無題:5スレ目803


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803 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q :2010/12/31(金) 05:53:11.30 ID:tEufFtQ0

俺は妹とデートの待ち合わせをしていた。
え?また芝居をしてるのかって?いやいやそうじゃないんだ。
今度はこの日だけは正真正銘、桐乃を彼女のつもりで待ち合わせしてる。
九時半に前に待ち合わせした場所に到着した時にはもう彼女は
そこに立っていた。
「悪いな待たせたか?」と俺
「ううん、全然!」
ライトブラウンの髪の毛、しなやかに伸びた足、均整の取れた身体。
いつも見慣れたモノなのだが今日ばかり少しばかり違う感じがした。
「今日のおまえが今まで見た中で一番綺麗だ」
普段なら絶対言わない様な台詞を言う俺。
でも愛しい彼女が俺の為にお洒落してるなら褒めるのは当然だろ?
「お兄ち…京介もカッコイイよ」
照れくさそうに頬を赤らめて言う桐乃。
俺も恥ずかしいが今日だけは頼りになる兄貴じゃなく男として
桐乃をリードするつもりで桐乃の手を握った。
まだやっぱり芝居してる様に見えるかい?
どうせまた桐乃にお願いされて無理矢理デートしてると思ってる奴も
いるかも知れない…でも今日のこのデートだけは正真正銘200%
ただならぬ関係なんだけどな。
~~~


804 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q :2010/12/31(金) 05:55:30.74 ID:tEufFtQ0
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…「桐乃 俺と付き合ってくれないか?」
一瞬何を言ったか理解出来ない感じで桐乃は俺の目を見た。
でも驚いてはいるけど、不審や不快感の色は見えない。
「え…えと」
「やっぱりダメか?」
「お兄ちゃん、黒いのと付き合ってるでしょ?」
自然にお兄ちゃんと言葉にする桐乃。今までの俺ら兄妹の
関係を知ってる奴が見たら違和感を覚えるだろうな。
そろそろ呼び慣れた響きの言葉を聞きながら、俺は少し微笑んで
「ああ でも桐乃が中学を卒業する記念に何かプレゼントしたくってな。
けど相変わらず俺はセンスないだろ?だから一日だけ恋人気分で
デートしながら何か買ってプレゼントしたいんだ!」
前の俺だったら自分がセンス無いとか格好悪いとか口が裂けても
拷問されても言わなかっただろうな…。
桐乃の顔を見たが何と言って分からない様な表情だったが
絞り出す様に
「えと…黒猫は知ってるの?あたし達、色々有ったけど今は黒猫と
お兄ちゃんの仲…応援してるんだよ?だから…やっぱり」
拗ねた様な困った様な顔をする桐乃
「もちろん、納得してるよ。まぁあの性格だから色々言われたけど
大丈夫だって」
~~~


806 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:00:51.00 ID:tEufFtQ0
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「と言うわけなんだ、瑠璃」
俺は黒猫とカフェで紅茶を飲みながら今回の事を切り出していた。
「京介も相変わらず重度のシスコンの様ね…」
怒っているわけでも不機嫌なわけでもない、何かを思案してる時の
黒猫の顔だ。付き合っていると分かる事がある。それは"闇の力"ではない。
黒猫と俺が不器用ながらも着実に二人の関係を進展させてきた結果だ。
「やっぱり今の私の魔翌力程度では…救いきれない…のかしらね」
黒猫の中二病的言動はいまだに健在だ…でもひとつだけ大きく変わった事が
ある。俺らがお互いを”京介””瑠璃”と呼び合う事…。
そして黒猫も少しだけ変わった。もちろんバジーナや桐乃と集まる時やゲーム部の部活動の時など親しい人が相手の場合は相変わらずなのだが、初対面の相手
などには魔翌力や闇の力とやらを向けることは無くなった。
黒猫曰く『あなたの相手をするのにはかなりの魔翌力を消費するのよ』だとか
『私の呪いは一生解けない上に段々強くなるのよ。だから分かってる?
京介は私となるべく会わないと、全身から血を吹いて死ぬわ。
会えない時でも必ず連絡は取るのよ。さもないと…』これって
愛されてるんだよな?死ぬほど愛したいって言うけど黒猫のはなかなか
強烈だ。出会った頃の事を思い出すと不思議な気分になるものだが
俺も死にたくはないので黒猫の呪いに喜んで答える様にはしている。
「それでやっぱりダメか?」
愛しい彼女に妹と本気でデートしてくるから許可くれってのも
なかなか体験出来ない事だろう。こんなレアな緊張はそうそうないぜ。


807 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:04:57.40 ID:tEufFtQ0
「きっとあなたは私が許可しなければ、隠れて会ったりはしないと
分かっているわ。…それに私を信頼してちゃんと正直に話してくれた
事も嬉しかったわ。」
「それなら良いのか?」
俺は無罪判決を言い渡されたが半信半疑の状態の被告の様な目で
黒猫を見た。
「勘違いしないで頂戴…私は京介が私とデートしてるのに可愛い、可愛い
妹さんの事で頭がいっぱいなのが嫌なの」
そこまで言うと一呼吸置いてからこう言った
「私の魔翌力では無理の様だから、自分で克服してきて頂戴。その代わり
チャンスは一度よ?分かったかしら?」
「瑠璃はやっぱり優しいな、俺はおまえのそういう所が好きなんだ!」
店内の周りの客に聞こえるくらい大きめの声でそう言った。
顔を耳まで赤くさせてほとんど聞こえるか聞こえないかくらいの
声で黒猫が言った
「違う、違うんだから。京介の為じゃないわ、私の…」
俺は手を握りなら
「照れてるところも相変わらず可愛いな!」と言うと
「違うって言ってるでしょ…それ以上言うと本当に呪うわ、
もっともっと呪うわよ?!」
天使の様な顔と天使の様な声で祝福する様に黒猫が言った。
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808 :地巫女 ◆LX/rG1c81Q [sage]:2010/12/31(金) 06:07:09.34 ID:tEufFtQ0
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俺は本当に黒猫との仲を心配している桐乃の頭の上に手をのせて
撫でた。桐乃が不機嫌になったり、不安な時にいつもよくやるあれだ。
「大丈夫!桐乃は心配しないでくれ。言い訳するみたいだけど
本当は俺が桐乃とデートしたったんだから!」
本末転倒の様な気がするが頼りのなる兄貴の様な気分で言った。
「…うん。有り難うお兄ちゃん」
と俺が握った手を強く握り返したが握力と反比例して声はか細く
弱々しかった。
「今日は俺はおまえの彼氏なんだぜ?兄ちゃんは辞めてくれよ!」
「分かった…京介…行こ…」
未来都市めいたモノレールと快晴の空…そしてとびっきりの笑顔の
横顔を見て俺は一生この瞬間を忘れないと誓い思った。
俺の妹は可愛い!世界で一番可愛いのだ…そして今日だけはこの時だけは
桐乃は…俺の彼女は世界で一番可愛い!

終わり
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