4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 21:29:32.90 ID:UYGFhf2o0
黒猫「男女の契りが家庭を結びつけるという考え方はわが国ではごく一般的なこと。そして血縁によってではなく
婚姻、縁組によって結ばれた姻戚は義理の字を用いて義父、義姉などと表記する。なにかおかしいことがあって?」
桐乃「はぁ?おかしいことしかないじゃないの。なんでアタシがアンタをお義姉さん、なんて呼ばなきゃいけないのよ。
バッカじゃないの?ってゆーか年増宣言したいならひとりでやってなさいよね」
黒猫「……なるほど。小姑との確執が私たちの愛の障害ということなのね……」
桐乃「ワケわかんない。見えない敵と戦うのもほどほどにしなさいよ。少なくとも、アタシは付き合ってらんない」
桐乃「――ったく。いきなり呼び出すから何事かと思えば。電波女の妄言に付き合わされるなんて最悪。……ただいま」
京介「よ、よう桐乃。遅かったな」
黒猫「おかえりなさい。桐乃ちゃん」
桐乃「ちょっと!なんで中二病女がウチでお茶してんのよ!」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 21:50:44.55 ID:UYGFhf2o0
桐乃「…………」
黒猫「…………」
京介(く、空気が重い)
桐乃「お茶」
京介「あ、ああ!悪い。今入れるから、座って待っててくれ」
黒猫「私がやるから、あなたも座ってて」
京介「お、そうか?(正直ここから逃げ出したいんだが……)」
桐乃(イラッ)「やっぱりりんごジュースにして。100%のやつ」
京介「あぁ?んなもんねぇぞ。オレンジジュースでいいか?」
桐乃「なきゃ買ってくればいいじゃない。喉渇いたから早くして」
京介「あのなぁ――」黒猫「いいわ。コンビニ、すぐそこだし」
桐乃「アタシはこのバカに言ってんのよ!あんたは関係ない!」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 22:21:08.71 ID:UYGFhf2o0
京介「……あの言い方はないだろ。お客さんに」
桐乃「あらー、ごめんなさーい。不法侵入かと思ってー」
京介「あのなぁ」
桐乃「でもいつの間にか仲良くなっちゃって?『お義姉さんって呼んでv』なんていきなり言われたから
ビックリして大声出しちゃったけどそれも致し方ないことだと思うのよねぇ」
京介「……」
桐乃「で?マジでそういう仲なワケ?」
京介「その……まぁ」
桐乃「信じらんない!アイツアタシといっこしか違わないじゃん!やらしいってゆーかもうおぞましい!
身の危険感じるから近寄んないでこのヘンタイ!」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 22:23:57.17 ID:UYGFhf2o0
京介「すぐに受け入れてもらえるとは思ってないけど」
京介「真剣なんだ。俺たち」
桐乃「真剣だから許されるなら世の妹は全員幸せなのよこの条例違反男!そっこー通報してやるから!」
黒猫「私は塀の中に囚われた彼とも愛を貫ける自信があるけど」
桐乃(!?)
黒猫「あなたの宝物も官憲の手に落ちることになるわよ。それでもいいの?」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 22:42:57.74 ID:UYGFhf2o0
黒猫「ただいま。……はいジュース」
桐乃「取引ってわけ?妖怪黒ずくめ女」
黒猫「あなたの解釈に干渉する気はない。私は有り得べき可能性を提示しただけ」
桐乃「ふんっ!ま、アンタたちがどうイチャついてようが関係ないわ!公然猥褻にだけ気をつけてくださればね!」
桐乃(バッカみたい!あんなのパパやママが認めるわけないし!勘当されて路頭に迷え下半身脳みそ馬鹿!)
コンコン、
桐乃「んー?」
黒猫「ご飯よ。桐乃ちゃん」
桐乃「……おたま割烹着とかハイセンスなギャグかましてくれるじゃない」
黒猫「今日はグラタンよ。早くいらっしゃいね」
桐乃「うっさい!」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 22:57:15.91 ID:UYGFhf2o0
桐乃(もぐもぐ)(だ、誰もあの女の存在に疑問を示さないわけ?)
