Trisection


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846 : ◆36m41V4qpU [sage]:2011/10/19(水) 22:58:53.56 ID:X8LsYYc60

Trisection




土曜日午後三時、ホテルにて


「あ、あんたが本当に連れ込むとは思ってなかった…」

「俺はいつでも本気だし、俺がおまえに嘘ついた事あったか?」


「はぁ!?あたしに誰とも付き合わないとか言って…あの人と付き合ってるじゃん!
だからもう、あんたの事とか絶対に信用出来ないしぃ、したくもないから!」


「じゃぁ何で俺がデートに誘ったら、ノコノコついてきた?」

「それはあんたが滅茶苦茶お願いして土下座とかしたから…。
そ、それにさ…拒否したらもう絶交とか言うしさ…酷くない?」


「俺が本当に可愛い妹と絶交したいとおまえは思ってるのかよ!
逆にそれを酷いとか言われる方が傷つくわ」


「意味分かんない…あ、あたしがどんな気持ちでここにいるのか分かってんの?
どっちが傷ついたと思ってんの!」


「……………それだけ必死だったんだよ。
別におまえの事とかどうでもイイならこんな言い合いしねえよ。
おまえとゆっくり話したかったから無理やりでも話す機会を作ったのにさ」

「………」

「おまえがどんなに俺を嫌ったり、嘘つき呼ばわりしてもイイけどさ…。
俺が必死な事だけは分かって欲しい、じゃないともう何も話す意味なくなるからさ、
な?」


「………分かった。京介があたしの為に必死なのは。
でもじゃぁどうして…どうして?」

「やっと、名前で呼んでくれたな、桐乃。
何かずっと"あんた"呼ばわりされてると暗い気持ちになっちまうよ」


「あたしだって普通に呼びたかったのに…あん(た)、京介が裏切ったから…
あたしの気持ちを無視して、、踏みにじって!それに聞いてることに答えてよ!
何で?どうしてかちゃんと言ってみなさいよ!言えるものなら!!」


「やっぱ言いたくない。今、何言っても怒りそうだし、怒らせて
桐乃から嫌われるのは絶対イヤだから」


「い、言ってみないと分からないでしょ?あたしも京介から
ちゃんと聞かないと絶対に納得出来ないしぃ…だから」


「大事に思ってるおまえに、大切と思ってる桐乃に嫌われたくない!」


「わ、分かった…何を言われてもあたしは京介を嫌いにならないから、、、
だから…ちゃんとさぁ、教えて…ねぇ?」


「キッカケはあっちからだけど、告白したのは俺の方からなんだ…多分もう断る
なんてこと自体考えなかったんだと思う。その事は本当に悪いと思ってる…」


「は?な、何それ!結局…あんたはあたしよりもあの人の方が好きって事でしょ?!
大切とか大事とか言っても…………やっぱりもう話す意味なんてないじゃん…
もうあんたとは絶交する、もう帰るから、、手離してよ!!!!!」


「結局、桐乃はその程度でしか俺の事を考えてなかったんだ?
嫌いにならないって言って一秒後には絶交するとか言うなら、そういう事だよな」

「…そ、それは」

「だけど俺は違う。桐乃が俺をその程度にしか思って無くても、
桐乃が絶交するって言っても俺は絶対に絶交したくないし、させない!」


「………あたしもしたくないよ、絶対に…もう。
京介とあんな風になるのはイヤに決まってる…でしょ、でも、でも…」


「二人共同じ気持ちなのに、離れ離れにならないといけないのかよ?
違うだろ…桐乃」


「…京介はあたしよりもあの人が大事なんでしょ、あの人を優先するんでしょ?
もう…もう分からない…悲しいよ、、京介、、どうしたらイイの?」


「桐乃に嘘はつきたくないから正直に言うけど、確かに俺は麻奈実を愛してる。
でも俺は桐乃、、おまえも妹として同じくらい愛してる」


「結局、京介はあたしの事を"妹"としてしか見てくれないんだ…ね、、
あたしの気持ちは絶対に分かってくれない…ん…だよね……」


「覚悟ないなら、おまえを理解してないなら、中途半端な気持ちでおまえに
こんな話したり、ホテルに連れ込んだりは出来ないぜ」


「…あ、あんた…やっぱり狡いよね。彼女いる癖にさ。
裏切られたのにあたしがそう言われてやっぱりどうなるか、分かってる癖に…
でも、あの人とはキス出来とかても…妹とは……」


