京介「もう桐乃を殺るしかない……」

1 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 00:59:21.29 ID:H31Dt9kp0
京介はノイローゼになった。
自由奔放で傍若無人な妹に振り回され続け、
心身ともに疲れきっていたのだ。

しかし、そんな彼を労うことなく
桐乃の態度は日に日にエスカレートしていき
京介はついに我慢の限界を超えた。

そして……。


京介「きりのー、下に降りて来いよー、麻奈実がおいしい料理作ってくれたぞー」

9 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:17:29.56 ID:H31Dt9kp0
30分前

麻奈実「ねぇ、京ちゃん。本当にこのカレーの中に洗剤入れるの?」

京介「ああ、本当だ」

麻奈実「でも、こんなに入れたら味でわかっちゃって桐乃ちゃん食べてくれないかも……」

京介「そん時は無理でもあいつの口の中に押し込んで入れる」

麻奈実「京ちゃん……」

京介「麻奈実、悪いが俺は本気だ」

11 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:22:14.38 ID:H31Dt9kp0
京介「こうすることしか思いつかない不甲斐ない兄だと笑ってくれていい」

麻奈実「そんなことないよ! 京ちゃんはよく頑張ったほうだと思うよ!」

京介「そうかな……」

麻奈実「あんな自分勝手な桐乃ちゃん相手でこんなにもったんだもん!」

京介「麻奈実……。桐乃は何一つ労いの言葉をかけてくれなかったのに
    お前って奴は……」

麻奈実「心配しないで、京ちゃん。いざというときは、私が京ちゃんのかわりに罪をかぶるからね」

京介「麻奈実ー!」

16 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:33:16.65 ID:H31Dt9kp0
――――――
―――



桐乃「何、呼んだ?」

京介「ああ。だから麻奈実がお前のために料理をだな」

麻奈実「おじゃましてます、桐乃ちゃん。また来ちゃった」

桐乃「……」

桐乃「また、アンタ? ったく、アンタって見るたびに
   こっちの気分がしらけるのよね。まぁ、いいけど。フンッ」

麻奈実「え、えへへ……」

京介「……」イラッ

19 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:38:49.19 ID:H31Dt9kp0
京介(我慢しろ、俺。今日で、今日でこんな奴とは……)

京介「それでよ、ほら。麻奈実がな、お前にカレー作ってくれたんだよ」

麻奈実「勝手に家におしかけちゃったみたいだから、そのお詫び。どうぞめしあがれ」

桐乃「……いらない」

京介「なんでだ!?」

桐乃「だって昨日もカレーだったじゃん。飽きた」

23 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:45:14.16 ID:H31Dt9kp0
京介「しまった。そうだった!」

麻奈実「ど、どうしよう、京ちゃん……」

桐乃「それとさ、私今から合宿で三日ほど留守にするから。
   引き止めないでくれる。あんたらと違って忙しいの」

京介「そんな話、初耳だぞ……」

京介(まずい……せっかく腹を決めて思い立った計画だったのに
   三日とか微妙な時間おかれたら絶対宙ぶらりんになる)

桐乃「それじゃいってくるから」

京介「ちょ、ちょっと待て……!」

24 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 01:51:44.02 ID:H31Dt9kp0
京介「ま、麻奈実、何かいい方法ないか!?」

麻奈実「え、そ、そんなこと言われても。えっと、えっと!」アタフタ…

麻奈実は台所の引き出しからアイスピックを持ち出し
大慌てで玄関に向かった。

麻奈実「き、桐乃ちゃん」

桐乃「なによ!? あんたの料理は食べないって言ったで……」

ブスッ

桐乃「うぐぁっ」
ドタッ

麻奈実「……こ、これでよかったんだよね? 京ちゃん」

33 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02:08:02.63 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「きょ、京ちゃん……?」

京介「……」

間接的な殺害方法しか考えていなかった京介にとって
今の光景は信じがたいものだった。


桐乃「い、い、いたぁい……いたい。ちょ、ちょっと、あ、あ゛んた……どういうつもり……よ!」

傷口を手で押さえなら、あふれる血だまりの床にのた打ち回る桐乃。
もがき苦しみながらも悪態をつく。

麻奈実「や、やっぱりまずかったかな……?」

京介「いや、そんなことは……ない」

43 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02:15:14.67 ID:H31Dt9kp0
桐乃「な、なにぼっとしてるのよ゛……! は、ばやくきゅうきゅうじゃを゛……よ、よ、よびなさいよぉぉ、うぅ!」

京介「……」

麻奈実「京ちゃん、この次はどうすればいいの……?」

京介「……」



京介「刺せ」

桐乃「っ! ちょ、あんたぁ゛……!」

55 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02:23:17.39 ID:H31Dt9kp0
京介「ここまでやっちまったら、仕方ねぇよ……。刺せ、麻奈実」

麻奈実「ほ、本当にそれでいいんだね? 京ちゃん」

京介「ああ」

桐乃「じょ、じょうだんでし……ごほっげぼっげぼっ」

京介「苦しそうだから、一突きで楽にしてやれ……。できるか、麻奈実」

麻奈実「う、うん。京ちゃんと桐乃ちゃんのためだもんね、やってみる!」

桐乃「や、やめっ……やめっ、こない……でっ」

70 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02:32:42.06 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「えいっ!」

