高坂桐乃の消失:9スレ目208


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208 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:07:48.73 ID:Oj9UyXtR0 [2/9]

少し前までの暑苦しさが嘘のように消え去り、まるでど忘れしていた
かのを思い出したかのような勢いで寒くなってきた今日この頃、俺がベッ
トで寝転んでいるとだ、テロリストでも入ってきたんじゃねーかと思
うほど乱暴な勢いでドアがバンッと開いた。

「クリスマスパーティーをするわよ! 」

どこぞの団長様のごとく桐乃はこんなことを言いだした、…パーティか、
まぁ悪くはないよ?
だが俺はこいつにまず言うことがある。

「お前はいつもいつも………ノックをしろと何度言ったらわかるんよ!? 」

まぁいつもの切り返しだけどな……桐乃の性格は親父似だと思うが、
ノックをしないのは完全にお袋譲りだな、うん。

「はいはいわかったわかった、次は気を付けるからさ」
桐乃といいお袋といいこのセリフを言って”次”を気を付けたこと
など一度もねぇじゃねーか!?
これを言ったら話が変わっちまいそうだ、俺は喉まで出かかった
言葉を飲み込こみ別の言葉を口にした。

「いつ? どこで? だれと? 」
「そんなのクリスマスイブにきまってんじゃん?場所は沙織が
用意してくれるって 人はいっぱい来る予定!! 」

桐乃は実に楽しそうにそう答えた。

「だれがくるんだ? 」

あやせがくるのか!? なぁそうなのか!?

「えーとっ黒いのでしょ、あやせでしょ、せなちーにせなちーのお兄さん
あっあと加奈子とブリジットちゃん!……あんた目の色かわりすぎじゃない? 」

どうやら俺の目は今相当輝いているらしい。いやでも仕方なくね?
だってあやせとイブを過ごせるっておい
イブを共に過ごす=恋人 と見ても全く問題はないはずだ。
テンションが上がらないわけがないだろ?まぁそれはともかく

「俺から誰か誘っちゃまずいか? 」

さすがに男子が二人というのは俺にとっても赤城にとっても少し辛いだろう、
だから部長や真壁君を誘いたいところだ。

「あ~もしかして部活の人? 」
「まぁそれもあるし、麻奈実も誘いたいんだが駄目か? 」

麻奈実の性格なら桐乃や黒猫はともかく、ほかの奴らとはうまくやれるだろう。

「べつにぃ~いいんじゃないのぉ? ほかの人がいいっていえばさぁ」

桐乃さんマジUZEEEEEEEE!!話題に麻奈実が出た途端露骨に態度変わり過ぎだろっ!? 
いやまぁわかってたけどね………ハァなんでこいつはこんなに麻奈実のことが
嫌いなんだろ?まぁ人間だれしも馬が合わない奴はいるけどさぁ? もうちっとなんとかなんねぇもんかな?

「まぁクリスマスくらい大目に見てやるわよ、アンタのブス専にも」
「ぶっ飛ばすぞ!! てめぇっ! 」
「はいはい、後で沙織に聞いておくから感謝しなさいよねぇ? 」
「へーへー、要件はそれで全部か?」
「…………ッチ」

耳障りな音を残し桐乃は部屋から出て行った。

「フンッ…」

俺は泥を被るようにして、布団の中にもぐりこんだ。


209 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:12:05.71 ID:Oj9UyXtR0 [3/9]
………悪いことをした…かな? 明日謝るか、パーティーなんだから
…たの……しく…やらない…と…な。
俺は薄れていく意識の中でそう決めた。


ジリリリリンッ ジリリリリンッ ジリリリリンッ

……朝か、桐乃に謝ってから学校行くか。まずするべきことは1つ

ジリリrカチッ

目覚ましを止めることだ。
余談だがこの目覚まし時計は俺が小学校にあがる年のクリスマスに
もらったものなんだ。この目覚ましじゃないと何だかよく起きれなくてだな?
え?どうでもいい?まぁそれもそうだな。俺もこんな話を長々と続けるつもりはないけどよ。
………?
自分の部屋を見回し俺はなぜか違和感を感じた。その違和感の正体を
探ろうとしたが朝食の用意ができたようなので、俺はすばやく着替えをすませ、リビングへ向かった。

そこに桐乃はいなかった……特に珍しいことじゃない部活の朝練があったのだろう。
俺はあまり気にせず、黙々と飯をほうばった。
いつもなら、お袋が俺と桐乃を比べた嫌味の1つでも言ってくるのだが、
今日はそれがなく極めて爽快な朝を迎えることができた。

「いってきます」

俺は自宅を出て高校へと向かった。



「よっ、麻奈実」
「あっおはよう京ちゃん」

ああそうだ、ねぇとは思う一応確認しとくか。

「来週のクリスマスイブ空いてるか?」
「くりすます? もっもしかしてでで、でーとのお誘い!? 」

麻奈実は顔を真っ赤にしている。もしかして…………これは…風邪か?

