89 名前:ちょろちょろ投下してく[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:35:45.26 ID:lzsc69m90 [44/62]
京介「はぁ?今度はクリスマスフェアやるのか?」
麻奈実「うん、そうだよ~。ハロウィンは好評だったし、クリスマスも何かやろうって」
京介「いや、クリスマスといえばケーキだろ…大丈夫なのか?」
麻奈実「実はクリスマスとか近づくとやっぱり売上とか下がっちゃって大変なんだ~」
京介「あー、なるほどな。まぁ確かにフェアでもやれば売上は上がるかもな」
麻奈実「でしょ~。実はこれ私が考えたんだよ~」
麻奈実が褒めて褒めてといわんばかりにこっちを見てくる、なんてわかりやすいやつ。
素直に褒めるのも面白くないのでちょっとからかってやるか。
京介「ああ、すげえすげえ。お前はしっかりしたおばあちゃんだよ。これなら家計とかまかせても安心だな」
麻奈実「え…ええっ///家計をまかせるなんて…そんな…///」
京介「…?何を赤くなってんだ?」
麻奈実「もう!京ちゃんの馬鹿!」
わけわからん。妹ほどではないが、こいつも時々わけのわからんことタイミングで怒ったりするよな。
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:43:24.88 ID:lzsc69m90 [45/62]
京介「で、今度も手伝えばいのか?」
麻奈実「えっ!?いいの?」
京介「おう、普段勉強とか世話になってるしこれくらいはさせてくれ」
麻奈実「えへへ、ありがと京ちゃん」
12/23日、俺は約束したお手伝いのために麻奈実の家に来ていた。店を閉じてからの清掃作業を終え、重たい菓子材料を運んでいく。
京介「くそう重てぇ…前も思ったが、なんで砂糖はこんなに重いんだ」
いわお「まあそういうなよ、あんちゃん。あと少しだ頑張れ!」
京介「……お前はそこで何してるんだ?」
いわお「見てわかんねえの?琵琶の練習してんだよ」
京介「それはみたらわかる。なんで琵琶なんだよ、ハロウィンならまだしもクリスマスだぞ?いや、ハロウィンでもおかしいけどよ」
いわお「あんちゃん…うちにこれ以外の楽器があると思うかい?」
京介「すまなかった。クリスマスに琵琶もいいもんだよな、意外性に満ち溢れてて」
いわお「だろ!あんちゃんもわかってるじゃないか!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:50:23.93 ID:lzsc69m90 [46/62]
できればわかりたくなかったけどな。とはいえ少しロックが不憫に思えてきた、そんなところで遊んでないで手伝えとも思ったがやめとこう。
あいつ学校で琵琶法師とか呼ばれてねえだろうな…
麻奈実「京ちゃん、お疲れ様~」
京介「おう、今回はやけに多かったな。これで終わりか?」
麻奈実「うん、24日と25日のどっちもフェアやるらその分荷物も多かったの。ごめんね」
京介「いいっていいって。気にすんなよ」
麻奈実「ありがと、ご飯できてるから食べよ?」
京介「ん、そうさせてもらうよ」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:05:25.11 ID:lzsc69m90 [47/62]
京介「ごちそう様でした。さてと、飯も食ったしそろそろ帰るかな」
爺「あれ?京ちゃん今日は泊まってくんじゃないのか?」
京介「なんで泊まる前提になってんすか。今日はやめときますよ」
婆「あら、京ちゃん遠慮なんてしなくていいんですよ?」
京介「いや、実はこのあとちょっと出かけようと思ってて」
爺「なんじゃと!?女か!女なのかああああ!?」
京介「ちげーよ!爺ちゃんはちょっと落ち着け!」
婆「そうですか…じゃあ仕方ないわねぇ」
爺「あ…明日は泊まるんじゃろ?」
京介「いや、まだ決めてないっすけど…」
爺「ぐあああああ!明日京ちゃんが泊まってくれないとトラウマで心臓の発作があああああああ!!」
京介「わかったわかった!泊まるから!…どんだけ俺を泊めたいんだよ爺ちゃん」
まったく…爺ちゃんのことだから何か考えてるんだろうな。ひょっとしたら婆さんもグルの可能性があるが、多少のことでは驚かないぜ。なんせ麻奈実とはもう一緒に寝たくらいだからな!フハハハハ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:18:29.77 ID:lzsc69m90 [48/62]
