俺の妹が身長180cmなわけがない:第十二話(麻奈実√)


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493 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/03/17(木) 13:53:11.85 ID:1PHjPp0ko [1/2]
2月が過ぎようとしていて、日ごとに暖かくなっていくのを実感する。
来年の今頃は俺も受験で忙しくなっていることだろう。俺としても、残り少ない高校生活ってやつをを有意義に過ごしたい。
沙織たちと一緒にわいわい騒ぐのも決して嫌いじゃないし、むしろ楽しいのだが、やっぱりたまにはのんびり過ごす時間が欲しい。
そんなわけで、俺は休日の朝から幼馴染の家で日向ぼっこと洒落込んでした。
空には雲ひとつなく、気温はほんの少し肌寒いくらい。日向ぼっこには最適だ。
暖かい春の日差しの中の日向ぼっこも悪くないが、こんな季節の日向ぼっこの方が太陽の暖かさを感じることができて俺は好きだ。

「きょうちゃん」

縁側に座り、足を投げ出すような恰好で仰向けに寝転んでいた俺に、幼馴染が声をかけてきた。
ゆるい喋り方が特徴のこいつは田村麻奈実。俺の幼馴染にして、和菓子屋・田村屋の娘である。

「お茶入ったよ」
「さんきゅー。ちょうど喉が渇いてたんだよ」

急須と二つの湯呑が乗ったお盆を持ってきた麻奈実が俺の隣に腰を下ろす。そして、こぽこぽと湯呑にお茶を注いでくれた。
こいつが淹れてくれるお茶って妙に美味いんだよなあ。こいつの腕がいいのか、田村家のお茶葉が良質なのかは知らないけどさ。
身体を起こし、麻奈実から湯呑を受け取り、ずず……と音を立てて茶を飲む。

「……ふう」

本当に落ち着く。こんな時間がいつまでも続けばいいのにと思ってしまう。
と、俺はにこにこと笑う麻奈実に気が付いた。いや、こいつがにこにこしているのはいつものことなんだけど、ただのにやけ面とは違ったんだ。
多分、この違いがわかるのは世界で俺一人だろう。

「どうした?」
「んふふ~。きょうちゃん、おじいちゃんみたいだなあって」
「……悪かったな、爺臭くて」

そういうお前は婆さんみたいなくせに。俺もおまえにだけは言われたくないよ。
今まで何度繰り返したかもわからないやりとり。だけど、だからこそ俺の最も落ち着く場所はここだと断言できる。
湯呑を一旦お盆に戻し、再び仰向けに寝転がる。
今日は昼まで日向ぼっこして、昼からは気温も上がるだろうし公園にでも散歩に出掛けて……
脳内で今日一日のんびり過ごすための予定を立てる。こんな平穏な休日は久しぶりだ。

『SECRET×2 OF MY HEART I SHOW YOU IT なう。 だ・か・ら 人生相談っ!ちゃんと 責任持って聞いてよね~♪』

唐突に俺の携帯の着信メロディが流れる。
黒猫風に言うならばそれは、俺を平穏な休日から引きはがす悪魔の呼び声だった。



が、俺はそれを無視。そして、慌てず、静かに携帯の電源を切る。

「よかったの、きょうちゃん?」
「いいんだ。今日はゆっくりしたい気分だったからな」

あいつらとわいわい騒ぐのは嫌いじゃないが、俺にはやはりこんな風にほのぼの過ごすのが性に合っている。
ビバ凡庸、ビバ平穏な日常だ。
そして、隣にこいつがいてくれればもう何も言うことはない。

「?」

幼馴染は、俺の視線の意味を理解できず頭上に?マークを浮かべている。

「ふあぁ……ねみい」
「じゃあ、お昼寝しよっか」

そう言うと麻奈実はてきぱきとお茶を片付け、座敷から座布団を取り出し即席の枕を作る。
そのまま二人して横になり、会話もせず、ただひたすらにぼーっとする。
こいつといる限りずっとこんな日々が続くのだろう。それこそ一生な。

「それも、悪くないな」

暖かな日差しの下、俺はそんなことを考えながらそのまま眠りに落ちて行った。


俺の妹が身長180cmなわけがない麻奈実√
おわり
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