赤ずきんちゃん(過去編)


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◆36m41V4qpU [sage]:2011/12/07(水) 06:10:57.91 ID:7lnMostn0

    赤ずきんちゃん(過去編)



    「いちにぃ……ついてぇ……よぉ~~い、ど~ん」

    僕は必死に走った、今日こそ、ぜったいに勝つんだ。
    途中まで良い勝負だったと思う、だって目の前の先には手を振っている
    キリちゃんだけしか見えなかったからさ。

    だけど………最後の10メートルくらいになっちゃうと、いつもみたく…僕の目の前に
    時計の振り子の様なぽにーてーる(これの呼び方はこの前教えて貰ったんだ)
    が見える(その振り子がクルクル早く回るんだ)
    必死に走ったけど、やっぱり、最後は、ぜんぜん追いつけなかった……。

    ちょっと遅れてゴールした僕にちょっぴり息をきらせながら(でもぜんぜん余裕のある)
    笑顔の女の子が近づいてくる。

    「はぁはぁ……惜しかったね?きょうちゃん。あたし、もうちょっと負けそうだったな。
    超ヤバイかった」

    このぽにーてーるの女の子は僕のダチのまーちゃん。女なのにクラスで一番足が速いんだ。
    それに、髪が長くってさ、顔とかも……………まぁそれは良いんだ

    「ぜぇぜぇ……はぁはぁ……ちぇ………嘘つけよ!ぜんぜんまーちゃん余裕じゃん、
    あ~女に負けるとか格好悪りぃなあ」

    「なら、もう一回やってもいいよ、、あたしは何度も挑戦受けてあげて良いよ?」

    「上等じゃん、こうなったら、ぜってぇ勝つまで何度でもやって………」

    って言って気づいた、キリちゃんがこっちを見てモジモジしてるぞ


    「あ~やっぱ今日は良いや、また明日な、まーちゃん!ほら、キリちゃん帰ろうっか?」

    と言って、キリちゃんの手を取る、キリちゃんは何も言わないけど肯いた。
    キリちゃんは僕の妹なんだけど、けっこう恥ずかしがり屋なんだ。
    でもまーちゃんと遊ぶ様になって、、けっこう時間経ってる気がするんだけどなあ

    「わかった。じゃぁきょうちゃんも、キリちゃんもまた遊ぼう、また明日ね」

    まーちゃんはずっと手を振ってくれたけど、僕もキリちゃんと手を繋いでない方の手で
    手を振ったけど、キリちゃんは関係無さそうにトボトボ歩いてた。

    「ねぇ………キリちゃんさ、ちゃんと挨拶しないとダメだぞお、わかった?」

    と言われて、キリちゃんは振り返ると一応軽く手を振ってた。
    僕はよくやったって意味で、、キリちゃんの頭をよしよしと撫でてあげた。
    これをやると、キリちゃんが喜ぶんだ

    たぶん、僕がお母さんに怒られた時だか褒められた時に、いやぜったいに怒られた時だな
    (いっつも怒られてるから、だいたいそうなんだ)に反省したら
    良い子と言って頭を撫でて貰って、それの真似したのが始まりなんだな、たぶん

    キリちゃんは素直だから、ちょっと大人しすぎだけど、良い子だからお母さんには
    あんまり怒られない。
    でも頭は撫でて欲しいみたいだから、僕が代わりに撫でてるんだ。

    でもだけど、、変だけど、ふつうに頭撫でてもダメなんだ。
    こういう時に、最後に頭撫でると嬉しいみたい。女心はとっても難しい(な)んだ。
    でもキリちゃんが嬉しいと、僕も嬉しいからいつもやってるんだな

    ずっと黙って歩いて帰ってたけど、ときどきキリちゃんが
    「きょう兄ちゃん」って言うから、僕が「何?キリちゃん」って言うけど。
    何にも言わないから、逆に僕が「キリちゃん」って言って、「なに、きょう兄ちゃん?」
    って言って、黙ってたら二人共笑い出した。

    ほっぺを赤くさせてキリちゃんが笑い出すと、やっぱり、僕は何だか嬉しくなるんだ
    まーちゃんとか、他の友達の前でももっと笑ってくれたら良いとか思ってるんだけど
    でも、二人の時はいっつも笑ってくれるから、、いいっか

    昨日も、手を繋いで帰ったし、今日も帰るし、明日もそうだし………(そ)したら、
    僕はいつか、、まーちゃんに駈けっこで勝てるし、キリちゃんもまーちゃんの
    前で笑えるって気がするから、、まぁ………これで、、いいっか