ブスッ プシュウウウウウウウウゥゥ……

桐乃「あああああ゛ぁ゛ぁ゛……あぅはぅはぅ……いた゛い、うでェ!」

京介「お、おい、何腕に当ててんだ!? 」

麻奈実「ご、ごめんなさい! 胸を刺そうと思ったのに、
    桐乃ちゃんが動いて腕に……」

京介「今の声、近所に聞こえなかったろうな……」

麻奈実「つ、次こそは胸に当てるから!」

京介「頼むぞ……」

桐乃「いやぁ……いやぁ゛ぁ゛!!」

84 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02:55:32.18 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「桐乃ちゃん……お願いだからじっとしててね。すぐ終わるから」

ガシッ

麻奈実「桐乃……ちゃん?」

桐乃「い、いい、い゛いかげんにぃ……はぅはぁう゛ぁ」

桐乃は、自分の胸へ向けて麻奈実がゆっくり
突き出してきたアイスピックの刃の部分を両手で抑えることに成功した。

京介「何もたもたしてんだ、早くしねえとお袋共が帰ってくる!」

麻奈実「でもでも、桐乃ちゃんがアイスピック離してくれなくて……うーん!」

京介「もっと引っ張れ! 力づくでぶんどるんだ!」

麻奈実「うーん! うーん! それっ!」

グリグリ  ペリッ!!

桐乃「! がああぁ! ぁぁぁぁ! あああ゛ぁぁあ゛!」

京介「こ、今度はなんだ!?」

麻奈実「あわわ……。奪い合ってたら、刃の先が桐乃ちゃんの
    爪の穴にめり込んでそのまま爪がはがれちゃったよー!」

96 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 03:17:56.85 ID:H31Dt9kp0
京介「もういい! 俺が殺る!」

麻奈実「だ、ダメだよ! 京ちゃんが殺ったら、京ちゃんが犯罪者になっちゃう!」

京介「いや。もうすでに俺も犯罪者だ。なら、もう俺自らの手で妹を殺す。
   こういう殺し方はあまり気が進まなかったがこうなったら俺がするしかないだろ!」

麻奈実「今度こそ私がちゃんととどめを刺すから。だから京ちゃんは!」

京介「いや、これはもともと俺と桐乃の問題だ。関係のないお前が
   手を汚すことはないんだ!」

麻奈実「そ、そんなことないよ。私の大好きな京ちゃんのためだもん。
    それくらいの覚悟はできてるよ。だから心配しないで、ね?」

京介「麻奈実……麻奈実ぃ!」

麻奈実「京ちゃん!」

グリグリグリ

桐乃「あぐああ゛ぁ゛ぁ……ああぁがいぐぁっ!」

京介「おい、麻奈美! 踏んでる! 桐乃の傷口えぐってるって!」

麻奈実「あっ! 桐乃ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい!!」

100 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 03:27:05.96 ID:H31Dt9kp0
京介「ま、まずい。マジでそろそろお袋が帰ってくる!」

麻奈実「え、え。ど、どうしよう!」

京介「とりあえず、二人で桐乃を風呂場に運んで
   血まみれの玄関を急いで掃除しよう!」

麻奈実「うん、わかった! 桐乃ちゃん、暴れないかな……」

桐乃「……」

京介「あれだけ痛めつけちまったから失神したようだ。運ぶなら今しかない、急げ!」

102 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 03:32:24.84 ID:H31Dt9kp0
ゴシゴシゴシゴシ

京介「なんとか間に合えばいいが……」

麻奈実「ダメだよ、京ちゃん。においの方がなかなか消えないよ……」

京介「確かに。いくらなんでもこのにおいは絶対おかしく思われる!」

麻奈実「あんなに桐乃ちゃん、血流しちゃったもんね……」

京介「どうする……どうすりゃいいんだ」

116 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 03:50:12.68 ID:H31Dt9kp0
数分後

京介母「ただいまー」

京介「お、おかえり……」

京介母「何よ、玄関で待ち構えたりしちゃって。変な子ね」

京介「そ、そうか? あはは……!」

京介母「あら? 何か変なにおいがするわね」

京介「どきっ。えっと、それはだな……」

120 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 03:52:23.22 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「ご、ごめんなさい。きっと、これのにおいだとぉ」

京介母「あら、麻奈実ちゃんも来てたのね……って、あらやだ。
    くさやじゃない、くさっ! なんで、玄関にそんなもの置くの!」

麻奈実「えっと、それは、その……」

京介「風水で玄関に置くのがいいって聞いたからよぉ!」

京介母「そうなの? でも、いくらなんでもくさいから早く片付けちゃってよ」

京介「わかったわかった」

京介「サンキュー、麻奈実。助かったぜ」

麻奈実「えへへ……。危なかったね」

129 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 04:09:57.61 ID:H31Dt9kp0
京介「でも、まだ油断はできない。風呂掃除や水を張るのは俺が
   引き受ければいいとしても、夜入浴するとき絶対ばれる……」

