桐乃「デレノート……?」:240


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240 名前: ◆kuVWl/Rxus [sage saga] 投稿日:2011/03/09(水) 04:45:03.31 ID:8ftec+hGo

◇ ◇ ◇

その日、帰宅したあたしはいつものようにパソコンに向かっていた。
熱いコーヒーを片手にスレをチェックするこのひと時は、今のあたしにとって一番の癒しの時間だ。
人類総カップル化計画が着実に進んでいる達成感と充実感――
まだまだ目標には遠く及ばないけど、キラッの存在は着実に世間へ伝播されているだろう。
まずは千葉……次いで関東全域……そして日本全国へ……
そんなことを思いながら、あたしはコーヒーを口に含んだ。
だが次の瞬間、スクロールしていたスレ画面には、ありえないレス内容が映し出されていた。

ブ――ッ!!!!!!!

『おい、汚えな! モニタがコーヒーまみれになってるぞ』

褐色の液体を盛大に噴出したあたしは、傍らのリュークに画面を指差し、その箇所を見るよう促した。

「げほっ!げほっ……リューク、ちょっとこれ!これどうなってんのよ!?」


233 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 10:45:30
◎◎中の3年C組の如月竜司と相川真央のカップル化おながいします!
写真はここです[LINK]

234 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 12:18:10
>>233
はい、完了
お幸せに~☆

236 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 14:51:24
>>234
おお!マジであいつらカップルになってた!
すげえ!
キラッに感謝!!!

238 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 15:48:22
◎◎高、1年3組の相川歩と平松妙子をくっつけてください!
写真→[LINK]

240 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 16:20:50
>>238
ほい、完了したよ~

251 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 16:58:21
>>240
ありがとうございます!成功してました!!!


『これがどうかしたのか?』
「どうかじゃないわよ!この時間帯、あたしは書き込んでいないのよ!」

これは一体どういうことなのだろう?
キラッであるあたし本人に書いた覚えがないのだから、他の誰かが書き込んだのは間違いない。
だけど重要なのはそんなことじゃない。
まず第一に、この成りすましがそれぞれのカップル依頼を受けて、ちゃんと成立させているってこと。
あたし以外の誰にそんなことが出来る?

「それぞれにカップル化の成功報告もされてるわね…… 訳が分からない……」
『お前が書き込んだことを忘れてる……ってことじゃないよな?』
「ありえないって。大体このとき、あたしはまだ学校にいたのよ」

あたしは机にデレノートを開き、そこに書かれている名前の羅列をチェックした。
だけど、このレスで依頼されている男女の名前は、そこには見当たらない。
誰かが密かにあたしのデレノートに書き込んだわけではない…… となると……

「リューク、人間界にもたらされたデレノートは、もしかして他にも存在するの?」
『……あるかもしれないし、無いかもしれない、としか言えない。俺がお前にデレノートを渡したように、他のデレ神が同じことをしているかもしれないからな。まぁ、そんな物好きは俺ぐらいだと思っていたけど』

リュークの箸にも棒にも掛からぬトボけた答えに、思わずため息をついた。
大事なことなんだから、あんたも神様の端くれなら、それぐらいハッキリしなさいっての。
でも、本当にデレノートがあたし以外の誰かの手にもあるとしたら……なんて恐ろしいことだろう。

そしてもっと重要な第二の問題は、この書き込みをした者が、あたしの二つ名である「キラッ」に成りすましたということ。
つまり、この偽者はあたしの存在を認識した上で、わざわざ干渉してきたのだ。
それも、周りの人からは分からない、成りすましという方法で。
これは……あたしとのコンタクトを望んでいる?それとも敵対のアピール?

「どちらにせよ、放置しておくわけにはいかないわね……」

モニタに映る偽キラッの忌々しい顔文字を、あたしはもう一度睨み付けた。

……あっ、でもその前にそろそろ晩ご飯の時間ね。



◇ ◇ ◇

「ごっそさん――」

食事を終えた俺は、自分の食器を重ねると、台所の流し台へと運び、さっさと食卓を後にした。
いつもならリビングでテレビでも観て、しばらく食休みをするのだけど、今日はやらなきゃいけない用事があるんだ。

自室に戻った俺は、机の下のパソコンの電源を入れ、しまっていたモニタとキーボードを設置する。
桐乃とゲームの交流が無くなってからというもの、俺のパソコンの出番はめっきり減っていた。
起動するの自体、何日ぶりだろう、というレベルだ。
まぁ、俺は普段ネットとかしないし、このパソコンだって沙織がくれるというから貰ったようなものだし。
そうだな……しいて言えば、受験勉強の息抜きにちょこっとネットサーフィンするぐらいか?

