624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:02:59.34 ID:KXdZxzyh0
桐乃「……なにかあったの? あんた」
京介「は? いや、別に」
桐乃「別にって……泣いてんじゃん」
京介「別になんでもねぇよ(俺……泣いてんのか?)」
桐乃「っ……イライラするなー、言えって言ってんでしょ!」
京介「な、なんでもねぇって(言えるわけ……ねぇだろ、あんなこと)」
桐乃「……あやせじゃないから?」
京介「は?」
桐乃「あやせじゃないから……彼女じゃないから相談出来ない?」
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:09:32.60 ID:KXdZxzyh0
京介「そ、そういうわけじゃ……つか、悩みなんて――」
桐乃「泣いてたじゃんっ」
京介「そ、それは……」
桐乃「確かにあたしはあんたの彼女じゃないケド……妹なんだよ?」
京介「……」
桐乃「相談くらい……乗らせてくれたっていいじゃん!」
京介「……っ」
京介「すまん……これは言えないんだ」
桐乃「……う」ジワッ
京介「っ(俺は……なにしてんだよ、桐乃を泣かせて)」
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:20:55.99 ID:KXdZxzyh0
桐乃「あ、あっそ、勝手にすれば? 彼女と仲良くね!」
京介「あ、待て! 桐乃!」
桐乃「なに? まだなんか用でもあるわけ? あたしは無いんだケド、相談もしてくれない奴なんかに」
京介「っ……あやせとはもう絶交したんだよな?」
桐乃「……」
京介「どうなんだ?」
桐乃「うっさいっ、あんたに関係ないでしょ」
京介「仲直り……してないんだな」
桐乃「……」
京介「(そうだなよな、あんなことがあって……なら、このまま、仲直りせず、疎遠になってくれたらいい)」
桐乃「……した」
京介「は?」
桐乃「仲直りしたって言ってんの!」
京介「え? はぁ!?」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/21(木) 02:29:25.08 ID:KXdZxzyh0
桐乃「もう、べつにあんたが気にすることなんて無いから……安心しなよ」
京介「ど、どういうことだよ!(あいつ、桐乃と縁を切りたかったんじゃないのか!?)」
桐乃「……べつに、普通に仲直りしただけ」
京介「いつ!? さっきか!(あいつ! まだ桐乃を苦しめる気か!)」
桐乃「あんたと話した後……電話で」
京介「(話した後って、あの告白の後だよな? でも、今日、あやせは絶交したまんまだって……いや、嘘か?)」
桐乃「……絶交した時は頭に血が上ってたケド、あやせはいい子であたしにとって、大切な子だから」
京介「……」
桐乃「今更、こんなこと言うのも都合いいかもって感じだケド」
639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/21(木) 02:39:22.85 ID:KXdZxzyh0
桐乃「すごく……辛かったケド、あんたとあやせにはしあわせになって欲しいし」
桐乃「だから、電話して……謝った。あやせはすぐ許してくれて」
京介「(あやせは……なにを考えてるんだ? 桐乃と絶交したかったんじゃないのか?)」
桐乃「だから、あやせのこと……泣かせたら許さないから」
京介「待て桐乃っ、お前は騙されてる!」
桐乃「はぁ?」
京介「あやせはお前のこと嫌ってて――
説明中
京介「ってわけなんだ」
桐乃「……」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:43:16.67 ID:KXdZxzyh0
京介「いや、ショックなのはわかる……俺もショックだった」
桐乃「あんた、そのまま、あやせを帰らせたの?」
京介「え? ああ」
桐乃「馬鹿じゃないの! あんた!」
京介「え? ば、馬鹿って」
桐乃「あんた、あやせの恋人の癖になにやってんの!」ゲジッ
京介「痛っ! い、いや、あのな、さっきも言ったがあやせは――」
桐乃「あんた、自分の恋人も信じられないの!? そんなの全部嘘に決まってんじゃん!」
京介「嘘?」
649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:52:12.61 ID:KXdZxzyh0
あやせ「……これで、いいんだよね」
あやせ「……」
――前日の夜
あやせ「ん? 電話?」
あやせ「き、桐乃!?」
あやせ「は、はやく出ないと!」ピッ
あやせ「は、はい、もしもしっ」
桐乃『……』
あやせ「き、桐乃?」
桐乃『……ごめん』
あやせ「え?」
桐乃『ごめん、あたし、身勝手だった……』
あやせ「き、桐乃?」
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 02:58:58.49 ID:KXdZxzyh0
桐乃『あたし、自分のことばっかりで……新垣さんや――』
あやせ「……っ」
桐乃『兄貴のこと、全然考えてなかった』
あやせ「……桐乃」
桐乃『最低だよね……あたし』
あやせ「そ、そんなことないよ……桐乃はなんでも出来て、優しくて、わたしの親……いい人だし」
桐乃『……兄貴と話してきた』
あやせ「お、お兄さんと?」
桐乃『……うん、兄貴はあやせのこと好きだよ』
あやせ「……」