麻奈実「それまでになんとか、桐乃ちゃんを風呂場から移動させて
    別の場所に移さないとね」

京介「ああ。とにかく風呂場に何かあるって勘ぐられないようにしなきゃいけねえな」

麻奈実「そだね。京ちゃん、何か今私にできることある?」

京介「それじゃあ、こっそり風呂場に行って桐乃にさるぐつわしてきてくれないか。
    失神中の間にしておかねえと、意識が戻った後に桐乃が騒ぎかねないからな」

麻奈実「うん、わかった!」

132 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 04:26:10.64 ID:H31Dt9kp0
風呂場

桐乃「……」

麻奈実「桐乃ちゃんが起きませんようにー」

シュルシュルシュル ギュッ

麻奈実「ふぅ。よし、できた。とりあえず口はふさいだから一安心なのかな」

桐乃「……んぐっ!?」

麻奈実「あ、もしかして起きちゃった!?」

桐乃「んぐぁ……んぐぅー!!」

麻奈実「ごめんね、桐乃ちゃん。もう少しの辛抱だからね。がんばって!
    あ、そういえば、京ちゃんに玄関のくさやを捨てるようにも頼まれてたんだっけ。
    えーっと……。とりあえず、ここに置いておけばいいかな」

プーン

桐乃「んがぁーんがぁぁ゛ぁ゛!!」

麻奈実「それじゃ、桐乃ちゃん。また来るからね」

プーーーーーーーーーーーン

桐乃「んぐああ゛ぁ゛! んぐげあぁぁ゛ぁ゛!!」

215 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 14:59:27.47 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「京ちゃん。桐乃ちゃん、意識戻っちゃったみたいだよ」

京介「何、本当か!?」

麻奈実「でも、大丈夫。その前にちゃんと、さるぐつわ噛ましておいたから。
     それとついでに両手と両足も縛っておきました! 這いつくばって
     お風呂場から出ちゃったら困るかもって思って」

京介「そうか、気が利くな。助かる……」

216 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:01:25.03 ID:H31Dt9kp0
京介「後は機会を窺って、なんとか夕方までには桐乃を別の場所に移そう」

麻奈実「別の場所ってどこかな……?」

京介「……。悪い、思いつかん」

麻奈実「京ちゃーん……」

京介「えぇい。とりあえず庭の物置だ! あそこなら風呂場に置くよりは見つかる
   危険は少なくなるはずだ。物置の後どこに移すかは、またそのときに考えりゃいい!」

219 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:07:38.31 ID:H31Dt9kp0
京介「とりあえず俺は一階でお袋を監視して、なんだかんだ理由をつけて
   風呂場に行かせないようにする」

麻奈実「じゃあ、私も京ちゃんと一緒に」

京介「いや、いくらなんでもよそ者のお前と二人で意味もなく一階をうろうろしてたら
   逆に怪しまれる。だからその間お前は、二階の俺の部屋で大掃除用の
   大きなビニール袋を探しておいてくれ。物置に桐乃を移すとき
   血が垂れないようにその中に詰めるから」

麻奈実「京ちゃんの部屋にあるんだね?」

京介「多分。俺の部屋になければ桐乃の部屋も探っていいから。とにかく
   手ごろな大きさの袋を見つけておいてくれ」

麻奈実「らじゃ!」

221 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:10:45.91 ID:H31Dt9kp0
京介「さてと、監視するといったもののどうすりゃいいか」

京介「やっぱ怪しいよなぁ……」

京介母「さてと」

京介「ど、どうしたんだ!?」

京介母「どうしたって、そろそろお風呂場の掃除でもしようかなって」

京介(げっ。早速、きやがった!)

222 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:13:09.40 ID:H31Dt9kp0
京介「い、いや。風呂掃除なら俺がやっておくよ!」

京介母「あらめずらしい。でもいいわよ。せっかく麻奈実ちゃんが
    遊びに来てるのに退屈でしょ」

京介「いやいや! だから、それはだな……」

京介母「……。ははーん、わかったわ」

京介「えっ。なにが!?」

223 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:16:59.07 ID:H31Dt9kp0
京介母「麻奈実ちゃんに家庭的な男だってところ見せておきたいのね」

京介「え、あ……。実はそうなんだよー! あはは!」

京介母「やっぱり。なんだー、あんたも少しは可愛いところあるじゃない。
    そういうことだったら、お母さんも協力するわよ。それじゃ
     しっかり風呂掃除やっておくのよ!」

京介「お、おう!」

京介「……とりあえず、恥はかいたが助かったな。
   一応、様子見がてら風呂場に行ってみるか」

228 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:32:15.65 ID:H31Dt9kp0
風呂場