カリ●アンコムとか、カリ●アンコムとか、カリ●アンコムとか――

……

……久々だし、ちょっとだけ……

と、秘蔵のブックマークを開こうとした瞬間、隣の部屋からドアがバタンと閉まる音がして、俺は思わずビクついた。
どうやら桐乃も部屋に戻ったようだ。ふぅ、ビビらせやがるぜ……

そうだった。今日は用事……というか任務があるんだった。
本来の目的に立ち返った俺は、ブラウザを起動して例の中学校の裏サイトへとアクセスした。
そして現行の恋愛スレッドを開くと、最新の50件を表示する。
どうやらキラッの書き込みはまだ無いようだ。

なんで俺がこんなけったくそ悪いサイトをチェックしてるのかというと、
話は今日の下校時に遡る――

ゲー研での部活(といってもキラッについて話してただけだが)を終えた俺と黒猫は、二人で下校していた。
部室で感じだと、どうやら黒猫は、キラッの人物像にある程度の予想がついているらしい。
そして本気でキラッの行動を止めようと考えているようだ。
だけど、そんなことが果たして可能なのだろうか? 相手は得体の知れない奴だっていうのに。
もしキラッが本当に呪いを使う異能者だったとして、“自称闇属性”にすぎない黒猫に対抗できるとは思えない。

隣を歩く黒猫の方に視線をやると、黒猫もなにやら考え込んでいるようで、自然と俺たちの間には沈黙が横たわっていた。

しばらく経って、黒猫がふと立ち止まり口を開く。

「……先輩の部屋にはネットに繋がったパソコンがあるのよね?」
「ああ、あんまり使ってねーけど一応な」
「じゃあ今晩、そのパソコンを使ってやって欲しいことがあるのだけど――」

その言葉を聞き、パソコン音痴の俺はちょっと身構えた。

「おい、念のため言っとくが、パソコンに弱い俺に高度な作業を要求するなよ?」
「知ってるわよ、そんなことぐらい」

黒猫はふっと鼻で笑ってみせた。
そういう態度って初心者を思いっきり傷つけるんだぜ……チクショウ。

「キラッはいつも19時過ぎから例の掲示板に書き込みを始めるのだけど、今晩、それぐらいの時間になったら、先輩は10秒間隔ぐらいでスレッドのリロードを繰り返して、キラッが現れるまで待っていて欲しいの」
「ん?そんなことなら俺でも出来るけど……何の意味があるんだそれ?」
「まだ続きがあるわ。リロードしてキラッの書き込みが表示されていたら、直後を狙ってすぐスレに書き込みをするの。内容は何でもいいわ。思い付かなければ『記念真紀子』とでも書けばいい」
「キラッのすぐ後に書けばいいんだな」
「そして書き込みを実行したら、その結果を私にメールで知らせて頂戴」

それでキラッの何が判るのだろう?
俺は首を傾げたが、黒猫は「後で解る」とだけ言い、それ以上の説明はしてくれなかった。
そんなやり取りを交わして、俺は黒猫と別れた。


そして今、俺はF5ボタンを一定間隔で繰り返し押す任務を遂行中だ――

始めてからもうそろそろ20分近く経とうとしているが、まだキラッの書き込みは無い。
こういう単純作業って結構ツラい。
黒猫の話の通りなら、もうとっくにキラッがスレに現れてておかしくない時間なのだが……
まさか今日に限ってキラッはお休みだとか言うんじゃないだろうな?
成りすまし作戦を仕掛けたから、絶対何らかの反応を示すはず、と黒猫は言っていたけど……

そしてそれからさらに5分ほど経ち、これって漫画片手にやってもいいのかな?なんて俺が思い始めたその時、ようやくキラッの書き込みが表示された。


324 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 19:31:08
>>234>>240
何者?
あんたもノート持ってんの?


どうやらキラッは、黒猫の成りすましレスにまんまと反応してきたようだ。
ノートって何のことだろう?という疑問も湧いたが、今は黒猫の任務を果たすのが先だ。
投稿時刻を見ると、数秒前に書き込まれたばかり。ええっと、あとは急いで書き込めばいいんだよな。
俺は書き込みフォームにカーソルを合わせると、黒猫から指示された通り、ひねりも無く「記念真紀子」とだけ入力した。

「これで書き込み、と」

マウスを操作して投稿ボタンをクリックする。
――だが、投稿は受け付けられず、画面にはエラーが表示されてしまった。


エラー!
120 sec たたないと書けません。(1回目、79 sec しかたってない)

名前:
E-mail: sage
内容:
記念真紀子


エラーって……おいおい、これじゃ書き込めないじゃないか。
またリロードマシーン化させられるのだけは勘弁してくれ、と念じながら再度書き込みをやり直したけれど、やはり同じエラーが表示されてしまう。
「120sec」ってことは、2分待てということだろう。
でも黒猫からは、キラッのすぐ直後に書き込むように言われていたし……
迷った俺は、とりあえず黒猫にメール報告をすることにした。

