桐乃「はぁ?アンタ掛け算もできないの!」


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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/04(金) 23:54:51.43 ID:1JCc6pGp0
    桐乃「マジありえないっての!」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/04(金) 23:59:29.09 ID:1JCc6pGp0
    京介「…何叫んでんのお前? 休みの日くらい静かにしてくれよ」

    桐乃「うっさい、アタシに指図すんな。てか、なんでココにいんのよ」

    京介「なんでって…、ココ俺の家だろうが。飲み物取りに来たんだ」

    桐乃「じゃあさっさと麦茶持ったら出て行きなさいよ。愛してやまない麦茶もったら出て行きなさいよ!」

    京介「別に好きってわけじゃねーっての。これしかねぇんだよ」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:05:41.61 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「いいからさっさと出て行って麦茶! あたし達忙しいんだから」

    京介「あたし……達?」

    加奈子「………………」

    京介「なんだ、お前の友達来てたのかよ。んじゃ、何?ケンカか」

    桐乃「べっつに、そんなんじゃないって。コイツがあまりに勉強できないから呆れてんの」

    京介「そりゃ全員が全員、オマエみたいに頭の回転はやくねーんだよ。仕方ないだろ」

    桐乃「違うわよ。そういう次元の話じゃぁないのよ」

    京介「なんだよ、そりゃ?」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:11:26.88 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「あぁ!! ったく黙って聞いてたらマジウゼーっての!」

    桐乃「な、何よその言い方! せっかく人が教えてあげるのに」

    加奈子「その上から目線がうっぜーんだよ!」

    京介「そうだぞ。その上から目線がうざいだぞ」

    桐乃「うっさい! アンタは便乗すんな」

    加奈子「つか別にいーじゃん、算数なんて何の役に立つんだっての」

    桐乃「……いい、加奈子? よく聞いてね」

    加奈子「…んだよ」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:21:09.17 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「別に微分積分学が出来るようになれとは言わないけど」

    加奈子「んじゃ、よくね? 加奈子このままでよくね?」

    桐乃「でも、掛け算が出来ないのはダメ。そんなヤツとは友達出来ない」

    加奈子「…テ、てんめぇそこまで言うか! んじゃゼッコーだゼッコー!」

    京介「おいおい、待てよお前ら。落ち着けって。ほら、麦茶飲め、麦茶」

    桐乃「うっさい、アンタには関係ないでしょ、馬鹿!麦茶馬鹿」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:28:29.69 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「…よし、決めた。加奈子もう決めたかんね」

    桐乃「何よ…。困るのはアンタでしょ。早く謝りなさいよ、今なら土下座で勘弁してあげるから」

    加奈子「はぁ? バカじゃね。なんで加奈子がんなことしなきゃなんねーっての」

    桐乃「アンタの為でしょうが! 今のままじゃ、まーた期末テスト最下位独走じゃん」

    加奈子「だいじょーぶだってばよ。もう桐乃の変わりは見つけたから。一夜限りの関係ってヤツ?」

    桐乃「人をひと夏の思い出みたいにいうな!」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:34:32.57 ID:+W+ZR8NG0
    京介「…んで、誰よ。お前らの交友関係だと、あやせ辺りか?」

    桐乃「だ、ダメ! それはダメダメ!」

    京介「ん? 何慌ててんの。別に普通だろ、むしろお前よりアイツの方が教えるの向いてそうだが」

    桐乃「はぁ?アンタ自分が何いってるか分かってんの。確かにあやせは分かりやすく教えてはくれるけど」

    京介「だったらいいじゃん。あやせでいいじゃん。今からウチに呼べばいいじゃん」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:40:08.55 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「それでこないだも、あやせが教えてたんだけど……」

    京介「あん? 別にこないだの話はいいから早くよんだらいいじゃん」

    加奈子「んでさ……、加奈子が16×55って問題解いてんだけど……」

    桐乃「加奈子が28って答えた瞬間…、ケーキを食べてたあやせのフォークが…」

    加奈子「……、『ろくご30ってやっておきながら なんで30より減るんだー』って、叫びながらあやせのフォークが……」

    京介「…………。あぁ、やっぱりいいわ。俺、麦茶持って部屋戻るからいいわ……」

    加奈子「って、ちょっと待てってばよ!」ガッシ

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:46:14.13 ID:+W+ZR8NG0
    京介「なに? いきなり掴んだら麦茶がこぼれるだろ」

    加奈子「てめぇ、麦茶と加奈子のどっちが大事なんだよ!」

    京介「麦茶だろ?聞くなよ」

    加奈子「即答すんなってばよ! つかなんで? 加奈子メチャカワイーじゃん! 事務所入ってんじゃん!」

    京介「いやでも、掛け算できない娘はちょっと……」

    加奈子「二桁だからだってばよ! だから待てよー!」ガシン

    京介「わーったよ! 分かったから落ち着け。麦茶がこぼれるだろ」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:52:17.10 ID:+W+ZR8NG0
    京介「んで。俺は何をすりゃぁいいのよ?」

    加奈子「単純明快だってばよ。桐乃の変わりに加奈子に勉強教えてくれればいいからさ」

    京介「仕方ねぇな。どうせダメって言っても聞かねぇんだろ」

    加奈子「オメェの麦茶がなくなってもいいんなら」

    京介「…はぁ」

    桐乃「ちょっと、加奈子…?」

    加奈子「んだよ。今更教えるって言ってものオセーかんな。加奈子怒ってんだから」

    桐乃「……なんでコイツこの立場で上から目線なの?」

    京介「知らん」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 00:59:13.12 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「ははぁん、さては桐乃妬嫉してんだー? 学年上位と京介を加奈子に奪われんのに妬嫉してんだー」

    桐乃「加奈子…。嫉妬ね」

    加奈子「わ、分かってってばよ! いちいちウルセーな」

    桐乃「ま、そこまでムカつく事言うならいいわ。勝手にすればぁ」

    加奈子「言われなくてもするってーの。はやくやろうぜ京介!」パサッ

    京介「へいへい。桐乃そういう事だから、俺に任せとけ」

    桐乃「言ったでしょ。勝手にすれば!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:06:04.47 ID:+W+ZR8NG0
    京介「ま、数学なんてもんはコツさえ掴めば簡単なんだよ。パズルみたいなもんだな」

