俺がモデルになれるわけがない!!3


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「急げ!!」
そう言って俺は黒猫の手を思いっ切り引っ張った

よっぽど運動神経が悪いのか黒猫は一番遅れて俺の後をついてきている
だから黒猫には来て欲しく無かったんだ、ただでさえ危ないこの状態で俺が黒猫を守りながら走るのは辛い

「せ、先輩!、私の事はいいから先に行ってちょうだい!!」

息も切れ切れな状態で黒猫がそんな事を言うが俺は体内酸素を無駄遣いしたく無かったから無視して走り続ける

こんな状況で黒猫だけをおいてけって?、嫌に決まってんだろこの野郎。
ちなみに今の状況は後ろにババア共が30人程度と、左右に20人程度で挟まれている状況だ。


「京介さん、こちらですよ、ここまで来たら安全なので頑張って下さいね」
またもや余裕な顔でそう言うハンサム、ちきしょう、何故か無茶苦茶ムカつくんだけど!
っていうかあんた一応俺のマネージャー的存在なんだろ!?、ちゃんと守れやこの野郎!!

まぁそんな事を言っている余裕が俺にある筈も無く、俺はただ一言、「くそぉおおおおぉおお!!!!」と叫んで爆走したのだった




「ぜはぁぜはぁ」
ここはとある待合室、俺はいまさっきなんとか無事に入って息を整えている

どうにかならないのかこの状態は、毎回スタジオに入ろうとするたびにこれじゃ身がもたねぇ。

「うーん、そうですねぇ、じゃぁ今度からはバリケードでも張りましょうか」
何て事を今回も余裕で切り抜けたハンサム野郎が言い出した。
なんかもっとあるだろ?、テレビでやってた様に警備員みたいな奴らをつけるとか……

「っていうか何でババアばっかなの?、減らせねぇのかよ?」

「ふむ、それは前にも言った様に、実質的ファンの多さで言ったら若い方の方が多いんですけど、何故か熱烈的なファンはババ……ごほんっ、お婆様方が多いんですよね
減らす事は出来ると思いますけど多分減らす事は無いですね、ファンは多ければ多い程良いですから。グッズも売れるし、雑誌も売れるし、良い事ずくめですね」
「よく見ろ、この状況を。外のババア共を。あいつらは今も地球の酸素を無駄遣いしてモデルを追いかけて息を荒くして汗を流して温暖化を進めてるんだぞ?、何が良い事ずくめだこの野郎。地球と俺達の精神の為に是非ともあいつらを駆除しやがれ、いや、してください。」

この状況がどんなに危険か間髪入れずに説明する俺

「そうですね、また社長に相談してみましょう」
そう言ってニコッと笑うハンサムさん、やっぱあんたいい人だったんだな。ちなみに俺が考えている対策では初の18禁を考えている、18歳以下でないと買えないのだ。グッズを。
え?、そんなのは不可能だ?、黙れ、努力はきっと実を結ぶんだよこの野郎!。

「ふふっ、まぁとにかく今はこんな所で油を売ってる場合じゃないわ、はやく指定された服に着替えて撮影室に来てちょうだい」

俺が一人でガッツポーズをとっていると、女の人がいきなり話しかけてきた、前回ではカメラマンの女の人としか出て来ていない、宮 泉水(みや いずみ)さんだ。
何故か一人でクスクスと笑っている

「な、何で笑っているんですか?」
あまりにも笑っているので聞いてみる

「いやぁね、手を繋いで仲が良いのね、と思って。後ろの子達が嫉妬してるわよ?」

そう言われて慌てて手元を見ると、確かに言われたとおり握りっ放しにしていたようだ、黒猫の手を。
それに耳をすませてみると、さっきまでハンサムさんとの会話に夢中になってて聞こえなかったが、黒猫が何かを呟いていた

「そ、そ、そ、そ、そろそろ、は、放してくれないかしら」
「わ、悪い!」

俺がそう言って慌てて手を放すと少し黒猫は何故か少し不機嫌になった
頬をちょっと膨らましてそっぽを向いているのだ。
やっぱり最初無視していたのがよっぽど気に食わないらしい。

どうやって機嫌をとろうか考えていると、泉水さんが話しかけてくる
「ま、早く帰りたいなら、早く来てちょうだいね」

どんだけ笑うんだ、と突っ込みたくなるほど笑って去っていく泉水さん

なんだったんだ、一体。
ここに勤める人は不思議な人ばっかりなのか、ハンサムさんといい泉水さんといい、変態社長といい。

これも何とか改善してほしいところだな。

そんな事を思いながら、賛同を得んと「なぁ皆」と言って振り返ると、何故か凄い勢いで近づいてくる皆が居た

一発目
「ふんっっ!!」
桐乃が俺の首に向かってラリアットを決めた

凄い勢いで後頭部が地面にぶつかる俺

二発目
「えいっっっ!!」
ブリジットが天高くジャンプして俺を踏みつけて来た

胃の中を危うく吐き出しかける俺

三発目
「クソマネェェエエ!!」
加奈子が俺の髪を思い切り引っ張り頭を地面にぶつけた

脳味噌をシャッフルされて前後左右の位置が上手く掴めなくなった俺

四発目
「………死んでください」
あやせが俺の男の象徴に向かって足を踏みつけて来た

一瞬天国を見る俺

五発目
「ヌフフ、それでは拙者も便乗してちょいと一発」
俺は見た、沙織が振り上げた足を俺の顔に向かって振り下ろすのを。

着足してから鼻血が勢い良く流れ出す俺

六発目?
「し、しょうがないから先輩を私の魔力で治療してあ、あげるわ」
そう言って真っ赤になりながら俺に向かって顔近づけてくる黒猫、ちょ、おま、何する気?