「出来ないと思うか?ほら、こいよ…桐乃」


「ほ、本気?」


「ああ、言っただろ、中途半端な気持ちじゃないって。
桐乃が納得するなら俺は何でもするつもりだぜ」


「ほ、ほんとうにホント?」  「だからこっちに来ってば!」


「…………………ふ、ふ~ん…わ、分かった。でも今はイイ。
初めてなのに…なのに喧嘩してるみたいな時はムード最悪だしさ、ヤダ……」


「そっか…まぁおまえがそう言うならしょうがないな。
なら一緒に風呂でも入るか?」


「もう!ちょ、調子に乗っちゃって…ふ、ふざけんな!
で、でもさ…キス出来ないと…す、少しは残念に思った?
ってかさ…き、京介はどれくらい、、あたしの事好き…なの?」


「俺は幼馴染みの可愛い彼女がいるのに、"妹"のおまえとキスできるくらい」


「あの人の話はヤダ…そ、そういう所デリカシー無さ過ぎ」


「ご、ごめん。そうだな。おまえ妹系のエロゲーとかアニメ好きだよな」


「え?、、う、うん…ってかあたしの聞いてること…ちゃんと教えてよ」


「だから、おまえがエロゲーして、そのゲームに萌えてるなら、
俺はその分プラスしておまえに萌えると言うか、言ってる意味難しいか?」

「う…ん、でも何となく分かるかも…」


「オタクの桐乃も、モデルの桐乃も、陸上してる桐乃も、不機嫌な桐乃も
全部、全部俺は愛しい…それを魅力的だと俺は思えるんだ」


「あ、あたしの全部好きなんだ…。き、嫌いな所とか…ない?
京介にもっと好きになって貰いたいから…何でも言って!
逆に隠したら怒るかんね!」


「…………キス拒否るところとか、風呂も入ってくれないところとか」


「ま、マジ?」


「うそうそ…はは、本当にねぇよ…。まぁでもこれは嫌いな所じゃないけど、
将来彼氏とか作られたらそりゃ、、ショックだろうな」


「何かさぁ、あんたって相当の超鬼畜だよね…じ、自分はさ…
あ~もうこの話したくないのにぃ…もうバカ!」


「でも、俺は俺より良い男ならショックだけどおまえが
誰かと付き合っても反対はしないぜ、多分」


「……段々腹立ってきたんですけど?
あ、あんたあたしをからかってないでしょうね!」


「おまえが大切だから、おまえには幸せになって欲しいんだよ。
これは真面目な話、でもおまえへの気持ちは変わらねぇよ」

「……それは…さぁ」


「例えば、桐乃と俺がちゃんと付き合って、愛し合って子供作るとするじゃん?」

「え、、、、あ…………うん」


「仮に兄妹が生まれたとして、もし妹が俺を好きとか言ったり、
お兄ちゃんがママを好きとか言われたらどうする?
もしくは俺らの子供が兄妹で愛し合っちゃったら?」



「だ、駄目だよね…それは、あたしでも流石に駄目な気がする」



「現実はさ、現実の事実として、それがこの世界のルールなんだよ。
それでも俺の心の中には桐乃がいる、それも真実なんだ。
色々考えてると大変だなって思うからさ。
桐乃を俺みたいに悩ませたくなかったから、、ずっとおまえには言えなかった。
もう遅いかも知れないが一応俺の気持ちは伝えたぜ、、伝わったよな?」


「わ、分かった……中途半端はイヤなんだよね。あたしの事を真剣に
考えてくれてるんだ、、それだけ本気ってこと…でしょ?」


「ああ、男の責任あるしな、ついでに兄としての責任も俺にはある」


「た、多分さ…今の話をあの人と付き合ってない状態で言ってくれたら、、
あたしも覚悟出来てたかもしんないけど。あ、あんたは…あの人ことだって
す、凄く大切なんでしょ…?」