《今、キラッのすぐ後に書き込んだけど、120secとかいうエラーが出るぞ。最初からやり直しか?》

すると、間髪いれずに黒猫から返信が届いた。
黒猫からのメールはいつも素っ気無く、簡素なものだけど、この時のメールは更に輪をかけたものだった。

《もういいわ。本当に残念》

スレに書き込めないぐらいでそんなに残念なのか?
そう思っていた俺は、黒猫の言葉の真意を、このときはまだ理解できずにいた。



翌日、俺はまた黒猫とゲー研の部室に居た。
ただいつもと違っていたのは、放課後ではなく、昼休みの誰もいない時間帯に呼び出しを受けたということだ。
もしかして、二人っきりで昼飯でも食べるつもりなのかな?なんて浮ついたことを思ってた俺だったが、黒猫から突きつけられた衝撃発言で、冷水を浴びせられた気分になっちまった。

「――キラッの正体は、あなたの妹さんだったわ」

あまりにも唐突すぎて、その短い発言の意味を理解するのにも数秒を要した。
静かな部室に響いた黒猫の言葉を、俺は咀嚼してなんとか飲み込み、聞き返す。

「……は? ……それはどういう意味だ?」
「意味も何も、そのままよ。貴方のおかげで確信が持てたわ」
「それって、昨夜の書き込みのことを言っているのか?」

昨夜、俺は黒猫に頼まれて、例の掲示板に書き込みを行った。
実際には連投制限とやらで書き込めなかったわけだが、……どうやら黒猫の目的はその制限そのものだったようだ。

「キラッの直後に先輩が書き込んで、それが連投と判断された。この事実がすべて。 そもそも連投制限というのは、リモートホストのIPアドレスを元に判断されているのだけど――」
「待て、待て! 俺にもちゃんと分かるように説明してくれ」

こいつがマジで桐乃を疑ってるというなら、意味不明な専門用語に生返事をして受け流すことはできない。
俺の妹を犯人扱いするからには、しっかりその根拠を説明してもらわないとな。
それがもし見当違いなものなら、俺は黒猫だって容赦はしない。
第一、こいつにとっても桐乃は数少ない親友だろうに、一体何を考えてるんだ……

そんな俺の非難の視線を、黒猫はまるで気にする様子もなく話を続ける。

「先輩は、インターネットをする際にプロバイダへ接続する必要がある、ということをご存知かしら?」
「ああ、うちはOCNだったかな?とにかく桐乃がどこかと契約してたぜ」
「ネットに繋ぐと、そのプロバイダから固有の番号が払い出され、それを身元としてホームページを見たり、メールを送ったりしたりしているのだけど、その番号のことをIPアドレスと呼ぶの」

黒猫はネットに疎い俺にも分かるよう、丁寧すぎるぐらい丁寧に説明した。

「で、掲示板の連投制限っていう機能は、その固有の番号、つまりIPアドレスを元に、同じ人が短時間に続けて書き込みをしようとしてないかを判別しているのよ」
「……つまり、俺が昨夜書き込めなかったのは、誰かが俺と同じ……IPアドレスってので書き込みしたからなのか?」
「ええ、その通りよ」

そこまで聞いて、俺は微かに背筋が寒くなるのを感じていた。
昨日の黒猫の指示は、「キラッの書き込みの直後に書け」というものだった。

それはつまり――

「通常、ひとつの家の中で複数台のパソコンを使うには、ルーターという機器で繋ぐのだけど、その場合、どのパソコンからネットに接続しても、使われるグローバルIPアドレスは同一のもの……」

黒猫はあえてその先を口にしなかった。だが、俺には伝わった。
――俺の直前に書かれたキラッの発言は、俺と同じく高坂家の中が発信源だったってことだ。

うちにあるパソコンは、俺の部屋以外では桐乃の部屋にしかない。
ということは、……直ちには信じられないことだが、つまりキラッの正体は、桐乃以外に考えられないってことだ。

俺はもう一度、いまの黒猫の話と昨日の状況とを回想して、どこかに齟齬がないかと探し始める。
どんなに仲の悪い兄妹だとしても、自分の妹が犯人扱いされれば、その可能性をなんとかして否定したくなるものだ。
しかし、どれだけ考えをめぐらせても、黒猫の推理を覆せるような材料は見つけられなかった。

あの馬鹿、何やってんだよ……
悔しさと情けなさが混じった感情に襲われる――
さすがの俺も、もう黒猫の推理に乗らざるを得なかった。

「……お前、いつから気づいていたんだよ?」
「裏サイトがあの娘と同じ中学校で、最初の犠牲者が同じ学年、三流アニメのネタを散りばめつつ痛々しい発言の数々――」

そこでひとつ、黒猫は呆れたようにため息をついた。

「――正直、かなり早い段階……書き込みログを見直してたあたりから、目星はつけていたわ」
「そ、そう言われると、尋常じゃない程に条件が桐乃にマッチしまくってるな……」

