俺がモデルになれるわけがない!! 4


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はぁ、暇だなー

私は何もする事が無くバタンと机に突っ伏した
ただパソコンの画面を見て好きなカップリングの小説を探すだけ
マウスのクリック音とキーボードの打鍵音、その二つの無機質な音が部屋にやけに大きく響く

早く兄貴帰ってこないかなーー

そんな考えが頭によぎるが自覚した瞬間、ちょっと頬を赤く染めて、頭を振ってその考えをかき消した
やがてパソコンも飽きて電源をおとした

コトンと音をたてて私は顔を机にピッタリとつける
机はひんやりしててとても気持ちが良かった
「気持ちいぃ」
思わずそんな声が漏れてしまう

なんかしなきゃ寝ちゃいそう………

閉じられそうになった瞼をムリヤリ開いて、何か気を紛らわせようと机に置かれていた白紙とペンを手に取った

なんか書くもん無いかな~

そう思って適当にペンを走らせる
紙の上には知らず知らずの内にこう書いてあった

『兄貴って私のこと好きなのかな?』

それを見た瞬間私の脳は一瞬フリーズしたかと思うとまた動き出し、混乱した

な、な、な、何書いてんの!?私!!

私はすぐに消しゴムを取り出し、書かれている事を消した。
消された頃には私は運動をした訳でもないのに肩で息をしていた

な、何動揺してんのよ!私!
そ、そう!きっと今さっきのは何かの間違いよ!、なんか兄貴っていう文字って書きやすいし、うん、きっとそれが理由に違いないわ!

ムリヤリそう決め付けると、私は頭を冷やそうと、リビングに行こうと部屋を出た
…だがそれが不味かったらしい。

私の家は自分の部屋からリビングに行くにはどうしても玄関の前を通らなくちゃならない、今回はそれが仇になった
私が部屋を出てリビングの扉にてを掛けると、狙い済ましたかのように兄貴が玄関を開けて入ってきたのだ
今さっきの事もあってか私の顔は一瞬で真っ赤になって、焦って兄貴のアソコに向かって思いっきり蹴りを入れてしまった

結果、兄貴は気絶して倒れて今私の前で寝ている
さすがにそのままほっとく事はできないのでリビングのソファに寝かす

「う……ん」

兄貴は最初の苦悶の表情が嘘のように静かに眠っていた
やっぱり……、以外とかっこいいよね、睫毛だって長いし、顔も意外と整っているし
私は思わず見惚れてしまった
その事に気ずく、すると私は兄貴の顔を憎らしげに見た
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)[sage saga]:2011/05/04(水) 09:35:00.62 ID:kvsZ2XH+0

なんでそんなに涼しげに寝てんのよ。
あんたは私の事どう思ってんのよ、なんで、そんなに優しいのよ、なんで……こんなに気になる様な事ばっかり言うのよ
そんな思いがどんどんこみ上げてきた

私はこいつの発言を思い返していた


『別に?おかしくないんじゃねぇ?』

『お前がどんな趣味もってようが、俺は絶対バカにしたりしねえよ』

『…………何も言うな。………………お前はよく頑張ったよ』


そんな、優しくて、ぶっきらぼうで、暖かい、そんな言葉を思い返していた

こんなに優しくされたら気になるに決まってるじゃない………。

「桐、乃………、今、度……は、なんだよー」

このシスコン兄貴は夢の中でも私の世話を焼いているらしい
なんかそれだけで全部がどうでもよくなった、なんか嬉しさが溢れてくる

「ふふ……、このシスコン、あ、に、き!」
私はそう言って兄貴の鼻をちょっとつついた

ったく、このシスコン兄貴
しょうがないからもうちょっとだけ世話になってあげる

私はちょっとずつ兄貴との距離を縮めていって………静かに兄貴のオデコにキスをした
「ちょっとだけサービス、今回だけ、うん………今回だけ」

そう静かに呟くと、私はこみ上げてくる笑みを隠すことが出来ずに自分の部屋に戻ったのだった



今も私の部屋にある紙にはこう書かれている

『ちょっとだけ……好き』

誰がとは書かれていない
だって書いて、ばれたら嫌でしょ?

あの…『兄貴』に。




「着替えて来ましたーー」

俺がそう言って話しかけると皆が一斉に俺の方に振り向いた
「…………」

皆ポカーンとして目を見開いている、その中で一人、泉水さんだけが俺の方を見て笑っていた
笑い声を上げる方じゃなく口端を上げる、よく悪人がやっているような笑いかただ。

チッ、何だよ、似合わねぇってか!?

