無題:3スレ目197

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197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:40:40.68 ID:8NErAx5h0 [6/17] 俺はいま、妹の部屋の前で、かれこれ10分ほど悩んでいる。 このドアをノックするべきか、そして妹の力を借りるべきか…… いつも妹の人生相談を受けている俺だが、今回ばかりはちょっと事情が違うんだ。 ――そう思案していると、ふいにドアが開き、お約束のように俺の額を強打した。 「いってぇ!」 「……あんた、人の部屋の前でなにやってんのよ」 そこにはドアを半開きにし、不愉快そうなツラを見せる桐乃が現れた。 「あ、ああ、実はな……桐乃、お前に相談があるんだ!」 俺は意を決してそう切り出した。 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:43:20.01 ID:8NErAx5h0 [7/17] 「はぁ~? なんでアタシがあんたの相談を聞かなきゃなんないのよ?」 ……俺の決意をあっさりと跳ね返しやがるこの言い草だよ。 俺はいままで何度も人生相談に乗ってやったというのに……。 まぁ、こいつに恩に着せたつもりはないし、見返りなんて求めちゃいなかったけどさ。 桐乃はハァ~とため息をつくと、気だるそうに続けた。 「……じゃあ、とりあえず入って。手短に済ませてよね」 恩に着せてないとは言ったが…… ちったあ恩に感じてもいいんじゃねえ? とにかく俺は桐乃の部屋に入ると、早々に相談を持ちかけた。 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:46:19.62 ID:8NErAx5h0 [8/17] 「実はさ、もうすぐ麻奈実の誕生日だから、なにかプレゼントでもと思ってんだけどさ――」 と、ここまで話した時点で、桐乃のこめかみにビキッと青筋が入る。 こいつ、ホントに麻奈実のこと嫌ってやがるんだな……。 「それであたしにプレゼントのアドバイスを、ってこと? なんでアタシがあの女のために~?」 「そう言うなよ……。っていうかお前の麻奈実嫌いっぷりはちょっと異常じゃねーか? ほとんど接点も無いくせによ」 「――大体、あんたさぁ……あたしの誕生日に花の一本でもくれたことあったっけ?」 「お、お前こそ、俺の誕生日に消しゴムの一個もくれたことねーだろが!」 あれ、なんか話が変な方向に進んでるな…… 202 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:48:46.15 ID:8NErAx5h0 [9/17] 本来の目的を忘れそうになってた俺は、ここで軌道修正することにした。 「まぁとにかく、女へのプレゼントなんて俺はさっぱり分からないからよ。なにか、これぞっていうオススメは無いかなと思ってさ」 「じゃあ抱き枕でも贈ったらいいんじゃない?」 「それは以前やったんだよ……てかお前知ってて言ってねえか……?」 「別に~~ っていうか、よっぽど酷いものでもない限り、あの女は何でも喜ぶじゃないの~?」 とテキトーな答えを返す桐乃は、俺の存在を無視するかのように、パソコンに向かってエロゲーをプレイし始めた。 助けを求めてきた兄に対して、なんというおざなりな態度だろうか…… 駄目だ、こいつは麻奈実アレルギーが強すぎて話にならない。 ――と思ったところで、俺はあることに気づいた。 そうだ、贈り物選びといえば、うってつけの奴がいたじゃないか! 203 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:52:54.16 ID:8NErAx5h0 [10/17] そう気づいた俺は自室に戻り、いつもマメで贈り物を欠かさないあいつに電話を掛けた。 PLLLLLLL……ガチャ 「よう、突然かけて悪いな」 「やや、京介氏からの電話とは珍しい!」 俺が電話したのは気配りのエキスパート、SNSコミュニティ「オタクっ娘あつまれー」の管理人、沙織・バジーナだ。 「ちょっと教えて欲しいんだけどさ、高校生の女の子にプレゼントするとして、どんなものがいいかなぁ?」 「ほう、それは聞き捨てならぬお言葉! 京介氏も隅に置けませぬなぁ」 「……いや、ただの幼馴染だっての。前に抱き枕をプレゼントしたからよ、それ以外で何かいいのが無いかなと思ってな」 そう言うと、沙織はちょっと思案した後に答えた。 「そうですなぁ~ 思い切って抜群にエロい下着などを贈って、一気に二人の距離を縮めるという方策もありまするが――」 「ちょっ! そういうのじゃねえっての!」 「はっはっは、軽~い冗談でござるよ」 なんかこいつに相談したのも間違いだったような気がしてきたが―― 205 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:56:11.81 ID:8NErAx5h0 [11/17] 「まぁ、気軽なプレゼントなら、癒し系グッズなど贈っておけば無難かと。