無題:8スレ目83


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83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/03/05(土) 02:23:52.80 ID:TKVmfUeOo
「ただいま~」

帰宅の挨拶をするも、俺を暖かく出迎えてくれる人物はいない。声すらない。
高坂家の長男の扱いは往々にしてこんなもんだ。
まぁ、今日は親父は仕事。お袋は居るだろうがテレビでも見てるんだろ。桐乃はあやせ達と買い物だとかで昼過ぎには出かけていったしな。
だが今日に限って言えば、この無言空間は大変ありがたい。何故なら、誰にも見つかることなく、この手に持つブツを部屋まで持っていけるんだからな。
俺は靴を脱ぐと、忍者の如く気配を消しながら階段を静かに駆け上がる。
部屋に入り、扉を閉めたところでやっと一息つけた。ふぅ~、ミッションコンプリート。
ベッドに腰掛け、某有名量販店のビニール袋に入ったブツを取り出す。その箱を見ただけで、俺の顔はだらしなくにやけてしまう。

「ふへへ、ついに買っちまった」

おっと、自分でも身震いしたくなるくらいの気持ち悪い声を出しちまった。落ち着け、俺。自重しろ。そうだ、こんなときは素数を数えるんだ。
2, 3, 5, 7, 11, 13……。オーケイオーケイ。
昂る気持ちを少しだけ落ち着かせた俺は、箱の封を切り、中身を取り出す。
ボール紙、っていうのか?仕切りがある茶色い箱の中には赤・銀・黒が配色された奇妙な形の本体、黒のスロット、灰色のベルト部分とホルダー。
そして緑・赤・黄・黒色のでかいUSBメモリみたいな形のパーツ。これだけ言えば、わかるヤツにはわかるだろ?
包装袋を外し、本体にベルトをはめ込んだら、あとは腰に装着だ。
俺はベッドから立ち上がると、それを腰に巻き始めた。
……あれ?あれあれ?
ちょっと待て。待ってくれ。いや、待ってください。
あとちょっと……。あとちょっとなのに……、ベルトが届かNEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!

……orz。
いや、可能性は考慮してたさ。だってさ、「対象年齢3才以上」だけど、高校生まではカバーしてないよな。うん、普通はそうだよ。
だが、ここでへこたれるような俺じゃない。こんなこともあろうかとアレを買っておいたからな。
俺は某有名量販店のビニール袋に入った"もう一つのブツ"を取り出した。それは黒いベルトだった。
HAHAHAHAHA!!こんなときのために「DX延長ベルト」を買っておいて正解だったぜ!
コイツがあれば、たとえ俺のような思いをした人がいても大丈夫!早速、ベルト部分に付けてみよう。
さぁ、次はどうだ。
………………。
キタ!キタぞ!これで勝つる!
今、俺の腰にはベルトが巻かれている!巻かれているんだ!イィヤッフゥゥゥゥゥゥッ!!
次はコイツだ。俺は四本あるパーツから緑のモノを手に取り、背部に刺さっている紙を抜いた。ほら、アレだ。電池を繋げない様に差されている厚紙みたいなヤツ。
これで準備は整った。俺は、恐る恐る緑パーツに付いているスイッチを……押した!!

『サイクロン!』

おお。おおおお。オヲオオオッヲオオヲヲヲヲオオオヲッ!!
ガイアウィスパーキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
やっべぇ。どこかで聞いたことあるような音声だが、マジかっけぇ……。おもちゃの割に綺麗に聴こえるんだな。
次はこれを……ドライバーの右側に……。ゴクリ

『ディーンッ!ドゥーン、ドゥーン、ドゥーン……。』

待機音キタよキタよォォォォォッ。解放されるのを待ってるよォォォォォッ。
俺は待機音を鳴らしたまま、黒色のメモリを手に取り、厚紙を抜く。そして、スイッチを押して……。

『ジョーカー!』

ウホッ!これは良いジョーカー!
サイクロンに比べて、声が力強いなヲイッ!イイヨイイヨー。最っ高ダヨー。
今度はこれを……ドライバーの左側に……。

『ディーンッ!ドゥーン、ドゥーン、ドゥーン……。』

2本のメモリが待機中ダヨー。解放されたがってるよー。この好きモノめっ!
さぁ、あとはこの本体を、手を交差させてオープン……。

『ギュゥゥゥゥン……、サイクロン!ジョーカー!』
『ダラララーダーダーダー、バーンバーンバーン!』

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!サイクロンジョーカーだぁぁぁぁぁぁ!!
ああ、まさか男児用おもちゃでここまで感動出来ようとは……。あ、やべ。ちょっと涙出そう。