    加奈子「スーガク……?」

    京介「あぁ、算数のことな。さんすう」

    加奈子「あ、それか。んだよ、いちいちムズイ言葉で言うなっての。京介も人がワリィなぁ」

    京介「すまんすま……。ん?」

    加奈子「なに? どした」

    京介「なぁ、桐乃。お前中学二年生だよな?」

    桐乃「それだけど。それがどうしたの? …アンタまさか自分の妹の歳忘れた」

    京介「んで、コレって。お前の同級生だよな」

    桐乃「そう」

    京介「………そう」

    加奈子「んだよ!? 何で可哀想な者を見る目してんだってばよ!」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:19:26.72 ID:+W+ZR8NG0
    京介「それじゃ、かなかなちゃんにはインド式掛け算でも教えてあげまちゅねぇ」

    加奈子「人をインド人みたいに言うんじゃねぇってばよ!」

    京介「……ツッコむ所ソコかよ? ま、いいや。良く聞け」

    加奈子「お、おうよ」

    京介「掛け算なんてもんはな、何桁あろうが落ち着いて計算していけば絶対に答えがでるんだよ」

    加奈子「ぜ、絶対にでんのか!?」

    京介「あぁ。お前は掛け算を…、いや数学を難しく考えすぎなんだよ」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:30:45.73 ID:+W+ZR8NG0
    京介「数字は友達怖くないだ! この言葉を胸によく刻んどけ」

    加奈子「カ、カッケー! なぁ、京介の事センセーって呼んでよくね? 加奈子、呼んでよくね!」

    京介「おお、いいぞいいぞ」

    桐乃「……キモ。何ヘラヘラしてんのよ」

    京介「ウルセー。普段から誰かさんの性で敬われる事なんざほとんど無いもんだからなぁ」

    桐乃「ぐっ……!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:38:34.60 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「なぁ、センセー。加奈子な、加奈子な!」

    京介「うんうん。どうした? 生徒その1よ」

    加奈子「加奈子、数字は友達だけど。桐乃は友達じゃねーよ!」

    京介「あぁ。そうだな。桐乃は友達じゃねーよな」

    桐乃「だから、乗っかんな! ソコは突っ込むとこだってのッ!!」ブォン

    京介「っ痛てぇな!? リモコンは投げるモンじゃねぇだろ」

    桐乃「うっさい! アタシに指図すんな」

    京介「投げるんなら匙でも投げてろよ、負け犬」

    加奈子「そうだぜぇ、負け犬ぅ」

    桐乃「加奈子は意味分かってないクセに乗っかんなっ!」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:51:32.21 ID:+W+ZR8NG0
    京介「んじゃ、まずは軽くあやせに教えてもらってた16×55から解いていこうかね」

    加奈子「……ま、マジデか」ビクッ

    京介「落ち着けって。ここに今日はあやせは居ないだし、フォークは飛んでこないって」

    桐乃「あったりまえでしょ。だからコッソリアタシのウチに呼んであげたのに…」

    加奈子「フォークじゃなくて匙が飛んできたけどな」

    桐乃「だから、うっさい! どこまで恩を仇で返す気よコイツ!」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 01:59:45.50 ID:+W+ZR8NG0
    京介「んじゃ、かなかなちゃん。俺のやる通りに、数字を縦に並べてみな」

    加奈子「こうか? なんだコレ。縦に並んでんなコレ!」

    京介「これが筆算ってヤツだ。これで、上下の数字を一つずつ計算していくんだ」

    加奈子「うわ!? なんだよこれ。こんな沢山数字あったらどう発音すんの」

    京介「そう、慌てるな。この状態から今まで出てきた数字を…こう縦に足してやるんだ」

    加奈子「ほうほう。……お。なんか数字になったな。はっぴゃくはちじゅう…?」

    京介「おうよ。コイツがあやせがフォークを突き出してまで答えさせたかった真実ってやつだ」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:08:56.32 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「真実…。コイツがありゃ加奈子にフォークが飛んでこなかったっての?」

    京介「おうよ。あやせの事だ、むしろご褒美にケーキの天辺に乗ってたイチゴでもくれたんじゃないか」

    加奈子「何それ? ヤバくね? マジ、ヤバくね? どんだけ加奈子達、仲良しだっての! メッチャ仲良しじゃね」

    京介「あぁ。とっても仲良しじゃねぇかお前たち。ほら、もっと想像してみろよ。怖くないだろ?」

    加奈子「怖くない! 加奈子、すっげぇワクワクすっぞ! その妄想の仲に桐乃いねぇけど、すっげぇワクワクすっぞ!」

    京介「あったりめぇだろうが! よし、いっちょ加奈子も掛け算やってみっか!?」


    桐乃「バカ×バカはスッゴイ不快いぃぃいッ!!」ブォン

    ザッグゥーーゥ!

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:14:11.92 ID:+W+ZR8NG0
    京介「痛ってぇーな! お前やってんの!」

    桐乃「お望みどおり、匙投げてやってんのよ。息の根止めるのは無理でも、アンタの腐敗した脳みそくらいは掻き出して抉れるんじゃないの」

    京介「いや、そっちの方がイヤだよ! 普通に息の根止めろよ」

    加奈子「ちょっと静かにしてくんね? 加奈子、ケーサンに集中できねぇんですけどぉ」

    京介「そうだぞ。加奈子が計算してんだから! お前の目的を忘れたのか」

    桐乃「そ、…それは…そうだけど」

    加奈子「えーっと。こーやって、縦に並べてぇ」カキカキ

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:21:43.18 ID:+W+ZR8NG0
    京介「ほら、見ろよ。加奈子のこの姿をさ」