プーン

京介「うぉ、くせぇ!! なんだこのにおい……。この世のものとは思えん! 鼻がひん曲がる!」

京介「なんで、こんな所にくさやが置いてあんだよ……。うげぇ!」

京介「こんなもの!」

京介は風呂場のくさやすべてを浴室の窓から投げ捨てた。

京介「おかしいな。全部取り払ったのに、まだ微妙ににおう……。まだにおいが残ってんのか、いや」

浴室に入ってから、床のくさやの方にしか目を向けていなかった京介だったが
すぐに桐乃が入れられている風呂桶の中を覗き込む。すると……。

236 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:43:33.55 ID:H31Dt9kp0
桐乃「んぐ……がぁ……あがぁあがぁ」ピチョピチョ…

京介「こいつ、吐いたのか……」

風呂桶には血だまりとは別に嘔吐物らしきものも微量に溜まっていた。
恐らくくさやの悪臭が漂う密閉空間の中に放置されたため、催したのだろう。
猿轡をされた彼女の口のわずかな隙間から顎をつたって滴り落ちている液体がそのことを物語っている。

桐乃「んぐぁ……はぐぁ……うぁ」

京介「おいおい……。と、とりあえず、念のため新しいさるぐつわをかませるか」

桐乃「んぐぁ……あぐっあぐぁ゛」

京介「いいか。もし、かえてる最中に大声なんか出したら……こ、これだからな!」

京介は桐乃の目の前にアイスピックを差し出し脅しをかける。

桐乃「んぁっ!」ビクッ

241 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 15:52:35.42 ID:H31Dt9kp0
京介「それじゃあ今からさるぐつわを解くからじっとしてろよ」

シュルシュルシュル 

桐乃「ぷはっ……はぁはぁぅ、げほっげぼっ」

京介「よし。後はさっさとかわりのを噛ませて……」

桐乃「うぁ……ね、ねぇ゛」

京介「な、なんだよ……?」

桐乃「お……おねがい゛……やめ、やめっ、や゛めで」

245 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 16:00:01.41 ID:H31Dt9kp0
京介「くっ! 何を今さら言ってやがる。お前のせいで、俺は毎晩ろくに眠れず悩まされて……!」

桐乃「い、いま゛まで……しだことぉ、げほっげぼっ! ぁ、あ、あや……まる、からぁ゛」

京介「桐乃?」

桐乃「ほんどうにぃ゛……ご、ごめん゛」

桐乃「だ、だか、ら……ゆ、ゆるして゛……くる、ぐるぅ゛じいの……うぐぁが」

桐乃「じにたぐない……はぁはぅ」

京介「なっ!」

今にもうつろになりそうな目に涙を溜めながら、京介を見上げ許しを請う桐乃。
その彼女のあまりに惨めな姿を前に、京介は一瞬心が揺らいだ。

京介「俺はもしかして、とんでもないことをしているんじゃないのか……」

257 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 16:12:27.78 ID:H31Dt9kp0
京介(そもそも今までこいつを殺す機会はいくらでもあった。
    現に今、口を塞いだ後で桐乃を殺せばそれで目的は達成だ。
    それでもなお躊躇しているのは、俺が殺人者になるのを
    恐れていることだけではなく、俺はこいつに未練があるって
    ことじゃないのか……)

京介「いや、そんなはずはない……。俺を散々苦しめたこんな悪魔に
   未練なんて、だけど!」

桐乃「おね、おね、おねがい゛……だずけ……で」

京介「くそっ! 一体俺はどうすればいいんだ……!」

麻奈実「あのぉー、京ちゃん……。今、お取り込み中?」

京介「麻奈実!?」

267 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 16:31:43.43 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「ちょっといいかな?」

京介「ビニール袋は見つかったのか?」

麻奈実「あ、うん。そっちの方はちゃんと京ちゃんの部屋で
    見つけておいたから大丈夫だよ」

京介「そ、そうか」

麻奈実「それでね。袋を探してたら実は二人の部屋でちょっと
    気になるものがあったから京ちゃんに聞きに来たんだけど……」

京介「気になるもの? なんだよ、そりゃ」

麻奈実「えっと、まず一つはこれなんだけど……///」

京介「げっ。エロ本!? なんで! 今度こそは絶対見つけられないようにと
   厳重に奥に保管しておいたはずなのに! まさか、袋探すのにあんな
   所まで引っ掻き回しちゃったのか!?」

麻奈実「ううん。また、わかりやすいところに置いてあったよ。机の上だったかな。
    それでね、せっかくだからどこか別の場所に整理してあげようかなって思ったんだけど、
    どうかな? 京ちゃん」

京介「バカな。そんなはずは……はっ! そうか、またお前なんだな。桐乃ぉ!」

桐乃「ひぐっ、い、いや゛」

272 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 16:43:14.20 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「それで、もう一つの気になるものなんだけど……」

京介「おい、桐乃」

麻奈実「京ちゃん?」

京介「あやうく、お前にだまされるところだったよ。
   そうやって都合のわりぃときにだけ泣き顔で甘えるなんて
   お前の十八番だからな。ぶざけやがってよ!」

桐乃「やめ゛……やめ゛ぇ゛!」

京介は怒りに任せ、思い切り桐乃の腹部を蹴り飛ばした。

ドスッ

桐乃「ぐああふぅっ! うぇ゛っほうぇ゛っほ! はぁはぁ、あぅぁ」

麻奈実「きょ、京ちゃんダメだよぉ! く、口塞いでからじゃないと。聞こえちゃう」

京介「あ、いけね。そうだった!」

277 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 17:02:29.19 ID:H31Dt9kp0
シュルシュルシュル ギュッ

