無題:4スレ目219

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219 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:21:27.89 ID:gFfx7swo [3/13] 京介「あれ?あやせじゃないか」 あやせ「こんにちは、お兄さん。今、帰りですか?」 まさか、こんなところであやせたんに会えるなんて。 これはもはや運命ではなかろうか。 京介「おう。そういうあやせも帰りっぽいけど、桐乃は一緒じゃないのか?」 あやせ「はい。インターハイが近いとかで部活が忙しいみたいです」 京介「へ~、そうなのか」 インターハイねぇ…わが妹ながらとんでもないな。 あやせ「…ところで、そちらの方は?」 京介「ん?そちらの方?」 振り返ると、俺から2、3歩離れたところに黒猫が立っていた。 京介「うおおおう!?お、お前いたんなら声かけてくれよ!」 黒猫「…先輩があまりに楽しそうに話しているから邪魔してはいけないと思って」 京介「いやいや!?だからって黙って突っ立ってることはないだろ!?」 黒猫「私のなりの優しさよ。でも、さすが先輩。まさか女子中学生をも手籠めにしようとしていたなんてね」 京介「人聞きの悪いことを言うんじゃない!あと、さすがってなんだ!?俺はそんなに変態じゃねえ!」 あやせがキレたらどうする気だ。 220 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:22:26.29 ID:gFfx7swo [4/13] あやせ「…で、どちらさまなんですか?」 ほらみろ、若干イライラしていらっしゃる。 黒猫が手籠めとか言うからだぞ? 俺が山に埋められることになったらどうしてくれるんだ。 京介「あ、あぁ、こいつは五更。俺の高校の後輩だ」 黒猫「…」 あやせ「そうなんですか?はじめまして、私新垣あやせといいます。お兄さんの妹の桐乃の友達なんです」 黒猫「…」 あやせ「え…あ、あの…」 京介「こ、こいつ人見知りが激しくてさ!決して悪気があるわけじゃないから許してやってくれないか?」 あやせ「そ、そうなんですか?」 黒猫…せめて話しかけられたときくらいは返事しようぜ。 いつも俺がフォローしてやるわけにもいかないんだしさ。 黒猫「…先輩、早く行きましょう?今日は先輩の部屋でするのでしょう?」 あやせ「うええええええええええええ!?」 京介「な、なんてことを言うんだ!?違うんだあやせ!これはゲーム製作の作業を俺の部屋でやる約束してただけで、決してお前が思ってるような意味じゃない!!」 あやせ「どっちでも一緒です!この変態!!」 京介「全然一緒じゃないって!!」 くそっ…なんでそんなことばっかり声がでかいんだ。 それにもう少し言葉を選んでくれ。仮にも漫画や小説書いてる人間なんだからさ……。 いつもの空気が読めて気の利く黒猫さんはどこへ行ったの? 221 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:23:53.04 ID:gFfx7swo [5/13] 京介「よく聞いてくれ、あやせ。こいつとは同じ部活で、今日もその作業を俺の部屋でする予定だっただけなんだ」 あやせ「ほ、ほんとうですか?も、もしかして二人はお付き合いされてるとか……」 京介「本当だ。それに付き合ってるわけじゃないよ」 黒猫「……先輩、早く作業を始めたいのだけれど」 京介「あぁ、すまんすまん。それじゃあな、あやせ」 あやせ「あ……はい、それでは」 あやせ「…」 あやせ「はぁ…」 桐乃「どうしたの、あやせ。今日は元気ないみたいだけど?」 あやせ「…ちょっと相談に乗ってもらってもいい?」 桐乃「当然でしょ、まかせといて!」 あやせ「実はね…その…ある人が他の女の子と親しくしてるのを見たら、なんだかもやもやした気分になっちゃって……」 桐乃「もやもやって言うとどんなの?」 あやせ「それがわかんないの。なんかこう…イライラとも言えるような…」 222 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:24:55.05 ID:gFfx7swo [6/13] 桐乃「…………」 あやせ「桐乃?」 桐乃「そりゃ恋でしょ!」 あやせ「ええええええ!?な、ないない!絶対ない!!」 桐乃「絶対恋だって!あやせの言ってるもやもやって嫉妬じゃん!」 あやせ「え…で、でもその人のこと別に好きじゃないし……」 桐乃「そんなことないって。それはあやせが自分の気持ちに気付いてないだけ。本心ではきっと好きなはず。私は応援するよ!!」 あやせ「そ、そうかなぁ…」 桐乃「そうだって!……と、ここまで言っといてなんだけど、その人ってどんな人なの?」 あやせ「え?」 桐乃「あやせに限ってそれはないとは思うケド、万が一変なやつだったらあたしも素直に応援できないもん」 あやせ「え、え~と……」 桐乃「…やっぱりちょっと危ない人?」 あやせ「ち、違うよ!?そんなことない!……あ、あの…その…優しくて頼りがいのある感じの人…かな?」 桐乃「へぇ…あやせにそこまで言わせるとは、そいつも中々やるじゃん。あ、あと外見とかは?」 223 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:25:40.14 ID:gFfx7swo [7/13] あやせ「外見?…う~ん……身長は175くらいで、顔はちょっと地味目……かな?あ、でもかっこ悪いわけじゃないの!むしろチャラくなくていいかなぁとも思うし……」 桐乃「?……なんだろうすっごい既視感。まぁ、いいや。なんかいいやつそうだし、あたしも応援するよ!」 あやせ「あ、ありがとね、桐乃。あ…で、でもその人って実は……」 桐乃「ううん、それ以上は言わないで?応援はするけど、だからってなんでも聞いていいわけじゃないと思うし」 あやせ「で、でもこれだけは聞いといた方が…」 桐乃「いいのいいの。