    家に帰ってご飯食べて、風呂入って、やっと寝ようとした時にキリちゃんが枕を持って
    僕の部屋に入ってきた。
    ちょっと前まで一緒の部屋だったんだけど、最近、べつべつの部屋になったんだ。
    僕は一人部屋で嬉しかったんだけど、キリちゃんは違うみたいなんだな

    「きょう兄ちゃん、、いっしょにねる」

    「キリちゃん部屋がべつべつになったから、ダメだよ、、わ(かった)」

    と言いかけたけど、キリちゃんが、ほっぺを膨らませて、目に涙を溜めながら
    泣きそうな顔になったので、最後まで言わなかった。
    この顔をされちゃうと、僕はどうにも弱いんだ
    何て言うのかな、心がドキドキして焦っちゃって、訳が分からなくなって不安になって
    ようするに、僕まで泣きたくなってきちゃうわけなんだ

    駈けっこでまーちゃん(女の子だ)に負けるだけでも、男のぷらいどが許さないのに
    男の僕が泣くのはもっと格好悪い気がするん(の)だな

    言い忘れたけど、お父さんにはよく"男なら○○"って言われる。
    別にそれだけじゃないとは思うんだけど、とにかくキリちゃんが泣くのだけは
    ぜったいにダメな気がするんだよ(もちろん僕が泣きそうになるのもね)

    「あーあ~~分かったよお。でもお母さんに見つかると困るから。眠くなるまで
    で良いかなあ?」

    そうなんだ、お母さんは、、逆に約束を守れないとすごく怒るんだ。
    ここが難しいところで、キリちゃんが嫌いなピーマンを僕がこっそり食べてあげた時、
    お父さんには、どうやら僕が"男らしく"キリちゃんの為にやった事だから、あんまり
    怒られなかったんだ(普段はすげぇ怖いんだけどね)けど………

    でもお母さんは怒って、怒って、本当に怖かった。
    だから、キリちゃんが泣くのは嫌だけど、お母さんに怒られるのも嫌………
    あ~あ、キリちゃんのお兄ちゃんは、、これで、、けっこう、大変なんだ

    「わかったぁ……おはなし、してほしい。きょう兄ちゃんのおはなし、がいい」
    とキリちゃんは言った。

    お話と言うのは僕が適当に考えた作り話のことなんだ。
    桃太郎が赤ずきんちゃんと結婚したり、、金太郎がシンデレラと結婚したり
    浦島太郎が白雪姫と結婚したりする話で……何故かキリちゃんのお気に入りになっている。

    半分は冗談で言ってたんだけど、あんまり、キリちゃんに悲しい(な)話
    (途中だけ悲しくて、最後はめでたし、めでたしになっても)
    を聞かせるのは嫌だったから
    (キリちゃんはずっと入院とかしてたからな)
    ずっと楽しい話ばっかり作って話した。

    キリちゃんの中では、狼さんはとても気の良い奴だし、鬼も良い人になっちゃってるのだ。
    まぁでもキリちゃんが楽しそうだから、それでもいいんだ、たぶん


    「それで桃太郎と赤ずきんちゃんは、狼さんの紹介で鬼ヶ島に新婚旅行に………」

    キリちゃんが目を輝かせて、まんまるほっぺも真っ赤になってるぞ

    「…………………それからぁ?」

    キリちゃんがあんまり可愛らしかったので、途中から自分の話の中の"赤ずきんちゃん"
    をキリちゃんと思いながら、お話を続けた


    「ってことで……………みんな笑顔でくらしましたとさ、めでたし、めでたし」

    まぁずっ~~と、めでたし めでたし なわけだけど………ね


    「あれ?キリちゃん、、寝ちゃったかあ?」

    「………………」

    「ほんとのホントに、寝ちゃったの?」


    「………………」って黙ってたけど、頭をうん、うんってしてた。

    まったく、もうっキリちゃんは………あ~あ、明日ぜったいに怒られるぞ、、、

    でもけっきょく

    「ほら、、寒くないようにちゃんと、お布団に入ってね」

    キリちゃんのこの顔を見ちゃうとな、、、
    だから怒られても、まぁいいっか…………


    「うん、、おやすみなさぁい、、、お兄ちゃん」

    病院のベットに寝てるキリちゃんよりも
    僕のベットで、隣に寝てるくれるキリちゃんの方が100億マン倍嬉しいから………


    「おやすみ、、キリちゃん」 

    赤ずきんちゃんに、優しくする、親切な狼さんみたいな気分っていうのかなあ?
    同じお布団で寝るけど、別に食べちゃわないで、こうやって……ただ暖めてあげてさ


    キリちゃんがお話の中だけじゃなくても、"めでたし"、"めでたし"になる様に、、、


    だから、どんなに怒られても、妹の為ならぜんぜん、へっちゃらなんだよ、、、
    、、、、僕はね





    おわり
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