桐乃『あいつならきっとあんたを大切にしてくれる』
あやせ「……桐乃」
桐乃『だから、だからね……兄貴と幸せになって?』
651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 03:05:16.36 ID:KXdZxzyh0
あやせ「桐乃っ」
桐乃『それが妹のあたしからの兄貴と付き合う条件』
あやせ「でも……」
桐乃『あと、もうひとつ、これは条件じゃなくて……お願い』
あやせ「お願い……?」
桐乃『さっきからずっと身勝手なことばっかり言ってるケド、これが最後の身勝手だから』
あやせ「……」
桐乃『もう一度……あやせって呼んでいい?』
655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 03:19:24.08 ID:KXdZxzyh0
翌日
あやせ「(わたしは桐乃を悲しませたくて、こんなことをしたんじゃない)」
あやせ「(……桐乃の幸せは、お兄さんと結ばれることなんだよね)」
あやせ「(嘘は……大嫌いなのに)」
京介「あやせー」
あやせ「(きた)」
京介「待ったか? すまん」
あやせ「いえ、全然、待ってませんよ」
――
あやせ「あっ!」
京介「どうした?」
あやせ「学校にプリント忘れちゃったみたいです……」
あやせ「(一旦、お兄さんを引き離そう)」
658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 03:27:15.27 ID:KXdZxzyh0
――
あやせ「やっと、行ってくれた……後は、メールして呼びだして」
あやせ「わたしが……仕組んだことだって」
あやせ「え!? お、お兄さん!(これじゃあ、計画が……)」
あやせ「(木陰にかくれた……これなら、計画通り行ける……?)」
あやせ「ぷっ」
――
あやせ「お兄さんに……嫌われただろうな」
あやせ「そりゃあ、そうだよね……あんなこと言って、嫌われないはず……無いよね」グスッ
あやせ「もっと、うまくできなかったのかなぁ……わたし」
あやせ「お兄さんへの気持ち……本当だったのに」
666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 04:00:11.92 ID:KXdZxzyh0
あやせ「電話……桐乃からだ」
あやせ「お兄さんから聞いてるだろうな……桐乃からも嫌われるのかな」
あやせ「はい」
桐乃『あやせ!? あんた、今、どこ!?」
あやせ「公園かな」
桐乃『そこ動かないで!』
あやせ「きり――」
あやせ「切られた」
――
桐乃「あやせー!」
あやせ「桐乃」
京介「あやせ!」
あやせ「お、お兄さん!?」
669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 04:09:11.34 ID:KXdZxzyh0
京介「す、すまん! あやせ! 俺、なんにも知らなくて!」
あやせ「な、なに言ってるんですか? わたしは、もうお兄さんとは」
桐乃「……あやせ」
あやせ「桐乃……ど、どうせ、お兄さんから聞いてるんでしょ?」
桐乃「……うん、聞いた」
あやせ「そ、そう……そうだよ? わたしはずっと桐乃のこと大嫌いだった」
あやせ「勉強も運動もなんでも出来て、いつも自信満々で、素直になれなくて……そんな桐乃が嫌――」パンッ
桐乃「あたし言ったよね? 兄貴と幸せになってて」
あやせ「な、なに言ってるの桐乃!? お兄さんから聞いたんでしょ!?」
671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 04:16:46.55 ID:KXdZxzyh0
桐乃「聞いた」
あやせ「なら!」
桐乃「そんなの嘘だってわかるに決まってんでしょ?」
あやせ「……嘘なんかじゃ」
桐乃「もう、いいんだよ、あやせ……嘘つかなくても」
あやせ「……っ」
京介「あやせ……すまん、俺、気付いてやれなくて」
あやせ「なんで……なんでお兄さん連れてくるの!? 桐乃!」
桐乃「……」
あやせ「あのまま、騙されてれば、お兄さんとうまくいったかもしれないのに!」
桐乃「うまくいかないよ……」
あやせ「……なんで? わからないじゃない!」
桐乃「だって、こいつ、あんたにベタ惚れだもん」
京介「……」
675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 04:24:32.86 ID:KXdZxzyh0
桐乃「あんたに振られて、こいつ、玄関でめそめそ泣いててさ……ちょっと笑える」
あやせ「え……」
京介「き、桐乃」
桐乃「だから、あたしじゃ駄目なんだよ、ね? 兄貴」
京介「……ああ、俺はあやせが好きだ」
桐乃「悔しいけど……こんな感じだし」
あやせ「そ、そんなの!」
桐乃「こいつの幸せはあんたと恋人になることなんだよ、あやせ」
桐乃「あたしも兄貴の幸せを望んでる」
あやせ「……桐乃」
676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/07/21(木) 04:25:36.66 ID:KXdZxzyh0
京介「あやせ……俺はお前のことが好きだ」
京介「いや、大好きだあああああああああ!」
あやせ「っ」
京介「だから……俺と付き合ってくれ」
あやせ「……ぁ」
桐乃「ほら、あやせ」
あやせ「……は、はい、お願いします」
お わ り
最終更新:2011年07月21日 16:55