桐乃「んぐぅーんぐぁ……」

麻奈実「よし、これで完了~」

京介「俺としたことがついカッとなっちまったぜ」

麻奈実「これからは気をつけてね、京ちゃん」

京介「ああ。それじゃあまりこんな所に長居してると
   不審がられるから風呂掃除は終えたってことで
   そろそろここから出るか」

麻奈実「そだね」

京介「これから俺は、引き続き監視と警備をするから
   その間お前は俺の部屋にでも居て待機しておいてくれ」

麻奈実「うんっ。何かあったらいつでも呼んでね」

京介「桐乃。人気のない場所に移し終わったら絶対おめぇを殺すからな。
   今のうちに覚悟しておけよ」

桐乃「ん、んぐぁ……はぅはぐぅ!」

282 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 17:20:26.23 ID:H31Dt9kp0
夕方

京介「くそー、もうあれから結構経つのにお袋の奴
   全然出かけようとしねぇ……」

京介「買い物でもいいからとっととどっか出かけてくれよ、頼むから」

京介母「何、さっきからブツブツ言ってるのよ?」

京介「あ、いや。なんでもねぇ!」

京介母「変な子」

京介(……。早くしないと親父が帰ってきてますます面倒なことに)

親父「ただいまー」

292 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 17:32:12.24 ID:H31Dt9kp0
京介「げっ」

京介母「あら。おかえりなさい。今日は早いのね」

親父「朝にちゃんと言っておいただろ」

京介母「あら、そうだったかしら。ごめんなさい」

親父「まったく」

京介母「先にご飯にする、それともお風呂?」

親父「そうだな。外が随分冷えてたからな。先に風呂にするか」

304 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 17:42:34.96 ID:H31Dt9kp0
京介「ま、待てよ親父!」

親父「なんだ?」

京介「そんなこと言わず飯にしとけって!」

親父「なぜだ?」

京介「なぜって、そりゃ……。そうそう、麻奈実が作ってくれたカレーがあるんだよ!
   だから、それを先に親父に食ってもらいたいなぁーとか思ってよ」

京介母「台所にあったカレーって麻奈実ちゃんが作ったものだったのね」

京介「そ、そうなんだよ。実は」

親父「麻奈実ちゃん……というと、小さいとき京介とよく遊んでいたあの子か」

京介「あ、ああ。久々にウチに来てるんだよ」

315 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 17:52:57.18 ID:H31Dt9kp0
京介「きっと麻奈実もいち早く、親父やお袋に食べてそういうことだから、な」

親父「うむ。まぁ、そういうことなら」

京介母「先に麻奈実ちゃんのカレーいただきましょうかね」

京介「ふぅ、助かった……」

麻奈実「京ちゃん、どうかしたの?」

京介「親父が帰ってきた」

麻奈実「えぇー。ど、どうしよう!?」

京介「ああ、心配するな。なんとかうまく食事の方に誘導したから
    大丈夫だ。あの二人が居間で飯食ってる間にこっそり
    桐乃を運べば万事おっけーだ」

麻奈実「おぉー。さすが京ちゃん、頭いい」

326 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 18:05:30.66 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「今日の京ちゃんちの夕ご飯がよっぽどおいしそうな献立だったんだねー」

京介「何言ってんだ。お前の作ってくれたカレーが利いたんだよ」

麻奈実「え?」

京介「本当に助かったぜ。麻奈実に感謝だな。それじゃあ、さっさと
   食い終わってない間に桐乃を運んじまおうぜ」

麻奈実「きょ、きょっ、京ちゃん……!」

京介「どうした?」

麻奈実「そのカレー……せ、洗剤たっぷりカレーだよぉ」

京介「……。し、しまったぁ!」

336 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 18:21:27.02 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「も、もう食べちゃってるよね!?」

京介「わからん。頼む間に合ってくれぇー!」

ガチャ

京介「親父っ! そのカレー食っちゃ……!!」

親父「うん。これはうまいな」
クチャクチャ

京介母「本当。麻奈実ちゃん、料理がお上手ね~」
モチャモチャ

京介「食っちまった……のか?」

京介母「あら、京介。すっごく、おいしいわよ。麻奈実ちゃんのカレー。
    あなたたちの分もよそる?」

麻奈実「えーっと。体調の方は大丈夫ですかぁ……?」

京介母「体調? 別に何ともないけど」

親父「おかわりをくれ」

345 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 18:35:20.51 ID:H31Dt9kp0
京介「どうなってるんだ? そもそも洗剤カレーなんておいしいわけがない……」

麻奈実「あ、もしかして!」

京介「な、なんだ!?」

麻奈実「やっぱり……。あの根、京ちゃん。
    私、間違えて洗剤じゃなくてお酒をカレーに入れちゃったんだ」

京介「マジか? 酒と洗剤を間違えるって……」

麻奈実「私の家、使い古しの空ビンとかによく別のもの詰め替えるから。うっかり、えへへ……」

京介「……。まぁとりあえず、そのおかげで大事にはならなかったが」

353 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 18:48:03.17 ID:H31Dt9kp0
親父「なんだ……急に気分がよくなってきたな……ウィ///」