大丈夫、あたしにまかせて!」 224 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:27:01.25 ID:gFfx7swo [8/13] 桐乃『作戦一!食い物で釣れ!』 あやせ「急にお呼び出ししてすいません」 京介「気にすんなって。で、相談ってなんなんだ?」 あやせ「はい、実はこれなんですけど…」 京介「クッキー?」 あやせ「作ってはみたんですけど、うまくできてるか自信がなくって…」 京介「あぁ、それで俺に味見をして感想を言ってくれと」 あやせ「はい」 なんという役得! あやせが誰にあげるつもりで作ったのかは知らないが、俺が最初に頂けることになるなんて!! 京介「よし、そういうことならまかせてくれ」パクッ あやせ「……ど、どうですか?」 京介「うん、上手いよ。ちゃんとできてるじゃないか」 あやせ「じゃ、じゃあこれ全部あげます!」 京介「えっ?誰かにあげるんじゃなかったの?」 あやせ「お兄さんのお口にあったらそれでいいんです!!」 京介「え……あぁ…そうか、新しく作るってこと?そうだよな、一回うまくできれば後は問題ないもんな」 あやせ「えっ?」 京介「味見くらいならいくらでもするから、また声かけてくれよ。今日はありがとな」 はは、そりゃそうだよな。そのお相手には新しく作って持ってくに決まってるだろ。 一瞬、勘違いしそうになっちゃったぜ。 持ってく相手が男か女かは知らないけどさ。ひょっとして桐乃か? あやせ「ダメだった………あの人へんなところで鈍いみたい……」 桐乃「頑張って、あやせ!まだ次があるよ!」 226 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:28:18.58 ID:gFfx7swo [9/13] 桐乃『作戦二!ボディタッチ!』 あやせ「今日も相談があります」 京介「また味見か?」 あやせ「い、いえ、今日は違うんです」 京介「じゃあ、どうしたんだ?」 あやせ「う、動かないで下さいね」 京介「わかったけど…なんなんだ?」 俺が了解の返事をするとあやせは、大きく深呼吸をして俺の肩へと手を伸ばしてくる。 あやせ「や、やっぱりダメ!この変態!!」 パァン 京介「!???」 俺の頬を思い切り叩くやいなや、すぐさま走り去ってしまうあやせ。 お、俺が一体何をしたというんだ…。 あやせ「ごめん…これもダメだった……」 桐乃「まだまだ!」 227 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:29:28.43 ID:gFfx7swo [10/13] 桐乃『古典的だけど効果抜群!ラブレター!』 あやせ「今日もまた相談があります」 京介「…今日は叩かないでくれよ?」 あやせ「叩きません!…もう」 京介「で、今日はなんだ?」 あやせ「……これ」 京介「え?」 こ、これは……ピンクの封筒に、ハートにシールがついたこれは……まさか…… あやせ「じゃあ、失礼します!」 京介「え!?ちょ、ちょっとまっ…………」 まぁ、いいか。 わかったよ、あやせ。 お前の気持ちはしっかり受け取ったよ。 『■■女の子に手を出したらぶち殺しますよ?』 …意味が分からない。 それに最初のところだけなんで塗りつぶされてんの? 京介「………あやせ、最近頭でも打ったのかな。心配だ」 あやせ「渡せた!渡せたよ、桐乃!!」 桐乃「やったじゃん!後は返事待つだけだね!」 228 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:31:24.40 ID:gFfx7swo [11/13] 京介「ただいま~」 桐乃「……おかえり」 京介「あ、そうだ。桐乃、最近あやせに変わったことなかったか?頭打ったとかさ」 桐乃「は?何言ってんの変態のくせに」 京介「俺は変態じゃないし、それに今関係ないだろ。あやせにちょっと変な手紙もらったんだけど解読不能でさ」 桐乃「え?」 京介「お前ならわかるかもしれないな。これなんだけどさ、女子中学生の間で暗号文でも流行ってんのか?」 桐乃「え?え?なんであんたがそれ持ってんの?」 京介「人の話は聞いとけよ。だから、あやせに貰ったんだって」 桐乃「嘘……そんな………まさか、あやせが……なんでよりにもよってこいつなの!?」 京介「おーい」 桐乃「うっさい!ちょっと黙ってて!」 そう叫ぶと桐乃は急いで自分の部屋に戻っていってしまった。 おっかねえ、なんでそんなにキレてんだよ……。 229 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 22:33:16.60 ID:gFfx7swo [12/13] prrrrrrr あやせ『桐乃?どうしたの?』 桐乃『あやせ!あやせが好きな人って兄貴だったの!?』 あやせ『………う、うん』 桐乃『なんであたしに言わなかったの!?』 あやせ『い、言おうとしたよ?でも、桐乃がそれ以上は言わなくていいって…』 桐乃『ぐっ……そ、それはそうだケド!』 あやせ『ご、ごめんね桐乃?そんなつもりじゃなかったの……』 桐乃『う……ぐぐぐ……………………………そう……だね』 あやせ『えっ?』 桐乃『あたしもいい加減、兄貴離れしないといけないのかもしれない』 あやせ『桐乃……』 桐乃『でも勘違いしないで。あやせとの交際を認めたわけじゃないから。あやせが本気で兄貴と付き合いたければあたしを安心させてみなさい! あたしより兄貴のことが好きだと証明できたら交際を認めてあげる!』 あやせ『ええっ!?』 桐乃『でも残念だったね!あたしの方が兄貴のことを好き!生半可な覚悟じゃ相手にならないからね!!』 あやせ『あ、あたしだって負けない!いつかきっと桐乃に認めさせてみせるから!!』 桐乃『望むところよ!』 京介「あいつ、さっきから何を叫んでるんだ?」 おわり

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