アロマセットとか入浴グッズとかでござるな。 逆にアクセサリーや化粧品などはセンスが問われますし、場合によっては深い意味が込められてしまいますからな」 「おお、そうか! さすが沙織だな」 「いやぁ~ それほどでもござらぬ」 ボケを交えつつも、ちゃんと的確なアドバイスをくれるところが、さすがは頼れる沙織サンだよ。 これで俺よりも2つ年下なんだからなぁ 桐乃なんかに相談するまでもなく、最初からこいつに聞けばよかったんだよ。そうすりゃわざわざ桐乃にイラつかせられることもなかったしよ。 ……まったく、30分前の俺に教えてやりたいぜ。 206 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:58:30.97 ID:8NErAx5h0 [12/17] そんなわけで、麻奈実の誕生日の前日、俺は早速プレゼントを買いに行き、手ごろなお風呂用アロマセットをゲットすることに無事成功。 え?沙織に言われたそのまんま過ぎじゃないかって? ……俺に応用力なんてものは無いんだよ。 戦利品を手にし、自室への階段を昇っていると、ちょうど1階に下りようとしていた桐乃と鉢合わせた。 「あっ ……それ、昨日言ってたプレゼント?」 「ああ、あの後で沙織のやつに相談したら、バッチリアドバイスしてくれたからよ」 「ふーん……あっそ」 なんだ? 変な反応しやがって―― 適当にあしらった癖に、沙織に相談して解決させたのが気に食わないのか? お前に付き合ってる暇など無いとばかりに、俺はそれ以上のやり取りは避け、桐乃の横をすり抜けて自分の部屋に入ろうとする。 ――ところが、そこで桐乃が俺の襟首を掴んで引き留めた。 「ちょっと……待ちなさいよ」 207 名前: ◆kuVWl/Rxus [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:04:26.34 ID:8NErAx5h0 [13/17] なんなんだよ一体……。俺は振り返り、不機嫌な視線を妹に飛ばした。 もう俺と麻奈実とのことはほっといてくれよ――と、あやうくキレそうになったが、その後に続いた桐乃の言葉は意外なものだった。 「……そんな、いかにもデパートで買ってきました、みたいなショボい包装で女の子にプレゼントする気? バッカじゃないの」 「え……?」 「ホラぁ、ちょっと貸しなさいよ。あたしが綺麗にラッピングしてあげるから!」 桐乃は俺からアロマセットをふんだくると、自分の部屋へと向かった。 そして、ドアの前で歩みを停めると、背を向けたままで更に意外なことを口にした。 208 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:08:18.79 ID:8NErAx5h0 [14/17] 「あの……昨日はごめんね、兄貴。なんかあたしイライラしちゃって……」 「お、おお、、? いや別に……」 「ちょっとさ……羨ましかっただけなんだ」 桐乃は小声でそう残すと、バタンとドアを閉めて自室に消えていった。 え?あいつ何を…… 俺はそのまま廊下に佇み、しばらく桐乃の発言の意味を考えていた―― 210 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:15:36.93 ID:8NErAx5h0 [15/17] 翌日、俺はいつものように麻奈実と下校し―― いつもの公園に寄り道して、俺はそこで麻奈実にバースデープレゼントを渡した。 プレゼントには、鮮やかなピンクの不織布とカラフルなリボンを使った、桐乃による見事なラッピングが施されている。 昨日のデパートの味気ない包装とは大違いだ。 「わああ~~ すっごい可愛いラッピング~~っ。きょうちゃんありがとう~~~~」 「へっ、たいしたもんじゃねーけどな」 「これ、開けてもいいよねっ? えへへ……きょうちゃんからのプレゼント、なにかなぁ……わくわく」 こいつは基本なんでも喜んでくれるんだろうけど、実際こんなに喜んでくれてる姿を目の当たりにすると、なんだかこっちまで嬉しくなってくるよ。 そんなことを思いながら、無邪気にプレゼントのリボンを外し、袋の中を覗きこんでいる麻奈実を眺めていた。 211 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:20:10.18 ID:8NErAx5h0 [16/17] そこで、ふと桐乃のことに思いが至る―― あいつがあんなこと言うなんて…… もしかすると俺って奴は、妹の気持ちに対して鈍感すぎるのかもしれないな。俺は軽い自己嫌悪を感じていた。 結局、桐乃の世話にもなってしまったことだし……ちょっと照れ臭いけど、次のあいつの誕生日には何かプレゼントをしてやるか…… と、そんな殊勝なことを考えてた俺だったが、 ――いやぁ、さすがにこの後の展開は予想できなかったよ。 「あっ、お風呂アロマセットだ~~  …………それと、あれれ? これは でぃーぶいでぃー かなぁ?」 まさかプレゼントの袋から、 俺の秘蔵エロDVD(ちょっと麻奈実似の女優の)が出てくるなんてな―― END