京介母「あら本当……なんかこの感じ、若いときを思い出すわん……ヒクッ///」

京介「お、おい。どうしたんだよ? 変だぞ。酔ってるのか?」

京介母「ねぇ、あなた……今日は久しぶりにあの頃みたい二人で過ごさない……?///」

親父「お前がそこまで言うのなら……今夜は寝かさん……」

京介母「それじゃあ、京ちゃん。今夜は留守番よろしくねー」

京介「お、おいこら。どこへ行く気だ!?」

京介母「い・い・ト・コ」
バタン

363 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 18:56:44.00 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「行っちゃったね……」

京介「ああ。もう放っておけばいいさ……」

京介「待てよ」

麻奈実「どうしたの?」

京介「親父とお袋が出かけたってことは、今家には俺と
   お前と桐乃しかいないってことになるよな」

麻奈実「え~っと。うん、そういえばそうだね。あっ!」

京介「つまり邪魔者は消えたってことだ」

376 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 19:07:52.89 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「それじゃあ今のうちに桐乃ちゃんを袋詰めにして別の場所に運ぼう!
    えっと、どこにしよっか……公園とかがいいかな」

京介「まず外に連れ出す前にあいつを桐乃の部屋に運ぼう」

麻奈実「え?」

京介「俺に考えがあるんだよ」

麻奈実「京ちゃんが言うなら別に構わないんだけど……。なんか京ちゃん、
    お風呂場で話しをしたときから様子がおかしい気がするよ。大丈夫?」

京介「べ、別に何ともねぇよ……。お前の気のせいだって」

桐乃の部屋

桐乃「んぐぁー……んぎゅぁ!」

麻奈実「よいしょ、よいしょ、よいしょっと。ふぅ、疲れた」

京介「ご苦労さん。ここに横たえてくれ」
ドサッ

桐乃「んぐぁー……んぐぁー!」

麻奈実「京ちゃん。これから何をするのかな? せっかくお家の人が
    出かけたから早いところ桐乃ちゃんを遠くの場所に移した方がいいと思うんだけどぉ」

京介「麻奈実、桐乃のさるぐつわを解いてやれ」

麻奈実「え?」

445 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 20:08:26.81 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「でもでも……」

京介「いいからはやく」

麻奈実「あ……うん、わかったよ。それじゃ桐乃ちゃん、
    ちょっと失礼するよー」

シュルシュルシュル

桐乃「……ぷはぁ。な、なん゛なのよぉ゛……ざ、さ、さっきから、ぅぐ」

京介「……」

桐乃「あ、あぁ゛、あんだらぁ゛……うぐぇ……こんな゛こどして……だのじいの」

京介「……」

桐乃「なん、なんどがい゛いなざいよぉ゛……! っ、ぅげほっげっほ!」

京介「ああ、楽しいよ」

465 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 20:25:09.29 ID:H31Dt9kp0
桐乃「な゛!」

京介「俺はなぁ、今までお前に色々と尽くしてきたつもりだ。
   それもまぁ別に慈善事業みたいなもので、俺が勝手にやっていたこと
   なのかもしれない。だから見返りなんかを求めちゃいなかったさ」

桐乃「じゃ、じゃあ゛、なな、なんで……!」

京介「でも、お前ときたら下手に出りゃ付け上がるだけ
   だったじゃないか。日に日に態度は横柄になるわ、
   こんなの見返りどころの話じゃねえだろ」

桐乃「ぅぐ……!」

京介「挙句の果てには今日みたいな人を陥れる嫌がらせを平気でする始末だ。冗談じゃねーよ!」

麻奈実(やっぱり、京ちゃんエッチな本のこと気にしてたんだ……)

京介「人がよかれと思ってしてることを踏みにじったんだよ、お前はな!
   だから殺す前に、俺が味わった苦しみをお前にも味わらせてやるよ!」

478 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 20:38:06.96 ID:H31Dt9kp0
京介「これがなんだかわかるよなぉ? 桐乃」

桐乃「っ!」

京介は押入れから、桐乃が今まで集めてきた
エロゲやフィギアを彼女の前に並べた。

桐乃「な゛、なに゛するぎ……やめ、やめ゛て、……やめろぉ゛!」

京介「まずはこれからだな」

桐乃「ちょ、ちょ゛っと!」

京介「ふんっ。こんなものな、こうしてやる!!」

メキメキ バキッ!!

京介は桐乃の前で露骨にエロゲの箱を踏み潰し、ディスクを叩き割った。

桐乃「ぁ……ぁ゛っ!」

京介「へへっ、こりゃスッとする。おい、麻奈実も手伝え」

504 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 20:49:32.15 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「で、でも……」

京介「遠慮することはねぇよ。まだまだこんなにあるんだ。
   そこにある初回特典ディスクってのは壊し応えありそうだぜ!」

麻奈実「え、どこどこ?」

グシャ メキメキ… バキッ!!

