無題:5スレ目639


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639 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 00:42:29.82 ID:FjFdm6o [2/18]
その日、いつもより少し早めに帰宅し、自室で受験勉強をしていた俺は、
呼び鈴のチャイムの音で玄関へと向かう。
玄関のドアを開けると、そこには女性に肩を支えられ、右足を庇うようにして車から降りる桐乃の姿があった。

「あっ、お兄さんですか?私、高坂さんの担任をしている者ですけど――」

話を聞くと、桐乃のやつは部活で足を捻挫したそうで、先生の車で家まで送ってもらったようだ。

「じゃあ、お兄さん、すみませんがよろしくお願いします」

桐乃を俺に託しそう言い残すと、先生の車は去っていった。
俺は桐乃に肩を貸してやり、玄関まで桐乃を誘導する。

「お前大丈夫かよ?」
「うん、骨には異常ないらしいケド……ちょっと自分じゃ動けそうにないの」

いつも強気の桐乃だが、さすがに参っているようだ。
桐乃の右足首には包帯が巻かれているが、その上からでもずいぶん腫れていることが判る。


641 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 00:48:11.46 ID:FjFdm6o [3/18]
困ったことに、今夜うちの両親は帰省していて、この家で桐乃の面倒を見られるのは俺しかいない。
今日はがっつり勉強をしようと思ったのに――という思いが浮かんだが、俺は頭を振って消し飛ばした。
いやいや、しょうがない、妹が困っているんだから兄が助けるのは当然のことだよな。

「今日は親父もお袋もいねえからさ、とりあえずメシどうするよ?」
「あっ、その前にさ…… あたし汗かいてるから、シャワー浴びたいんだけど……」

桐乃はソファーに横たわった状態で厄介な要求をしてきた。
まぁ、年頃の女の子だし、部活の汗を落とさないわけにはいかないんだろう。

「でもよ、患部は包帯してるから、濡れたらマズいんじゃないのか?」
「だからさ、右足のところをビニールとかで包んで、上手いこと濡れないようにしてよ」
「あ、そうか、なるほどな。ビニール、ビニールっと……」

俺はキッチンで適当な大きさのビニール袋を見つけると、ビニールテープとハサミを持って、
桐乃が投げ出してる足の近くに座った。


642 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 00:55:46.72 ID:FjFdm6o [4/18]
俺はビニール袋を広げると、桐乃の足先に近づけた。

「よし、ちょっと足を浮かしてみてくれ」
「えっと、こう?」

桐乃が足を浮かし、俺はその足をビニール袋で包んだ。
そしてなるべく空気を抜いて、脛の下の辺りでビニールテープを使ってぐるぐる巻きに固定する。

「いたたたた! ちょっとぉ!そんなにきつく縛ったら、ビニールに引っ張られて足首が動いちゃうじゃん!」
「あ、ああ、スマン悪かった」
「マジ痛いって……もっとやさしくやってよ」

俺は一度ビニールテープを剥がすと、次はもう少し余裕を持たせ、慎重にビニール袋を固定した。

「これでどうだ?」
「うーんと……うん、大丈夫みたい」

とりあえずファーストミッション完了、と言ったところだろうか。


643 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:03:25.32 ID:FjFdm6o [5/18]
だが、セカンドミッションはなかなかヘビーなものだった。

「じゃあ、ちょっと肩貸してよ」
「あいよ」

桐乃はソファーから上体を起こすと、俺の左腕を強く抱き寄せるようにして立ち上がろうとする。
妙にやわらかい妹の身体がしがみついてくるその感触に、俺は自身の血流のコントロールを意識することになっちまった……
静まれ静まれ……素数を数えるんだッ!

桐乃はふらつきながらも、なんとか完全に立ち上がり、ケンケンの要領でバスルームへ移動しようとする。
が、少し進んだところで動けなくなってしまった。

「お、おい、大丈夫か」
「あいたたたっ…… む、無理。跳ぶと足首に響いて痛い……」

桐乃はちょっと涙目になっている。うーん、これは困ったなぁ……


644 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:12:44.02 ID:FjFdm6o [6/18]
痛みで動けず、立ち往生の状態の俺達二人。
こういう場合ってさ、やっぱりお約束で――あれしかないよなぁ?

「しゃあないからさ―― おんぶしてやろうか?」

それを聞いた桐乃は、顔を真っ赤にして慌てている。

「ちょっ!? な、何言ってんのよ! そんなの恥ずかしくてできるわけないじゃん!」
「でもさぁ、 実際それぐらいしか方法ないだろ? ってか、恥ずかしいって言ったって誰も見てないし……」
「そういう問題じゃなくて!ってかあんたセクハラだってば!」

妹を背負うぐらいでなんでセクハラ扱いされなきゃならんのだろうか。
こいつも相当自意識過剰だよなぁ

「じゃあさ、子供抱えるみたいにして、前で……こういう風に抱えるか?」
「前で両手で…… ってそれお姫様抱っこじゃん! もっと恥ずかしいってば」

あああ、ホントめんどくせえ奴だぜ!