    桐乃「このって……、どれよ?」

    京介「確かに掛け算なんて、お前にとっちゃぁ鼻で息をするような簡単な事かもしれないけどさ」

    桐乃「うん…?」

    京介「でも、アイツ…。来栖加奈子にとっちゃ、フォークがぶっ飛んでくる程に大変な作業なんだよ。そいつを理解してくれねぇか」

    桐乃「そっか……。アタシちょっと考えが足りかなったのかもしれない。加奈子の気持ち全然解ろうともしなかった…かな」

    京介「ま、仕方ないっちゃ仕方ないか。お前は容姿端麗、頭脳明晰の高坂桐乃だもんな」

    桐乃「…うっさい。イヤミのつもりなの」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:33:00.84 ID:+W+ZR8NG0
    京介「そうじゃねぇよ。ただ、こういう時は平々凡々に生まれてきた事に感謝したくなるね」

    桐乃「そのお陰で加奈子の気持ちが理解できたから。…でしょ?」

    京介「そういう事さ。これでお前も答えが解ったってわけさ、真実にな」

    桐乃「フン……。 勝手に言ってれば。先生」

    加奈子「よっしゃぁ! センセーできたぜぇ! 加奈子ひっさん 出来たってば! こんなの加奈子にとったら簡単だっての!」

    京介「うれしそうだなアイツ…。よし。桐乃、冷蔵庫のケーキでも食うか?」

    桐乃「アンタがどうしてもっていうならいいけど。……勿論、三人でね?」


    加奈子「答えは、にじゅうはちだぜ、センセー!」


    京介・桐乃「………………」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:40:11.27 ID:+W+ZR8NG0
    京介「なぁ、桐乃……。 匙ねぇ? サジ」

    桐乃「ゴメン…。さっき投げたので全部……」

    加奈子「何? ケーキあんの!? マジ?やっべぇ! 加奈子甘いモンすっげー大好き!」トコトコ

    京介「………待て」ガシッ

    加奈子「あんだよ、センセー。お礼のチューなら後でしてやっからよ! 加奈子頭つかったから、今スゲー甘いもの食べてぇの」

    京介「掛け算出来ない娘の接吻なんぞ、こっちからお断りだわッ!!」

    加奈子「なっ!! テメェー、照れ隠しも程ほどにしねーと加奈子も怒っんかんな!」

    京介「つーか、何で脳が糖分欲してんだよ! お前解けてねーじゃん! ろくご30ってやっておきなら、なんで30より減ってんの!?」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 02:51:49.90 ID:+W+ZR8NG0
    =二十分後=

    加奈子「どうよ、センセー? 落ち着いた」

    京介「あぁ、もうオチついたよ……。だから帰れよお前」

    加奈子「はぁ!? 何いってんの? ありえなくね? マジありえなくね? 加奈子まだ掛け算解けてねーってば。センセー加奈子の気持ち解んだろぉ」

    京介「だって九九が出来ねぇとは思ってなかったんだってば」

    加奈子「ば、バカにすんじゃねーよ! あれだよ…その。八の段とかややこしくね?」

    京介「ややこしくねぇ」

    加奈子「そ、即答かよ!? センセーやっぱスゲェな」

    京介「お前は…別の意味でスゲェよ?」

    加奈子「うん? なんでギモンケーなんだよ」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 03:04:46.43 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「ま…、アンタにしては良くやったんじゃない? 褒めてあげてもいいよ、あんな真顔で偉そうな事言ってたのも含めてさ」

    京介「あぁ……、今はお前の嫌味が心地良いわ」

    加奈子「つーかさ。なんでもうブルー入ってんの? ここで諦めたらマジダサくね? 加奈子チョー引くんですけど」

    京介「加奈子…、お前」

    加奈子「加奈子ぜってぇー諦めねぇよ。諦めたらそれで終わりじゃんか。だからぜってぇ諦めねぇ…」

    桐乃「……兄貴? いいの…」

    京介「俺だって、内心は諦めたくはねぇよ…。でもなぁ…」

    加奈子「何ぃ! 煮えきらねーな。 答え一個しかねぇーじゃん。空気よんでくれね? 京介マジ、ケーワイっしょ」


    桐乃「……だから、なんでコイツこの立場で上から目線なの?」

    京介「知らん」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 03:17:39.63 ID:+W+ZR8NG0
    京介「あのさぁ、来栖加奈子?」

    加奈子「んだよ。ふるねーむで呼ぶんじゃねぇっての」

    京介「このまま、続けても俺、加奈子に掛け算マスターさせれる自信ないのよ」

    加奈子「大丈夫だって! 出来るってば! センセーなら出来るってばよ!」

    京介「それで、無理に続けてお前の中に新しいアヤセを植え付ける結果になったらどうするよ」

    加奈子「新しいアヤセ? なにそれ、加奈子難しい言葉わかんね」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 03:23:31.54 ID:+W+ZR8NG0
    京介「心理的に大きな打撃を与えて、その影響が長く残るような体験ってトコだな。類語にキリノっていう言葉もある」

    加奈子「ほーげー。センセー、マジはくしきじゃなくね?」カキカキ

    桐乃「博識でも無いしそんな言葉も無いわ!! 普通にトラウマって言えばいいでしょうが! 加奈子もメモとんな!!」

    京介「だって、コイツが解り易い様に覚えさせたほうがいいだろ」

    加奈子「残るたいけん……るいごに ………。はメモん無くていいや」カキカキ

    桐乃「ちょ、なんでそこだけメモらないのよ! つか、アンタどんだけアタシの事嫌いなのよ!?」

    加奈子「なーにってんだよ類語! 加奈子たちマブダチじゃね?」

    桐乃「ルイゴじゃなくてキリノ! 一文字ってあってないじゃない!?」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 20:43:37.65 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「でも、でーじょうぶだって! あやせ切れたらうっぜーけど次の日にはケロっとしてんもん」