京介「あはは。お前もうすでに踏んでるじゃねーか! いいぞぉ!」 

麻奈実「え? あ、あわわ!」

桐乃「ぁ゛ぁ……ぁぁ゛ぁ……ぁぁああ!」

京介「よぉし。この調子でフィギアも粉々だ!」

540 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 21:12:50.72 ID:H31Dt9kp0
京介「そらよ! そら!」

京介は次から次へとフィギュアを壁や床に叩きつけた。
無論、その叩きつけられたフィギュアは見るも無残な形状と化していた。

京介「はっはっは。腕がもぎ取れちまったぞ! これは傑作だ!」

桐乃「ぁぁ……ねぇ゛……やめ゛てってば……ね、ねぇ゛」

麻奈美「そ、そうだよ。京ちゃん。いくらなんでも、物にあたるのは
    その人形を作ってくれた人に悪いよ。そうだよね、桐乃ちゃん。
    はいこれ……うわっと!」

桐乃「ぁ゛ぁ゛……!」

麻奈実が誤って落としてしまったフィギュアは、見事に桐乃の血だまりで塗装された。

麻奈実「ご、ごめんね、桐乃ちゃん! こんなつもりじゃなかったんだけど!」

557 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 21:25:50.82 ID:H31Dt9kp0
京介「さてと、次はどれにしようかな」

京介「ん?」

京介は桐乃の机の上においてある一つのフィギュアに目が留まった。

京介「こいつは……ははーん。あれか」

桐乃「っ! そ、ぞれ゛にざわら゛……ないでぇ゛! うぇっほ、うぇっほ!」

麻奈実「京ちゃん。なぁに、それ?」

京介「メルルだよ。ふんっ」

今、京介が手にしているフィギュア。それは
桐乃の親友あやせからもらったコレクションの中でも
一番の宝物ものともいえるメルルのフィギュアだった。

桐乃「やめ゛てぇ゛……やめ゛、そ、そ、ぞれ゛だけぁ!! だ、だめっ!」

582 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 21:48:10.08 ID:H31Dt9kp0
京介「そんなに大切か、これが?」

桐乃「は、はな゛しな゛さい……そ、それ゛を……はや゛くっ!!」

京介「ああ、わかったよ。離してやる……よっ!」

ブンッ バキッ!!

桐乃「ぁっ!」

京介によって強く床に叩きつけられた衝撃で、
メルルの首はもげ宙を舞い、桐乃のすぐ目の前の床にそのまま落下した。

桐乃「……」

京介「はっはっは。無様だな。直にお前もこのメルルのフィギュアみたいにしてやるよ!」

桐乃「……」

桐乃「……く、くっ……くぅ……う、うがああ゛ああ゛あああ゛ああぁ゛ぁぁぁ!!」

604 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 22:04:36.37 ID:H31Dt9kp0
桐乃「うがあぁ!」

ガリッ
京介「い、いてぇっ!!」

京介が油断している間に、桐乃は床を這い
京介のふくらはぎに思い切りかじり付いた。

桐乃「うがあぅ!!」
ギリギリギリ
京介「い、いててててて!! こ、こいつ離れろ!!」

片方の足で桐乃の顔を蹴飛ばす京介だが、なかなか離れない。

京介「いてて、いてぇって!! くそ、こいつ! 麻奈実、なんとかしてくれ!」

麻奈実「え、また私……!? えっと、えっとどうすれば!」

637 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 22:22:04.32 ID:H31Dt9kp0
桐乃「うがあぁぅ!」
ギリギリギリ
京介「麻奈美ぃー!」

麻奈実「えいっ!」

バキッ!!

桐乃「がはぁっ……!」

麻奈実はとっさに机の上にあった桐乃のノートパソコン
を折りたたみ、桐乃の頭めがけて振り下ろした。

麻奈実「えいっ! えいっ! えいっ! えいっ!」

バキッ バキッ ドスッ ドスッ バキッ バキッ

桐乃「あぐぁ、あがぁ、ぐあ゛ぁ、あぅ゛……ぁ」

桐乃「」

頭を抑えながらうめき声をあげていた桐乃も、やがて完全に動かなくなった。

麻奈実「はぁはぁ……。きょ、京ちゃん。こ、これでよかったんだよね?」

京介「……。あ、あぁ」

661 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 22:40:40.50 ID:H31Dt9kp0
それから数日が経ち、京介は一人部屋に引きこもりの毎日を過ごしていた。

あの日の晩から出かけたっきりの京介の両親はそのまま帰って来ることはなく、
行方不明になった。

桐乃の亡骸はあの日からどこへも動かしておらず、彼女の部屋に放置されたままになっている。


京介「……」

ピンポーン

京介「……」

ピンポーン

京介「……」

麻奈美『京ちゃーん、居るんでしょー。私だよー』

京介「麻奈美か……!?」

668 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 22:44:06.44 ID:tdFheWd50
一方、親たちは