「ち、ち、治療よ」


あ……やっぱり黒猫って綺麗な顔してんなぁ、なんて考えていると額に柔らかい感触を受けて鼻血の量が増す&気絶する俺
今なら言える気がするぜ、あの偉大な人の言葉を

わ、我が生涯に…一遍の……悔い無し。

「ふふ、お若いですねぇ、これでもマネージャーですし運んで差し上げるとしますか」

マネージャーとしての自覚があるならちゃんとその他諸々の仕事もしやがれこの野郎




        ・・・・




カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ

おいこら、文字数稼ぎはもう辞めやがれ
そうツッコみたくなるのを抑えて俺は今の状況を整理すべく重たい瞼を開いた

おぅ、黒猫、何で顔が赤いんだ?、調子が悪いならこんな所からは早くおさらばして家でゆっくりした方が良いぞ?

なんて考えていると泉水さんが俺が気がついた事に気付いたのか声を掛けてきた

「あら、遅いお目覚めね。まぁそのおかげで今こうして貴方のそんな格好を撮れてるんだけど」

何て事を言っている
格好?、俺は今日は学校の帰りに拉致られて来たから制服のはずだが?

何言ってるんだ?、と思いながら自分の体を見ると、そこには自分が想像した姿は無く
表を歩いてたら一発で警察行きにな様な姿の自分が居た

その格好は上半身は裸、下半身には何やらビリビリに破れた布が巻かれた様な格好だ

……な
「なんじゃこりゃぁあああぁぁああぁああぁああぁ!!!!??」

ひ、ひ、ひ、人が寝てる(気絶してる)間になんて事をしてくれんだ!?
こらじゃ殆ど真っ裸じゃねぇか!、俺に警察のお世話になれってか!?

「京介くん、はいピーズ!」
「YEEEEEI!!!」

……………………
「じゃねぇえよ!!!」

くそぅ、何だか泉水さんのペースに嵌りっぱなしだぜ
何とかしなければ…

ってか黒猫、そんなにガン見しないでくれ。超恥ずい。
「み、みみ、見てないわ!、そんな汚物!!」
おふぅ!!、俺、黒猫に何かしたっけか。何かいきなり俺の心を深く抉ってきたんだけど…。

俺が黒猫に何をしたか考えていると、何故か全く関係無い質問に行き着いた、どうでも良くない、かなり重要な問題だ。
これだけは確認しとかなければ……。俺の為に。

「あの………、俺の服脱がしたのって誰なんすか?」
「私よ!」

即答された。

「ついでに言うと他の皆も見てたわ!!」

そこまで聞くと俺の精神は完全に外界から遮断された、黒猫の「わ、私は何も見てないと言ったでしょう!!」という叫びがやけに遠くに聞こえる。
そうか、だからか、だから黒猫は『汚物』って言ってたのか……。

  納得。

「畜生!!」
俺が死ぬ時の遺書には絶対にこの事を書き込んでやる!、絶対に!!(大事な事だから二回言った)


「よぉし!、今度はもっと複雑な格好をしてみようか!。貴方が寝てるとできなくてさぁ!」
なんて事を言い出す泉水さん。
誰がやるかそんな事。

「更衣室はどこですか」

俺はそう言うと更衣室に向かって歩き始めた
「じゃぁ今度は最初に着て貰う予定だった奴でお願いねぇ!!」

はいはい、分かりましたよ根畜生

俺はそこで今日何度目か分からないため息をついたのだった。





所変わって更衣室
俺は指定された服を着て頭を悩ませていた、それは至ってシンプルで、本当にこんなのでいいのだろうか、と思ってしまう程だった

下のズボンはカーゴ色のダボッとした感じのジーンズで、上半身はそれに相反する様にピチッとしたシャツで斜めに一本チャックらしき物が縫ってある


ふむ、かなり地味な気がするんだが……、ま、俺よりもファッションセンスの良いプロの人が選んだんだ、間違いは無いだろう
俺はそう結論付けると、内心ビクビクしながら更衣室から出た

ふむ、やはり俺の感は的中してしまったらしい、それは何故かと言うと、俺が出て行った瞬間、何かと皆が俺の事を見てくるのだ
やはり地味過ぎたんだろうか、プロのブランクって奴か?

っていうか手前ら!、ジロジロ見すぎなんだよ、これは俺が選んだ服じゃねぇんだ!俺のセンスじゃねぇんだよ!


っおおぉ!桐乃!!、良い所に!頼むからこいつらをどうにかしてくれ!

何をしに来たのか、桐乃は撮影室を出た所に居た

「……?」

でも何やら様子がおかしい、顔を真っ赤にして何やらこっちを向きながら口をパクパクと金魚の様に開け閉めしている
最近は風邪でも流行っているんだろうか、黒猫といい加奈子といい桐乃といい

ふうぅ、病気なら休めばいいのに。なんでこう俺の周りには意地っ張りな奴が多いんだ。
とにかくどうにか説得して帰らせるとするか。

俺はそう心の中で意気込むと桐乃に向かって口を開いたのだった

「おい、桐乃?、調子悪いんだったら………」

俺がその続きを口にする事は無かった、何故なら桐乃が俺を思い切り殴り飛ばしてきたからだ「こ、こ、ここ、こっち来んなぁ!!」と言いながら。

吹き飛んで不時着する前に俺は思ったぜ もう絶対に誰も心配してやらん!! と。



「くそっ!、一秒でも早く終わらして帰ってやる!」
俺はそう決心すると、もう一度撮影室の扉を勢い良く開いたのだった。
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