    京介「へぇ、意外だな。東京都の地下水なみにドロドロしてそうなんだが」

    桐乃「ケロっとしてんのはあやせじゃなくて、加奈子だってば」

    加奈子「加奈子、こまけーことは引きずんねーもん」

    京介「引きずるってより、コイツの場合は寝たら記憶がリセットされてそうだな」

    加奈子「そんな褒めんなよぉ京介ー」

    桐乃「褒めてないてっば…。でも困ったわね」

    京介「困った…、困った…。ん?そうだ」

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 20:53:15.72 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「ん? どうしたのよ、ケータイなんか取り出して」

    京介「よし。お前ら、ちょっと待ってろよ」スタッ

    加奈子「おい、待てよ! 逃げんなよ京介ー。テメェは加奈子のセンセーなんだかんな!」

    京介「逃げねぇって、安心しろよ」

    加奈子「マジ? ぜってーマジ? センセーの事頼りにしてんだぜ」

    京介「おうよ。俺もちょっと頼ってくるのさ」

    加奈子「頼るってだれべ? 京介センセーなのに…、九九できっのに誰に頼んの?」

    京介「俺のセンセーってトコかな」

    桐乃「センセーってか地味子っしょ」

    京介「うるせぇ、地味子言うな」

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 21:05:27.82 ID:+W+ZR8NG0
    =十五分後=

    加奈子「なー京介。まだケーキ食べたらダメなのかよぉー」バッタン

    京介「ダメってたらダメなの。つーか、目離した隙に冷蔵庫の扉開けんなよ」

    加奈子「いいじゃんか、見てっだけだから。なぁ京介このイチゴのショート加奈子んのな! わぁーった?」

    京介「はいはい。わぁーったから、早く閉めろよ。冷蔵庫ん中の温度が上がるだろうが」

    加奈子「ぜってぇーだかんな! ……、唾つけとこっかな」

    京介「いいから、また桐乃とぷよぷよやっとけよ」

    加奈子「アイツ、負けたらすぐスネっからヤダよ。つか、コントローラー貸してくんねーし」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 21:26:11.81 ID:+W+ZR8NG0
    京介「おい、桐乃。加奈子ほっといて、一人でやってんじゃねぇよ」グイ

    桐乃「……ふふ。すけとうだらちゅぁん。もう、アタシ二十連勝だよぉ」ガチャチャ

    京介「き、…桐乃が遠い目をしている…」

    加奈子「な? 加奈子の言ったとおりだべ」

    京介「お前、コイツに何やったのよ?」

    加奈子「べっつにぃー、なんもしてねぇよ。桐乃が激甘で加奈子激辛だろ。それで加奈子が十五連勝しただけだってば」

    京介「……頼むから少し手加減してやってくれ。コイツがプライド高いの知ってるだろ」

    加奈子「てかげんって何よ? 加奈子わかんね。常に全力で生きてるからわかんね」

    京介「だろうな…」

    ピンポーン

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 21:38:16.14 ID:+W+ZR8NG0
    麻奈実「お邪魔しますぅー」ガチャリン

    京介「おぉ。上がってくれ、上がってくれ」

    加奈子「…ん? なに、コイツがセンセーのセンセーなの?」

    麻奈実「せんせーのせんせー? どういうことかな、きょうちゃん」

    京介「どうもなにも、そのまんまよ。お前に九九を教えてやってほしいんだ!」

    麻奈実「え……くく? くく…教えるの」

    加奈子「…あん。んだよ、なんで鳩がまめてっぽー食らったみてーなツラしてんだ」

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 21:48:06.88 ID:+W+ZR8NG0
    京介「麻奈実。お前が驚く気持ちはよーく解る。だが、もうそんな時間はねーんだ、なんとしてやるしかねぇんだよ、俺たちは!」

    麻奈実「きょ…、きょうちゃん…。そうだよね、時間ないんだもんね。やるしかないよね」

    京介「麻奈実、わかってくれたかよ!」ガシッ

    加奈子「んだよ。んな深刻そーな顔すんじゃねーっての」

    京介「『そう」じゃなくて深刻なんだっーての。いいから準備、準備! 時間が勿体ないだろ」

    麻奈実「そうだよね…。がんばろ、きょうちゃん! きっと大学入試までには間に合う…、ううん間に合わせてみるよ!」グッ

    京介「って、俺じゃねぇよッ!!? 教えて『やって」欲しいって言っただろうが!」

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:08:23.34 ID:+W+ZR8NG0
    麻奈美「えぇえ!? …あ、そ、そっかー。びっくりしたよぉ」

    加奈子「え、京介も九九できねーの? マジで? ありえなくね」

    京介「なにドン引きしてんだよ! 出来てねーのはお前だ。いいから早く準備する」

    加奈子「へいへーい。わーったよーだ」

    京介「…て、わけで頼むわ麻奈実。コイツ、『来栖加奈子』に掛け算を教えてやってくれ」

    麻奈実「うん、そういうことだね解ったよ」

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:13:32.55 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「んでさ、アンタは砂糖何個入れんの?」ゴソゴソ

    京介「アンタじゃねーだろ。麻奈実おねーさんと呼びなさい」

    麻奈実「別に私は気にしてないよ。加奈子ちゃんの呼びたいように呼んでね」

    京介「ったく……」

    加奈子「で、センセーは何個よ?」

    京介「砂糖って珈琲かよ? 俺はいいって、麦茶があれば……。ん?」

    加奈子「遠慮すんなって、加奈子サービスすっからよぉ」ゴソゴソ

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:24:54.27 ID:+W+ZR8NG0
    京介「いや、待て。ちょっと待て。お前何してんの?」

    加奈子「何って準備に決まってんだろ。加奈子の入れる珈琲すっげぇ美味いんだぜ」

    麻奈実「そうなんだぁ。楽しみだなー私」

    京介「インスタントなら誰が入れても一緒だろうが。つーか準備ってお茶の準備じゃねぇよ」

    加奈子「は? 何いってんの。加奈子わけわかんなくね」

    京介「準備って言ったら、勉強する準備だろうが!」

    加奈子「えー? でも、加奈子マジ甘いもの好きなんですけど」

    京介「それじゃ、こうしようぜ。お前の勉強が終わったら食べていいよ」

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:35:31.05 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「んだよ、それ。焦らすんじゃねーって!」

