くれよ」 「……は?」 思わず聞き返す私。内心はパニックに陥りアタフタしている。 実際私の顔は目一杯赤くなっているはずだ。 ちょ、兄貴自分が何言ってるか分かってんの!? 両手で頬を押さえながら「あうあう」言っていると、兄貴は私を見て「勝手に貰うからな」と言ってスプーンを私のハヤシライスに向かって近づけていく。 私は兄貴がハヤシライスを自分のスプーンで掬い、口にハヤシライスが運ばれるところを穴が開く程見つめていた。 「あ~あ、やっぱりこっちのんが美味いじゃん。 ん?、何だよ嘘だと思うならこれ食ってみろよ、確実にそっちのんが美味いからよ」 兄貴はそう言って自分の器をこっちに差し出してくる、私はゴクリと生唾を飲み込むとスプーンを兄貴のカレーに向かって近づけて、一口分掬って食べた。 頬が全力で緩む、自分でも顔がだらしなくなっていくのが分かった。 どんな顔をしていたのだろうか、兄貴は私が食べ終わると「そんなに美味かったのか?」と聞いてきた。 それからは特に無い。ていうか兄貴の食ったところを残して食べた事しか頭に残っていない。 行き成り跳んで午後4時 ここからだろうか、問題が発生したのは。 この時間に私はあらかじめ出して冷やしていたジュースを冷蔵庫から取り出し飲んだ その後喉が潤っても何やら動く気になれず、机でウダーっとしていた。 しばらくグダグダしていると兄貴が部屋から出てきたのだろうか、上の階からガチャリと扉が開く音がした。 私は慌てて起き上がるとちょっとだけ身だしなみを整える。 ちょっと前髪をいじっていると兄貴はリビングに入ってきて私を素通りするとお父さんが貰ってきたジュースの箱に向かった ヌルいであろうそのジュースを開けて兄貴は飲んだ後、初めて私が居るのに気付いたかの様にこちらを見た。 兄貴の場合冗談じゃなく本気で気付かなかった可能性があるのが怖い。鈍感さで言ったらラノベの主人公なみだからなぁ、兄貴は。 「い、居たのか、桐乃」 やっぱり私の予想通り気付いてなかったらしい、イラッとくるのは仕方ないに違いない。 「居たけど?、何か文句でもあんの?」 私は思い切り睨むと兄貴に向かって不機嫌丸出しの声で話す。 「べ、別に文句はねぇけど」 兄貴はちょっと気圧されてどもってしまっている 「ちょっとくらい声掛けてくれてもよくね?」 そう言いながら兄貴は私に近づいてきてその飲みかけの缶をテーブルに置いたのだった それからグチグチ言っていると、兄貴が私のジュースに手をかけた 「ちょ、ちょっと、それ私のなんだけど」 「え? けどこれ今さっき俺が置いた気がするんだけど?」 「そんな訳無いじゃん、私のやつの方が冷たいでしょ?」 兄貴が持っているやつをひったくって触ってみる、ヌルかった。もう一方も触ってみるが少なくとも私の感覚では温度の違いが分からなかった。 それから何回かジュースを見比べているうちに本格的に分からなくなり 現在に至るわけだ 「…………ここね…。ここで入れ替わったに違いない」 私は思い出し終わるとそう呟いた、でも肝心な所が思い出せない。あの時兄貴はどっちにジュースを置いたのだろうか。 それさえ思い出せば兄貴の飲みかけは私の……、じゃなくて私の飲みかけを兄貴に飲まれなくてすむ。 「それで?、どっちが俺のか分かったのか?」 「うっさい!、あんたもちょっとは考えなさいよ!!」 誰のせいでこんな事になってると思っているのよ!、そんな怒りが湧き上がってくる 元はといえば兄貴がジュースを置いたからではないか、置いたから私はこんなに誘惑と戦わなくてはならなくなっている。 もうっ!!、兄貴の飲みかけはどっちなのよ!!……………ってだから!そうじゃない!!、しっかりしなさい!私!! 「ど、どうした?桐乃」 私が一人で一喜一憂していたらよっぽど挙動不審だったのか兄貴が若干引き気味に訪ねてきた 私は「何でもない」と答えると、もう一度どうやって兄貴のジュースを見極めるか考える。 「あの時こうなって、そうなったでしょ?、うん、たしかそこでああなったはず……」 何分そんな事をぶつくさ言っていただろうか。 急にトントンと私の肩が叩かれた。 「なによ」 私が振り返ると兄貴が「ほら」と言って一つのコップを差し出してきた。 