京介「じゃあ、そろそろ帰るわ」
麻奈実「あ、あのごめんね京ちゃん」
京介「ん?なんだ?」
麻奈実「あのね…その…明日って忙しくなかったかな?」
京介「気にすんなよ、どうせ俺にクリスマスの予定なんてねえよ」
麻奈実「そ、そっか…よかった~///じゃあ、京ちゃんまた明日ね~」
京介「おう、また明日な」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:19:44.81 ID:lzsc69m90 [49/62]
あ~くそさみぃ。せっかくの休みだっての朝から何をやってるんだ俺は。と、内心ぼやきつつもわざわざお泊りセットまで用意して田村家に歩いていく。
京介「おはよう」
麻奈実「おはよう~、今日も頑張ろうね」
京介「おう。ん?そういえば今回はコスプレしないのか?ハロウィンの時の魔女似合ってたのによ」
麻奈実「え…えええっ///そんな似合ってるだなんて……あのね、実際やったら思ったより恥ずかくて…今回はしないことにしたの」
京介「そっか、ちょっと楽しみにしてたんだが…残念だな」
てっきりサンタのかっこでもするのかと思ったがそんなことはなかったらしい。まぁ、そらそうだよなサンタのコスプレとかどこのエロゲだよ。俺の脳がしだいにエロゲに洗脳されてるのを自覚したところで爺ちゃんが現れた。
爺「おうおう、若いもんはええのう。朝っぱらからイチャコラしよって。さっさとひ孫を見せてほしいもんじゃ」
京介「爺ちゃんこそ朝からなに言ってんすか。ほら、麻奈実もなんか言ってやれ」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:21:31.40 ID:lzsc69m90 [50/62]
麻奈実「わ…私は…子供は2人くらいが…いいかなぁ…///」
京介「お、お前ものってんじゃねえよ!///くそっ…で!今日は何をすればいいんだ?」
麻奈実「えへへ///……あ、今日はね……」
京介「あー、やっと終わった」
麻奈実「京ちゃん、お疲れさま~。ありがとう、助かっちゃった」
京介「なんか必要以上に仕事押し付けられた気もするがな。おまえ、毎日こんなことやってんの?」
麻奈実「そんなことないよ~。それにいつもはもっと楽ちんだよ~?今日はフェアのおかげもあって大盛況だったから」
京介「そうなのか。まぁ、フェアが成功したみたいでよかったよ」
麻奈実「うん。ご飯まだだから先にお風呂入っててくれる?」
京介「いや、俺は後でいいよ。親父さんとかも入るだろ?」
麻奈実「なんかお父さんとかはまだやることがあるんだって」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:26:30.87 ID:lzsc69m90 [51/62]
京介「そうなのか?それじゃあ俺も手伝わないと」
麻奈実「ううん、なんか京ちゃんには絶対に先に風呂に入らせろって」
京介「?まぁいいけどよ。それじゃあ先に入らせてもらうわ」
妙な疑念は残ったが疲れもあったし入らせてもらうことにした。以前入ったときは菖蒲湯だったが今回は何湯だろうか…。風呂場につくと柑橘系のいい香りがした。
京介「お、今日はゆず湯なのか」
京介「く…くあああぁー」
風呂に入ってこれか…我ながら完全におっさんだな。これは麻奈実のことおばあちゃんとか笑えん。
一人苦笑しつつも、おっさんとおばあちゃんで意外とお似合いだなとしょうもないことを考えてしまう。
京介「いかん、俺は風呂に入ると思考までゆるくなっちまうらしい」
バタン……ブロロロロロ
車の音?あぁ、さっき親父さんが言ってた残ってた仕事ってやつか。まだ材料でも残ってたのかね。
京介「さて、そろそろ上がるか」
風呂から上がるとリビングには誰もおらず、麻奈実は台所で飯を作っているようだった。
京介「みんなはど……」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:30:26.73 ID:lzsc69m90 [52/62]
ここまで言って机の上に紙切れが置いてあるのを見つけた。俺は猛烈な嫌な予感に襲われ、恐る恐る紙を手に取りその文面を読んでみた。
京ちゃんへ
急に親戚の家に行きたくなったので今から行ってきます。それと、わし一人じゃ心細いので麻奈実以外はつれていくことにします。まさか麻奈実を一人にして帰るとは言わんよね。