黒猫「口を開けて。あなた」
京介「は、はは……。ひとりで食えるし。お前も食えよ。腹減ってるだろ」
黒猫「あなたが食べ終わったらいただくわ。だから、あーん」
京介「あ、あーん……」
佳乃「まあ。昔を思い出しますねぇ、あなた」
大介「ん」
桐乃(既に両親公認!?)
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 23:31:13.33 ID:UYGFhf2o0
桐乃(はぁ……。意味わかんない)
桐乃「そういえばアイツ、妹恋コンプしたって言ってたっけ。だったら次はファンディスクよね」
桐乃「京介ー、アンタに宿題持って――ってアンタらなにやってんのよおぉ!」
京介「ん?おわっ!桐乃!?なんでお前俺の部屋に!」
桐乃「それはこっちの台詞よ!なんでそいつがアンタの部屋に!」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/11(月) 23:55:49.42 ID:UYGFhf2o0
黒猫「夫婦が同衾するのは自然なことじゃなくて?あら、そのゲーム……『妹と恋しよっ♪』?……ふっ」
桐乃「鼻で笑った!?今アンタ鼻で笑ったでしょ?死ぬの!?ねえ死ぬの?」
黒猫「別に?虚構にのめりこんでも虚しいだけだって忠告してあげるべきかと思って。義姉として」
桐乃「そっくりそのままお返ししてやるわよ邪気眼女。能力とか使ってごらんなさいよ、できないだろうけど」
京介「い、一緒に寝るのがマズいのはわかるし……、やっぱ俺は床でいいから落ち着けお前ら、な!」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 00:08:09.14 ID:bu2EdKSq0
桐乃・黒猫「「アンタ(あなた)は黙ってて!」」
京介「……はい」(立場弱ぇなぁ。俺……)
黒猫「考えてご覧なさい。近親相姦よ?神話の時代から罪と決まってるものよ。
自ら悪を行う者を見れば止めるのが人の道だわ」
桐乃「エロゲ即SEXみたいな短絡脳だからそういう結論になるのよ。いい?妹と兄ってのは切れない絆の象徴なの。
ともに過ごした思い出、ふとした時の優しさ。自然に湧き上がる暖かな思いやり……。肉体関係なんて二次的なものに過ぎないの!」
京介(俺とお前には無縁な単語だらけだなオイ)
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 00:33:22.33 ID:bu2EdKSq0
黒猫「だったら、まずすべての妹ものから18禁シールを剥がして見せなさいな」
桐乃「アンタを叩き出してからそうさせてもらうわ。……ってか妹恋とか普通にコンシューマー移植されてるっての」
京介(長くなりそうだなぁ……)
黒猫「押入れの中身のどれくらいがそうなってるか数えたことはあるのかしら?あなたみたいなお子様には刺激が強すぎると思うけれど」
桐乃「ご心配どうも。でも安心してもらって結構よ。モザイクの掛け忘れで即売会落ちるどっかの誰かさんみたいに妙な領域まで手ぇ出してないから」
京介(ぐぅ……)
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 00:46:53.80 ID:bu2EdKSq0
桐乃「あ!コラ寝るなバカ兄貴!!」
黒猫「そうです。愚義妹に正義の審判を下さなくてはならないのですから。しっかりしてください」
京介「もおおおお!今何時だと思ってんだよ。せめて続きは明日にしろ!」
桐乃「むぅ……」
黒猫「ま、私としては定まった判決を多少遅れて伝えたところで不都合はありませんし、ここは素直に夫に従っておくことにしますか」
桐乃「ちょっと!妙なこと口走りながら二人してふとんに潜り込むんじゃないわよ!まだ話は終わってないわよ!」
京介「俺に安寧の日々が訪れるのはいつになるんだ……」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 00:56:42.65 ID:TC9yV/9f0
黒猫「おはよう、あなた」
京介「ああ、おはよう」
桐乃「……」
黒猫「桐乃ちゃんもおはよう」ニコッ