「メイク師さん、ちょこっとやっちゃって下さい。薄めでお願いしますね」

泉水さんがそう言うと俺は数人がかりで何やら狭い部屋に連れて行かれた
何やら良い匂いがする、でも俺にとっちゃ嫌いな匂いだ。香水っぽい匂いは。

ちょっ、こらっ、やめろ、そんな物を俺に塗るな!

何やら青い入れ物を取り出したメイク師さんはそれを自分の手に振り掛けると、俺の服の内側に塗ってきたのだ。

っていうか香水って撮影に関係なくね?
「いやいや、撮影は精神からだっつの、なめてっと知らないよ?」
「うおっ!?」

その声を聞いた瞬間俺は体を跳ね上がらせた。

「い、いきなり話し掛けんじゃねぇよ、桐乃!!」

メイク師さんが無口なだけに余計にビクついちまったじゃねぇか。

「いいじゃん、話しかけるぐらい。第一先輩である私が直々に指導してあげてんだから感謝されても文句を言われる筋合いはないでしょ?」
「いや、そうなのか?」
「そうなの。ま、一応似合ってるしカッコいいんじゃない?、及第点ってとこかな」
似合ってても及第点かよ……。
手厳しいねぇ。

突然ですまないが
こんな妹だが時々思う事がある、こいつがもし妹じゃなかったら、とかだ
そんな環境だったら俺達の関係はどんな関係になっていたんだろうか?
恋人?、無いな、確実に。

友達?、これも無いな、絶対に喧嘩ばっかで話にもならないだろう。

俺の予想では悪友…かな?、ま、どっちにしろ俺は今とあんまり変わんないような気がするよ
多分そんな世界があっても結局はあいつの人生相談に乗ったり、あやせとの仲を取り持ったり、そんな事ばっかりの様な気がする
おっと、見過ぎたかな、桐乃も何か怒ってるっぽいし目を逸らさなければ。

そう思って目を逸らす俺。

「でも、やっぱり時々思っちまうな、お前が俺の妹じゃなかったらって」
「………え?」

あ、やべ。つい口に出しちまった。

「あ、あ、あ、あんた、な、何言って」

俺は真っ赤になっていく桐乃の顔を見ながら冷静に考えた、俺の精神は悟りを開いたのかもしれん。
取り合えず現状を整理してみよう

1、俺が口を滑らして「桐乃が妹じゃなかったら」と呟いてしまう

2、何故か真っ赤になる桐乃

ふむ、さっぱり分からん
っていうか何で桐乃は顔を赤くしてるんだ?
怒ってるのか?

そんな事を考えていると桐乃が再び喋りだした

「そ、そ、そ、それってもしかして……わ、私と結婚したいから?」
「待て、どうしてそんな結論になる?、色々段階をすっ飛ばしすぎだろうが」
お前の脳内はどうなっているんだ?どこかで宇宙人にでもさらわれてキャトルミューティレーションされたのか?
だが……、待てよ?、一旦こいつの立場になって考えてみよう
相手がいきなり見つめてきて?、目を逸らして行き成り「妹じゃなかったら」と言われてたら?

ふむ、別段変な所は無いな。
だが相手はあの桐乃だ、どうせあいつの事だ、こんな感じに違いない


「でも、やっぱり時々思っちまうな、お前が俺の妹じゃなかったらって」
              ↓
          妹エロゲー脳内変換
              ↓
    「妹じゃなかったら結婚できたのにな……」

うっわぁ、何か凄ぇ納得してしまった
よし分かったところで誤解を解かないと、後々絶対ややこしい事になるな
特にあやせになんかばれたら俺は明日の日の出を拝めなくなっちまう。

「いや待て、桐乃?、今さっきのはそういう意味じゃなくてだな」
「ちょ、兄貴、いきなりプロポーズはまずいって!、そういう事はもっと順序を守って」

話を聞けこの野郎

「わ、私的にはまずはお父さん達に認めてもらってからの方が」
「ちょっと待て!、段階をすっ飛ばし過ぎだ!!」

くそぅ、何なんだこの状況は、そりゃ俺も軽率な発言をしてしまったとは思うけども。
それにしてもこの状況は納得いかない、いくら何でも理不尽すぎるのではないだろうか。

俺がそんな風にこの現状を呪いながらどうやって打破するかを考えているとメイク師さんが話しかけてきた

「京介さん、出来ましたよ。イチャラブするのは撮影が終わった時にして下さいね」

無表情でそう言うメイク師さん
ん?、いや、よく見れば口端が2㎜程上がってる気がする。あまり自信は無いが。
笑っているのか?