645 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:24:00.78 ID:FjFdm6o [7/18]
桐乃は少し考えた後、諦めたように言葉を搾り出した。

「……じゃあさ、おんぶでいい。お姫様抱っこよりは恥ずかしくないし……でも変なところ触んないでよね」

好意でやってやろうというのにこの態度だよ。まったく……
俺は桐乃を壁際で立たせると、その前にしゃがみ込んでおんぶの体勢をとった。
桐乃はおずおずと俺の両肩に手を置き、背中にもたれかかってくる。

実際おんぶしてから気付いたけど、確かにこの体勢は色々意識してしまうな……
俺の背中には何やらふくらみを感じるし、俺の両手は桐乃の太ももの裏をガッチリと掴んで支えている。
いかん、また血流が……

俺は雑念を振り払うように、大股でスピード上げてバスルームへと向かった。

「ちょっと、ちょっと、もっとゆっくり!怖いってば!」

おっと、背中の乗客からクレームが来ちまったよ。


649 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:33:17.98 ID:FjFdm6o [9/18]
なんとかバスルームに着き、脱衣所で慎重に桐乃を降ろす。
とそこで、俺と桐乃は同時にあることに気がついてしまった――

「「着替えどうしよう」」

こいつの下着類は2階の部屋にあるのだが、この足の状態で2階に上がるのは無理だろう。

「お前、今日は仕方ないからさぁ、同じ下着にしろよ」
「はぁ~? なに言ってんの。あんたじゃあるまいし、そんなの無理だって!」
「じゃあどうするんだよ」

桐乃は答えられず、困ったように俯いていたが、しばらくして顔を上げると、あり得ない一言を言い放った。

「あんた、あたしの部屋から下着取ってきてよ」

えええ!? マジかよ……


650 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:46:11.75 ID:FjFdm6o [10/18]
「その代わり、あたしの下着を見たら殺すかんね。 部屋に入って左のタンスの一番下に入ってるから、
 タンスの引き出し開けるときは目を閉じたままで、適当にブラとショーツを持ってくること」
「別にお前の下着を見たって、俺はなんとも思わねえって……」
「あたしが気にするの! ブラとショーツは後ろ手に持って、そのまま戻ってきて」

そこまで気にするものかねぇ
まぁ、仕方が無いので、俺は言われた通りに桐乃の部屋へと向かった。
そして部屋に入り、下着が入っているタンスと対峙する。
なんだろう、やっぱりちょっと緊張するな…… この中に女子中学生の下着が満載されているかと思うと、
物言わぬタンスから言い知れぬ威圧感が漂ってくる。

おっと、ここからは目を閉じないといけないんだった。
よく考えてみたら、別に目を開けたままでも下にいる桐乃にはバレっこないんだけどさ。
でも、それは桐乃も承知の上で、あんなルールを命じたんだろうからな。
兄として、妹との約束を破るわけにはいかない。

俺は律儀に目を閉じて引き出しを開けると、手探りでブラとショーツを探す。
うーん、どれもなんかフワフワしてる生地でよく分からないぞ……


651 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 01:56:45.93 ID:FjFdm6o [11/18]
目を閉じて引き出しの中をしばらく探った俺は、ブラのワイヤーの感触を頼りに、なんとか選別することに成功。
そして言いつけどおりにブラとショーツを後ろ手に持ち、桐乃の待つ脱衣所へと戻った。
桐乃は俺に後ろを向かせたままそれらを受け取る。

「あんた、こっそり匂いを嗅いだりしてないでしょうね?」
「しねえよ!」

桐乃はジト目をこちらに向けている。
まったく、なんて言い草だよ。そこはまず感謝の言葉だろっての。

「いつまでここに居る気? 服脱ぎたいから出てってよ」

ハイハイ、全くこいつってやつは……


652 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 02:13:46.46 ID:FjFdm6o [12/18]
桐乃がシャワーを浴びてるうちに、俺は近くのスーパーに晩メシの惣菜を買いに行った。
すると、そこで幼馴染の麻奈実とばったり出くわした。

「あ~、きょうちゃん。こんなところで会うのはめずらしいね」
「よう麻奈実、夕飯の買い出しか?」
「うん、そうだよ~ きょうちゃんも同じ?」
「ああ、今日はうち両親が田舎に帰ってるから、晩メシは惣菜で済まそうかと思ってさ」