っていうかこんな大それた事をするなら、少しは身元を隠そうとしろよあのアホ!
あいつは、勉強もスポーツもできる、いわゆる優等生のはずなのに、どうも普段はどこか抜けてるところがあるんだよなァ
エロゲDVDを落として俺にヲタバレしたり、コミケ帰りに浮かれてあやせに見つかったり……あいつはそういう奴だった。
頭が痛くなってきたぜ……

「それでも、私は自分の予想が外れていることを願っていたのだけど」

そう呟く黒猫は、少し寂しそうな表情を見せていた。

桐乃が“カップル化の呪い”などという異様な行為で世間を騒がせているのなら、俺は兄として即刻辞めさせなければならない。
すぐにでも桐乃に電話して、真偽を確かめようとしていたが、そんな俺を黒猫は制した。

「先輩、まだ問題は解決してないわ」
「あん?桐乃が犯人なら、とっちめてやりゃいいじゃねえか」

俺は鼻息荒く答えたが、黒猫の反応は冷ややかだった。

「そんなことをしても、証拠はないのだからトボけられて終わりよ。かえって警戒されるだけ」
「証拠って……掲示板の書き込みのことじゃ駄目なのか?」
「それは状況証拠に過ぎないわ。もっと直接的かつ決定的な証拠じゃないと。そもそも、あの娘はただの人間なのに、なぜ魅了<チャーム>のアビリティを会得できたのか……」

確かに、今起きているのは、名前と顔写真だけで他人の恋愛感情をコントロールする、などという現実離れした話だ。
そんなことを、桐乃はどうやって実現させているのか?

「大方、闇世界の者が要らぬ能力<ちから>を与えたのでしょうけどね。この私を差し置いて……」

ついさっきまでIPアドレスだのりモートホストだの、小難しいことを理路整然と話してたくせに、いきなりオカルトな電波妄想を持ち出されると、こいつの推理を信用してホントに大丈夫なのかと不安になる。
だが正直なところ、呪いの正体についてはまるで見当がつかない。
現実的に考えれば、催眠術か何かだろうか?

つまり黒猫の言う“直接的かつ決定的な証拠”というのは、“実際どうやって呪いをかけているのか”、という部分を明らかにするという意味だろう。
犯人が分かっても、凶器が見つからなければ立証が難しいという、刑事ドラマでよくある展開のアレだ。

「……黒猫、俺に何かできることは無いのか?」

そう尋ねると、黒猫は目を閉じてしばらく考えてから答えた。

「そうね、しばらく先輩は何もせず、普通に過ごして頂戴。もしキラッについて私達が探ってることを感付かれでもしたら、おそらく口封じで呪いの餌食にされるでしょうから」
「おいおい、桐乃が俺達に呪いを掛けるってのか!?さすがにそこまでは……」

俺はあいつの兄貴であり、お前はあいつの親友だ。
いくらなんでも考えがドライすぎる、と反論した俺だったが、黒猫の目はマジだった。

「いいえ、十分あり得ることよ。だから本当に気をつけて頂戴。掲示板の書き込みを読む限り、あの莫迦女は呪いを掛けられた人間が幸せになっていると、本気で思ってる節があるから」
「だから身内でも躊躇しないってことかよ……」

俺はブリジットから聞いた加奈子の症状を思い出していた。
四六時中誰かにデレていて、仕事にも無気力になり、恋する乙女モードに……
確かに、もしそんな状態にされたら、キラッ事件の追求どころじゃなくなるだろう。

「むしろ私に言わせれば、あのブラコン娘が今まで貴方を対象としてなかったことが意外だけれど」
「ケッ、あいつはそんなんじゃねーよ」

そこまで話したところで、昼休憩の終わりを告げる予鈴が聞こえてきた。

「私の話はそれだけよ。教室に戻りましょう」
「ああ。……とりあえずお前の言う通りに、しばらく大人しくしておくさ」

事態がだいぶ飲み込めたとはいえ、俺の頭の中はまだぐちゃぐちゃに混乱していた。
色々な考えを整理するには、いずれにしろ時間が必要だ。



俺は部室の照明を切ると、パソコンの操作をしている黒猫を急かした。

「おーい、早くしろよ。授業始まっちまうぜ」
「ちょっと待ちなさい。キャッシュ消してからシャットダウンしないと……」

やれやれ。
先に部室を出て待つことにした俺は、出入り口に向かう。

そのとき俺は、部室の扉の磨りガラスに、一瞬、人影が見えたような気がした。
だけど、ドアを開けても外には誰の姿も無かったので、特に気に留めはしなかったんだ。


桐乃「デレノート……?」:326

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