    京介「いいから聞けって。たとえば加奈子、お前が雪山で遭難したとしよう」

    加奈子「は? なんで。ありえなくね? 加奈子寒いの嫌いだしありえなくね?」

    京介「……あぁ。ありえねーな…」

    麻奈実「きょうちゃん大丈夫? なんか目の焦点があってないよ」

111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:46:57.29 ID:+W+ZR8NG0
    京介「なぁ、桐乃。もうちょっと手加減してくんね?」

    桐乃「いやに決まってんでしょ。つーかアンタがお邪魔ぷよ送ってこないからでしょ」

    京介「中々連鎖しねーんだからしょうが無いだろ」

    桐乃「そんな適当に積んでたら無理に決まってんでしょ。こうやって導火線のように次にくるぷよを計算して置かないと」

    京介「ふむ。なるほどなぁ、意外と頭使うんだな」

    桐乃「ま、アンタのスッカスカの頭じゃ無理じゃないかなぁ」

    京介「ほー、言うじゃねぇか。見てろよ、この京介様の底力を……」

    桐乃「ん? 何よ、最後まで言いなさいよ」

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 22:51:27.56 ID:+W+ZR8NG0
    京介「なぁ、桐乃。お前、加奈子に十五連敗したんだっけ?」

    桐乃「う、…うっさいな! たまたまよ、たまたま。調子が悪かったんだから!」

    京介「そういう事か。…喜べ桐乃」

    桐乃「な、何よ」

    京介「加奈子が掛け算できるようになるかもしれねぇ」

    桐乃「ほんと? …てか、何でよ。アンタ、あたしとぷよぷよしかしてないじゃん」

    京介「いいから、こっちこいって」グイッ

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:04:42.82 ID:+W+ZR8NG0
    京介「おい、加奈子。ちょっといいか」

    加奈子「なにもう、戻ってきたの? もっとゆっくりしてりゃぁいいじゃん」カキカキ

    麻奈実「もうちょっと待ってね、きょうちゃん。もう少しで加奈子ちゃんに五の段ますたぁできそうだから」

    京介「いや。わりぃけどもういいぜ麻奈実。比較的わかりやすい五の段でそんな時間がかかってるようじゃ、とてもじゃないが期末テストには間に合わねぇ」

    桐乃「ちょ、アンタいきなり何いいだすのよ! 白旗宣言のつもり?」

    京介「バカいうんじゃねぇよ。言っただろ加奈子が掛け算できるようになるかもしれねぇってな」

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:11:04.59 ID:+W+ZR8NG0
    加奈子「あんだよソレ。しれねぇって随分あやふやじゃねぇかよ」

    京介「あぁ、そうだな。でも、冷静に考えたら今の方法よりかは確立は高いつもりだ」

    麻奈実「ごめんね、きょうちゃん。私の教え方が悪いからだよね…」

    京介「馬鹿野郎、んなわけねぇだろ。言ったろ、お前は俺の先生なんだよ。お前の教え方がすっげぇ上手いってのは俺が一番良くわかってるさ」

    麻奈実「きょ…きょうちゃん。ありがとうね」

    桐乃「あーはいはい。いいから、さっさと本題に入りなさいよ。……つーか、なんで地味子がここにいんのよ」

    加奈子「おめーが遠い目でぷよぷよしてた時に決まってんだろ。てかなんでキレてんのオメェ」

    桐乃「う、うっさい!」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:21:33.36 ID:+W+ZR8NG0
    京介「確かに普通に教えるなら、麻奈実以外に適切な人材はいねぇよ」

    桐乃「ま、認めたくはないけどそれには同意かな。アタシやあやせじゃ、助走つけて殴りたくなるレベルだもん」

    麻奈実「じょ…助走をつけてって…。ダメだよ桐乃ちゃん友達にそんなことしたら。ゆっくり教えてあげたら理解できるんだから」

    京介「そう。あやせは勿論の事、俺や桐乃じゃ、いちいちキレちまって時間がいくらあっても足りねぇんだ」

    加奈子「なによソレ? さっきからキレられねーのって加奈子が賢いからじゃねぇの? そうじゃねぇの姉貴?」

    麻奈実「そうだよー。だから加奈子ちゃんは自信をもっていいんだよ」

    加奈子「だよな! マジパネェよな加奈子の飲み込みの速さ。どーよ京介。加奈子の頭ナデナデしていーんだぜ」

    京介「へいへい。へいへーい」

    加奈子「んだよ! そのそっけねぇ返事は!」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:31:04.88 ID:+W+ZR8NG0
    京介「だから何度も言ってんだろうが。いくらお前が平均的な小学生低学年に比べて九九の飲み込み早いといっても、麻奈実の教えるスピードじゃ、どだいテストに間に合うとはおもえん」

    加奈子「んなのやってみなきゃわっかんねーだろ」

    京介「俺だって麻奈実の顔を立ててやらせてやりてーよ。…でもな、そいつはちょっとばっかし、リスクが高すぎるんだよ」

    加奈子「リス……食う…」

    桐乃「…んで? そこまで現状を否定すんなら、それを覆す案を勿論用意してるんでしょうね」

    加奈子「ゲンジョー……ひてー…」

    京介「あったりめぇだろうが。…いいか良く聞け。加奈子は確かに掛け算出来できねぇ」

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:36:56.29 ID:+W+ZR8NG0
    桐乃「そんなのアタシが一番良く知ってるって」

    京介「でもなぁ…、コイツはバカじゃねぇんだよ…!」ビッ!