それを聞いた麻奈実は、胸の前で手を合わせ、笑顔を浮かべた。

「あっ、それならうちで一緒に食べない?」

田村家での夕食――すごく心惹かれるお誘いだが、残念ながら今日は無理だよなぁ

「すまん。実は桐乃のやつが足を怪我しててさ。家で待ってるんだよ」
「ええっ、桐乃ちゃん大丈夫なの?」
「ああ、痛んではいるけど捻挫だから、そんなに酷くはないと思う」


653 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 02:22:40.48 ID:FjFdm6o [13/18]
「もし、きょうちゃんさえよかったら、これから二人のためにご飯つくりに行くけど……」

ああ、麻奈実……そいつは有難くて涙が出てきそうな提案だ。
だけどなぁ……桐乃が怪我して弱ってる状況に付け込むように、麻奈実を連れて帰ったら、
どんな面倒な反応されるかわかんねえからなぁ

「せっかくだけど、今日はやめておくよ。サンキューな、麻奈実」
「そっかぁ。じゃあ何かできることがあったらいつでも言ってね。桐乃ちゃんにお大事にね」

こういうときの麻奈実はあれこれ詮索せず、こっちの事情を察してくれる。
お前ってやつは本当に出来た幼馴染だよ。

俺は麻奈実の手料理を諦めた代わりに、半額シールのついた味気ない惣菜を適当に買い物カゴに放り込んだ。


654 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 02:25:35.10 ID:FjFdm6o [14/18]
家に帰ると、桐乃はまだ脱衣所にいるらしく、ドライヤーの音が聞こえてきた。

「おーい、帰ったぞー」

と外から声をかけると、すぐにドライヤーの音が鳴り止み、戸が開いた。

「あっ、おかえり。 もう出るから、もう一度リビングに運んでくれるかな」

もう2度目なので、さほど抵抗がなくなっているのか、桐乃の方からおんぶを要求してきた。
俺がまた桐乃に背を向けてしゃがむと、石鹸とシャンプーの香りをまとった桐乃が背中に乗ってくる。
シャワーを浴びた後なので、桐乃の火照った身体からの熱を背中越しに感じ、身体が密着していることをさっき以上に実感する。


――ええい、素数を数えろ!!


655 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59がお送りします 2010/12/29(水) 02:27:47.76 ID:FjFdm6o [15/18]
リビングのソファーに桐乃を座らせた俺は、買ってきた惣菜と、冷凍してあったご飯を順番にレンジで温め、
それらを桐乃の居るソファーの前のテーブルにせっせと運ぶ。
そんな俺を見て、桐乃がくすくすと笑う。

「なんか今日のあんたって、執事みたいだよね」
「しつじ?ってなんだよそれ」
「えー、知らないの? あれだって。執事カフェってあるじゃん? 『お帰りなさいませ、お嬢様』ってやつ」

要するにお嬢様のために甲斐甲斐しく働く男のことを指してるのか?
畜生、テメェいいご身分じゃねーか。

「ちょっとさー、言ってみてよ。 『お帰りなさいませ、お嬢様』って」
「言わねーよ! って誰がお嬢様だよ……」

こいつ、実はこの状況を楽しんでやがるだろ……?


726 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:03:54.78 ID:XU5hzOo [2/8]
我が家では、キッチン脇のテーブルで食事をすることがルールになっているんだけど、
今日ばかりは仕方ないので、俺も桐乃がいるソファーで食事することにした。
ソファーで桐乃と向かい合わせで座り、買ってきた惣菜をおかずにご飯をかき込む。
だけど、桐乃はちょっと食べにくそうにしているようだ。

「ソファーだと身体が沈み込んじゃうから、お箸伸ばすたびに前傾姿勢になって
 ちょっと足に響くみたい……」
「あっ、そうか、それは気付かなかったな。じゃあ食卓に移動するか?」

すると、桐乃は問い掛けには答えず、自分の座っている隣をポンポンと叩いた。
ん?そこに来いってことか?
俺が移動すると、桐乃は箸を置き、口を大きく開けた。

「もしかして……食べさせろってこと?」

口を開けたままで、うんうん、と頭を縦に振る桐乃。


727 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:05:29.56 ID:XU5hzOo [3/8]
仕方なく俺は惣菜を箸で摘み、妹の口に放り込す。桐乃はもぐもぐと満足そうに咀嚼している。
って、これじゃ俺が食えないじゃないかよ。

「ちょっとぉ~ 揚げ物ばっかり続けないでよ。ホラ、次はそっちのサラダ」
「へいへい、しょうがねぇなぁ……」
「なんかサ、こういうの悪くないね。 お姫様と召使いみたいな感じ?」

さっきは執事で今度は召使いかよ。
俺に言わせりゃ、お姫様ってよりも、ピーチクうるさい雛鳥に餌を与える親鳥の気分なんだけどさ。
こいつ、どんどん遠慮がなくなってきたな。


728 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:07:16.48 ID:XU5hzOo [4/8]
食事を終えた俺達はしばらくリビングでテレビを観たりしていたけれど、
いざ就寝となったときに、またまた高難度のミッションが発生した。
そういえば……こいつをどうやって2階に上げればいいんだ?