……ふぅ、ちょっと興奮しすぎたな。
時計を見ると、もうすぐ4:30になるところだった。今はここまでだな。こんな所、桐乃やお袋に見られたら馬鹿にされるどころじゃねえし。
俺はダブルドライバーとガイアメモリを、机の一番大きい引き出しの中にいれ、リビングに下りていった。


84 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/03/05(土) 02:24:29.51 ID:TKVmfUeOo
いつものように7:00に夕食を食べ、親父の後に風呂に入った俺は、今はもう上がって部屋に戻っていた。
それもこれも、さっきは存分に堪能できなかった「DXダブルドライバー」でしこたま遊ぶためだ!
今度はいくらかの落ち着きを持ってベルトを巻き、本体をWの形に開く。

『サイクロン!ジョーカー!ダラララーダーダーダー、バーンバーンバーン!』

おおお。
いいわぁ。すっげぇいいわぁ。たまんないわぁ。
さて、まだまだサイクロンジョーカーで遊べそうだが、ここでメモリチェンジだ!

『ヒート!』

赤いメモリのスイッチを入れ、ガイアウィスパーを轟かせると、俺はサイクロンメモリを抜き、ヒートメモリを差し込んでバックルを開いた。

『ヒート!ジョーカー!パララーンパラララパラララーン、バーンバーンバーン!』

オオオッ!ヒートの変身音はなんてロックなんだ!まさにヒート!震えるぞハート!燃え滾るほどヒート!
さてさて、ルナメモリはどんな感じかにゃーん。
さっきと同じ手順で、俺はヒートからルナへとメモリチェンジ!バックルオープン!

『ルナァ!ジョーカー!シャーン…シュアーーン…、バーンバーンバーン!』

さすが「神秘」の記憶を封じ込めたメモリ。変身音も何処となく幻想的だ。
しかし……、こうやってヒートとルナがあると、メタルとトリガーも欲しくなるな。放送終了して大分経ち、値下がりしたものをたまたま見つけたから買っただけなんだが……。
これはヤバイ。集めたくなってきた。
いやぁしかし、部長がPCで見てた動画をたまたま覗いただけだったんだが……。ここまでのめり込むとは思わなかったぞ。
最初は「なに?このセンターマン」なんて思いもしたが、見ていくうちにどんどんハマっていった。しかも、動いたらカッコイイしな。
ほら、あるだろ?ガンダムとかでもさ、公式イラストを見たときは「ないわぁ~」って思ってたのに、動いてるのを見たらメチャメチャカッコ良く見えるってことが。アレと同じだ。
桐乃も女児向けアニメであるメルルのファンだし。案外、似たような嗜好の持ち主なのかもな、俺達兄妹は。
さて、名残惜しいがそろそろやめておかないと桐乃がこっちに来そうだな。最後に、アレやっとくか。
俺はルナメモリを抜き、再びサイクロンメモリを差し込んだ。今度はなりきりだ。
まずは……手を交差させながらバックルを……開く!

『サイクロン!ジョーカー!ダラララーダーダーダー、バーンバーンバーン!』

交差させた手を解き、一昔前の某ヴィジュアル系バンドのボーカルのように、俺は両手を左右に開く。
今の俺は変身状態だ。ここから体を横に向け、顔だけ敵に向けながら、銃の形にした左手を掲げて……

「さぁ、お前の罪を数えろ」

ガチャ。
え?ガチャ?何、ガチャって?
え?ドアが開いてくよ?え?ちょっと待って。いやいやいや、マジで待ってェェェェェェェェェッッ!!
俺の懇願は届かず、ドアが開かれた。その先には……風呂上りで頬が赤い妹様が立ってましたよ。

「……なにやってんの」
「え、いや……。えっと、あの、これは違うんだ」

あまりのことにとっさに反応できない。なんて言えばいいんだよ。
おい、やめろ。ニヤニヤすんじゃねぇ、この野郎!妹だけどこの野郎!ぐあああっ、よりによってコイツに見られるとは!
おいばかやめろ。その「いいネタ見ぃ~つけた」って顔やめろ。いっや、マジでやめてください。やめてくださいこの野郎。

「へぇ~。そんな趣味が有ったなんて、まだまだ"純粋な心"をお持ちのようで~」
「いや、あのな。違うんだよ。これはだなぁ……」
「あ~はいはい。わかったからさ。ちゃんとみんなには教えとくから」