桐乃「『ニコッ』じゃないっつーの! てか何よ桐乃『ちゃん』って! 気持ち悪っ!」
黒猫「あら、義姉らしくしてみたのだけれど、お気に召さなかったかしら?」
桐乃「あんたがそんな態度とったって、気持ち悪いだけだっての!」
黒猫「人の好意を素直に受け取れない人間って、最悪よね。今日び流行らないわよ、ツンデレなんて」
桐乃「あんたに言われたくない!」
黒猫「心外ね、今の私にはデレしかないわ。ねぇ、あなた?」
京介「んがっ!? そこで俺に回ってくるのか?」
黒猫「昨夜もあんなに激しく愛しあったものね」
京介「ばっ!? こんな所でそういう事をだな……」
桐乃「最低……」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:03:43.19 ID:TC9yV/9f0
京介「そ、それよりもだな。早く荷造りしちゃおうぜ!」
黒猫「そうね、と言っても、私は既に自宅から荷物を送っているのだけれど」
桐乃「? 荷造りって何のことよ?」
黒猫「決まっているでしょう? 私と京介さんの愛の巣へ引っ越すための荷造よ」
桐乃「は? え? つまり同棲ってこと?」
黒猫「愛し合っているのだから、当たり前でしょう?」
桐乃「あ、当たり前じゃないわよ馬鹿ァ! おかーさん! おかーさん!?」
母「何?どうしたの?」
桐乃「ここここいつら! 同棲って……」
母「うーん、私としては一緒に住んでほしいのだけれど。お父さんが子供はいつか家を出ていくものだって言いはるのよ」
桐乃「親公認!?」
黒猫「そういう事よ、桐乃ちゃん」
桐乃「ちゃんって言うな!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:11:18.41 ID:TC9yV/9f0
桐乃「とーもーかーく! 私はそんなの絶対認めないから!」
黒猫「あら、ご両親の許可はあるし、貴女に拒否する権利は無いのではなくて?」
桐乃「だ、だってこのバカ兄よ!? こんなんと一緒に住んでたら何されるか分かんないわよ?」
黒猫「むしろ望むところだわ。夫婦ですし。ねぇ、義母さん?」
母「そうねぇ、早く孫の顔が見たいわぁ」
桐乃「お母さんまで……」
京介「えっと、なんだか俺を置いてけぼりで話が進んでいるが…… 準備できたぞ?」
黒猫「それでは行きましょうか、私達の愛の巣へ」
桐乃「さっきはツッコミ忘れてたけど、愛の巣って…… てか何私を無視して行こうとしてるのよ!」
黒猫「あぁ、そうね。うっかりしていたわ」
桐乃「そうそう、私の話を……」
黒猫「義父さまにもご挨拶しなくちゃ」
桐乃「ちげぇっつーの!」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:26:26.27 ID:TC9yV/9f0
京介「桐乃、あんまり黒猫を困らせるんじゃねぇ」
桐乃「困ってた? こいつ困ってた!? ノリノリだったよね!?」
京介「コイツなりにお前に認めてもらおうとしてるんだよ!」
桐乃「違うよね!? 確実に喧嘩売ってたよね!?」
京介「ほらみろ、黒猫だってこんなにシュンとしちまって可哀想じゃねぇか」
黒猫「………」シュン
桐乃「あっ……」
黒猫「……ビッチ」ボソ
桐乃「喧嘩売ってんじゃねぇかあああああああ!!!!」
黒猫「家族になったのだし、これからは仲良くしましょうね? 桐乃ちゃん」
桐乃「なれるかああああああああ!!!!」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:31:49.20 ID:TC9yV/9f0
京介「よし、それじゃあ行くか。 俺達の、愛の巣へ……」
桐乃「愛の巣ヤメロつってんのよ! キモイわ!」
黒猫「そうね、行きましょうか。愛の巣へ……」
桐乃「愛の巣言いたいだけちゃうんか! オモロないねん!」
母「寂しくなるけど、行ってらっしゃい。愛の巣へ……」
桐乃「おかあああああさああああああん!」
桐乃「はぁ……はぁ……」
京介「桐乃」
桐乃「……何?」
京介「お前とは喧嘩ばっかりだったし、未だにお前のことは良くわかんねーけどよ」
京介「嫌いじゃなかったぜ、お前の事」
桐乃「………」
京介「じゃあな」
桐乃「……待って」