「……お前、今夜はリビングのソファーで寝るか?」
「えぇ~? そんなの無理。風邪引いちゃうって」

これは困ったぞ……
桐乃はモデルやってるだけあってスリムだけど、背負って階段を昇るのはなかなか厳しい。
そうは言っても、なんとかして俺が桐乃を上げる以外に方法は思いつかない。
とりあえず俺は桐乃をおんぶして階段の前まで運び、そのままの状態でしばし思案を巡らせた。

「このまま上がるのは危ないよなぁ」

おんぶのまま階段を昇ると、後ろに体重が掛かったときにひっくり返ってしまいそうだ。
となるとやっぱり……

「桐乃よ、さっきは却下されたけど、アレやるしかねえよな?」
「アレってなんだっけ?」
「前で抱える持ち方……」

そう、つまり“お姫様抱っこ”で昇るしかない。
それなら前に体重が掛かるから、もしバランス崩したとしても、階段を落ちるようなことは無いだろう。


729 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:08:02.77 ID:XU5hzOo [5/8]
「そ、そうだね。仕方ないし、恥ずかしいけど……お姫様抱っこでいいよ」

桐乃も諦めがついたのか、意外にも素直に応じた。
俺は一旦桐乃を降ろし、後ろから背中と膝の裏の辺りに手を添える。

――すると桐乃は、俺の首を抱えるように両手を回してきた

うおっ!?
自然と互いの顔は接近するわけで、それに驚いた俺は思わず後退りしてしまった。

「いたた……ちょっとぉ!急に離れないでよっ!」
「す、すまん。って、いきなりあんなことされたら誰だって驚くだろ!」
「はぁ~?お姫様抱っこってそういうものじゃん。何、あんた、意識しちゃったの?ぷぷ」

そ、そういうものなのか……?
確かに、そう言われればそんな気もしてきた。
どうやら俺は、想定外に恥ずかしいことを提案していたようだ。


730 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:09:37.24 ID:XU5hzOo [6/8]
気を取り直し、また俺は桐乃に手を沿え、桐乃は俺の首に両手を回す。そして互いの顔が接近する。
くっ……侮っていたぜ、お姫様抱っこって奴をよ……! これは相当恥ずかしい。
俺は精神統一してから桐乃を抱き上げ、少し身体を斜めにずらした状態で少しずつ階段を昇っていく。

「これなら何とか昇れそうだな」

それにしても桐乃の顔が近い。
これで意識するなというのが無理な話で、だんだん顔が熱くなっていくのを感じる。

「あんた……なに顔を赤くしちゃってんのよ?」

いや、そう言うお前の顔だって、しっかり紅潮しているじゃねえか。
っていうか、そういうツッコミは自重してくれっての……変な雰囲気になるだろ。

「うっせえ、お前が予想外に重かったから血が上ってるんだよ」
「な、なんですって!? あんた年頃の娘に重いとかデリカシーなさすぎ!」

と、そんな罵りのやり取りで何とか場をごまかし、俺は桐乃を無事部屋まで運びきった。
ようやく俺のミッションがすべて終わった。本当にお疲れ様だよ、俺……。


732 名前: ◆kuVWl/Rxu 2010/12/30(木) 18:13:02.88 ID:XU5hzOo [7/8]
翌日には両親が帰ってきたので、俺による桐乃の介護の負担は激減した。
家の中ではお袋が面倒を見ているし、通学は親父が車で送り迎えして、松葉杖も使って一人で歩けているようだ。
一週間もすると、少し足を庇うようにしてではあるものの、松葉杖なしで歩けるようになった。

だけど、相変わらず階段を昇るときだけは俺を呼び、例のお姫様抱っこを要求してくる。
階段だけは万が一にも足を踏み外したらいけないから、というのが桐乃の言い分なんだけど、
あれは体力的に結構キツいし、第一恥ずかしいから、なるべくやりたくないんだけどさ……
こないだも、それを見たお袋に、

「あら~~ あんた達ってずいぶん仲が良くなったのね。怪我の功名かしら」

なんて冷やかされる始末だし。
一体いつまでこの辱めを受けることになるのだろうか。

と、そんな俺の気持ちなんて知るよしもない桐乃は、いつものように階段の下で俺を呼び、
両手を大きく広げて待ち構えている。

まったく……本当に世話の掛かる妹だよ。




END
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