イヤァァァァァァァァッッ!
神様仏様桐乃様!それだけは!それだけはご勘弁を!マジでやめて!俺泣いちゃうぞ!本当に泣いちゃうぞ!
そんな俺の動揺は露知らず、桐乃はニヤニヤしながら自室に向かった。
……終わった。はは、終わった。


85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/03/05(土) 02:24:59.39 ID:TKVmfUeOo
アタシは自室に戻ると、まずドアに鍵をかけた。
それから本棚を動かし、コレクションスペースを開放する。少し奥まったところに置いたと思うんだけど……あった!
Mを逆さまにしたようなバックルのベルト。ダブルドライバーだ。
実はアタシも密かに買ってたんだよね、これ。
朝に放送してたヤツをたまたま見て、それから何となく見続けちゃって、思いのほかハマったんだよね。
それでベルトも買っちゃって、メタルシャフトとトリガーマグナムも揃えた。ファングメモリやエクストリームメモリ、プリズムビッカーもね。
しっかし、さっきの兄貴は傑作だったなぁ。今までも焦ったところは結構見てきたけど、あんなに見事に固まったのを見たのははじめてかも。
血の気引いてたよね、あれ?あ~キモキモ。ただでさえキモいのに、特撮好きとはねぇ~。
さっきの兄貴の顔を思い出しながら、アタシはベルトを巻いた。子ども用でもアタシなら余裕で巻ける。あれ、兄貴も巻けてたよね?結構細いんだ。
ベルトを巻き終わると、アタシはバックルに触れる。
劇中では、これを付けてると相手の考えてることが分かるんだよね。
これはおもちゃだからそんなことは出来ないけど、もしそんな機能があったら、素直に兄貴に感謝の気持ち、伝えられるかな?
いつもはついついキツイ態度を取っちゃうけど、ちゃんと感謝してるんだよ?兄貴、気付いてる?
アタシがソウルメモリ側で、兄貴がボディメモリ側だったら、変身すればいつでも話せるんだよね。兄貴の体の中でさ。たとえアメリカと日本でもさ。
でも……兄貴の体にアタシと兄貴の意識があるって、ちょっとキモいかも。けど、それだったらいつもみたいに恥ずかしくて手を上げることもないからいい……のかな?
そんなことが出来たら、あの冷戦状態も起きなくて、普通の兄妹をやれてたのかな?でも、やっぱりイヤかな。
うん、今の状態も悪くないし、アタシと兄貴はこれからもずっと兄妹なんだから。今はこれでいいんだ。
だいたい、あのシスコン兄貴の中にアタシの意識があったら、それこそ何されるかわかったもんじゃないし~。
アイツのエロエロな思考が流れてくるとか、うっわキッモ!マジキモい!あ~キモキモ。キモ過ぎて絶望したくなるわ。絶望がアタシのゴールになっちゃうじゃん。
それにファングジョーカーになったら、アタシの体にアイツが入ってくるじゃん!貞操の危機どころじゃないって!
あ~あ、シスコンの兄貴を持つと大変だよね~。
アタシはベルトを外して元の場所に戻し、コレクションスペースを閉めるとベッドにダイブした。
ボフン、と音が鳴り、ベッドが軋んだ。布団の柔らかさが伝わってくる。
とりあえず、今日の兄貴の恥ずかしいシーンは、明日黒いのと沙織に伝えとかないとね。
あ~、明日が楽しみ♪



おわり






86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2011/03/05(土) 02:25:45.28 ID:TKVmfUeOo
おまけ


同時刻 高坂家のとある一室―――。

「変身……」

『スカル!バン!ギュゥゥィイーン、ギュォォォンッ!』

「ふむ、俺の声に似ている気もするな」





同時刻 田村家―――。

「変……身ッ!」

『アクセル!ブゥンブゥゥンブゥンブゥゥンブゥゥゥゥゥン!キュイィィィン!』

「さあ……振り切るぜ」

「ロック~。お風呂あいたよ~」





同時刻 五更家―――。

「変身」

『KAMENRIDE……DECADE!!』
『キューン、シュパパパパパパーーン!』

「ふふ……。そう、私は世界の破壊者……」





同時刻 某高級住宅街―――。

『キンキンキンッ!』

「変身!」

『タカッ!トラッ!バッタッ!タ・ト・バ!タトバ!タッ・トッ・バッ!!』

「歌は気にするな……、と言われましても、やはり気になりますわね。放送が終了したら、全てのコンボ音をまとめてカラオケ配信してくださらないかしら?」
「さ、次はラトラーターですわ。ラタラタ~♪ラトラ~タ~♪ 」



おわり
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