爺より
追伸 ひ孫期待してます
あのくそじじいがあああああああああ!何か企んでるとは思ったがまさかこんな……家族ぐるみだったなんて…ちくしょう……何考えてんだこの一家は………
今思えば俺を疲れさせるためにあれこれ仕事押し付けてきたのか。
京介「麻奈実!お前知ってたのかこれ!」
麻奈実「え~、なにがぁ?」
京介「これだよこれ!」
麻奈実「ん?………うえええええっ!!し、知らないこんな…あ、だからさっきから誰もいなかったんだぁ」
京介「変なところで納得してんじゃねえ!」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:33:19.81 ID:lzsc69m90 [53/62]
落ち着け、落ち着くんだ俺。なんてことはない。前と一緒さ。
麻奈実と一緒の部屋寝ると決まったわけでもないし、そうさじじいがいないんだから今日は別に一緒に寝る必要はないんだ。
京介「ふぅ……なんだ驚かせやがって。よくよく考えたらなんてことないぜ」
京介「よし、そうとわかったら麻奈実!飯だ!」
麻奈実「うん?なにがわかったのかわからないけど…ご飯ならもうできるから待っててね~。みんないないせいでおかわりいっぱいあるから」
しかし…こいつはこいつで落ち着くの早すぎねえ?普通もっと慌てるだろ…
あぁ、そうかこいつ家では妙に強気で内弁慶っぷりを発揮するんだったな。以前一緒に風呂入ろうとか言ってからかってきたくらいだからな、これくらいじゃあ別に慌てないってわけだ。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:35:48.74 ID:lzsc69m90 [54/62]
京介「うまかったよ。ごちそうさま」
麻奈実「よかったぁ~、じゃあ片付けしちゃうね。」
京介「俺も手伝うよ」
麻奈実「別にいいよ~、京ちゃんは座ってて?」
京介「そうか?悪いな」
京介「そろそろ寝るか?」
麻奈実「うん、そうだね。そろそろ寝よっか」
京介「おう、じゃあ俺は前の部屋で寝るから」
麻奈実「うん……あ、あのね」モジモジ
京介「うん?なんだ?もじもじしてないで言ってみろよ」
ここでまたトイレか?と言ってしまうほど俺は馬鹿じゃない。そもそもここは麻奈実の家なのだからトイレに行きたいなら勝手にいくだろうからな。
麻奈実「あ…あのね……今日は京ちゃんと一緒に寝たいなぁ…なんて……」
京介「ぶふっ!お…お前は何を言い出すんだ!!」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:37:52.72 ID:lzsc69m90 [55/62]
麻奈実「だ…駄目かなぁ……///」
京介「グッ///どうなってもしらねえぞ!」
麻奈実「うん、京ちゃんありがと~///じゃあ、お布団とってくるね」
くそっ、なんであいつはあんなに落ち着いてるんだ。いや、まったく冷静でもないようだが…俺よりは落ち着いている気がする。
くそ……なんか納得いかん。こうなったら俺もスイッチをオンにするしか……
麻奈実「うえええええええ!?」
京介「!?どうした麻奈実!」
麻奈実「な…なんでもない!なんでもないから!」
京介「なんでもないっておまえ…さっきの叫び声は明らかにおかし……」
麻奈実「だっ、大丈夫だって!だから京ちゃんはあっちで待ってて!」
京介「お…おう、わかったよ」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:41:48.43 ID:lzsc69m90 [56/62]
何をあんなに慌ててるんだ?さっきまでは割と落ち着いてるように見えたのに…
まぁいいや、俺はさっさと布団に入って寝るとしますか。万が一でも間違いがあるとまずいしな。
ソロソロ
京介「麻奈実か?えらく時間がかかったんだ…な…………お、お前なんて恰好してやがる!!」
そこには顔を真っ赤にしてうつむきがちに立つサンタがいた。いやもちろんその正体は麻奈実なんだけどな。
麻奈実「あ…あの…こ…これはね?お爺ちゃんが……これを着たら京ちゃんが喜ぶって…手紙が…そのなんか布団もなくて……」
京介「おーけー、わかった。何も言うな。」
そうかこれも爺ちゃんの陰謀か……あのじじい明日になったらおぼえてやがれ。
しかしこれはこれで大変似合っててかわいらしい。こいつ…コスプレすると栄えるな今度沙織に借りてなんか着せてみるか?