「麻奈実は俺の理想なんだ。顔も性格も全部、だから今の関係になったのも当然、、
運命と言うかさ、これもずっと前から分かってた事なのかも知れないけどな」


「あっ、そぉ!だ、だけどさあ、あたしがキスしようとしても…
そ、それ以上の事でも京介は全部受け入れるんでしょ?!!」

「もちろん」


「じゃぁ…そうなったらどうすんの?男の責任とか言ってさ!」


「そりゃ、その時になって考えるさ」


「そ、そんな余裕かましてると、あたし意地悪したくなるかもよ?
ほら、ほら…ほんとに良いのぉ?あ、あたしに勇気がないと思ってんの!!!」


「桐乃…………おまえ……?」


「…ほ、ほんとうに…あたしがする勇気、、ないと、思ってん…の………」


「ほら、こうやって…………」


「きゃ…な、に、、、い、いきなり」


「……………ほらこうやれば、少しは勇気が出たか?」

「………」

「なら、おまえが勇気が出るまで、ずっとこうしててやるよ」


「ねぇ…もっとギュっとして…もっと強く…お願い…」


「ああ」


「き、京介はあたしと…したいの?」


「したいって言ったら?」


「……………し、してもイイよ、もうルールとかどうでも良いしぃ…
京介がしたい事…ぜんぶ、あたしも…し、したい…」



「そっか………分かった」


「う……ん…」


「………」  「…………?」  「………」  「…………ねぇ?」


「なんだよ?」


「…ど、どうしたの?」


「俺はずっとこうしておまえと抱き合っていたいからさ、そうしてる」

「そう………わ、わかったぁ…」



「あの日、人生相談された時から考えると、おまえとホテルで
こんな風になるなんて想像出来なかったなぁ…すげぇ不思議な気分だ」


「あたしとこうなった事、、後悔…してる?」

「………滅茶苦茶、後悔してる」



「そ、そか…やっぱそうだよね…あたし達…兄妹だ、、もんね……」


「ちげぇよ。何でもっと早くこうしなかったのかって。
思いっきり抱きしめて、桐乃は俺にとって特別だって言えば良かったんだ」


「…うう…………う……ん」


「桐乃ごめんな…俺、甲斐性無しだったわ、実は俺が一番分かってなかった…」



「あ………お、お化粧…崩れ…た…から…今、顔見ちゃイヤ……だ、ダメ…」


「俺は眼を閉じてるから、、これなら良いか?」


「………あ、ありが、、と」


「別に…俺らの関係に"彼氏"とか"彼女"なんて名前や意味なんて
最初から必要ないし、、これからだって全然必要無かったんだ」


「京介の彼女は、あ(の人)麻奈実さんだもんね…あたしは単なる妹だしぃさぁ
ねぇ…お兄ちゃん、、」


「本当にそれだけかどうか…それは自分で分かるんじゃないのか?
それともまだ分からないのか?」



「………………わ、わかってる、、しぃ、、意地悪、言いたかっただけ!」


「何だかいつものおまえらしくなってきた……ちょっとだけ安心した」



「ま、まだ眼を開けちゃダメ!!」


「…へいへい」


   「チュ」


「それで…………良かったのか?」 


「うん………ちょっぴり残念だった?も、もっと期待…してた?」


「さぁな」  「!(怒)」  「痛いな…つねるなよ(汗)」  「♪」 



「結局…同じ場所かよ」


「ねぇねぇ、京介は、あの(人)…麻奈実さんが居ても、、あ、あたしが望んだら
またこうやって抱きしめてくれる?」



「桐乃が望むならそうする」


「………信じて…いいの、、?ぜったいのゼッタイ?」


「いや全然違う、俺がそうしたいんだ、だからそうする」


「う……うん、わ、わかった…京介を信じる、、、
じゃぁ…さぁ、、ねぇ…ひとつだけ約束、、、して欲しい事がある」


「俺もあるけど、桐乃が先に言ってくれ」


