898 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 14:57:32.65 ID:HAs4+bF40
「お兄さん、ご相談があります」
俺はいつもの公園にあやせに呼び出された。何か今回はもじもじと恥ずかしそうにしていていつにもまして可愛い。
「分かってる結婚の相談だな、それならおススメの式場が」
「何言ってるんですか!?ぶち殺しますよ!!」
「俺はいつだって本気なのに・・・」
あやせはいつになったら理解してくれるのやら・・・そろそろ真面目に聞くか。
「今度はどうしたんだ?またマネージャーの真似でもすればいいのか?」
「いえ、今回は私のことに関することです」
マネージャーの真似事でもなく桐乃のことで相談でもなくて・・・あやせ自身のこと。なんだろうか?
899 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 14:58:16.98 ID:HAs4+bF40
「実は事務所の意向でコスプレのイベントにでることになったんですが・・・男女のペアで出場しなければならないんです」
「よっしゃお安い御用だ・・・って俺はあやせと一緒にコスプレのイベントにでるのはいいんだが、あやせは俺なんかでいいのか?自分でいうのもなんだが
地味顔だし、そういうイベントごとに耐性もないんだぞ?」
「私はそもそもコスプレ自体が嫌なんですが・・・事務所の人はどうしてもイベントに参加したいらしく、私の代わりもキャラの
特徴からしていないんです。で最初は事務所の男性モデルと参加ってなってたんですが私は知っての通り男性の人に免疫って
いうのですか?がないんです。そこでせめてパートナーは私に選ばせてくださいと頼んだら渋々ですが許可してくださりまして」
「それでなんで俺に?俺は近親相姦上等の変体鬼畜野郎なんだぜ?」
自分で言っててなんだがやっぱ悲しくなってきた。
「それは・・・その・・・あれです。ろくに話したこともない人よりは最初から変態とわかってたほうが警戒も対策もしやすいですから」
ほんと信用ねーのな・・・仕方ないけどさ
「では参加していただけるということで、ちなみにコスプレはこのアニメのコスプレなんです」
これは・・・
「なんだマスケラか」
「知っているんですか?」
「一応な、知り合いがはまっててな。あやせがするコスプレって夜魔の女王か?」
「はい、お兄さんにはこの漆黒っていうキャラをしてもらいたいんですが」
俺が嫌いなのだったんじゃないかと心配してるのか不安そうな目でこちらを見てきている。
900 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 14:58:47.04 ID:HAs4+bF40
「おう、このキャラなら大歓迎だ。イベントはいつなんだ?」
「それは来週の土曜日です」
「そうか、わかったよ、それまでにしとかないといけないこととかあるか?」
「一応、どういうパフォーマンスするかとか打ち合わせしたいので1週間は事務所に通ってくれますか?
事務所の人には話しているので」
「わかったよ、よろしく頼むぜ」
「はい!!」
それから一週間は放課後になるとあやせたちの所属してる事務所に通った。さすがに親父たちに相談したが
迷惑をかけないようにとだけ言われて快諾してくれた。
勉強がおろそかにならないようにするのに時間を調整してあらためて桐乃がどれだけすごいのか思い知った。
俺は勉強だけでもきついのにあいつはエロゲーとかの趣味まで全力でしてる。ほんとにすごいと思った。
ところでコスプレの衣装が完成して試しに撮影したときに事務所の人がなにやら話してたのが気になる。
「お兄さん、いよいよですね」
「そうだな。自分でいうのもなんだが結構いけると思うぜ、俺たちなら」
「そうですね・・・明日はよろしくお願いします」
この1週間であやせの態度はだいぶやわらかくなってきた。すこしは信用を取り戻せたかな?
901 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 14:59:43.76 ID:HAs4+bF40
「さあみなさん、いよいよ始まりました。第1回maschera~堕天した獣の慟哭~コスプレ大会!!第1回の今回ですがなんと参加者は20組の
合計40人と大盛況で感謝しています」
司会の人が言うとおりこのイベントに参加している人は俺の想像してたより全然おおくてびっくりした。なかにはなぜ参加した?