覚えてやがれと思ったがこれに関しては爺ちゃんGJと言わざるをえないな。
106 名前:さあ終わりという名のネタ切れが近づいてきました[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:43:18.65 ID:lzsc69m90 [57/62]
京介「ん?今ひょっとして布団もないって言ったか?」
麻奈実「うん……だ…だから京ちゃんの布団で寝かせてもらいなさいって…書いてて…あ、あくまでも書いてたからだよ?///」
ここまでくると狂気じみてやがる……麻奈実のご両親、あなたたちはそれでいいんですか?
京介「そ……そうかじゃあ俺はソファででも寝るからお前がこれで寝ろよ」
麻奈実「え!それは駄目だよ!京ちゃんが風邪ひいたら困るもん!」
京介「いや、しかしだな……」
麻奈実「大丈夫、私京ちゃんのこと信じてるから///」
京介「グッ///」
わかったわかった俺の負けだよ。そんな顔で微笑まれたらもう何も抵抗できん。おとなしく一緒に寝るとするか。
麻奈実「えへへ…京ちゃんぬくい……」
京介「あー、それは多分麻奈実が冷たいからだろ。くそ寒いのにそんなかっこしてるからだ」
麻奈実「喜んでくれた?///」
京介「う///…まぁその…なんだ……かわいくないこともないよ
109 名前:さるったでござる[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:08:27.17 ID:lzsc69m90 [58/62]
麻奈実「そう?えへへ、ありがと京ちゃん!///」
京介「今日はもう寝るぞ!///」
麻奈実「うん、おやすみ京ちゃん」
麻奈実「あ、起きた。おはよう~、京ちゃん」
京介「ん…おはよう………!!」
麻奈実さん顔が近い!……そうだった昨日は一緒に寝たんだった。それにしてもこいつは俺が起きるまでずっと待ってたのか?この体勢で?
京介「お前、俺が起きるまで待ってたのか?別に待ってなくてもよかったんだぜ?」
麻奈実「ううん、待ってないよ~。京ちゃんの寝顔見てたらあっという間に過ぎちゃった」
うおおおお!なんかしらんが猛烈に恥ずかしい……なんだこの気持ちは……
麻奈実「ところで京ちゃん」
京介「あん?どうした?」
麻奈実「あれ、なに?」
京介「あぁ、あれな。プレゼントだ。せっかくのクリスマスだからな」
111 名前:>>110単に慣れてきただけだぜ。なんせSS書くの初めてだからな。俺は桐乃を妹にしたい派[sage] 投稿日:2010/11/22(月) 22:11:15.11 ID:lzsc69m90 [59/62]
そう、俺は麻奈実が熟睡したのを確認してからこっそり枕元にプレゼントを置いておいたのだ。まさか、一緒の布団で寝るとは思ってなかったけどな。
俺が寝坊したのはそのせいなんだぜ、別に普段から寝坊してるわけじゃないよ?
麻奈実「開けてもいい?」
京介「おう、いいぞ」
麻奈実「えへへ、なにかな~」
そんな嬉しそうにされるとこっちもプレゼントした甲斐があるってもんだ。
麻奈実「わぁ……ネックレスだぁ……ありがと京ちゃん!」
京介「お、おう。普段は地味なんだ、お前もたまにはお洒落したってバチはあたらんだろうからな」
いかん、俺は何を言ってるんだ。これじゃあ単に嫌味なやつじゃないか。
麻奈実「ふふふ…ありがと京ちゃん」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:12:55.24 ID:lzsc69m90 [60/62]
全てを見透かしているかのような笑顔で微笑みかけてくれる麻奈実。まぁ、なんだこいつのこんな笑顔が見られるなら俺もあの苦行を耐えきった甲斐があったってもんだ。
そう、23日!俺は!わざわざ渋谷まで出かけてネックレスを買ってきたのさ!
あの超アウェー空間!冷や汗にまみれつつ選んだもんだ…あの空間に平気でいられる奴は勇者だね。
麻奈実「大事にするね!」
京介「おう、そうしてくれ」
麻奈実「プレゼントってわけじゃないけど、後で私の作った和菓子一緒に食べよ?」
京介「ククッ…クリスマスまで和菓子かよ」
だが、まぁこれも俺達らしくていいかもな。多分…これからも毎年クリスマスはこいつの手作り和菓子を食べて過ごすことになるんだろうな。
それもいい、実に俺達らしくてほんわかした気持ちになる。
麻奈実「どうしたの?京ちゃん」
京介「いや、なんでもない。さっ、早く起きて和菓子作ってくれよ!」
おわり
最終更新:2010年11月30日 22:42