「毎日一回でイイからこうやって抱っこして、京介に好きって言って欲しい…
もうそれ以上は望まないから、、だからそれがあたしの…お願い、、だ、だめ?」


「2回言うよ。だから桐乃も俺に好きって言ってくれ…それでイイか?」


「……わかった、、ねぇ…今日の分はまだしてくれない…の?」



「さっきおまえの全部愛しいって言ったけど、不機嫌なおまえも魅力的って
言ったけど、やっぱ今のおまえの顔が一番可愛いな」


「ちょっと…な、なんで眼開けてるのぉ…もう」


………この会話で一番恐ろしいのは、本当は俺でも桐乃でもない。
"妹"は恐ろしいが、それは実は"彼女"の比では…全然ない。


日曜日午後一時、麻奈実の部屋にて

「きょうちゃん、きょうちゃん、ちゃんと桐乃ちゃんと仲直り出来たかな?」


「ああ…と言うか報告する前から笑顔って最初から全部お見通しだったのか?」


「えへへ…内緒。でも仲直り出来て本当良かったねぇ、ふふ。
桐乃ちゃんはきょうちゃんが居ないと駄目だもんね。
わたしもきょうちゃん居ないとダメだもん…だ、だから桐乃ちゃんの
気持ちはきょうちゃんよりも分かってるつもり…なんだ」




「今日、三人で飯でも食いに行くか…桐乃がおまえに話があるらしい」


「う、うん!わたしも桐乃ちゃんとお話したい事たくさんあるんだぁ!
だから凄く楽しみ…だよぉ~」


「麻奈実…本当にいつも有り難うな、そして本当にごめん」


「ううん…きょうちゃんもわたしが居ないとダメって分かってるからね!
前にわたし言ったよね…きょうちゃんとお付き合いしたり、お嫁さんになる
女の子は絶対に苦労するって。
だから覚悟した上できょうちゃんと付き合ってるの!」


「お、おまえ……やっぱ俺の可愛い幼馴染みだな、、ま~麻・奈・実!!」


「はあ~~きょうちゃんって甘えん坊さんなだけじゃなくて、、ほんと、
えっちぃだねぇ、、ぷーもうしょうがないなぁ…ほらおいで…」


「おまえと付き合えて良かったよ…ぶっちゃけ俺には過ぎた彼女だ」


「そ、そんなことないよ!わたしも、、今凄く幸せだもん。
でも、あともう少しだけ頼りがいがあって、男らしくなって欲しいかなぁ、、
えっちぃなコトだけじゃなくてね、うふふ」


「う、うん…俺、頑張る…頑張らないと…麻奈実の彼氏の資格ないもんな」


「頑張って…きょうちゃん、、わたし期待してるよ」



何故、桐乃が髪を染め、モデルになり、陸上をやっているのか?
本当は"誰"の為に必死に…取り憑かれたように頑張っていたのか?
どうして兄である俺にあれだけ執着するのか?
ちゃんと過去を清算出来なかったのだから、今そのツケを払うしかない…。

麻奈実…おまえは本当にすげぇよ…。

おまえがもし俺の立場だったら、もっとスマートに波風立てずに
全てを丸く収めたんだろうけどさ。
もし俺が麻奈実だったら…どう考えても悲劇しか思い浮かばない。

いや…今だっておそらく、この歪で危険な三角形のバランスがギリギリ
保たれているのは麻奈実のお陰なのだ。

桐乃と俺、もう一つの三角形の頂点はもしかしたら黒猫だったのかも知れないが、
俺は自ら麻奈実を選んだ。その後に起きた色々な事に後悔してもしょうがない。
起きてしまった事はもう起きてしまったのだ。


こんな情けない俺でも無様に足掻いて何かの予兆が起きる、その時まで
……最後までやり通すしかない。

それは俺の大切な桐乃の為であり、それが俺が愛している麻奈実の為なのだ。

もう俺のせいで誰かを傷つけるわけにはいかないのだから…。






(私説)俺の妹がこんなに可愛いわけがない

麻奈実ルート  いささかバットなノーマル・エンド
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