桐乃「もうすぐバレンタインかぁ・・・」:83

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/14(月) 01:28:27.01 ID:kSDckSBAO [1/3]
「で、桐乃。話ってなんだ?」
「一年程前の話。次のキーワードから連想するものを答えて。
石ころみたいな形、砂利のような食感、せ、石炭みたいな味……」
「……正直に言っていいんだな?」
「いいから遠慮なく言いなさいよ!」
「いいから遠慮なく言いなさいよ!」
「お前が去年のバレンタインに投げてよこしたチョコのことだろ」

「……あやせが教えてくれたの。去年のあたしが作ったチョコの真実を」
「あやせがそこまで話してるなら、今更俺が付け加えることはないぞ」
「あたしが言いたいのは、あんたが、マズいならマズいってどうして言わなかったのかってことなの!」
…それまでの兄妹の関係から言えば無茶苦茶言ってるかもしれない。
でも、あたしは本当に、本当に、自分のチョコがそんなに凄まじいモノだとは自覚できなかった。
それならそうと、親友が、つらい思いで話してくれる前に、兄貴から教えて欲しかった…

「待てよ!俺は、お前がわざとあんな味のチョコを作って、俺にイタズラをしかけたんだと思ってた。
だから、『お前の目論み通りには動かねえよ』って思いで、あの時は超美味かったって答えた。
そうすれば、お前が嘲笑ってはこれないと思ってな。
だから、変な同情とか、お前に逆ギレされるのが嫌で嘘ついたとか、そんなんじゃない。
それだけはわかってくれよ」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/14(月) 01:31:15.83 ID:kSDckSBAO [2/3]
「……」
「桐乃。どうしたんだよ、っておい…」
急にいろんな思いが込み上げてきて、あたしは兄貴の前で涙ぐんでしまった。
「おかしいよね、おかしいよね。女の子なのに、
そんな味のチョコしか作れなかったなんて。
そう思ったら、泣けてきちゃった……」

「お前は人並み外れたいろんな才能あるだろ。だから他人と差がつきすぎないように
神様がお前にハンデをつけたんだろ。
それに、これから美味いもん作れるようになればいいだけじゃないか。だからもう泣くなよ。お前らしくない」

そんな兄貴の優しさに、かえって涙が出てきてしまう。
あたしは勇気を出して言ってみた
「ねえ、兄貴。今年もチョコ作るんだけど、よかったら……作るとこに立ち会って
アドバイスしてくれないかな?」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/14(月) 01:33:04.69 ID:kSDckSBAO [3/3]
というわけで、今年は兄貴と二人でチョコを作ることになった。
結局いくつかダメ出しを食らったけど、そのおかげで、今年は人並みのチョコを作れたと思ってる。
しかし、兄貴が作る過程に立ち会ってるので、チョコについてのサプライズ感が薄れてしまってるのも事実だ。
だから、チョコのデコレーションは、おもいっきり兄貴が驚くような内容にした。

そしてバレンタイン当日。
(って、やっぱあの文面はやりすぎたかな………
なんか恥ずかしくて熱くなってきたんですケド)
熱い熱い、体を冷まさないと……

「ちょ、おま、桐乃、なんなんだよその格好は!!!」
「……熱かったの、熱かったから!!!」

あたしがどんな格好でどんなチョコを渡したのかは
明日発売のアニメディアのポスターを見て貰えると(ry

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最終更新:2011年02月16日 16:48
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