「大丈夫か?顔赤いぞ熱でもあるんじゃないか? それとデートじゃなくて桐乃
やあやせ達とパーティーをしようって話になってな?お前もどうだ?」

なんだ?なんかものすごく不思議そうな目でこっちを見てやがる。どうしたんだ?

「京ちゃん、あやせちゃんと知り合いなの? 」
「へ?」

思わず間抜けな声をだしちまった。お婆ちゃーんボケるのはさすがにはやすぎるんじゃないかな?

「それと桐乃ちゃんって誰?」

おいおいマジで大丈夫かよ麻奈実?こりゃまちがいなく熱があるな。
「桐乃は桐乃俺の妹だろうが? その親友の新垣あやせは俺がお前に紹介してやったんだろ? 
お前まじで熱があるんじゃねーの? 」


210 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:16:21.67 ID:Oj9UyXtR0 [4/9]
麻奈実が一瞬とても驚いたように見えた、そして俺を心配するかの
ような目でこちらを見て言った。

「京ちゃんは一人っ子だよね? あとあやせちゃんは京ちゃんに紹介して
もらったんじゃなくて私が図書館で知り合ったんだよ? 京ちゃんこそ熱があるんじゃない? 」 

心配してくれているのだろうが俺にとってその言葉は、体のありとあらゆる場所に突き刺さる
ような鋭く冷たい言葉のように感じた。
俺はまさかと思いつつも声を荒げて叫んだ。

「はぁっ? 何言ってんだよ麻奈実? だから桐乃だって! お前には
 何度も桐乃に対する愚痴を言っただろ!?」

麻奈実は無言で首を横に振る。

「嘘だろ? 」

なぁそうなんだろ? 俺をからかってるんだろ?
首を再び横に振る。
………麻奈実はそんなことする奴じゃない、誰よりも俺がわかってるじゃないか。

嫌な予感しかしない。

「悪いが先に教室行っていいか?」

俺は麻奈実の返事を待たず学校へ走って行った。


俺はすばやく教室に入り、暇そうな顔して座っている赤城に叩きつけるような勢いで話しかけた。

「お前俺の妹をしってるよなっ!?」

麻奈実は熱があったんだ。だからあんなことを言ったんだ。お前は俺の求めている
セリフを言ってくれるよな!?

「お前に妹なんかいたっけか? つーかどうしたんだよ?そんな声荒げちまって?」

赤城は少し驚いているようだがいつものペースで聞いてきた。

「い、いやなんでも…ない」
「なんでもねぇってツラしてねぇぞww なんかあったら言えよな高坂」
「大丈夫だって」

きっと今の俺の顔はとてもぎこちないだろう。
どんな顔をしたらいいのかわかんねぇよ。チキショー。
くそっなんなんだよ……おい……これじゃまるで俺がおかしいみてぇじゃねぇか。
どっかの小説じゃねぇんだからよ、俺の周りには神様なんていねぇぞ?
ましてや宇宙人や、未来人、超能力者だっていやしねぇ、いるのはごくごく平凡な俺とちょっと変わった大事な友達だけだ。

「おーい高坂―?そろそろHRがはじまっぞー?」

赤城の声で我に返りふと周りを見ると、ほとんどの奴が席に座っていた。
その中で麻奈実が俺のことを心配しているように見えた。
……やめてくれよ。


もちろんこんな調子で授業など頭に入るわけもなく、俺は半日机に頭を突っ伏していた。
何度か麻奈実や赤城が話しかけてきた気がするが、どんな内容だったかは覚えていない。



211 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:20:44.91 ID:Oj9UyXtR0 [5/9]

放課後になり俺はユラリと立ち上がり、不完全な巨神兵のように
ユラユラと歩きある場所へ向かっていった。
向かった場所はゲー研の部室だ。もう正直俺は今絶望のどん底にいる、考えれば考えるほど
悪い方向にしか考えられなくなってやがる、だけど黒猫なら、黒猫ならきっと何とかしてくれる。
なんでもいい希望にすがりたい、俺は黒猫に頼みの綱を託し
部室のドアをノックした。だけどもし俺の考える最悪の展開だとしたら……