    桐乃「なっ……!? アンタ…、アンタ自分が何言ってるか解ってんの! そ、そんなワケないじゃない。掛け算が…、九九が出来ないのよ!」

    京介「あぁ、確かにコイツは九九ができねぇ…。でもな、お前がさっきコテンパンにやられてたゲームはなんだ?」

    桐乃「そんなの今は関係ないじゃないの!」

    京介「いいから応えろ桐乃。 お前がさっき加奈子に連敗したゲーム…、そしてそのジャンルは何だったんだ」

    桐乃「アンタだって知ってるでしょ、ぷよぷよよ、ぷよぷよ。パズルゲームの……。あっ!」

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:44:19.44 ID:+W+ZR8NG0
    京介「そうだ…。気づいた様だな、お前が…。容姿端麗、頭脳明晰の高坂桐乃が負けたゲームは、反射神経を使う格ゲーでも、音感を使う音ゲーでもねぇ」

    桐乃「頭脳を使う……パズルゲーム…」ゴクリ

    京介「思い出してみろ。お前と対戦した俺はてんで歯が立たなかった。だが、そんなお前に加奈子は十五回勝利したんだ。こいつは偶然でもマグレでもない」

    桐乃「で、でも。だったらなんで加奈子は九九が出来ないのよ! クソ猫の妹でも出来るのに、できないのよ!?」

    京介「簡単に言やぁ、方向性の違いってヤツだな」

    桐乃「方向性…? どういう事よ、さっぱり解らないってーの」

    京介「なら本人に直接聞いてみようぜ。加奈子、お前数字は好きか?」

    加奈子「あん……?そりゃ…、センセーが言ってただろ。数字は友達なんじゃん…」

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/05(土) 23:55:45.74 ID:+W+ZR8NG0
    京介「なんだよ、らしくないな。俺に気を使わなくていい。…お前が正直に思った気持ちを開放してやればいいんだ」

    加奈子「…加奈子…、加奈子はやっぱりスージとは友達になれねぇ…!」グッ

    麻奈実「か、…加奈子ちゃん…」

    加奈子「ワリィ、姉貴が何度も何度もバカな加奈子に教えてくれたのは良くわかってんぜ…。その気持ちはスゲーうれしいよ」

    桐乃「アンタがそこまで思ってたなんて…。アタシ加奈子の事誤解してかも」

    京介「そうだぜ…。俺も含めてみんな誤解してたんだよ」

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:03:19.15 ID:8M9q6wmx0
    加奈子「でもダメだわ…・。加奈子にゃやっぱり無理だ。スージも…そんでもって桐乃も…。やっぱり友達にはなれねぇ!」

    京介「いい。それでいいだよお前は」

    加奈子「セ…、センセー。でもそんじゃ加奈子、掛け算は…九九はできねーって事じゃねーか…」

    桐乃「なにやってんのよ兄貴…!いくら加奈子の誤解がとけても…、16×55がとけなきゃどうにもならない…。あやせのフォークは急には止まらないのよ!」

    京介「そう慌てるな。数字と加奈子は確かに相容れねぇ。でもな、だからといって掛け算を解く方法が無ぇってワケじゃないんだ」

    麻奈実「ほんとうなのきょうちゃん? でも一体どうやって」

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:07:15.05 ID:8M9q6wmx0
    京介「俺が思うに、こいつは頭んなかで数字や文字じゃなくて、物…、形でイメージしてるんだよ」

    桐乃「形…? どういうことなの」

    京介「コイツはいまだに数学の事を算数だって思ってるだろ?」

    桐乃「そうだけど。それがどうしたっていうのよ」

    京介「でも、ちゃんと学校に行って授業をこなしてる。その中には数学だってあるだろ」

    桐乃「……あたりまえじゃないの」

    京介「じゃあ、どうやって加奈子は数学って文字が書いた教科書を毎回用意できるんだ?」

    桐乃「そ、…そうか!?」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:14:01.29 ID:8M9q6wmx0
    京介「コイツは文字なんて読んでない。『数学』っていう形を見て『すうがく』って認識してるんだよ」

    桐乃「だから、直感的に見てぷよの色で計算をする事によって、ぷよぷよというパズルゲームが出来たのね」

    京介「しかも、生半可な処理能力じゃねぇ。きっと、文字や数字で認識してない分のキャパシティが全部そっちに回ってるんじゃないか」

    桐乃「なんだ、そんな事ならさいっしょから言いなさいよ加奈子! だったら、最初っからあやせにフォーク飛ばされる事も無かったのに」


    加奈子「………こいつら何いっての姉貴? なんか、マジやばくね」

    麻奈実「…ごめんね。お姉ちゃん横文字に弱いから、ごめんね」

    京介「まぁ、こうなるわな……」

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:20:54.45 ID:8M9q6wmx0
    京介「ま、コイツは小難しく考えるよりは実践してみて方が早いだろ」

    加奈子「んだよー…。加奈子をのけもんにして桐乃とばっかりイチャイチャしやがって」

    桐乃「してないってーの! 変な事言わないでよね。ほら兄貴、さっさと初めてよ」

    京介「そうだな、それじゃ今度こそ16×55をやっつけるか」

    加奈子「…じょ、じょーとーじゃねぇーか! 五の段は加奈子マスターしてっかんな、ホントだぜ」ダラダラ

    桐乃「…にしては汗だらだらなんだけど、アンタ」

    加奈子「み、みてろってーの! えっと…こうやってまずは縦にかいてぇ」カキカキ

    京介「いや、もう筆算はしなくていいぞ」

    加奈子「あん?」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:30:23.79 ID:8M9q6wmx0
    京介「まずは精神を落ち着かせて、物をイメージするんだ」

    加奈子「モノって…なにをイメージすんのさ?」

    京介「何でもいいけど、そうだな。それじゃ、ストロベリーを一つ頭の中で思い描いてみろ」

    加奈子「ストロベリーって…イチゴだな。うっし…」

    京介「そんでもって、今度はそいつを十六個に増やすんだ」

    麻奈実「…えーっと…、すとろべりぃーを十六個に…。十六個…」

    桐乃「…なにやってんのアンタ?」

    麻奈実「私も加奈子ちゃんと一緒にきょうちゃんの授業を受けてるんだよ」

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:37:27.68 ID:8M9q6wmx0
    加奈子「…できたぜ、センセー。んで次は?」