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:40:40.68 ID:8NErAx5h0 [6/17] 俺はいま、妹の部屋の前で、かれこれ10分ほど悩んでいる。 このドアをノックするべきか、そして妹の力を借りるべきか…… いつも妹の人生相談を受けている俺だが、今回ばかりはちょっと事情が違うんだ。 ――そう思案していると、ふいにドアが開き、お約束のように俺の額を強打した。 「いってぇ!」 「……あんた、人の部屋の前でなにやってんのよ」 そこにはドアを半開きにし、不愉快そうなツラを見せる桐乃が現れた。 「あ、ああ、実はな……桐乃、お前に相談があるんだ!」 俺は意を決してそう切り出した。 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:43:20.01 ID:8NErAx5h0 [7/17] 「はぁ~? なんでアタシがあんたの相談を聞かなきゃなんないのよ?」 ……俺の決意をあっさりと跳ね返しやがるこの言い草だよ。 俺はいままで何度も人生相談に乗ってやったというのに……。 まぁ、こいつに恩に着せたつもりはないし、見返りなんて求めちゃいなかったけどさ。 桐乃はハァ~とため息をつくと、気だるそうに続けた。 「……じゃあ、とりあえず入って。手短に済ませてよね」 恩に着せてないとは言ったが…… ちったあ恩に感じてもいいんじゃねえ? とにかく俺は桐乃の部屋に入ると、早々に相談を持ちかけた。 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 17:46:19.62 ID:8NErAx5h0 [8/17] 「実はさ、もうすぐ麻奈実の誕生日だから、なにかプレゼントでもと思ってんだけどさ――」 と、ここまで話した時点で、桐乃のこめかみにビキッと青筋が入る。 こいつ、ホントに麻奈実のこと嫌ってやがるんだな……。 「それであたしにプレゼントのアドバイスを、ってこと? なんでアタシがあの女のために~?」 「そう言うなよ……。っていうかお前の麻奈実嫌いっぷりはちょっと異常じゃねーか? ほとんど接点も無いくせによ」 「――大体、あんたさぁ……あたしの誕生日に花の一本でもくれたことあったっけ?」 「お、お前こそ、俺の誕生日に消しゴムの一個もくれたことねーだろが!」 あれ、なんか話が変な方向に進んでるな…… 202 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:48:46.15 ID:8NErAx5h0 [9/17] 本来の目的を忘れそうになってた俺は、ここで軌道修正することにした。 「まぁとにかく、女へのプレゼントなんて俺はさっぱり分からないからよ。なにか、これぞっていうオススメは無いかなと思ってさ」 「じゃあ抱き枕でも贈ったらいいんじゃない?」 「それは以前やったんだよ……てかお前知ってて言ってねえか……?」 「別に~~ っていうか、よっぽど酷いものでもない限り、あの女は何でも喜ぶじゃないの~?」 とテキトーな答えを返す桐乃は、俺の存在を無視するかのように、パソコンに向かってエロゲーをプレイし始めた。 助けを求めてきた兄に対して、なんというおざなりな態度だろうか…… 駄目だ、こいつは麻奈実アレルギーが強すぎて話にならない。 ――と思ったところで、俺はあることに気づいた。 そうだ、贈り物選びといえば、うってつけの奴がいたじゃないか! 203 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:52:54.16 ID:8NErAx5h0 [10/17] そう気づいた俺は自室に戻り、いつもマメで贈り物を欠かさないあいつに電話を掛けた。 PLLLLLLL……ガチャ 「よう、突然かけて悪いな」 「やや、京介氏からの電話とは珍しい!」 俺が電話したのは気配りのエキスパート、SNSコミュニティ「オタクっ娘あつまれー」の管理人、沙織・バジーナだ。 「ちょっと教えて欲しいんだけどさ、高校生の女の子にプレゼントするとして、どんなものがいいかなぁ?」 「ほう、それは聞き捨てならぬお言葉! 京介氏も隅に置けませぬなぁ」 「……いや、ただの幼馴染だっての。前に抱き枕をプレゼントしたからよ、それ以外で何かいいのが無いかなと思ってな」 そう言うと、沙織はちょっと思案した後に答えた。 「そうですなぁ~ 思い切って抜群にエロい下着などを贈って、一気に二人の距離を縮めるという方策もありまするが――」 「ちょっ! そういうのじゃねえっての!」 「はっはっは、軽~い冗談でござるよ」 なんかこいつに相談したのも間違いだったような気がしてきたが―― 205 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:56:11.81 ID:8NErAx5h0 [11/17] 「まぁ、気軽なプレゼントなら、癒し系グッズなど贈っておけば無難かと。アロマセットとか入浴グッズとかでござるな。 