がらがらっとトビラがあいた。

「はいなんでしょうか?」

やめてくれよ真壁君、なんでそんな他人行事なんだよ?どうやら俺の想定していた最悪の展開らしい。

「えーと?なにかご用ですか?」

友達に取られる他人行事ほど胸にくるものはない。少なくとも俺はそう思ったね。

「あ~ここに俺の知り合いがいるはずなんだが、ちょっと覗かせてくれないか?」

泣き崩れちまいそうな自分に嘘をつき、あくまで平静を装った振りをして聞いた。

「はい、どうぞ」

真壁君はそういうとヒョイと体をどけた。
お前も知り合いの一人なんだけどな…俺は心の中で大きなため息をついた。
中を覗くと部長と瀬名、二人と目があったが何も反応しないところを見るといよいよ
まずくなってきたんじゃねーのと不安になる。
見ようとしなかった現実と向き合わなきゃまずそうだ。

「どいて頂戴」

俺がそんなことを考えていると、後ろから聞きなれた声が聞こえてくる。

「黒猫……いや五更か?」

たのむっ! 俺のことを覚えていてくれ。

「そんな魔翌力は抑えているはずなのに…貴方何者? 」

俺の望んだ答えは返ってはこなかった。

「その魔翌力、抑えておいたほうがいいぜ? 」

俺はやけになりこんなセリフを吐いてゲー研を後にした。


俺が肩を落としながら家路を歩いていると向こうから1人の女の子が、
俺と同じように肩を落とし歩いてきてるのが見える。

その女の子はあやせだった。まぁだからどーって事はないけどな。
ちょっと前だったら、話しかけることができたがあいにくだが今の俺が
あやせに挨拶したらとどめを刺されかねない。

ここはスルーするのが俺の精神力を削らなくて済む唯一の方法だろう。

とかそんなことを考えていると、あやせがこっちに走ってきてそして
俺に抱き着いて泣きながら訴えかけてきた。
「お兄さんっ!! 桐乃が桐乃がどこにもいなくてっ! クラスの人がっ誰も
桐乃の事をっおぼ…えて…な…くて…お兄さんはっ!! 」
いた------絶望しかなかったこの世界で桐乃がいなくなっちまったこの世界で
俺以外に桐乃の事を覚えてくれている奴が。

精神力が削られるどころか、限界突破しちまいそうだ。

「あやせ…俺のことがわかるのか? 桐乃事を覚えているのか?」
「はいっ!!」

あやせは涙を拭い笑顔でそう答えた。


212 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:24:07.78 ID:Oj9UyXtR0 [6/9]

俺たちは今例の公園にいる。
 あやせもどうやら俺と似たようなことになっていたらしい。

「何度も言いますけど本当に桐乃のこと覚えてるんですよね?」

まったくよく飽きないなこれで何回目だよ? まぁ気持ちはわからなくないけどさ。

「覚えてるって大体忘れるにも忘れらんねーだろ、あいつの事はよ」
「そうですよね」

あやせはふふっと笑った。←マジ天使

「そろそろ家に帰ろう、俺は家に帰ったら桐乃痕跡を探してみるよ」
「そうですね時間も時間ですし、お兄さん…ありがとうございます」
「礼を言いたいのはこっちも同じだよ、ありがとな桐乃の事を覚えていてくれて」
「親友ですから、忘れるわけ……ないじゃないですか」

あやせはそう言うと走っていった。
……さてと家に帰るか。


「ただいま」
「おかえりー」
リビングのほうからお袋の声が聞こえてきた。
まず自室に向かいバックを置いた。
「あっ!なんかたんねーと思ったらパソコンがねーんだ!」
どうやら朝の違和感はパソコンがないものによるものだったらしい。
これで沙織との関係もなしってことになるな……くそっ
俺はそれから桐乃の部屋へと向かった、そこが桐乃の部屋ではないと
知りながらも、少しだけ希望を持って。

部屋の前に立ったがドアからして全く違う、やはりここは桐乃の部屋ではないようだ。
ギィッ!と音を立て扉が開く、以前のような甘ったるい匂いはせず
そこは桐乃の部屋となる前の、ボロ和室であった。

「はぁぁああぁぁ」
深く大きなため息を1つついた。

「この小説ってこんな世界観だっけ?」

俺はわけのわからんことを呟いた。気がまいっているんだ許してくれ。
何かないものかと部屋をうろうろしあることに気が付く、あそには
もしかしてなにかあるんじゃねーのとおもい桐乃が趣味を隠していた襖に俺は手を伸ばし、そして一気にあける

タンッ! 