桐乃「私も行くわ! アンタたちの愛の巣へ……!」ドンッ
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:39:47.91 ID:TC9yV/9f0
黒猫「本当に付いてくるとはね、愛の巣へ……」
桐乃「それはもういい」
桐乃「まぁ私もそろそろコレクションで部屋が埋まって、住める状況じゃなかったから引越ししようと思ってたのよ」
京介「あのコレクションそんなに増えてたのかよ……」
桐乃「しっかしボロっちいアパートね」
京介「しょうがないだろ、俺のバイトと家出る前のに貰った金で何とかしなくちゃならないんだし」
黒猫「でもアナタが居れば、私はどんな場所だって構わないわ……///」
京介「黒猫……」
桐乃「私の前でイチャつくの禁止!」
黒猫「横暴だわ…… 無理矢理ついてきた居候のくせに」
桐乃「むぐ……」
京介「まぁそう言うなって、大勢の方が楽しいだろ?」
黒猫「私は、アナタと二人っきりがいいの……///」
京介「黒猫……」
桐乃「イチャつくの禁止!」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:46:12.35 ID:TC9yV/9f0
桐乃「分かった」
黒猫「何がよ」
桐乃「ケジメとして私もモデルの仕事で稼いだお金を家に入れるわ」
京介「別に無理しなくてもいいんだぞ?」
桐乃「はっ! 舐めんじゃないわよ。私の稼ぎはアンタのバイト代の比じゃ無いっつーの!」
黒猫「ここは素直に厚意を受け取っておきましょう」
京介「むぅ……すまんな、桐乃」
桐乃「別にいいっての。それよりお腹すいたわね、ご飯にしましょうよ」
黒猫「それじゃあすぐに支度するわね」
京介「悪いな、黒猫」
黒猫「いいのよ。アナタに食べてもらえるのなら、私にはそれが一番のご褒美だから……///」
京介「黒猫……」
桐乃「イチャつくの禁止つってんだろーが! しつこいんだよ!」
黒猫「あ、そう言えばそろそろマスケラの時間だわ……」
桐乃「テレビ見だしたよ!? 結局作る気ゼロじゃん!」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 01:56:37.05 ID:TC9yV/9f0
黒猫「やはりメルルよりマスケラね。今回のでそれがよく分かったよ>>TV感謝」
桐乃「おいィ!? 結局私がご飯作ってるんですがねぇ……」
黒猫「マスケラが終わった後にはズタズタにされた茶髪の雑魚がいた(笑)」
桐乃「バラバラに引き裂いてやろうか!?」
京介「おぉ、ハンバーグかぁ」
桐乃「アンタはアンタで何普通に妹に飯つくらせてんよ!? そこでアンタの嫁がゴロゴロしてるんですけど!?」
黒猫「あら、家事の一切は貴女がやってくれるってさっき決まったじゃない」
桐乃「決まってないわよ何さりげなく自分の仕事を放棄しようとしてるわけ!?」
京介「まぁ家事についてはまた後で決めようぜ。それより飯だ」
桐乃「はぁ……まぁいいわ。冷めちゃっても勿体無いしね」
京介・桐乃「「いただきまーす」」
黒猫「………ちょっと」
桐乃「どうしたのよ?」
黒猫「なんで私のハンバーグだけ『たわし』なの……」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/10/12(火) 02:05:33.09 ID:TC9yV/9f0
桐乃「えっ? だって夫婦って言ったらこれでしょう?」
黒猫「何新婚生活をすっ飛ばしていきなり倦怠期入ってるのよ。スタンド攻撃を受けているのかと思ったわ……」
桐乃「まぁ細かいことは気にしないでいいのよ。ホラ、冷めちゃうでしょ?」
黒猫「私と貴女の仲はとっくに冷め切ってるけれどね!」
桐乃「そもそも暖まってないっての」
黒猫「……」フンス
桐乃「ドヤ顔ヤメロ」
京介「ドヤ顔の黒猫も可愛いなぁ……」
桐乃「えっ」
京介「えっ」
桐乃「……あぁ、そういやアンタ達夫婦だったわね」
黒猫「そう、私たちは愛し合っているのよ。そしてここは愛のs」
桐乃「もうええわ!」ビシィ!
京介・黒猫・桐乃「どうも、ありがとうございましたー」ペコリ
黒猫「夫婦漫才をするわよ」 ~FIN~
最終更新:2011年01月08日 16:56