まぁ良いか
俺はそう結論付けると勢いよく立ち上がって部屋の出口へと向かったのだった

「おい、桐乃、行くぞ」
「え!?、式場に!?」

勝手に行ってろ。




「…………あら、随分遅いお帰りね。妹と何やら口には出来ない事でもしてたのかしら?」

俺が狭い部屋の中から出てくると黒猫がそんな風に妙に嫌味っぽく行ってきた
俺もそれに乗る様にちょっと苦笑いしながら言い返してやった

「メイク師さんが居るあの狭い部屋で桐乃と俺がどうやったら口にも出来ない事を出来るか俺は是非とも知りたいね」
「ハ、ハ、ハ、ハレンチな!!、行き成り三人プレイなんて!!」

最早ツッコむまい。

「何にもねぇよ、さっさと終わらして帰って寝る。それだけだ」

そう言って俺は一箇所だけライトに照らされて明るくなっている、今日の撮影場所に向かって歩き出す
「ちょっと待ちなさい!、話は終わってないわ!!」

「ちょっと待てコラ!、クソマネのくせに私らの事忘れてただろ!、調子にノンなよ!?」

「拙者も影ながら見守っていますぞ?、京介氏のハーレムを」

「ねぇマネージャーさん?、今回の撮影私マネージャーさんの膝に座りたいなぁ!!、ずっと忘れられてたし!!!」

「ちょ、ちょっとブリジットちゃん!?、それはいくらブリジットちゃんでも許せないよ!?、今回兄貴は私を膝枕するんだから!!」

「………お兄さんは今回私を……ウフフ」

何て言葉を背に受けながら。
俺は今日の撮影場所に一歩、足を踏み出したのだった。





   ・・・・





拝啓、お父さん、カレーママ へ。


今現在、俺の周りは激しく様々な事が変わり、俺はモデルをしています。
皆はモデルは撮られているだけの簡単な仕事だと思っているかもしれませんが俺はこう思います、モデルで大変なのは交友関係だと。

今も俺は自分の軽はずみな発言を後悔しています、あぁ、日曜に夕飯?アクセサリー?、言うんじゃなかった。

そのおかげで俺はこいつらに財布男として連れてこられているんだから。
いくらこいつらが顔が良くても財布目的で呼ばれてもはっきり言って何にも嬉しくない、こいつらが全員俺のハーレムとかなら俺は地球一周旅行でも連れて行ってやる所存なんだが。
とにかく、俺の周りはこんな感じです

そちらはお変わりありませんか?、はい、無いですね、毎日会っていますから分かります。

ていうかこれ書いてるのも自分の部屋だから。


 ピンポーン


おっと、早速今日のお相手さんがやって来たらしい

俺は机にペンを放り出し玄関に向かった
続きはまた今度だな。

今日は確か加奈子に金をたかられる日だ。

そんな事を考えて鬱になりながら玄関に近づくと何やら外が騒がしい。

「クソマネェ!!まだかぁ!?」ウキウキ

ふむ、加奈子が叫んでたから騒がしかったのか。っていうか今日の加奈子は扉の向こうからでも分かるくらいウキウキしているらしい、どのくらいたかられるか分かったもんじゃねぇな

銀行カードも持っていくか。

「ま、今回でモデルがどんだけ稼げるか嫌というほど分かってるし、軍資金には困らないだろ。」

俺はそう呟くと玄関の鍵に手を掛けた





では、行って来ます。

俺の平凡な日々よ、さようなら。
俺の日常よ、さようなら。

まだ俺は何か嫌な予感がするんだが、まぁそん時はそん時って事で、それまでこの非凡な非日常を楽しむさ。



この時の俺は知らない、この後、麻奈実をも巻き込む事になるとか、約束していない奴にまでたかられる事とか、アメリカまで行って桐乃の『ライバル』に会うとか。
そんな事をまだ知らない。



俺は玄関の鍵を開けると、今回の軍資金の調達方法を考えながら扉を開いたのだった






        兄貴!!
        クソマネ!! 
        マネージャーさん!!
『おはよう!!、お兄さん!!     』
        京介氏!
        先輩! 





ふむ、でもまぁ、こいつらの為なら何とか頑張れそうな気がする。多分。
頑張ってみればいいさ。

とにかくそれもこれも今日を乗り切ってからだ。

「さて、この際何でお前らがいるかは聞くまい。とにかく、行くか?」


「「うん!」」


今日はどのくらい俺の財布は薄くなるのだろうか
こいつらみたいに金銭感覚が狂わない様に気をつけなきゃな。

とにかく行こうか、財布を薄くする旅へ。


拝啓、お父さん、カレーママ

今日も非日常へ

「行ってきます」
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