    麻奈実「え!? も、もうできたの、加奈子ちゃん?」

    京介「ま、アイツのぷよぷよの腕をみりゃこんなモン朝飯前だわな。麻奈美、驚くのはこっからだぜ」

    麻奈実「どういうこと、きょうちゃん?」

    京介「おい、加奈子。次はその十六個を五十五個用意するんだ。できるか?」

    加奈子「ったりめーじゃん! …おいよっと。んで?」

    京介「所要時間、一秒三十二…、上出来だ。最後にお前の頭ん中にソイツを全部で何個ある!」


    加奈子「答えは、にじゅうはちだぜ、センセー!」

    桐乃「………………」

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:46:25.60 ID:8M9q6wmx0
    京介「何で解けてねーんだよ! ここ解けるとこだろ、どうみたって解けるトコだろ!? いちご55個用意しておきなら、なんで55より減ってんの!?」

    加奈子「いやぁ、さっきから加奈子腹へってっからさ。つい、つまみ食いしっちまった」

    京介「どんだけリアルな脳内なんだお前の頭は!? つーか、なに一秒ちょっとの間に、852個も食ってんのこの娘!!」

    麻奈実「加奈子ちゃんそんなにお腹すいてたんだ…、可哀想だね」

    加奈子「んだべ? もう加奈子のお腹と背中がくっつきそうでカワイソーってばよ」

    京介「可哀想なのは、テメェの腹じゃなくて頭だってばよ!!」

    桐乃「あー…もう、うっさいうっさい。だからアンタはバカなのよ。アタシに任せなさよ」

    京介「は…? お前にだと」

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:51:10.17 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「アンタの考えだと、処理能力が高ければ高いほど正確にかつ鮮明…、つまりリアルにシュミュレートされるってわけっしょ?」

    京介「あぁ。だからこの方法で間違いないと思ったんだが…」

    桐乃「確かにそうよ。ただね、イメージするモノが悪いんだって」

    京介「モノ…か?」

    桐乃「おそらく加奈子の頭の中は、現実と同様…いや、それ以上に時間や次元も自由に操れるのかもしれない…」

    京介「次元まで…。もはや、人には遠く及ばねぇ神の領域だな…」ゴクリ

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 00:57:49.59 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「そう…。だから、その加奈子の精神世界において、時間や次元を跨いでも存在し続けるものじゃないとだめなの」

    京介「時間や次元…。おい、待てよ桐乃? そんなモン存在するのかよ」

    桐乃「…それがあんのよ。たった一つだけね」

    京介「な、なんだと…。ソイツは一体何なんだ…?」

    桐乃「それはね…。友達、そして友情の絆よ」

    京介「………桐乃」

    桐乃「何?」

    京介「今のお前、世界で一番気持ちワリィよ」

    桐乃「うっさい。黙れ」

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:00:57.58 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「加奈子、今度はアタシの言うとおりにしてちょうだい」

    加奈子「あー? まだやんの。もういいんじゃね。加奈子はやくケーキ食べたいですけどぉ」

    桐乃「さっき、山ほどストロベリー食べたんでしょ。我慢しなさいよ」

    加奈子「は? 桐乃バカじゃね。あんなん絵に描いた餅だってーの。ちょっとしか腹ふくれねぇよ」

    麻奈実「…ちょっとは膨れるんだ」

    桐乃「とにかく、さっさとイメージするの」

    加奈子「ちぇー。んで、次は何イメージすんのさ」

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:07:01.18 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「ふふふー。喜びなさい、アンタはこれから、この超売れっ子読者モの高坂桐乃ちゃんをイメージするのよ」

    加奈子「……うぅ…ううん…」

    桐乃「どう? イメージした?」

    加奈子「え…、ちょ、ちょまち。…んっと…」

    麻奈実「どうしたんだろ、加奈子ちゃん手間取ってるね」

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:09:29.70 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「何、どしたの? やっぱ人物をイメージするのは難しかったかしら…」

    加奈子「いや…、単純に『超売れっ子読者モの高坂桐乃』ってーのが思い出せねー…」

    京介「がんばれ加奈子! ほら、このファッション誌に写真が載ってるぜ!」サッ

    加奈子「サンキュー…京介! これで加奈子がんばれそうだぜ、やっぱオメェは加奈子のセンセーだぜ」グッ

    桐乃「つーか、目の前にいるっしょ!!? こっち見なさいよ!」

    加奈子「……ぐっ…!」クルッ

    桐乃「苦しそうに顔そらすな!」

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:14:37.20 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「はい、んじゃ手順はさっきと同じだから。桐乃ちゃんを十六人に増やした後に、そのグループを五十五組用意して」

    加奈子「桐乃を…ごじゅう…ご……ぐっぷ…!」

    京介「か、加奈子! 大丈夫かっ!?」グッ

    加奈子「で、…でーじょうぶだ…。加奈子…、全身に寒気がはしってガクガクすっけど…、でーじょうぶだ…」

    桐乃「なに、コソコソ喋ってんのよ。んで、全部で何人いたのアタシ?」

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:20:59.34 ID:8M9q6wmx0
    加奈子「答えは、ゼロだぜ、桐乃」

    桐乃「なにそれ? 全然計算できてないじゃん。…やっぱ兄貴の方法間違ってたんじゃないの?」

    京介「うーん…。そんなハズはないんだけどなぁ」

    加奈子「いんや、センセーは間違ってねぇぜ」

    桐乃「なんでよ、実際アンタ答え出せてないじゃん」

    加奈子「だからだしたってば。八百八十人、すべての桐乃が高校進学した瞬間付き合いが消えちまったんだよ」

    桐乃「ムカつく! 八百八十パターンの全てが疎遠になった事よりも、その数字が正解な事にムカつく!!」

    京介「落ち着けって、桐乃。女子中学生の友情なんてんなもんだよ」

    桐乃「フォローになってないっての!!」

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:25:32.43 ID:8M9q6wmx0
    麻奈実「落ち着いて桐乃ちゃん。あくまで、ばぁーちゃる…の出来事だよ」