中にはジュースらしき液体がタプタプと揺れていた。 もしや、と思って振り返ると案の定、あった筈の物が無くなっていた。ジュースの缶が二つとも無くなっていたのだ。 「あ、あた、何してくれちゃってんのよ」 「ん?、何ってお前は俺との間接キスが嫌なんだろ? だったらこうやって入れ物変えちまやぁ良いじゃねぇか。な? 頭良いだろ」 言い終わるとニコリと笑ってコップを差し出してくる プチンッ 何か変な音が私の頭の中で響き渡った。 何も考えれなくなって兄貴の服の袖と襟を持って思い切り背負い投げをかます。 派手な音が鳴ったがそれすらどうでもよくて私はコップに入ったジュースを取ると逆さを向いた兄貴の鼻に思い切り流しこんだ。 「こ、こんな合法的に出来る事なんて滅多に無いのになんであんたは元も子も無い事すんのじゃぁぁあああああ!!!」 思い切り叫んで頭を揺さぶるが、その時には兄貴の意識は無くなっていた。 ある程度経つと落ち着いて、私は兄貴を移動さしてソファーに寝かせた。 頭にあるコブを見ていたら罪悪感が沸いてくる。 い、いや、だけどあれは兄貴が悪いでしょ!? だってあんな堂々と間接キスできるチャンスなんて滅多に無いのにあんな一瞬で潰されたらそりゃ怒るでしょ!? そ、そりゃちょっとはやりすぎたかなぁ、なんて思ったりするかもだけど私は悪いかと聞かれたら悪くないと答えると思うんですけど!? ちょっと感情的になってしまった私は新しく出したジュースをコクリと飲み下して一息つく。 「ちょっとは期待してもいいじゃん………」 小さく呟くと、そっと溜息をつく。 ちょっとま沈んだ気分のまま兄貴の寝顔を見つめていると、兄貴は居心地が悪そうに身じろぎした。 「ん……………ぅ」 微かだがもれる声。 その声が小さな寝言へと変わるのに時間はかからなかった。 「な………何だよぅ、桐乃………ま……まぁ、 だ……き」 兄貴の夢の中で私はどんな事を言っているんだろうか? 兄貴はちょっと眉を寄せて苦笑いをしている。 きっと迷惑をかけて、我侭を言っているんだろう。それでも変わらない、何時もの様に嫌そうにしながらも必ず助けてくれてるのだろう。 私は嬉しくて顔がニヤけてくのを自覚して、恥ずかしくてちょっと頬を染めた。 「ありがとね」 小さく呟いて上気した頬を隠すように下を向く。 ちょっとだけ。 お礼に、ちょっとだけ。 目を潤ませてちょっとずつ兄貴の額に近づけていく、自分の唇を。 女運の無い兄貴に対するお礼。 途中から心臓がうるさくて、顔が熱くて、訳が分からなくなった。 チュッ 触れた。 それだけでこんなにも、こんなにも嬉しいものなのだろうか。 顔がニヤける、頬が緩む、目が潤んでいくのが分かる。 リンゴの様に真っ赤になっているだろう顔を勢いよく上げると、兄貴を見ようとするが、見れなくて目を逸らす 触れた唇の甘美さに酔いしれながらフラフラと立ち上がる。 駄目だ、気を張ってないと、ちょっとでも緩めると倒れちゃいそう。 私は何回か倒れかけながら部屋へと帰ったのだった。 何時間か後。リビング。 「ん…………」 俺は眩しい光に顔を顰めながらソファーの上で起き上がる。 赤く染まったリビングに一瞬目を奪われる。 今は何時なんだ? 時計を見てみると短い針が6を指していた。 どんだけ寝てたんだ。 ちょっとだけもったいない感覚に襲われるがすぐに気をとりなおす。 ソファーに身を深く沈めて一息つくがまた眠気に襲われる事は無く、薄く笑って夕空を見た。 綺麗だ………。 そんな事を思った自分に呆れながら視線を逸らす。 すると目に写ったのは開けられた缶。飲みさしなのだろうか? 一応確かめようと手に持ってみるが減っている感覚はしなかった。 桐乃の奴がお詫びにでも置いてったのかな。 なんてことを考えて苦笑いをしてしまう、なんで炭酸なのに開けていくんだ? 肝心なとこでぬけてんだよな。 すっかり炭酸の抜けた炭酸飲料に口をつけた。 漏れるのは一言。 心の底から思った、たった一言。 「うめぇ」 そう呟いて俺はぬるくなって、炭酸の抜けた飲料を夕空にかかげたのだった。 本当、最高にうめぇ飲み物だ。 fin

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