親父「スゴイな、・・・おまえ。スゴく熱いぞ!」

京介母「だって、あなたがっ!・・・好きって、っふうぅぅん!好きっていってくれたからっ!
    くっ、ふぅあ、あんっ!我慢できっ・・・うああぁぁぁぁ~~~っ!!」

親父「ああそうとも!好きだ!大好きだ!!」

京介母「あ、もうっ、限界ですっ!!うっ、ぐぅっ・・・んんんんうぅ!!そこ・・・ぉ!
    んんううぅうぅう~~~~!!!!!」キュウウウウッ

親父「うぁっあ、くぅっ、ふっ、おまえの膣内に、で、射精るっ!!!あああっ!!」ビュウッ ピュッピュッ

京介母「・・・はぁ、はぁ。あなたの・・・、とても熱いです・・・」

679 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 22:50:59.15 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「あ、京ちゃん。久しぶり」

京介「ああ、本当に久しぶりだな……」

麻奈実「京ちゃん、この様子だとあの日から一歩も外に出てないでしょ」

京介「まぁな。いいじゃねーか、まだ冬休みなんだからよ」

麻奈実「そんなこといっても、明日から学校始まるよー。
    だから京ちゃんもちゃんと登校するんだよ」

京介「もう、学校とかどうでもいいわ……。どうでも。
   んで麻奈実、用はそれだけか?」

703 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 23:03:33.85 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「あ、えーっとね。今日、京ちゃんちに来たのは
     京ちゃんに渡したいものがあったからで」

京介「俺に渡したい物?」

麻奈実「はい、これ!」

京介「なんだこれ?」

麻奈実が京介に差し出したのは、サンタクロースや雪だるまのイラストが
描かれた柄の包装紙でラッピングされた小包だった。

京介「どういうつもりか知らないが麻奈実、もうクリスマスはとっくに過ぎているぞ」

麻奈実「あ、違うって。これはね、あの日桐乃ちゃんの部屋の机の上にあった物だよ」

京介「桐乃の部屋?」

755 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 23:27:34.90 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「京ちゃん覚えてるかな。あの日さ私、京ちゃんに
    ビニール袋を探すよう言われたんだけど」

京介「そういえば、そんなことも言った気がしないでもないが」

麻奈実「京ちゃんは京ちゃんの部屋か桐乃ちゃんの部屋を
    探してくれって言ったから、私桐乃ちゃんの部屋にも
    お邪魔したんだけどね。そのときに丁度この包みを見つけたんだ。
    なんか京ちゃん宛てみたいだよ、それ」

京介「え……。お前、そんなこと一言も」

麻奈実「私もお風呂場に行って早く京ちゃんに渡そうと思ったんだけど
    あのとき京ちゃんすっごく機嫌が悪そうだったから
    渡すに渡せなかったんだ。ごめんね」

京介「……。桐乃が俺宛てにって……どういうことだ?」

775 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 23:35:58.07 ID:H31Dt9kp0
麻奈実「とりあえず、確かに京ちゃんに渡したからね」

京介「……」

麻奈実「あと、言い忘れてたけど。京ちゃん、あけましておめでとー!
    今年もどうぞよろしくお願いします。えへへ」

京介「……」

麻奈実「それじゃ、明日また学校で会おうね。じゃあね、京ちゃん!」

京介「……」

京介「桐乃が俺に……。何かの間違いだろ。一体、何が入ってるっていうんだよ!?」

京介は包みを乱雑に破き、中身の確認を急いだ。

京介「こ、こいつは……エロゲ?」

スフィルター : (試験中)
801 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 23:49:42.25 ID:H31Dt9kp0
京介「なんで、桐乃が俺にエロゲを……?」

京介「まさか、クリスマスプレゼント……。いや、そんなはずはない。
   あいつに限ってそんな機転の利くこと。でも、だとするとこれは何なんだ」

京介「ん? 包みの中にまだ何か入ってるな。メッセージカード?」


変態バカ兄貴へ


せっかく私が選んだクリスマスプレゼント

なんだからちゃんと全ヒロイン攻略すること。

それと、ちゃんと来年も人生相談に乗りなさいよ。


桐乃より


京介「……う、うそだろ……こんな。こんなことって……!」

827 : 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 23:57:38.30 ID:H31Dt9kp0
京介「うわああああああああああああああああああああああああああ!」

一目散に京介は桐乃の部屋へ向かった。

あの日異常に異臭の立ち込む空間ではあったが
今の京介にはそんなことは微塵も気になることはない。

京介「きりの、きりの、きりのぉぉ! 目を開けてくれぇ、頼む!」

京介が桐乃の亡骸を何度もゆするが、目を開けるはずはなかった。

京介「うわあああああああああああああああああああああああああ」

再び、奇声をあげた京介は半狂乱状態で裸足のまま外へ駆けていった。

841 : 以下、名無しにか - 2010/12/30(木) 00:01:55.30 ID:bYP1T6js0
京介「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!」

ドボンッ

半狂乱状態のまま京介が駆けていった先は、近所の川。

京介は川に飛び込み、そのまま海ならず川の藻屑となった。

黄泉の世界で妹と幸せに暮らしていることを信じたい。



END

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最終更新:2011年01月04日 16:42
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