小ネタ:13スレ目156

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「だからね、ご近所でも噂されてるのよ」 「だからそれは誤解だって言ったじゃん」 自由登校になった2月末。 あたしと京介はリビングでお母さんと向き合っていた。 「そうなんだけどさー、お母さん心配で」 そう言ってお母さんは困ったような顔で頬に手を当てる。 心配してくれるのは嬉しいけど、見当違いも甚だしいといい加減うんざりしてくる。 「あたしが京介とどうこうなんてあるわけないでしょ?」 「あんたはそーはゆーけどねー・・・」 お母さんはちらりと、京介を見ると、また一つ大きなため息をついた。 「もー、その為にこいつが一ヶ月一人暮らししたんじゃない」 そう、あれは10月初めのころ。 とある件で、お母さんにあたしと京介がただならぬ関係(キモッ!)ではないかと疑われたことがあった。 当然全くの誤解なので必死に弁解したんだけど、結果は芳しくなく、京介が一か月一人暮らしをする羽目になった。 ・・・正直ウザい奴が消えてくれてあたしは大喜びだった。 その上、京介の部屋を自由に使っていいわけだから二重に万々歳だ。 ・・・ま、結局一か月後には帰ってきちゃったんだけどね。 でもま、そんなわけで。 「あれでチャラになったんじゃん」 「それはそうなんだけど・・・京介?あんたはどうなの?」 お母さんはまたため息をつくと、今度は京介に矛先を向けた。 むー・・・お母さんちょっとしつこくない? 「い、いやだから誤解だって言っただろ?」 どもんなバカ! 変に勘ぐられたらどーすんの!? 「こんなプリクラまで撮っておいて?」 お母さんはピッ!と指先に貼ったプリクラを見せてきた。 あ、そーだった!! 「だからそれは、桐乃への嫌がらせだったって・・・いてっ!つねんなよ桐乃!」 「うっさい!思い出したらムカムカしてきた!そーよ!あんたがあんなもん貼るからこんな事になったんじゃないっ!!」 こいつがこんなもん貼るから、あたしは京介と一か月も離れて・・・って違うっ!! 「い、いやだから悪かったって・・・」 「ふんっ!」 そんなもん謝罪になるかバカッ! ・・・顔が熱いのは部屋が暑いせい!あーもーエアコンきき過ぎっ!! 「・・・まーねー、お父さんもこの件をこれ以上追及するなって言うんだけどねー・・・」 「ならもういいじゃん。ホントお母さんは心配性なんだから」 あたしが笑うと、お母さんもどうにか納得したのか、小さく息をついて笑顔を浮かべた。 「ふう、まあいいわ。あんたがそう言うんなら信じてあげる」 「ありがとうお母さん」 「す、すまねーなお袋」 誤解が解けてなによりなにより。 ま、本当に何もないんだから当然ちゃ当然なんだけどねー。 「はいはい。まあ、とりあえず・・・桐乃?」 「ん?」 「京介の膝から降りなさい」 「え?やだ」 あれ?なんで二人してため息ついてんの? END

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