なんとそこには今の高坂家には合わない物………ノートパソコンがあった…
桐乃が使っていたものと同じ物だ……
俺はそのパソコンを自分の部屋へと運び込み電源をつける。
パソコンの画面にはこう記されていた。

「貴方にとってこの世界は大嫌いな“桐乃”がいない世界です。
 貴方が望んでいる普通に生きることができる世界です。
  Q 貴方は“普通”が好きなのでしょ?選ぶのは貴方。
  A                           」


213 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:28:20.80 ID:Oj9UyXtR0 [7/9]
なんだよこりゃ……………でも考えてみれば確かにそうだ。

俺はこんな世界を望んでいたんじゃねーのか? 
普通に生きていくことを望んでいたんじゃねーのか? 
大嫌いな桐乃に振り回されるそんな毎日が嫌だったんじゃねーのか?
平々凡々、目立たず騒がず穏やかに、のんびりまったり生きていくのが俺の夢だったはずだ。
だったら迷うことはねぇ俺はこの世界で生きていくだけだ。

だけど……俺は今まであいつが起こしてきためんどくさい人生相談の数々に対してどう思っていた?
めんどくせぇ。
勝手にしろ。
しるか。
そろそろ面倒みきれねぇぞ?

「………………」

心臓が強烈に痛む。
心ならずも兄貴だから仕方なく妹の面倒事にイヤイヤながらも奮闘していた
”普通“の高校生…それが俺だ、高坂京介だったはずだ。
そして今このパソコンは俺に対して聞いている。“普通”が好きだったはずだよな?おめーはよ?と

それでだ、俺。そう、お前だよ、俺は自分に訊いている。大切な質問だからよく聞けよ?
 そして答えろ。黙っているのは反則だ。前者か後者で答えるんだ。いいか?いくぞ?

          • お前はそんな大嫌いな桐乃の相談を受けてからの“普通じゃない”生活と、
   俺の好きな“普通”だった生活どっちの方が楽しかったんだ?

答えろ俺。考えろ。お前の考えを聞かせてくれよ。どうなんだ?

 桐乃の相談を受け秋葉を連れ回され、大事な友達が増え、そいつらにわけのわからん
アニメの話を聞かされ、桐乃の趣味を守るため親父にぶん殴られて、
親友との仲を取り持つために自ら泥を被ったり、友達と一緒にゲームをつくったり、
コスプレしたり、桐乃をアメリカから連れ戻したり……盗作された作品を取り返したこともあったな。

そんな普通じゃない生活が楽しくなかったのかよ。
  めんどくせぇ。
        • こんな生活、疲れるだけだ。

お前はそう感じていたんだろ?だったらお前選ぶ答えは1つだけだ。
俺は“普通”だった生活の方が楽しかったそう言いたいんだよな。

        • そろそろ素直になれよ。


214 名前:122[] 投稿日:2011/04/01(金) 06:31:34.97 ID:Oj9UyXtR0 [8/9]
じゃあなんでお前は大っ嫌いな桐乃を探したんだ? 
嫌いな妹の事なんて知らんふりしとけばよかったんじゃねーの?
あんな必死になって探す必要なんてどこにもなかったんじゃねーのかよ。

兄貴だからって逃げは今日は無しだ。

結局お前は“普通”じゃない生活を桐乃とのやり取りを楽しんでたんだよ。
いい加減認めて帰ろうぜ? 俺が大好きな“普通じゃない”生活へとさ。

Q 貴方は“普通”が好きなのでしょ?選ぶのは貴方。
A俺は前者……“普通じゃない”生活が好きだ。

打ち込んだ瞬間、世界がぐるりと回りだしたような感覚に襲われた。
瞬間俺は言葉では表すことができないような不思議な感覚、しいて言うならまるで
夢でも見ているような感覚に陥った。

「お兄ちゃん、メリークリスマスっ!!」
「ありがとうっ!! 兄ちゃん嬉しいぞ」

どこか遠い昔みたことあるような気がするやり取りが広がっている。
兄妹だろうか?
妹の頭をなでる小学生くらいの男の子と撫でられてうれしそうにしている女の子。
そしてその男の子がもらったものは…………

ジリリリリンッ ジリリリリンッ ジリリリリンッ
…………我ながらなんという夢だ。

枕の下に「涼宮の消失」なんて本を入れたのが間違いだったな。
まぁいいまずするべきことは1つ
ジリリrカチッ
目覚ましを止めることだ。
まだ完全に目が覚めてないのか俺はつい机の上にあるパソコンを確認してしまった。
………ったくそんなことあるわけねぇだろうがよ。
俺は苦笑し、着替えを済ませ下へ向かった。

あいつらの事だ、どーせ普通じゃないパーティーをするつもりだろう。
まぁその予定について話す前に俺は桐乃に言わなくてはいけないことがあるけどな。

   昨日はすまなかった、パーティ楽しみにしてるぜってな。





            ~end~
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