逆にアクセサリーや化粧品などはセンスが問われますし、場合によっては深い意味が込められてしまいますからな」 「おお、そうか! さすが沙織だな」 「いやぁ~ それほどでもござらぬ」 ボケを交えつつも、ちゃんと的確なアドバイスをくれるところが、さすがは頼れる沙織サンだよ。 これで俺よりも2つ年下なんだからなぁ 桐乃なんかに相談するまでもなく、最初からこいつに聞けばよかったんだよ。そうすりゃわざわざ桐乃にイラつかせられることもなかったしよ。 ……まったく、30分前の俺に教えてやりたいぜ。 206 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 17:58:30.97 ID:8NErAx5h0 [12/17] そんなわけで、麻奈実の誕生日の前日、俺は早速プレゼントを買いに行き、手ごろなお風呂用アロマセットをゲットすることに無事成功。 え?沙織に言われたそのまんま過ぎじゃないかって? ……俺に応用力なんてものは無いんだよ。 戦利品を手にし、自室への階段を昇っていると、ちょうど1階に下りようとしていた桐乃と鉢合わせた。 「あっ ……それ、昨日言ってたプレゼント?」 「ああ、あの後で沙織のやつに相談したら、バッチリアドバイスしてくれたからよ」 「ふーん……あっそ」 なんだ? 変な反応しやがって―― 適当にあしらった癖に、沙織に相談して解決させたのが気に食わないのか? お前に付き合ってる暇など無いとばかりに、俺はそれ以上のやり取りは避け、桐乃の横をすり抜けて自分の部屋に入ろうとする。 ――ところが、そこで桐乃が俺の襟首を掴んで引き留めた。 「ちょっと……待ちなさいよ」 207 名前: ◆kuVWl/Rxus [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:04:26.34 ID:8NErAx5h0 [13/17] なんなんだよ一体……。俺は振り返り、不機嫌な視線を妹に飛ばした。 もう俺と麻奈実とのことはほっといてくれよ――と、あやうくキレそうになったが、その後に続いた桐乃の言葉は意外なものだった。 「……そんな、いかにもデパートで買ってきました、みたいなショボい包装で女の子にプレゼントする気? バッカじゃないの」 「え……?」 「ホラぁ、ちょっと貸しなさいよ。あたしが綺麗にラッピングしてあげるから!」 桐乃は俺からアロマセットをふんだくると、自分の部屋へと向かった。 そして、ドアの前で歩みを停めると、背を向けたままで更に意外なことを口にした。 208 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:08:18.79 ID:8NErAx5h0 [14/17] 「あの……昨日はごめんね、兄貴。なんかあたしイライラしちゃって……」 「お、おお、、? いや別に……」 「ちょっとさ……羨ましかっただけなんだ」 桐乃は小声でそう残すと、バタンとドアを閉めて自室に消えていった。 え?あいつ何を…… 俺はそのまま廊下に佇み、しばらく桐乃の発言の意味を考えていた―― 210 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:15:36.93 ID:8NErAx5h0 [15/17] 翌日、俺はいつものように麻奈実と下校し―― いつもの公園に寄り道して、俺はそこで麻奈実にバースデープレゼントを渡した。 プレゼントには、鮮やかなピンクの不織布とカラフルなリボンを使った、桐乃による見事なラッピングが施されている。 昨日のデパートの味気ない包装とは大違いだ。 「わああ~~ すっごい可愛いラッピング~~っ。きょうちゃんありがとう~~~~」 「へっ、たいしたもんじゃねーけどな」 「これ、開けてもいいよねっ? えへへ……きょうちゃんからのプレゼント、なにかなぁ……わくわく」 こいつは基本なんでも喜んでくれるんだろうけど、実際こんなに喜んでくれてる姿を目の当たりにすると、なんだかこっちまで嬉しくなってくるよ。 そんなことを思いながら、無邪気にプレゼントのリボンを外し、袋の中を覗きこんでいる麻奈実を眺めていた。 211 名前: ◆kuVWl/Rxus [] 投稿日:2010/12/04(土) 18:20:10.18 ID:8NErAx5h0 [16/17] そこで、ふと桐乃のことに思いが至る―― あいつがあんなこと言うなんて…… もしかすると俺って奴は、妹の気持ちに対して鈍感すぎるのかもしれないな。 俺は軽い自己嫌悪を感じていた。 結局、桐乃の世話にもなってしまったことだし……ちょっと照れ臭いけど、次のあいつの誕生日には何かプレゼントをしてやるか…… と、そんな殊勝なことを考えてた俺だったが、 ――いやぁ、さすがにこの後の展開は予想できなかったよ。 「あっ、お風呂アロマセットだ~~  …………それと、あれれ? これは でぃーぶいでぃー かなぁ?」 まさかプレゼントの袋から、 俺の秘蔵エロDVD(ちょっと麻奈実似の女優の)が出てくるなんてな―― END

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