というような組み合わせがちらほらいる。俺たちもそういう目でみられてないか心配だ。
俺があやせとつりあってないんじゃないという意味で。
「お、お兄さん」
「どうした、あやせ?」
「き、緊張して失敗しないでくださいね」
あやせ・・・震えて緊張してるのが手に取るように分かる。コスプレ自体があれだから俺以上に緊張して
いるのかもな。
「あやせ、俺じゃ頼りないかもしれないけど頼ってくれていいからな」
「はい・・・」
頭をなでながらそう話しかける、いつもなら触れた時点で変態ー!!とか[ピーーー]ー!!とか言ってくるのに
いや言うだけじゃないな。間違いなく足やら手やら手錠やらがとんでくる。それだけでどれだけ緊張してるかよくわかる。
「エントリーナンバー5番、夜魔の女王、漆黒であやせさん、京介さん。どうぞー」
俺たちが呼ばれた、練習どおりいけばいいんだ。
「いくぞ、あやせ」
「はい」
そういうと俺はあやせをお姫様抱っこして会場にでた。
902 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 15:00:15.85 ID:HAs4+bF40
「キャー!!」
「すげー」
「本物ktkr!!」
「ま・・・まさかこの千葉の堕天聖であるわたしを差し置いてあの人がマスケラのイベントにでてるなんて。
でも2人ともそっくりだわ。悔しいけど負けを認めるしかないわね」
「ぐぬぬ、あやせのパートナーが兄貴だったなんて、兄貴の様子がおかしかったわけだ」
びっくりした。まさかここまで盛り上がるとは予想以上だ。俺のラブリーマイエンジェルあやせたんのおかげだぜ。
ところで気のせい・・・じゃないな。黒猫がこのイベントにこないわけないし、桐乃はあやせがでるのを聞いていたのか
はたまた黒猫につれてこられたのか、どちらにせよいるのはおかしくない。
なによりびっくりしたのは自分の頭がいやに冷静なのだ。あやせは顔を赤く緊張しているが
「よし、予定通りいくぞ」
「は、はい」
それから俺たちは練習どおりのパフォーマンスを披露した。なかなかにこっぱずかしい台詞を
言ったりもしてた気がするがなんだかんだ楽しかった。ハイテンションな黒猫がいたが忘れることにしよう。
903 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 2011/06/10(金) 15:00:50.44 ID:HAs4+bF40
「お兄さん、今日はありがとうございました」
「いやいや俺も楽しめたよ」
ちなみに俺たちはなんと、優勝できた。結構自信はあったんだがまさか優勝できるとは
「そういえば、事務所の方がお話があるそうですよ」
あやせがいうと同時に事務所のスタッフさんがタイミングよく入ってきた。
「私はこういうものです」
この人は事務所のスカウトなんかをする人のようだ。1週間であやせと撮影なんかをしてるときに
みてモデルの才能があるのではないかと思ったらしい。
びっくりしたのはもう親父たちには話しているらしくあとは本人の、つまり俺の意思しだいらしい。
「あの、お兄さん。お兄さんが事務所に入ってくれるととても嬉しいです。
それに桐乃も一緒に活動できると嬉しいはずですし」
顔を赤くしながらもそう言ってくれるあやせ・・・よし決めた。
「俺を事務所にいれてくれませんか?」
もしかしたら間違った選択なのかもしれないけどやろうと思った。撮影されてたときは恥ずかしくもあったけど
なんだかんだ楽しかった。それにあの親父がこういう活動の許可をだしてるというのは俺のことを少しは
認めてくれているのかもしれない。それに桐乃のことをもっと理解できるとおもった。
それにできるならあやせともっとこういう活動をしてみたいしな。
「あやせ・・・いや先輩これからもよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。お兄さん」
-おわり-
最終更新:2011年06月10日 15:28