    桐乃「……ぐっ!」

    京介「しかし、まぁ上出来だ桐乃」

    桐乃「なにがよ!? 全然進んでないじゃないのよ」

    京介「何言ってんだよ、もう掛け算をマスターしたも当然じゃないか」

    桐乃「…どこがよ」

    京介「んじゃ、加奈子。五十三人の桐乃のグループが二十二組。全部で何人だ?」

    加奈子「ぜろ」

    桐乃「即答すんな! ムカつくっ!! で、コレがどうしたの、さっきと同じじゃないのよ」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:30:44.11 ID:8M9q6wmx0
    京介「そんで、加奈子。桐乃は全部で何人消えちまったんだ」

    加奈子「千百六十六だな」

    麻奈美「……あ! この数って」

    京介「そういうことだ。最後に少し手を加えてやることによって、こいつは掛け算をマスターちまったんだよ」

    加奈子「え? マジで? どいうことよ。加奈子理解できねーって」

    京介「ま、後はゆっくり使い方を説明してやるよ」

    加奈子「よくわかんねーけど、もしかして、これで加奈子完璧? 掛け算マスターっぽい?」

    京介「おうよ。これでお前は完璧ってことだ」

    麻奈美「よかった…。本当によかったね、加奈子ちゃん…」

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:38:32.28 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「ちょっと待ちなさいよ! ダメダメ!絶対だめだって!」

    加奈子「あによ、桐乃。加奈子これからケーキ食って帰んだから邪魔しねーでくれる」

    京介「そうだぞ、桐乃。これで加奈子も掛け算マスターしたんだし。邪魔すんなよ」

    桐乃「邪魔じゃないってーの! こんな計算式を毎回々されてたら精神衛生上よくないって!!」

    京介「別にいーじゃんか。元素記号の暗記しかりこういう事は往々にして理不尽に出来てんの」

    桐乃「ダーメ! もういっかい、もう一回やらせてよ!」

    加奈子「やだよ。加奈子ケーキ食べんだから」

    桐乃「じゃあ、アタシの分のケーキ上げるから! だからもっかい」

    加奈子「……チッ。しゃーねぇな、一回だけだかっんな」

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:45:35.07 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「んじゃ、十六人のあやせを五十五組。これでイメージして」

    京介「……なに?今度はあやせかよ」

    加奈子「ほい八百八十一人ね。んで次どーすんの」

    京介「おぉ。すげぇ、今度はきっちり正解じゃねぇか。お前の脳内演算マジですげぇな」

    加奈子「えへへーんな褒めんなよセンセー。加奈子照れんじゃねーか」

    桐乃「ったく…。なんであやせん時だけちゃんとできんのよ。ま、今度からこの方法でやんなさいな」

    麻奈実「……あれ?」

    京介「うん? どした麻奈美、なんで鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔してんだ」


164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 01:51:36.39 ID:8M9q6wmx0
    麻奈実「答えが違うんだよ。十六掛ける五十五は八百八十だもん」

    桐乃「…あ! そういえばそうじゃん。どうなってんのよ、兄貴!?」

    京介「いや、俺に言われても…。やっぱ脳内で計算するって事は多少誤差がでるもんなのかもな…」

    桐乃「ちょっと、そんなんじゃ困るって! アンタがこの方法で間違いないって言うから!」

    加奈子「桐乃ー、加奈子のセンセーいじめんなよ!加奈子間違ってねーよ」

    桐乃「間違ってないって、実際間違ってるじゃない。一人多いでしょう」

    加奈子「んなことねーよ、常識的に考えて、加奈子が間違うわけねーじゃん。ほら、そこ見てみろよ」

    京介「…あん? そこってドコよ」

    加奈子「京介たちの後ろ。入り口んトコだよ」


    京介・桐乃「……………………ん?」


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 02:01:15.94 ID:8M9q6wmx0
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                                          制作・著作 NHK


172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 02:31:57.12 ID:8M9q6wmx0
  おまけ


    桐乃「あ、あるぇーあやせじゃん。な、なにしてんのこんなトコで…」

    あやせ「それはこっちの台詞でしょ。ねぇ、桐乃なんでココに加奈子がいるの…?」

    桐乃「え…、えーっとね。これには深いワケがあるんだけど…」

    あやせ「ねぇ…。言ったよね桐乃、私が加奈子の勉強見てあげるって」


    京介「ナニコレ、なんかヤバくね?」

    加奈子「いや。マジやべーってば。どこのケーキよこれ?加奈子マジ感動なんですけど」

    麻奈実「きょうちゃんも加奈子ちゃんも、日本語は正しく使わないとだめだよぉ。ヤバいじゃなくて美味しい。だよ?」


175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2011/03/06(日) 02:43:55.24 ID:8M9q6wmx0
    桐乃「ま、まぁ。ソノ話は置いといて…さ。あやせもケーキ食べなよ。ほら駅前のヤツ」クルッ

    あやせ「ねぇ…何で誤魔化すの? 何で終わらそうとするの」

    桐乃「べ、別に眠いからって、終わらしてないってば……」

                  . . : : : : : : : : : : : : : : : . . .
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      |  l: : : : :.{. {{   {.ソ             ヒリ  l}、_ }: : : : : : : :リ
        ハ. : : : :.|  ヽ _ ノ                 /  j: : : : : : :イ
          ゙{i: : : :|            i     ` ̄ ̄´   /: : : : : : :.ハ  ……だって終わったじゃない
         |: : : :|           ゛               /: : : |゙ヽ;.:/      終わったでしょ?
         l: : : :{                       / l: : : lノ.}/       終わったよね!?
    .     从: : :.ヘ                    |: : : |ノ/
        /: : |.: : |: :\     マニゝ        /_j: : : :|:/l
    .   /: : : l: : :| : : : : .、            /: :/ : :〃:/
       /: : : .ハ: : :|.ノ \ .:}\         <: : : :/ : : :/ :l}
    二二ニゝ< }: :.|二二\  `丶. . :  ´   .: : : : /: : : /:l :|
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